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努力のやり方を間違えている世界で、成長効率チートを授かりました ~現代知識で最短成長、凡人が無双するまで~  作者: 天城ハルト
第3章 騎士候補編

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第29話 役割は、拒めない

翌朝。


未開発区域の空は、曇っていた。

夜の瘴気が、まだ地表に残っている。


「……静かすぎるな」


ログスが、周囲を警戒する。


「ええ」


アレンは、地面に残る痕跡を見ていた。


「魔獣が」

「動きを変えています」


「昨日のやつの影響か?」


「その可能性が、高いです」


進行中。


隊列は、自然と

アレンを中心に組まれていた。


誰も、指示を求めてはいない。

だが、

判断を待っている。


(……固定化してきた)


アレンは、内心でそう認識する。


「止まります」


彼が言うと、

全員が即座に足を止めた。


「……理由は?」


セシリアが、低く尋ねる。


「この先」

「地形が、変わっています」


一拍。


「伏兵が置ける形です」


誰も、疑わなかった。


その瞬間。


背後から、爆ぜる音。


「――後ろ!」


ログスが、叫ぶ。


別の魔獣群。


挟撃。


「……ちっ」


セシリアが、剣を抜く。


「アレン!」


声が、重なる。


一瞬。


判断が、集中する。


(……全部、俺が決めている)


その事実が、

初めて重く感じられた。


(もし、間違えたら)


(全員が――)


「……分散」


アレンは、あえて一拍置いてから言った。


「二班に分けます」


「私が、前を押さえる」


セシリアが、即答する。


「ログス」

「後衛の盾役を」


「了解!」


「ミーナ」

「威嚇だけ、倒すな」


「分かった!」


「リィナ」

「回復は、私の合図で」


一つ一つ、確認する。


戦闘。


激しい。


だが、

崩れない。


数分後、

魔獣は撤退した。


「……終わったな」


ログスが、息を吐く。


だが、

アレンは黙っていた。


拳が、わずかに震えている。


「……アレン?」


リィナが、心配そうに声をかける。


「……すみません」


誰も、予想しなかった言葉。


「え?」


「今の判断」

「最適ではありませんでした」


沈黙。


「……何言ってるの」


ミーナが、困惑する。


「全員、生きてるよ?」


「ええ」


アレンは、頷く。


「ですが」

「運に助けられました」


「一歩、遅れれば」

「セシリアさんが、負傷していた」


セシリアが、目を見開く。


「……見えてたの?」


「はい」


正直だった。


「……だから?」


ログスが、静かに言う。


「だから何だってんだ」


「お前が判断しなきゃ」

「俺たちは、もっと酷い目にあってた」


「……それに」


一拍。


「迷うくらいで、ちょうどいい」


リィナが、そっと言った。


「……一人で、背負わないで」


アレンは、視線を上げる。


「判断するのは、あなたでも」

「生きるのは、みんな」


「……だから」


微笑む。


「一緒に、責任を持とう」


沈黙の後。


アレンは、深く息を吐いた。


「……ありがとうございます」


それだけ、言った。


高所。


リュシア・ノクティスは、

記録を止めていた。


(……迷う)


(それが、最大の評価点ね)


特記事項

指揮者としての自覚

判断遅延=思考深化

危険度:上昇

信頼度:極めて高


夜。


焚き火の前。


アレンは、空を見上げる。


(拒めない役割)


(でも)


(独りじゃない)


成長補正スキルが、

静かに変質する。


“速度”だけではない。

重さを受け止める方向へ。


役割は、拒めない。


だが。


背負い方は、選べる。


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