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努力のやり方を間違えている世界で、成長効率チートを授かりました ~現代知識で最短成長、凡人が無双するまで~  作者: 天城ハルト
第3章 騎士候補編

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第27話 特別研修、始動

特別研修の告知は、

派手ではなかった。


むしろ、

目立たないように配られた。


騎士候補科・特別研修

参加者:選抜数名

期間:不定

内容:非公開


それだけ。


「……これ、実質“呼び出し”だよな」


ログスが、紙を見ながら言う。


「ええ」


アレンは頷いた。


「ただし」

「命令ではありません」


「違い、あるか?」


「大きいです」


即答だった。


「断れますから」


ログスは、肩をすくめる。


「断る気は?」


「ありません」


集合場所は、

学園の外れにある小さな転送施設だった。


正式な門ではない。

王都騎士団の紋章も、出ていない。


「……本当に、非公式だな」


ミーナが、小声で言う。


「だからこそです」


アレンは、周囲を観察していた。


「これは」

「研修という名の観察です」


集められたのは、七名。


アレン・フィルド


ログス


ミーナ


リィナ


セシリア・フォン・アルトヴァイン


他二名(騎士候補科上位)


「……お前も来たか」


セシリアが、アレンを見る。


「はい」


「当然よね」


小さく、笑った。


そこへ。


見慣れない女性が歩み出る。


黒髪。

落ち着いた所作。

視線が、鋭い。


「改めまして」


静かな声。


「私は」

「特別研修の連絡役を務めます」


名乗った。


リュシア・ノクティス


「立場上」

「皆さんの詳細は、お話しできません」


一拍。


「ですが――」


視線が、アレンに止まる。


「あなたが中心になることだけは、確定事項です」


ざわり、と空気が揺れた。


「研修の目的は、三つ」


リュシアは、淡々と告げる。


「一つ」

「実戦適性の再確認」


「二つ」

「集団行動時の“判断者”の選定」


「三つ」


一拍。


「想定外が起きた時、誰が残るか」


ログスが、低く唸る。


「……要するに」

「生き残り試験か」


「ええ」


否定しない。


転送陣が、淡く光る。


「行き先は?」

「どこだ?」


誰かが聞く。


リュシアは、即答した。


「未開発区域です」


「地図も?」

「情報も?」


「ありません」


それだけで、

全員が理解した。


転送直前。


リィナが、アレンの袖を引く。


「……ねえ」


「はい」


「怖くない?」


アレンは、少し考えた。


「怖いです」


正直だった。


「でも」

「ここで逃げる方が、怖い」


リィナは、静かに頷いた。


転送。


視界が、白く染まる。


次の瞬間。


荒れた大地。

濃い瘴気。

遠くで、魔物の咆哮。


「……訓練じゃねぇな」


ログスが、剣を抜く。


「ええ」


アレンも、周囲を見る。


「実地試験です」


リュシアが、最後に告げた。


「この研修中」

「上からの指示は、ありません」


「判断は、現場に一任」


一拍。


「――つまり」


微笑む。


「あなたたち次第です」


誰も、軽口を叩かなかった。


ここから先は、

学園の延長ではない。


だが、

国家の正式任務でもない。


境界線。


アレンは、一歩前に出た。


「……まず」


全員を見る。


「生存を最優先にします」


誰も、反対しなかった。


特別研修、始動。


これは――

国家編へ向かう前の、

最後の“自由な戦場”。


そして。


アレン・フィルドが、

自分の意思で前に立つ

最初の場所だった。

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