第3話
「ふぅ……ある程度の方向性は決まったな。」
まだ魔法が使えなくなったわけじゃない。
そう言い聞かせながら、もう一度ステータス画面を呼び出す。
「ステータスオープン」
目の前に現れた半透明のウィンドウ。
そこに並ぶのは、スキル欄だけだった。
レベルも、体力も、ステータスポイントも、何一つ存在しない。
「……スキルのみ、か。」
これでひとつの仮説が立てられる。
おそらく、この世界は“ゲーム化”していない。
今まで暇さえあればラノベやなろう系を読み漁ってきたおかげで、ある程度の傾向は分かる(気がする)。
もしゲームのような世界観が反映されているなら、HPやMPなどの数値化がされているはず。
となると考えられるのは……誰かが意図的に仕組んだという線だ。
「神、か……」
俺は無神論者だ。
だが、“誰かの意思”が関与しているのは間違いない。
それが神か、システムの設計者かは分からない。
ただ、もしそんな存在が本当にいるなら――
いつか、敵として立ちはだかるのかもしれない。
「ま、考えても仕方ねぇな。」
他にも確かめたいことは山ほどある。
俺がもし異世界転生したら。
もし現代にダンジョンや魔物が現れたら。
そんな妄想をしてきたとき、いつも考えるのは“命の価値”だ。
主要人物が次々死ぬ世界かもしれない。
戦争ひとつで町が消し飛ぶ世界かもしれない。
――この世界は、どんなジャンルなんだろう。
「ニュースとかは……まだ何もやってねぇな」
テレビからは“クマ出没”のニュース。
俺はため息をつきながら、それを眺める。
早く、誰かが世界の異変に気づいてほしい。
「暫く様子見るか。流石にステータスくらい誰か言うだろ。」
ここ最近、異世界系が流行ってるしな。




