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詩集:タイトル未定(女性シンガー用)

英断

作者: 歌川 詩季

 そんなときもありましょう。

 末永くあるというのは

 だらしなしに終わらせ損ねたのを

 呼べるものではなく

 可愛らしい蝶が(はね)をひらいていた

 結び目も いまや

 フンコロガシにまるめられた芋虫のようだ


 私は指環を返すから

 貴方(あなた)はお金を返して頂戴(ちょうだい)


 ぜんぶ過去にして清々(せいせい)しよう

 そこから新しいふたりの未来が



 死が分かつまでというのは

 気の迷いで口にしてもいいほど

 軽いものではない

 断ち切るなら痛む 覚悟は(よろ)しいか?

 蜥蜴(とかげ)の尾みたく

 またそのうち生えておいでる代物(しろもの)じゃないぞ


 私は合鍵 返すから

 貴方(あなた)苗字(みょうじ)を返して頂戴(ちょうだい)


 此処(ここ)(あやま)ちの連鎖を絶やせ

 だけどね だからって正解でもない

 どこまでが正解で、どこからが(あやま)ちだったのか。



挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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― 新着の感想 ―
おおおお。たとえの表現に個性が光ってて、わかりやすいのにかっこいいです! さすが歌川様!!
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