巨大百合カップルのイチャイチャ海水浴
暑くて溶けそうな夏。黒髪で水着の彼女は髪をかき上げて海岸に座っていた。長く日に焼けた雄大な足は目の前の海にちゃぽんと入っている。海には遊覧船が航行していたり、遠足で来た子供たちが泳いでいる。彼女はそれを見下ろして微笑む。
「気持ちいい。たまには夏の海も悪くないな」
彼女は後ろを振り返って言う。
「優子も入ったらどうだ?冷たくて気持ちいいぞ」
「でも詩音…ここって小人専用ビーチだよね?私たちみたいな巨人が入ったら怒られちゃうよ」
「カナヅチの優子の泳ぎの練習をするだけだから大丈夫だ。それにわざわざ人が少ない時間を選んでるんだから小人たちには迷惑はかけないさ」
詩音はそのまま海に飛び込む。衝撃で小さな波が起きて近くの小人船が転覆しそうになるので片手で支える。
「おっとゴメンね♪」
詩音はウインクして手のひらサイズの小人船に向かって謝る。
「優子も来てくれ。冷たくて気持ちいいぞ」
そう言って私を誘ってくる…
「もう知らないからね」
私も意を決して海に飛び込む。
「ぷはっ!気持ちいい」
「だろう?」
海から顔を出すと、詩音は両手に小人船を乗せていた。
周囲を見回すと両手で持ち上げられる小人の船たちとそれより遥かに小さい小人たち。まるで怪獣になった気分だ。まぁ向こうから見たら私たちは怪獣サイズなのだけれども。詩音は私たちの起こす波にさらわれないように船を保護していたのだ。
「驚かせてゴメンね♪行ってらっしゃい」
詩音はそう言うと船を海に放す。小人たちは私たちに手を振って去っていったので私たちも手を振ってあげる。
「じゃ優子。少し沖に出ようか」
「分かった」
私は詩音に手を引かれて海の中を歩いて進んでいく。
「まずはバタ足から始めようか」
詩音は私の両手を持つ。詩音の手は大きくて柔らかい…私はバタ足を始める。
「アハハ。もっと思いっきり。離れてるんだから小人たちには水はかからないよ。もしかかったら僕たちで助けてあげよう」
私は思いっきり足をばたつかせて泳ぐ。こんな姿だけど泳ぐ力は並の船を軽く凌いでいる。
「よしよし上手上手♪」
詩音は大きな手で優しく頭を撫でてくれる。私は嬉しくてさらにスピードを上げる。
「ちょっと速すぎるって。小人たちが溺れちゃうよ?」
詩音が慌てるが私には小人どもなんて知ったことではない。そのままスピードを上げてしまう。泳いでいる内に自然と腕が動き始めた。5分くらいたって詩音が手を離していたことに気づいた。
「ちょっと詩音!手を離すなんて酷いよ!」
「アハハ。ちゃんと泳げて良かったよ」
詩音は離れたところで笑ってた。凄く可愛い…でも。詩音の身体に何か付いてる。私は泳いでいった。
「詩音!身体にゴミが付いてるよ」
私が顔を近づけるとそれは小人の子供たちだった。
「え?あぁこれは泳いできた小人の小学生たちさ。どうも巨大な僕のことを島か何かだと勘違いしたらしくてね。仕方ないからこのまま体登らせてあげてるよ。ほらこの少年たちは安心したのか僕の腹筋で寝てしまっている。愛らしいだろう?」
詩音は笑ってる。詩音はとても優しいんだ…小人の船が転覆しかけてたらその大きな手で助けてあげるし、そもそも私たちがここにいて許されてるのも詩音が海水浴場に鮫が入って来た時それをすぐ追い返した実績を持っているからだ。正しく小人たちにとっての女神としか言いようがない。
対して私は聖人の詩音ほど優しくはない。小人なんてすぐに潰れる唯の劣等種。そんな考えを持っている巨人も多いのだが…それだけではない劣等種が詩音の神聖な身体に触っている、私の物なのに…それだけで怒りが浮かぶ。
ツンって突いて潰してやる。私はそう思って指を近づけた。
「ダメだよ優子」
詩音の細い指が唇を塞ぐ…
「ぷは!いきなり何するのよ!」
「アハハ。ゴメンゴメン。でもか弱い小人を保護するのは恵まれた巨人の使命だから♪」
そう言って人差し指に小人をしがみつかせてまた笑う。この女神め…
そんなことを考えていると手を後ろに回してきた。
「小人さんたち。優子にも登って良いけど顔の近くは危ないよ?」
え?どういうこと?私がそう思っていると詩音が私の唇を奪った。
「!?」
「ゴメンね。ちょっと妬いちゃったんだよね?」
詩音は舌を絡ませてくる。私もそれに応じる。
「積極的だね♪」
「ぷはっ!詩音のせいだよ」
詩音は人に優しいのだ。相手が人間であっても小人であっても。私はそれに惹かれてしまったのだ。
「アハハ。それは酷いね。ん?優子の身体にも何人か小人よじ登ってるよ?」
私が見下ろすと小人たちが私の身体に上っていた。一生懸命登ってて可愛い…
「ん。おませな小人巻き込んでもう一回する?」
私は小人を摘まみ上げて言う。
「それは流石に……僕たちの唾液で溺れるかもしれないしね」
「本当にダメ?」
「ん…もう溺れないように手加減するんだよ?」
本当にこの小人オタクの聖人は…そう思いながら私と詩音はまた唇を重ねたのだった。