表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
道化師と呪眼の戦乙女  作者: 七星北斗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

1.テタテート

 位の高い少女は生まれながら呪われ、

特別な眼を持つと言い伝えられている。


 まずは、位について話そう。

位とは位置のことである、あなたがアナタである位置。

 出生や容姿、アルゴリズムなどは位の代表格と言える。


『つまり位とは、あなたを表す全ての情報ということだ』


 僕はハギノ、唐鉄村の住人だ。

唐鉄村は、鋼鉄業や漁業が盛んな村である。


 僕の両親は片親で、母が宿屋経営をして生計を立てている。

宿屋のお手伝いを任されているため、遊ぶ時間があまりない。

 しかし職業柄色んな話が聞けるので、

面倒なこともあるけど嫌いではなかった。


 僕には大切な友人が二人いる。

それは幼馴染みのコトナと、子火竜のカチカチのことだ。


 幼馴染みのコトナとは、産まれたときから場所も同じという、

奇跡のような出合いだった。

 しかし決定的に違うものがある、それは眼だ。

コトナは、生まれながら特別な眼を持つ。


 特別な目には、ローマ数字でI~XIIの数字が刻まれる。

村の人間は、コトナを呪われた子供と呼んで恐れた。

 どうしてコトナを怖がるのか?僕にはわからない。


 子火竜のカチカチは、

家の前で怪我をしていたのを、

助けたのがキッカケとなり、

そのまま一緒に暮らしている。


 子火竜とは、火竜の幼体である。

赤い鱗のドラゴン、それが火竜。

 火竜は国を滅ぼす災厄と呼ばれている。


 コトナとカチカチは、村ではあまり良い印象を持たれていない。

二人を庇う僕と母は、村の厄介者扱いだ。

 

 ある時、コトナが夢の話しをしてくれた。

世界を自分の足で歩いて、旅をしたいと。


「私には様々なものを見て、知る責任がある」


 知る責任とは、何のことだかわからなかったが、

冗談を言える雰囲気ではなかったため、

静かに話しを最後まで聞くことにした。


 そこでコトナは言葉を切って、しばらく無言の時間が過ぎる。

心配になった僕は、彼女に声をかける。


「コトナ?」


 俯いていたコトナは、顔を赤く染めながら、

僕の目を見据えると、漸く何かを決心した様子で、

重い口を開いた。


「ハギノには…一緒についてきてほしい」


 紫色の瞳にかかるオレンジ色の髪、

ふと甘い石鹸の香りが鼻腔をくすぐる。

 突然の申し出に驚いて、

つい聞き返してしまった。


「僕に?」


 困った様子のコトナは、肯定を示した。


「うん」


 僕には夢みたいな話しだ。

そんなこと考えたこともなかった。


「旅か…それもいいかもしれないな」


 パァーッと表情を綻ばせたコトナ、

今度は僕が、暗い表情で俯く。


「だけど駄目だ」


 綻んだ表情は、一瞬で暗い顔へ。

コトナは、あなたに問いかける。


「どうして…?」


 申し訳なさそうな僕を見て、

言葉の続きを催促する。


「母さん一人に、宿屋を押し付けるなんて出来ないよ」


 コトナはしょうがないねと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ