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⑦You are gonna go far,Kid

廃墟の建物に沿って移動していく。

迂闊に銃撃をすれば居場所がばれてしまうので慎重に。

戦車と重装甲車が徐々に敵に近づく。

エイブラハムが砲撃したがあの菱型はやはりびくともしない

。無線で後退して雑魚ロボットだけに狙いを定めるよう伝えた。


自走式対戦車砲はやはり全て撃ち落される。

ICBMがあったとしても同じだろう。

ステルス戦闘機が全て落とされたというのだから遠距離爆撃には意味がなさそうだった。

攻撃としては5つの角から全て高火力ビームを放つことだった。

恐らく背面も打てるはず。

ゆっくりと回転しながらそれを放ち味方のエイブラハムがやられていく。

外の装甲が強いということは中は弱いだろうと決めつけ接近を進めた。


「あれはどこかに視覚を持っていてこっちを狙っている。弾幕を張るからビームライフルをあのビーム射出口のどこかを狙ってくれ。自身がないなら俺が行く」

そう伝えるとすぐに走り出したので目一杯の .277 FURY弾を奴に打ち込み自分が囮になった。

ビーム砲がこちらに放たれる。

匍匐してそれを躱す。

茜はビームライフルを見事射出口に打ち込み敵が内部から大爆発した。

作戦成功だ。

しかし俺はロボットの銃に数発撃たれた。

茜が素早く俺を回収し傍に居た戦車に乗せた。

基地に着いた時俺は瀕死だった。

しかし静の治療が早く一命を取り留めた。

頭のいい彼女らしく医療の知識はもうかなり持っていた。

隊長は俺の容体が安定してから労いに来てくれた。


静は一晩横に居てくれたみたいだった。

辛い想いをさせ過ぎていると思った。

たまたま今回は助かったがこういう戦闘がこれからも続く気がしていた、だから謝って置いた。

彼女は頷いた。

「ここに居るってことは家に一晩帰らなかったことになる。これからは帰ってくれ」

と言うと彼女は断固として首を振った。

悪かったといい謝った。でもたぶん長いこと動けない。

だからずっと来れる時だけ来てくれというと彼女は頷いた。


「わたしの動きが遅かったから被弾した。この後の世話はわたしが見る」

と茜が言った。

静はこっちの顔を見たが心配は要らないという顔をしたので嬉しそうに頷いた。

そのあとしばらく静と茜と二人で話していたが治療法について茜に教示してるようだった。


昔のような確執はもうなかった。

茜に託すと彼女は家に帰って行った。

茜とこの部屋に二人きりなのは初めてだろうか。

この戦士茜と本体はあまりに違い過ぎる

。戦うためだけに生まれてきたような茜。

明るく臆病な本体茜。

最初は混ざり合っていたようなのに何故今は完全別個体になってしまったのだろう。

そこに居るのだから聞いてみた。


「あちらの本体に好きな人ができてしまったから返すことにした」

とのことだった。

茜に好きな人かその男は幸せものだなと言ったら俺を指さして来た。

好きな人は俺だと言う。

前に仮恋人になったのも本体の意志で戦士茜は関係ないのだという。

混ざっていたからわかりずらくなったとも言った。

先生職はモテるを三回繰り返して深呼吸をした。

最近なんとなく思い当たるふしはあったが今は無視していた、静がいるからだ。

確かに俺が好意を持ったのは茜が先だった。

だが戦士茜が混ざってたため分かりづらかった。

だから静を選んだそれだけだ。


一月家庭教師の仕事は休みをもらったのでしばらく会うこともない。

と思っていたらメッセージが届いた。

今からそちらに行かせてくださいと。

「お前だな茜。彼女に来るよう伝えたのは」

と言うとそうだと答えた。

茜はスマホを勝手に使い大丈夫だと返信をしていた。

30分後彼女はやってきた。

すると隠れていた戦士の方の茜が本体と合体した。

そして身体の傷を触った。

被弾は三発だったが三か所すべてに掌を当てると痛みが引き包帯を取ってもなにも残って居なかった。

着替えてくるがいいと言われ脱衣場に向かい着替え終ると戦士が消えオリジナル茜が座っていた。

飲み物を出しよく来たねと言った。


「どういう訳か来たくなっちゃって手が動いてました。突然で本当にすいません」


「いえいえ、暇な大学生だから構わないよ。よく来たね」と茜に言った。

茜は顔を真っ赤にしながら照れていた。

静より大きな胸だなと思い見惚れてしまってる自分が居たので首を大きく横に振った。

彼女がいるのだから目の前の茜が万が一俺を好きでも毅然とした態度で接しよう。

オフスプリングのユアゴナゴーファー、キッドをかけながら世間話でもしようと思った。

最近明るくなったねとか学校はどうとかどうでもいい会話をした。

友達は増えたそうで学校も楽しいと茜は言った。


これが本当の茜だったんだと思い安堵した。

戦士茜のコミュ障が抜けたらこんなにいい子だったんんだなと安心した。

母親があれだけ明るいんだからこれが正しい。

ロフトあるんですね登ってもいいですかと茜が聞いて来たので許可したがうつ伏せになって防御したのだがこれがまずかった。どうかしたんですかと聞いて来たので振り返って上を見てしまった。

白!目が合ったんで見られたことに気が付いたらしく恥ずかしそうにしながら登って行ってしまった。

二人とも白なんだなうんとか考えてる場合じゃなくどうにかして下半身を収めることを考えなくては。

彼女が降りると言うので今度こそ後ろを向いていた。

あっ、声の方を見ると階段を踏み外して落ちそうになってたので慌てて下から支えた。

白だなとしっかり見ながらゆっくり降りて行った。

二度も見られたことがものすごく恥ずかしそうだったので取り敢えず土下座した。


「お詫びに今度どこか連れて行ってくださいね」と脅迫する茜。

はい、どこか遊びに行きましょうと即屈した俺だった。

茜のお陰で全開したことを静に伝えた。

彼女は人間を超えたなにかがあることも伝えた。

バトルフィールドに行くとその夜は快気祝いが開かれた。

茜のことは黙っておいた。茜もそこに居るし。

茜にあんな能力があるとしたらそれは使いたい。

しかし中学二年生の普通の茜にこの世界を知って欲しくないという自分が居た。


静はいつでも従軍看護師として活躍してるのに。

しばらくすると静も駆け付けた。

すぐに傷の確認をしたが何もないことを確認して喜んで抱きついてきた。

絵面はキモイかもだけど彼女ということは知れ渡っていたので皆笑っていた。

実は静には防犯ブザーをいくつも持たせている。

全て押せば俺に伝わるやつだ。

だから並の者は手を出せない。

だが馬鹿はどこにでも居るから注意はするに越したことはない。


そう思っていた数十分後事件は起こった。

静を羽交い絞めにしてレイプしようとする者たちが現れた。

まず茜が気が付き彼らの両腕を打ち抜いた。

わたしは無言でべレッタで二人の額を打ち抜き私刑に処した。

そしてXM7で威嚇しながらここを出ると静に扉を閉じさせた。


静が混乱しているので抱きしめ続けた。悪い夢だからみんななかったことにしよう。

もうあの世界に危機が訪れても何もしない行かないと言った。

そんな辛い事件があった週末、茜と海に行くことになっていた。

彼女は何も知らない。

連絡が取れるのは戦士茜からだけらしかった。

海は物凄く道が混むので朝四時に出ることになっていた。

車で迎えに行き静の時と同じ房総を目指した。


フリルいっぱいのピンクのワンピースがかわいかった。

静と来たのと同じ場所ってデリカシーないように思ったが迷わず行けるからけっこういいのだ。

茜にもあの島は無理だと思ったのでボートを借りた。

浜辺でしばらく遊んでからボートで島に向かった。

彼女も本当にかわいいので好かれてることはとても嬉しかった。

だけど彼女持ちだから断らなければならない。

最初会った時戦士茜が混ざっていなければ君と付き合っていただろう。


だからどうか告白されないまま過ごせればいいと思った。

やがてボートで島に着いた。

島にはたまたま二人だけでとても気持ちがいい。

飛び込みの練習をする俺を茜は眺めていた。

股間や胸に目が行ったので慌てて逸らした。

彼女の希望で海に来たとは言え水着の破壊力は凄かった。

友達と海に来れたらいいね、俺なんかじゃなくといろいろ避けるようなことを言った。

彼女は少し不満げな表情を浮かべた。

また先生職はモテるを数回唱えた。


暫くしてまたボートで浜に戻ることにした。

焼きそばと飲み物を買って二人で食べた。

まだ午前十時だ、伝えたいことが彼女にはあった。

異次元で謎の敵と戦う君がいることを。

ただもう俺自身関わる気もなかったので何も言わない方がいい。

静も連れて来たかったがお詫びのデートだからそういう訳にはいかなかった。

ん、彼女がなんか近い。

なんか俺に付いてる。的なことを言った。

彼女は少し考えながら躊躇いながら言った。


「わたしとお付き合いしてください」

彼女は言った。

やはり戦士茜混ざりの頃とはまるで違う。

こんなにはっきりと言いたいことが言えたなんて。

彼女が居るから申し訳ありませんとはっきりと伝えた。

この間連れて行った子が彼女だとも伝えた。

まだ時間があるので二人で気まずい時間を過ごした。

これじゃ良くないと思ったので海に入ろうと誘った。身体が胸まで隠れる深さまで来たら彼女が腕を組んで来た。

静より大きな胸が当たるしかも水着で。

一度は借りと言う形で付き合った女の子。


中身は違うけど。

戦士茜はこの気持ちを俺に伝えさせるためにリンクを切り離したんだろう。

だけどもう遅い。

あの健気な静を見捨てることなんてできない。

無言でわたしたちは海中を歩いた。

早く帰っても渋滞が凄いだけなので鴨川シーワールドに行くことにした。

イルカやシャチのショーを見て水を浴びたりした。

茜は元気を取り戻したが俺は沈んだままだった。

その理由が未練にあることも分かっていた。

わたしはあの勇敢な戦士茜もここに居るただの普通の中学二年生の茜も好きなままだったのだ。





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