表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/17

総力戦

出撃する皆の後ろに看護師姿の静が立っていた。何故ここにいるのか問いかけても彼女は答えてくれなかった。仕方なく茜に聞くといつの間にか居て手伝いをさせて欲しいというから基地待機看護係をやれと言ったという。


「真弘の新しい彼女か」と茜が尋ねて来たので首を振って否定し塾の教え子だと伝えた。すると彼女候補ですと静が訂正した。いやいやそんな話なかったしあなたは小学生でしょうと俺は思った。


部隊の準備が整いつつあったが茜にバイクはやめるよう伝えた。かっこういい出撃だが転倒のリスクも多く装甲もない。


「その子が先生の好きな人ですか」

と静が聞いて来たので頷いた。茜には聞こえていなかったようだ。正直来てほしくなかった。男だらけの場所だから静と茜ともに味方からレイプされかねない。こんな場所に子供の女の子が居ていいはずがない。わたしと茜は最新戦車エイブラムスに乗り込んだ。


「この間となにか違うことはあるか」と茜に聞いた。すると今度はかなり硬いロボット部隊が居るということだった。アサルトライフルの射撃が通用しないかも知れないのでランチャーの準備もした。


戦車の中でもかなり装備が転がっていた。正直近未来の戦争の勝ち負けなんてどうだっていい。今欲しいのは茜だけだ。付いてきてしまった静も守らないといけない。そのために戦うのだ。


「前回までは敵が弱すぎたので正面突破できたが今度は遮蔽物に隠れながら戦おうと提案した」

戦車隊のボスは了承してくれた。

歩兵である俺はどこか気を見て戦車を離れ対戦車砲やランチャーで応戦する。XM7が通用すればそれが一番楽なのだが。


破壊されもう使われていないたコンドミニアム棟群に辿り着き敵の出方を見ることにした。敵は前回の大敗から学んだのか散発的な攻撃を繰り返すだけだった。一番発見されずらい俺が一番に出るのがいいと判断したのでXM7で乱射して弾幕を張った。


一部の戦車も続いた。前回のことがあったからか敵にすぐ発見された。ロボットなのか人間なのかわかんない相手に殺されるのは嫌だな。と思っていたらビーム銃を打ちながらで猛然と茜が突っ込んできた。俺がまた乱射で敵に圧力を掛けてる間に二人で戦車隊の位置まで交代で来た。


撤退の指示が隊長からあり我々はアジトまで戻った。またしてもけっこうな傷を負ったので静に治療してもらった。治療中さっきの彼女候補という静を思い出した。


塾の講師が生徒たちにモテるのはわりとよくあることで、あまり本気にしてはいけない。というか生徒と付き合ってしまう輩が後を絶たないのが現実であった。

茜は家庭教師の生徒だったからセーフなんて思っていたらお情けの彼女をやってもらってるだけだった。


静にありがとうと言いい治療を終えると茜の援護に感謝する言葉を言った。それと借りの彼女については止めてもらうように言った。


「それはできない。わたしが無神経に真弘の部屋に入ってしまったせいで彼女が逃げたのだから」茜はそう言ったが、君が居たと言うだけで釈明もさせず離れていったんだからもういいんだよ。と答えた。


「わたしのことが嫌いなのか真弘は」と茜が言うのでそんなことは絶対にない出来れば彼女にしたいけどそれは本人同士が好き合っていなければいけないんだと言った。

「わたしも好きだから問題ない。だから彼女でいい」

と茜は言った。そこにすぐに静が口を挟んで来た。


「申し訳ありませんが全然先生を好きなようには見えません。こんな危険なことに巻き込んだ人が彼女だなんてわたしは認めません。わたしはけっこう前から先生が好きなんです」静が茜に喧嘩を売っていたので引き離して二人になった。


そもそも静が俺を好きだと知ったのは今だし今まで言われてもいなかったからだ。

「いつ言おうか迷っていただけです。先生たちにそういうこと言うのはいけないことなのかなって。でも先生が好きな人がこんなに若いなら話は別です。わたしと殆ど変わらないじゃないですか。だから好きです付き合ってください」静に改めて告白されてしまった。


「どっちがいいんだ真弘は」ド直球で茜が聞いてきたので俺も直球で茜が好きと答えた。静はむくれていた。静のことも生徒としては好きだからねと無理矢理なフォローしながらあたふたしていた。


「さすが勇敢な戦士だな。女にモテるのは当然だ」

隊長がこの場に全然相応しくないことを言ってきた。


「それはともかく今後の作戦はどうします。目くらましの特攻じゃなんとかなりそうもないですよ」

俺は隊長に尋ねた。隊長は地上戦の地獄というのはその時代ならウクライナ戦争でわかっているだろう。


だが襲ってくる頻度はかなり遅いんだ。ロシア兵とは程遠い少ない数なのでこの戦いを終わらせる方法を考えていると答えてくれた。なにか一番大事なこと聞き忘れてる気がしたが今日は解散することにした。


土日はもう彼女が居ないからのんびりできるとベッドの上で考えていたら呼び鈴があった。茜だった。


「彼女は一緒に寝たりデートするんでしょう。だから来たよ」茜はあちらの世界では喋り方が男らしいがこっちではぶっきらぼうだけどわりと優しい。急いで部屋を簡単にかたずけジュースを出した。


「あちらの世界で彼女になってくれるって聞いたけどこっちでもいいの」と尋ねたところどっちも同じわたしだから問題ないと言われた。なんとなく納得がいかないが嬉しいので今はこのままでいいやとそのまま受け入れた。

今日は何時まで居られるか母親の了解取ったか聞くと全てわたしの好きにしていいと言われたと。お母さん...


今日は親父の車借りて近くに止めてあるからドライブすると聞いたらそれでいいと茜は答えた。実はわたしの実家はここからかなり近い。荻窪なので普通は家から学校に通うところだが俺の母親は独り暮らしのがいいと言う考えがあったらしく家を借りることに賛成してくれたのだった。


もちろん実家のサイズは茜のが大きい。いろいろ案を出しお台場に行くことにした。レインボーブリッジを走りたいので高速で行くことにした。初台から乗って霞が関周りで行くことにした。窓の外をずっと見てる茜がかわいかった。


戦闘の時と違い中学二年生らしい幼さがあった。首都高はPAが少ないが台場にはあるのでそこで少し休んだ。学校はうまくいってるかとか無難なことを言った。レインボーブリッジを降りると湾岸道路に入った。


あまり遠くまで行っても帰りが大変なので葛西ICで降りて葛西臨海公園に向かった。臨海水族園に向かう途中手を組んでくれないかと頼んだら了解してくれた。

見た目よりグラマーでちゃんと胸が当たった。このままだと歩きづらくなるので普通に手を繋いだ。ペンギンを気に入ったようで不思議な言葉で話しかけていた。

俺はぐるぐる回るマグロが良かった。水族園を出ると海に向かった。潮風が気持ち良かった。今はまだ片思いの恋人だけどいつかきちんと正式の彼女にしたいと思った(若過ぎだけど)


特進クラスの授業では今まで明るかった静が睨んできて辛かった。こんなに清楚な小学生滅多に居ないので俺が居なくてもすぐに素敵な恋人現るからねと心の中でつぶやいた。剛が小声で俺に聞いて来た。静を振ったのかと。


結果的にそうなったのでチャレンジしていいんだぞ剛くんと言ったら無理無理と言った。最初から先生しか見てない。俺たちのことジャガイモくらいしか思ってないと彼は言った。同級生ではけっこう難しいかもしれないと俺は思った。

すると静がまたこっちに来て今夜はちょっとお茶飲みながら話をしませんかと言って来たので塾クビになるから無理!と答えた。

すると勉強で行き詰まってることを先生と話したいからと言ってOK貰っていると。両親にも連絡済みと言うことで外堀を埋められた。


「先生は珈琲か何かですか。同じものにしよっと」

この間と違って随分機嫌が良さそうだ。でさっそく勉強の話しですがと言ったら何馬鹿なこと言ってるんですかと怒られた。


「茜と昨日水族館行って来て海見て帰ってきたんだ」

と俺が言ってもへーと言うくらいで動じない。


「だって茜さん先生のこと好きじゃないもん。見てればわかるよ」

静の言葉は俺にぐさぐさ刺さった。思い当たるふしはいくらでもあるからだ。不覚にも小学生の前で涙を流してしまった。はっと思いハンカチを探すと静が拭いてくれた。


「こんなに苦しめてるあの人が許せない。わたしが絶対になんとかしてあげるからね」静はちょっぴり魅力的な提案をしてくれた。ただ塾の生徒と付き合うのはNG!

これは譲れないと言うとベーと舌を出し聞いてない素振りしてデザートを頼み始めた。

次の戦闘にも来るのかと唐突に話すと迷いなくはいと言われた。

危険なんだと言っても聞かない。諦めさせるのは無理っぽいと思ったのでこの話題はやめた。


「さて、いくら何でも遅すぎなので家に送ります」

と言って二人で帰宅した。玄関で親御さんに遅くなったことを詫びたが全然構わないのでまたお願いしますと言われた。茜と静のうちのお母さんどうなってるんだと思ったが俺も家路を急いだ。


今度の戦闘は総力戦だった。以前の三倍の戦車と歩兵が勢ぞろいしていた。俺は悪い予感を感じていた。「これ敵の罠かも知れませんよ。この間みたく少しづつ前進して敵戦力を削って行きましょう」

と進言した。

「そうも言ってられないんだ。今この2024年では敵の数はこんなものだが10年後には世界の主要都市ほとんどが奴らの手に落ちる」隊長が言った。

つまりこの時代で戦うのはまだ弱いやつらを叩くためらしい。それでも簡単に殲滅できるとはとても思えない。


砲撃舞台には援護を最大限で頼むと伝えた。茜にも相談した。しかし隊長の命に従うと。

「静、今夜は負傷者がたくさん出る。よろしく頼む」と伝えた。

時間が無いから総攻撃とか完全に死亡フラグなのでこちらの部隊は建物の陰に隠れながら後退と進軍を慎重に判断していくことを伝えた。俺は戦果を買われ部隊を持っていた。茜はもちろん俺の指揮下にいる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ