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必修の授業があるので今日は休めない日だ。主にバイトの方が忙しいというのは良くないことだ。その分大学の授業をサボってしまう。それでも独り暮らししたかったのは女の子を連れ込めるというメリットがあったからで実際に週末には彼女に来てもらっている。掃除洗濯は溜め込んで一気にやっている。今日はその一気にやる日だ。洗濯機フル回転させながら掃除機を掛けていた。塾の休みは取っていた。最近なにをしてても思い出すのは茜ちゃんとの夢の中の戦闘だ。近未来戦争がもう脳内では始まっていて戦死者も出ていると言う。にわかには信じがたいが銃を手にした感触は生々しく残っている。茜ちゃんはあまり喋らないから詳しいこと聞きもせず付いて行くと言ってしまったのは単に彼女の可憐さのせいだった。夢の中では現実よりも喋るのでそっちで詳しい話を聞こうと思った。明日は家庭教師だ。

今日はタンクトップにミニスカなのでなかなかナイスだった。水色のブラが脇から良く見えた。たぶんエロい視線で凝視されてもこの子は気が付かないだろう。学科を教える時もいつもより近づき前から見下ろすとかわいいブラが丸見えだった。しゃがみ込んだら流石に気が付くと思うので自重した。

「今日はあなたのためにヘルメットやボディアーマーを揃えたから今夜来たら確認してね」戦力認定されて嬉しいけど本格戦闘への参加なのかな。と考えていると引き返すなら今だからとも言われた。決めたことはきっちりやりたい性格だし行くよと答えた。あまり考えすぎるのは得意じゃない。もっと茜ちゃんと一緒に居たい。

先週なんとか敵を振り払ったのにまた接近戦になっていた。続きじゃないということは茜ちゃんは他の日も戦闘をしているのだろうか。それについて聞いてみると頷いた。

「関係ないけど、脇や前から下着覗き込んでるのは何故?嬉しいの」と茜ちゃんに聞かれた。ちゃんと気が付いているんじゃないかと思いながら、気の迷いだったんです。首にしないでくださいと懇願した。

「戦闘の手伝いしてもらってるんだから見たいなら好きなだけ見ていいよ。ただ今はやめた方がいい」戦車隊がこちらに来るのが見えた。と同時に後方から味方の戦車隊も来ていた。わたしたちは側面付くよと言って茜ちゃんはバイクを大きく右に向きを変えた。腰に摑まっていた俺は飛ばされそうになりながら耐えた。止まった瞬間にXM7を敵に向かって乱射した。弾幕が主なお仕事というにはいい銃過ぎる気がした。茜はレーザー銃のようなもので敵を一体一体的確に仕留めていく。戦車隊も砲撃を始め前面衝突だった。殲滅したいな俺はそう思ったのでバイクから離れ狙撃範囲ぎりぎりから.277 FURY弾を叩きこんだ。かなりの戦果だが当然ここに反撃の砲や弾が飛んでくる。匍匐前進姿勢になったところでまた茜ちゃんが来て腕を取りバイクに乗せてくれた。

「めちゃめちゃ危険なことするね。長生きできないよ」と聞かれたのでそんなこと考えてたならここに来てないと言い放った。彼女は少し笑ったあと味方のアジトに向かった。アジトの建屋に入る前に彼女はジッパーを腰の辺りまで下げ上半身を脱いだ。

「見たかったんだろほら」今日はピンクのブラだったが慌ててジッパーを上げさせた。そういうのじゃなくて、なんというか羞恥心的なものとかそういうのがいいと言ってお断りした。不思議そうな顔をしたがそのままアジトに入って行った。バリバリの軍人が何人か居たが先ほどのわたしの攻撃について勇気ある行動と褒めてくれた。茜の知り合いかと言われてので頷いた。茜ちゃんと話していてもらちが明かないのでこの軍人さんに何のための闘っているのか聞いてみた。

「実は俺もわかっていないんだ坊主。我々は君らより10年後の人間だが突如彼らが襲い掛かってた」正体もロボットなのか宇宙人なのか未来人なのかわからねえ。政府のお偉いさんはわかってるかも知れないがここに知ってる奴はいねえんだ。済まねえな」軍人がそう言ってきたので鹵獲はしてないんですかと聞くと捕まえたやつ解剖するとロボットっぽいんだがこんなものは我々の世界にもないんだと答えた。それと奴らは戦闘機のような空を飛ぶ武器は持ってない。そこでステルス飛ばして壊滅させようとしたがとんでもなく高性能なレーダーと高射砲を持っていて全て撃墜されたと言った。だから地上戦か。どうしようもなく強いなら高火力兵器が良さそうなものだがそれも無効化できるんだろうと考え情報提供に感謝した。「茜ちゃん知ってた」と聞くと首を振った。戦士だからちゃんは要らないというので今後茜と呼ぶことにした。まだ時間があるので戦車隊長機と茜と二人で残兵の殲滅にかかった。戦車砲とアサルト弾と茜のビーム銃で完全制圧した。

翌日は土曜日だったのでゆったりとしていたら体中が痛かった。見ると擦り傷どころではなく肉が抉れた傷なんかがあった。相当無茶したからだ。これで現実と繋がっていることは確定した。あの軍人さんも本物の未来人だったのだろう。医者に行くことも考えたがこんな傷見せたらただごとでは済まないだろう。茜に迷惑掛けてしまうと思っていたら呼び鈴がなった。痛みを堪えてドアを開けると茜が居た。救急箱らしきものを持っていたので俺の治療に来たのだろう。ドアを開けて中に入れた。応急措置で薬を塗られ包帯を巻かれて治療は終わった。包帯を隠すため長袖のシャツを着た。治療が終わると茜はきょろきょろし始めた。ロフト付きなので登って行ってしまい下から見てると水色のパンツが丸見えだった。

「そこで恥じらい」と言ったら顔が少し赤くなったのが嬉しかった。しばらく部屋に居てもらいジュースを持ってきた時彼女が入ってきた。血相を変え俺のことを睨みつけた。そしてこのロリコンさようならと言って居なくなってしまった。付き合って三ヶ月経っていなかったが最初の恋人と破局した。

「追いかけなくていいの。彼女でしょ」と茜が聞いて来たので理由も聞かず出て行っちゃう女はどうでもいいといったらそうなんだと答えた。

「わたしのせいみたいだし次の恋人ができるまでわたしが代わりをやる」というので慌てて断ろうとしたが断る理由がないので快くその気持ちを受け取りますと答えた。

「今日おかあさんにここに来るってちゃんと言った?そうじゃないならもう帰らなきゃ」個人レッスンがあるからと言い出て来た。わたしはお茶をこぼした。あのおかあさんと最近仲良くなってたけど娘が個人レッスンって。恋人の代わりってどこまでと率直に聞いた。この子はいろいろなことわかってるようでわかってないところがあるから。

「デートしたり一緒に寝ることかな」当たっていたので俺は狼狽して一緒に寝ると言うのは恋人代理はしちゃいけないんだと力説した。なら何をすればいいと言われ目を閉じさせてキスをした。しばらくして茜は帰った。明らかに騙して中学二年生とキスをしたことに自己嫌悪感を抱いていて一日過ごした。


特進クラスの授業の日だった。訳がわからない故事成語の意味を聞くと静は完璧に答えた。

「先生これで授業終わりですよね。聞きたいことがあるので終わったら待っててもらえますか」静が言った。俺は頷き授業が終わった後話を聞くために階段の上で待っていた。お待たせしましたと丁寧に頭を下げ彼女は来た。すると夢の中で戦う俺を見たと静は言った。え、と思った。俺の場合茜と授業がある日だけ脳内戦争に参加できるのに逢ってもいない日に見えるなんて。

「もし見えたとしてもこっちに絶対に来ちゃいけないよ。あれは本当の戦争なんで死ぬ可能性があるんだ」頭の良い静には誤魔化さず全部喋った方が良さそうだ。少し考えてから静は言った。

「それなら尚更です。先生があっちに行くのをやめてください。やめないなら行きます」彼女ははっきりと言った。そういう訳にはいかない。好きな人を守るために行ってるんだ。だからやめない。そう言ったら彼女は考えながらお話しいただきありがとうございます。と言って帰ってしまった。


静来なきゃいいけどな。興味本位で死んではいけない子だ。この塾でも頂点の近くに居りゆくゆくはエリートの道を歩んでいくのだろうから。なんで彼女が夢で俺を見れるのかはわからない。でも小学生だ。中学二年生の茜にもほんとはやめてもらいたい。行くなら俺だけでいいと考えていた。

翌日ゴミを見るような目で俺を見る元カノの視線に耐えながら授業に行った。専攻以外にも授業は受けられるので文化人類学の講義を受けていた。社会の違いに於ける考えの違いの話しだった。ある南の島に宣教師が訪れると村の長に非常に歓迎され少女を差し出された。宣教師がクリスチャンとして断ると世の中で最も素晴らしい快楽の何がいけないのかと問い詰められるお話し。考えさせられる話であるが自分の所属する社会を規範とする人間には難しい話だと思った。と同時に十四歳の女の子を騙してキスさせた自分にものしかかるテーマだった。

翌日授業が終わり夜が来た。出撃前に風呂というのもなんだがリラックスしておきたかった。それから茜に代理彼女はやることは断っもらおう。彼女が好きなわたしにとっていい話だけどこういうのは嫌だ。彼女が代理を務めてくれるなら俺は絶対に他の誰とも付き合わない。でもそれは憐れだ。出来るなら本当の自分に振り向いて欲しいんだ。

夜が来てベッドに入りやがて睡魔が襲い掛かった。寝てしまえば茜に逢えることが心の底から嬉しかった。睡魔が睡眠に変わった時風景が一変する。スーツに身を包んだ茜が居る。前来た時より時は進んでいるようで新たな敵軍が遠くに見えた。戦車隊と茜のバイクと歩兵が並んでいた。そこに見慣れない小さな影があった。看護服に身を包んだ静だった。




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