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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
88/251

第86話 帝国帝都へ その3

第86話を投稿します。

アトラム王国交渉団との交渉は順調の様です。

帝都爆撃が始まりました。帝国国民に日本の意思は通じるのでしょうか?

 アトラム王国交渉団は追加要望をもって、再び防衛省大会議室で交渉を行っていた。


「我が国からの追加要望書です。内容は街道整備を行っていただけるのであれば、物資輸送や人員輸送の為の大型魔道車を要望いたします。また、日本の様子、特に首都東京の様子を本国に伝えたくお願いします。また日本の果物をはじめとした食料品も輸入したく希望します」とゾリアス公爵は国王から依頼された内容を伝える。


「はいインフラ整備等をお約束した場合は、その交通手段も検討いたします。また、首都をはじめとした景色や様子については使節団に「カメラ」をお渡ししますのでお持ち帰りください。

 それで景色や我が国の工業力など写していただければと思います。食品等につきましては貴国まで約2万kmの距離を考えますと直ぐにお送りするのは難しいのですが・・・貴国に派遣した我が国交渉団が少しは持ち込んでおりますので、貴国に着き次第用意させることにします」と佐藤外務大臣。


「そのー「カメラ」とは何ですか」と交渉団から質問が出た。


「これは失礼しました。カメラとは景色や人物をその機械の中に取り込み後で見ることができる機械です。また動画・・・動く風景や人物も撮ることができます」と佐藤大臣の秘書官が説明する。


「我が国の魔道でも、遠くの景色を映し出す魔道具があります」とゾリアス。


「いえいえ説明が足りませんでした。我が国のは魔道具ではなく機械です。つまりその場の風景をそのカメラに収めて後で印刷・・・紙に描いたり見たりすることができます。

 明日ご用意しましょう。貴国で言う魔道具の様なものは我が国ではカメラとして発展しております。場所は固定や移動できますが、その映像をリアル・・・その場で見ることもできますが、保存したものを後刻見る事もできます」と秘書官は言葉を選びながら必死だ。


「なんとなくわかりました」とゾリアス。


「交渉ですが・・・我が国の農業は昨日言った様に戦争に人手を取られ発展はしていません。そこで厚かましいお願いなのですが貴国の農業や作物の状況を見学させていただけますか。また、工業と言うものも興味があります」と続けた。


 佐藤外務大臣が言う。「ええ、それは是非こちらからもお願いします。早速手配をしましょう」と後ろの秘書官と何かを話し、「たのむよ」と言う。

 秘書官はアトラム王国交渉団に向き直って「手配をしますので後ほどご連絡します」と一礼して出て行った。佐藤大臣は農業・工業・軍事力について手配する様に指示をした。


「さて続けましょう」と佐藤。


「ええ我々は帝国との戦争さえ終われば農業については拡大を予定しております。また都市間の距離は概ね5百キロ程度あります。商人や冒険者は10日程度の移動になります。これが生産物を配送できない問題です。移動が速くなれば、いろいろな地方から特産物を集められることになります。日本ではどの位の時間で届けられますか」とゾリアス。


「そうですね・・・島等では天候により届けられないこともありますが、日本は長さ1500キロとお思いください。端から端まで荷物を送りますと最短で2日程度です。まあ4日も待てば届くと思います」と佐藤。


「おおお、それはすごい。そんな短時間であれば収穫した野菜も腐る前に届けられますね」とゾリアス。


「はい、その前に移動には冷凍や冷蔵・・・冷やしたり凍らしたりして痛まないよう運びますよ」と佐藤。


「えっ魔法でなく冷やす事や凍らすことが可能なのですか・・・我々は魔道具に冷気を込めて荷物と一緒に送り出しますが・・・10日の距離に対して3~4日しか効果がありません。日本は何日程度持つのですか・・」とゾリアス。


「ええ電気・・・雷の様な物なのですが、電気があれば何日でも続けられます。電気が無ければ発電・・・電気を作ることも可能です」と佐藤。


「そうなのですね・・・日本は思ったとおり科学が進んでいる。魔道しか頭にない我々とは違う発想です。そこで本題なのですが、我々は農業を振興し、自国だけでは無く輸出も希望しています。戦争が終わればと思いますが・・・相互安全条約を結べれば戦争も早く終結すると思います。これはアトラム王国民全員の願いでもあります」とゾリアスは熱く説明する。


「お気持ちは理解できますが共同で帝国を討つ事には賛同いたしかねます。なぜなら方法や時期については極秘ですが我々は独自に帝国制裁を進めております。我々は帝国に罠を仕掛けられ戦闘を強いられました、その報復と言う事です。逆に貴国はお待ち頂く事で希望が叶うと思います」と佐藤。


 ゾリアス公爵は思わず立ち上がり「なんと、帝国は近い内に貴国により成敗されると言う事ですか・・・なんと言う事だ・・・・我々は50年の間帝国支配に抵抗を続けてきたと言うのに、貴国はたった数年で帝国を成敗すると言うのですか・・・そんな・・・」


「あくまでも機密情報なので他言しない様にお願いします。我々の作戦に支障がでるかもしれません。貴国に連絡する場合は最低限の人々に限るように注意してください。それから我々がこの世界に転移してからまだ2年も経過していません。それが我々の工業力であり軍事力です」と佐藤は防衛省の副大臣を見ながら言う。


「確かにあの魔道車を見ても、船舶を見てからアトラム王国も敵わないことを知りました。交渉で良かったと思います」とゾリアスはしみじみ言う。


「後日我々の軍事力についてもお見せできると思います」

 続けて「我が国は貴国にとって宝の山と思います。失礼を承知で申し上げると、我々が元居た世界も剣や槍や弓矢による戦争を幾度も経験しています。

 魔法は出てきたと言う記述は無いのですが、スルホン帝国に近い思想の国が周辺国を征服していった歴史もあります。ですがそれは元の世界では千年前の話です。我々が帝国と対峙しても技術差は2百年以上はあると思っています。

 私たちが元いた「地球」では2千年以上前から人間同士の争いが絶えません、いやもっと前からだと思います。そんな中、技術力が進歩すると今度は世界を巻き込んだ戦いが2度も起きてしまい、その戦争の最後には原子爆弾と言われる一度に10万人を一瞬で殺し、周辺の人々を長い病気で苦しめる非常に悍ましい(おぞましい)兵器が開発され実際に使用された経験もあります。

 だからこそ平和が大切であり、これを脅かす組織や国について容赦はしません。

 この世界に転移したのは日本だけですがある意味それで良かったと思っています。

 もしも複数の国が転移していれば技術力、軍事力による覇権を考える国も出るでしょう。

 だが現実は日本だけです。

 我々は最後の世界大戦で敗れ、国の在り方を根本から変えました。その結果現在の日本があるのです。日本は基本的には平和を望んでいます。

 しかし国や国民に危険が迫れば我々の軍事力が発動します。スルホン帝国も交渉対象となっていましたが結果は先ほどお話したとおりになってしまいました」と佐藤。


「よく理解できました。世界を巻き込んだ戦争で日本は負け、国の在り方を変えたと・・・我々もスルホン帝国に負けていれば、私がここにいる事は無いと思います。他人事ではありません。我々もその当事者なのですから。なおさら日本と同盟を結びたくなりました」とゾリアス。


「ええそう思うのも理解できます。しかし先ほども申し上げたとおり我が国は、日本は平和を求めています。それに技術差や軍事力に差がありますので、我々単独でこの世界に平和をもたらします。

 貴国はその恩恵を受けられれば良いと思っています」と佐藤。


 これはある意味政府方針でもあった。共闘するにはバランスが悪すぎて意味がない。それより平和な世界でお互いにメリットのある取引ができれば、いつ帰れるとも解らない日本にとっても大きなメリットがもたらされると考えている。


「では日本国政府としての回答をします。我が国は貴国との平和で公平な取引を望んでいます。

 特に我が国には農産物や燃料が至急必要であり、それにご協力頂けるのであれば、我々は貴国に開発団を送る用意があります。

 農業だけではなく貴国の望む物流にインフラを含めて提供できると考えています。

 貴国には害をなす動物・・・魔獣がいるとか・・・でしたら民間人を送るにはある程度魔獣駆除してからになります。

 幸い日本には開発を請け負う事ができる自衛隊があります。貴国が条約を締結し自衛隊を受け入れてくださるのなら、貴国の開発は飛躍的に進むでしょう」と佐藤。


「自衛隊とは・・・あの戦艦達ですか・・・」とゾリアス。


「自衛隊は陸上、海上、航空の三隊あります。貴国開発の中心は陸上自衛隊になると思います」と防衛副大臣が説明する。


「地上軍もいるのですね。考えれば当たり前ですね。すいません」とゾリアス。


「いえ謝る必要はありません。我が国の軍事力については後日お見せしますのでその後のご判断をお願いします」と防衛副大臣。


「ただ言えるのは、我が国は平和を望んでいます。他国侵略など考えたことも無いのですが帝国の覇権主義は人種差別や奴隷制度など命を軽く扱っている事もあり制裁が必要との結論に至りました。

 お聞きしますが貴国には差別主義や奴隷制度はありますか」と佐藤。


「はい、有りません。我がアトラム王国はスメタナ国王の統治の元貴族制度はありますが、奴隷制度はありません。差別主義ですが・・・人民の心に残っている物は有るかとは思いますが、国家としてそのような制度はありません。

 獣人や異種人なども受け入れを行っています。特に現在は帝国から逃れてきた獣人やエルフやドワーフなどの異種人達も我が国に保護を求めて来ています。また帝国に支配された国々についても避難民が来ており積極的に受け入れております」とゾリアス。


「そうですか、詳細は貴国に向かった交渉団に任せるとして、お互いの立場や状況は理解できたものとして具体的な条約の内容を詰めてまいりましょう」と佐藤。


 アトラム王国との条約交渉は動き出していた。


 一方、首相官邸の地下に作られている危機管理会議室には総理以下官房長官や防衛大臣が集まり対帝都制裁の第一弾を確認していた。

「総理御覧いただいたとおり、帝都のワイバーン飛行隊宿舎と飼育小屋の破壊は完了いたしました。続いて明日夜に帝都防衛隊および親衛隊宿舎の爆撃を実施します。その後夜間に帝都並びに周辺都市へビラ撒きを実施します」と高野防衛大臣が説明する。


「うむ、ご苦労様です。して自衛隊に損害はありましたか」と当壁。


「帝都上空にはワイバーンが4匹防衛に飛び回っていましたが、F-2と比較して速度差がありすぎて何もできずに見送ってくれただけです」と高野。


「帝都は大混乱ではないのかね。それに爆撃に参加した第101特殊普通科連隊の第1中隊も負傷等はないかね。これからは彼らが帝都攻撃の要となるから、気を使ってほしいと思う」と当壁。


「はい、第101特殊普通科連隊は目標に対するレーザー照射を行い、多大な貢献をしております。今回の作戦では帝都西側郊外のワイバーン飛行隊に対し、さらに西側から照射を行い、夜間はそのまま身を潜めて、夜が明けると同時に南門から第101特殊普通科連隊本部に帰還します。今のところ発見されていないようですから大丈夫と思います。もし発見されても馬車に隠した武器で応戦できます」と高野。


「そうですか、彼らは帝国に捕まると死刑の可能性があるから慎重にお願いする」と当壁。


「了解しました。そして明日の作戦ですが、現地時間で21時に攻撃を予定しています。ビラはその直後に順次撒布します。この作戦では攻撃に使用するF-2A 4機の燃料が持ちませんので本日と同様にKC-767が飛びます。またビラ撒布は同日現地時間で22時より開始します。周辺都市および帝都25街に散布する予定です。この為にC-2輸送機を4機投入します。各都市1万枚程度として、帝都には10万枚を予定しています」と高野。


「わかった。もし余ったら周辺の村や街道にも頼む。知らない者が無い様に願いたい」と当壁。


「了解しました。今回のビラ撒きは宗谷特別行政航空基地より4千キロ以内を目標としています。帝都までは3千キロですから周辺都市にもビラを撒けます。噂の伝達速度は速いと思いますが、念のため後日ドーザ大陸西側海岸にいる帝国第1師団と第2師団にも撒こうと思います。因みに西側海岸まで宗谷特別行政航空基地からは5千キロの距離になります」と高野。


「では高野防衛大臣よろしく頼む」と当壁総理は期待するのであった。


 帝都攻撃2日目、宗谷特別行政航空基地から4機のF-2Aが飛び立ち、遅れてKC-767給油機が飛び立つ。30分程遅れてビラを満載したC-2輸送機が4機飛び立ち、C-2はそれぞれ別方向に別れて飛び去った。


「総理そろそろ時間です」と高野。続けて「今回は帝都内の2ヵ所同時攻撃になります」と作戦を説明する。


「これで皇帝もただ事ではないと思う事だろう。」と佐野官房長官。


「それで厭戦気分が高まると良いのだが」と当壁。


「今回も通信は帝都内部の第101特殊普通科連隊本部と日本山が中継して防衛省に送られます。今回はライブカメラも使いますのでお見せできます。前回は静止画でしたが」と高野。


「ライブカメラですか、第101特殊普通科連隊の隊員に危険は無いのですか」と当壁。


「はい事前にカメラを目標物付近に仕掛けて隠してあります」と高野。


「レーザー照射以外は無人です。レーザー照射も目標物近隣に宿を借り、部屋から照射します。比較的安全と思います」と高野。


「被害はないことに越したことはない」と当壁。


「時間です」と高野。

 特別攻撃隊のF-2Aより無線が入りレーザーを捉えたことを報告した。F-2Aは2つの目標に向けて2機がペアで攻撃をする。今回も各機GBU-12(Mk82 500ポンド爆弾:通称ペイブウェイ)を4基と増槽2つを翼下にぶら下げているが、今回は追加として翼下に04式空対空誘導弾(AAM-5)を2基積んでいる。ワイバーン攻撃用だ。


 先に親衛隊宿舎に向かったF-2Aが攻撃アプローチに入る。帝都の東側は3千m級の山脈があり地上からの守りは完璧であり東門は山脈の切れる南側についている。


 F-2のA小隊は直接親衛隊宿舎に向かい、南側から照射されたレーザー反射を捉えた。

「アタックナウ」と無線が入り、続いて「アタック2ナウ」と同時にライブカメラから建物が爆発炎上する様子が映し出される。


 親衛隊の宿舎は居城の中ではあるが2m程度の壁の内側にあり、大きな建物は2つだ。ここに低速転回を続けるF-2から合計8基の誘導爆弾が投下されて次々と目標に当たり爆発炎上する、宿舎は木造の3階建てで横に長い。親衛隊は5千名規模であり、全員宿舎に寝泊まりしている。悲鳴を上げて燃える宿舎から逃げ出す者が確認できる。


 爆発の近くで寝ていた者は何も知らず肢体が千切れて飛んでいく。建物が燃えながら崩れ落ちていく。

 外に出て助かった者も建物を見て呆然としている。消火する者はいないようだ。


 任務を終えたF-2AのA小隊はB小隊のバックアップに回る。

 居城から南下して南門に近い大きな建物が帝都防衛隊の宿舎である。4階建てであり1階は石造りになっているが、基本は木造なので上が燃えれば崩れ落ちると思われる。


 B小隊2機のF-2Aは居城から南に回りアプローチを行う。これも宿舎から大きな通りを挟んだ宿からレーザーを照射している。打合せとおり最初の2発は2ヵ所にある1階の扉を目掛けて放たれた。続いて2階部分にレーザーが当てられ残り6発が次々と2階に命中する。途端にズンと言う感じで2階部分が崩れ落ちた。

 燃えながら2階部分が下に沈んだのだ。ライブカメラ映像では突然4階建てが3階建てになった感じでいきなり沈んだ。

 内部は宿舎として1万人が寝泊まりするのである。宿舎前は広場で、その先に道がある。帝都の民家には延焼しないものと思われた。帝都防衛隊として土地が広く使われていることが幸いした。


 F-2のA小隊はB小隊が爆撃する間ワイバーンを警戒している。速度はワイバーンより速いのだがエンジンに何か吸い込んで不調になるのだけは避けたかった。4匹のワイバーンは別れて帝都を警戒していたのだが帝都が攻撃されるに及んで自分達の責任問題となるのを恐れ帝都防衛隊宿舎に向かってきた。


 A小隊はB小隊の爆撃を邪魔させない様に旋回しワイバーンに向かっていった。

 A小隊は「エンゲージ、フォックス2ナウ」と無線で言うと04式空対空誘導弾1基を発射した。

 残りの04式空対空誘導弾もワイバーンに向けて発射される。04式空対空誘導弾はF-2のレーダーにより目標をロックオンすると自分がレーダー波を出し目標に向かっていき近接信管が作動して相手に大きなダメージを与える。ワイバーンは次々と攻撃され操縦者ともに落ちていく。A小隊は4基の04式空対空誘導弾で4匹のワイバーンを片付けた。高価な対空兵器ではあるが安価なAIM-9Lサイドワインダーでは赤外線を殆ど出さないワイバーンには不向きであった。(04式空対空誘導弾は1基6千万とも7千万とも言われます)


 攻撃を終えたF-2Aは帝都東の山脈を超えてKC-767給油機と合流し燃料補給の後宗谷特別行政航空基地に向けて帰還していった。KC-767給油機は高度1万mで次のC-2輸送機に備えて旋回を続ける。


 C-2輸送機は北側街道、中央街道、南側街道、南海岸の4方向に別れてビラを撒く予定であった。

 一部の城塞都市でワイバーンを確認しているが、高度5百m程度から投下を行い、そのままワイバーンが追いつけない速度で飛び去る予定である。しかも要塞都市のワイバーンは夜間飛行の訓練は受けていないから夜間は飛んでいない。C-2は大陸東側の街から順次ビラを撒いていく。夜間なのだが高度千mからいっきに高度5百mに降下してビラを撒きながら街上空をパスするC-2の騒音にほとんどの住人は起きて外に飛び出してきた。空に何か白い物がふわふわ落ちてくる。帝国軍敗北のビラだ、大陸語で書かれており、文字が読めない者にも解るように写真とイラストも入っている。


 各C-2は決められた街や街道、村にビラを撒き次々と帝都に集まってくる。帝都上空で集合した4機は一斉にビラを西側から東に向けて撒いた。正確な枚数は解らないが残り全てを帝都に撒いてそのまま東に向かいKC-767給油機と合流し、給油しつつ全機で宗谷特別行政航空基地に戻っていった。

「総理作戦終了です」と高野。


「帝国民の反応は明日からだな・・・第101特殊普通科連隊に定期的に連絡を取ってください」と当壁。


「了解しました。最初の報告は日本時間10時頃入る予定です。またハイデルバーグにも撒きましたので第2師団に確認させましょう」と高野。


「作戦にかかわった全員にご苦労様でしたとお伝えください」と当壁。


「総理、かかわった全隊に無線で流します」と高野。

 帝国を内部崩壊させる為の第1弾は発動され成功した。

 帝国民の反応は表立ってできないとは思うが、心の中に厭戦気分が芽生えてくれると成功である。


「高野防衛大臣、第2作戦の発動を許可する」と当壁。


「はいドーザ大陸方面隊に下命、第2作戦キツツキ発令」と高野。

 第2作戦はドーザ方面隊の各師団にチロルの森に近い要塞都市へ交渉団を送り同時に師団も移動を開始するものである。これにより敵、中立、味方の都市が明確になる。

 初めて陸上自衛隊の積極的戦闘が開始された。


ありがとうございます。

次話では日本交渉団がアトラム王国に到着したようです。

日本での交渉もあり楽しみです。

帝都を攻撃された皇帝ガリル3世はどうするのでしょうか・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] スルホン帝国の国民に対する宣伝戦。民衆蜂起が起こりそうですね。 皇帝がこれでも、勝ち目が無いことに気付かなければ、もうクーデターしか有りません。 帝都上空の制空権まで取られて勝てると思うほど…
感想一覧
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