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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
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第83話 ミソラ・ロレンシアの冒険 その6 ドーザ大陸上陸-ハイエルフとの交流

第83話を投稿します。第82話は最後の方を訂正しております。

やっとドーザ大陸に上陸できたミソラ達冒険者。早速ハイエルフの里に向かいます。


誤字脱字報告ありがとうございます。感謝感謝です。

 ミソラ達は宗谷岬公園に作られた外来者用テントで外務省の許可を待つ事になったが、いつまで待っても許可が下りる気配がなかった。3日程度の予定が1週間足止めをされている。


 陸上自衛隊の検問担当の若い自衛官に尋ねる。

「あの、許可は下りないのでしょうか」とミソラ。

「すいませんミソラさん、詳しいことは言えないのですが、実は日本山を越えたチロルの森でスルホン帝国との戦闘が起きていまして、日本山に通じる道路、航路は全て自衛隊優先となっているのですよ、ですから民間人は後回しになっています」と自衛官は何日も待っているミソラ達に気を使う。


「そうですか・・・・」とミソラ。


「ねえ姉御、外務省に相談してはどうかな」とミリアが言う。


「そうだった、それがあった」とミソラは早速スマートホンで外務省に教えてもらった番号に電話をかけた。「もしもしミソラです」とすっかり日本人化したミソラが言う。

「はいお久しぶりです、冒険は順調ですか」とミソラを世話していた担当官は言う。


「ええ実は宗谷岬公園の分屯地と言う所まで来られたのですが、大陸で戦争とかで足止めされています」とミソラは切実に訴えた。

「戦争は知っています。うーーんなんとかしましょう」と担当官。

「ぜひお願いします」とミソラ。


「ねっお昼食べよう」とミリナはお腹をさすりながら言う。

「もう腹減ったのか・・」とみんなに言われる。

「だって・・・朝食少なかったんだもの」と反論する。

 しかしみんな同じ量なのだが・・・ミリナ恐るべき15歳。


 昼食後ミソラ達は日課となった散歩をしていると、一人の自衛官が走ってきた。

「ミソラさーん、良かった見つかった。責任者がお呼びです。こちらにお越しください」

「はい解りました、みんな行きましょう」とミソラ。


簡素な建物の前で「どうぞお入りください」と言われ中に入ると、内部は簡素な応接セットがある。

「お座りください」と宗谷岬公園検問所の責任者が誘導する。

「お邪魔します」とミソラ達7名はソファに座る。


「ミソラさん達の冒険は有名で陸上自衛隊でも話が出ています。被災地なども訪問されたとか聞いています」と責任者。

「ええですが、ドーザ大陸では戦闘が起きていると聞きました」とミソラ。

「そうなんです、我々も詳細は聞いていないのですがドーザ大陸に通ずる道路は自衛隊の物資や弾薬輸送が優先となっています。テレビのニュース等で放送されています」

「そうだったんですね。時期が悪かったのか」とミソラ。

「ええそうです。ただし先ほど組織の上部から通達がありました。ミソラさん達一行を大三角州に作られた駐屯地まで車でお連れするようにとの事です」「準備ができましたらお送りしますのでお声がけください。それからこれは少しですが宗谷岬検問所一同からの差し入れです。受け取ってください」と責任者が何かを手渡す。


「稚内や宗谷岬の名物で干したタコとイカが入っています。美味しいですよ」と責任者は言う。


「有難うございます。いただきます」とミソラはそれを受け取り匂いを嗅いでドネルグに渡した。


「では準備をお願いします」、ミソラ達は礼をして退出し自分達に割り当てられた宿舎に戻った。

「最初から外務省に連絡すれば早く出発できたのに」とミリナは言うが、ミソラは戦闘の最中に冒険者を受け入れる余裕はないはずと思い「多分だけど戦闘が終わったから行けるのだと思うよ」と言う。

 ミソラの考えは間違っていなかった。チロルの森駐屯地では1万5千人対帝国250万人の戦いが自衛隊勝利で終わったばかりだった。

 どちらにしても車で大三角州駐屯地まで送ってくれることは魅力的だった。


「さて、準備と言っても身の回りだけだし簡単に終わるよね」とミソラは言うが、ミリナは隠していたお菓子や食料を大量に袋に詰め込みドネルグを探していた。

「ミリナそんなに沢山の食料どうしたの?」と魔導士のミルネが聞く。

「えへへへ、ミリナかわいいから自衛隊の皆さんがおすそ分けと言ってくれるのよ。こんなになっちゃった」とミリナは言うが、自分でかわいいとか言うか。


 ミソラは全員の準備を確認して、男子の宿舎に向かい剣士のトムスと同じく剣士のタトルとドネルグの様子を見に行ったが、もう3人は外でミソラ達を待っていた。

 急いで女子宿舎に戻ると「みんな準備が終わったなら外に出ましょう」とみんなを急かす。

「はーーい姉御」と言われる。ミソラは顔を真っ赤にして「姉御はやめてーー」と叫ぶ。笑い声が漏れる。


 外に出るとトムスとタトルとドネルグの3人が待っている。「お嬢さんたち遅いぞ」とタトルが言う。


「ごめんよ、ミリナの食料が重くてさ大変なのよ」と魔導士のソラが笑いながらミリナに指を指す。

「もー手伝ってよ」とミリナは重い食料をドネルグに預ける。


「姉御そろそろ収納もいっぱいになっていますから、しばらく野宿しましょう」とドネルグ。

「そうねハイエルフ様に会いたいからそれまでは野宿よ、みんな」と計画を打ち明ける。


「えっ女神様に会いに行くの、やったー」とソラ達は大喜びである。


「ミソラさん、お迎えにあがりました」と若い陸上自衛官が高機動車に乗ってやってきた。

 ミソラは助手席に座り、他のメンバーは後部座席に向かい合って座る。

「皆さん忘れ物は無いですか、なければ出発します」と自衛官は声をかけ出発する。

 途中いくつかゲートを抜けドーザ大陸につながる道路に入る。最初自衛隊員が魔獣たちと未知との遭遇をしたドーザ大陸側の細い岬である。今では舗装され先端が細かった岬も補強され片側4m2車線の立派な道路が作られている。ただしまだ魔獣等の対策の為に障害物が置いてあるので蛇行しながら進む。


「海綺麗だね」とミリナが言うと、タトルが「ここはもうドーザ大陸とそれにつながる海だよ」と教える。

「へー」とミリナとミルネが声を上げる。

「見て、森が迫ってくるよ」チロル山脈を挟んだ森である。深くには油田とハイエルフの里があるが、車は左に曲がり大三角州に向かう。


 しばらくは多くの車とすれ違い海ばかりを見ていた。

 やがて開けた所に出るとそこに街があった。大きな空港も港もある。

 ミソラ達が宿泊した横浜を小さくした感じの雰囲気が感じられる。

「みて、犬族がいるよー」とミリナ。「あっウサギ族にドワーフ、エルフもいる」「すごいみんなで生活しているのかね、まるでアトラム王国の様だ」とソラとトムスが騒ぐ。

「ええみんな帝国の迫害から逃れてきて日本が保護しているのですよ。仕事もしてもらってます」と若い自衛官は説明する。「日本は差別がないのですね。すばらしい」とミソラ。

「いえ昔は日本も差別はありましたが、今は共存共栄で仲良しです。特に亡命してきた獣人の皆さんは行くところもないので、住居や生活の保障と引き換えに仕事をしてもらっています」と答える。


「特にエルフの皆さんは、あなた方が「女神様」と呼ぶハイエルフの皆さんに奴隷紋を消してもらって、ここでは自由に生活していますよ」と自衛官。

「すごい、アトラム王国でも高価な魔道具を使わないと消せないのに女神さまは簡単に消してしまうのですね、ますます会いたくなりました」とミソラ。


「もう着きますよ。宗谷特別行政区の陸上自衛隊駐屯地です。となりは航空自衛隊に海上自衛隊の基地となります」

 そうここは大三角州に作られた宗谷特別行政区空港に隣接した自衛隊基地であり、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の各建物が並んでいる。特に航空自衛隊は空港管制も行い、航空輸送隊とF-35AとF-15Jの飛行隊も駐在している。日本山山頂航空基地もここの分駐基地である。

 陸上自衛隊は、大三角州南側に3つの分屯地を持ち検問所も管理しているが、ここの駐屯地は管理機能だけが入っている。


 大きなな建物に案内されたミソラ一行は、宗谷特別行政区駐屯地陸上自衛隊司令官と面談する。


「お話は聞いていますよ。それでこれからどちらに向かわれますか」と司令官。

「私たちは最終的にドーザ大陸を横断したいと考えています」とミソラ。

「それは無理です。これから帝国と戦争になりそうなので、許可はできません」

「そうですか、でしたらハイエルフ様の里に行き、その後は私たちは冒険者ですので、遠回りですが南下して帝国港町から西に移動しようと思います」

「そうですか、日本山山頂とチロルの森駐屯地は現在民間人の立ち入り禁止となっていますが、ハイエルフの里やドーザ大陸南にある検問所は許可があれば出入りできますので、許可証を発行しましょう。ただし南の検問所を出たら自衛隊は現状では関与できないので皆さんのお力で危険を排除して頂かないといけないのですが宜しいですね」と司令官は書類を用意する。


「ええわかっています。アトラム王国でも魔獣との戦いは毎日の日課でしたから大丈夫です」

 トムスとタトルは腕を上に上げて、「日本は安全で体が鈍っています。早く魔獣と対峙したくてわくわくします」と言う。

「ははは皆さん逞しくて安心しました。ですがドーザ大陸は自己責任で旅を続けてください」と司令官はくぎを刺すが、許可証を用意してくれた。

「それから機密上申し訳ないのですが、地図はこの簡易地図しかお渡しできません。見ていただくとわかると思いますが、この駐屯地から北に向かうと大きな道路があり、それを渡り山なりに行くとハイエルフの里があります。近づくと脳に直接言葉が響きますのですぐわかりますよ」と司令官。

「南の検問所はハイエルフの里から逆に南方面に歩いていただいて、この駐屯地を過ぎて大三角州にできた街を南に進み、陸上自衛隊の分屯地が幾つかあるので、その一番南が国境検問所の分屯地になります。連絡はしておきます」と司令官。


「有難うございます。早速行ってまいります」とミソラ。

「えっ今からですか、もう15時ですよ。ハイエルフの里までは徒歩で6時間程度かかりますよ」と司令官。

「あっ途中で野宿するので大丈夫です。魔獣対策もありますので」とミソラ。

「そうですか、本日はお泊りかと思って宿舎を用意していたのですが、解りましたお気をつけて冒険なさってください」と司令官はミソラ達を送り出した。


「ふう、冒険の始まり始まり、だね」とミリナ。

「日本じゃ弱い「くま」程度しかいなかったから本当に体が鈍ってしょうがない」とトムス。

「さぁみんな出発しましょう。暮れてきたら宿泊ね、ハイエルフ様は明日かしら」とミソラ。

「はーーい姉御」ミソラはあきらめた。


 ・・翌日早朝・・

 駐屯地の整備された一画を過ぎると草が生い茂り道もなくなってきた。遠くに車の音が聞こえる。

「大きな道まで後5キロ程度よ、過ぎればまた森になるから頑張ってね」とミソラ。


 ミソラ達は急いで歩き大きな舗装された道に出た。

「大きい道だね、4本も道路がある」とソラ。「これが日本山を越えて帝国に向かう道路と言うわけだ」とタトルが先を指さして言う。

「みんな気を付けて渡りましょう」とミソラ。


 山から大型トラックが何台も連なって来た。

 ミソラ達の傍で止まり「お前たちは何者だ」と自衛官がトラックから降り、89式5.56mm小銃を構えて聞く。その間に後続車からも自衛隊員が下りて同じく89式5.56mm小銃を構える。殺気立っている。

「私たちはミソラと言う冒険者です。ハイエルフ様の里に向かう最中です」と正直に答える。

「ミソラさん達か、聞いています。我々は陸上自衛隊第2師団第2施設大隊の隊員で負傷した帝国兵を病院に輸送途中です」「どうぞお気をつけて冒険楽しんでください」と敬礼を受けた。


「はい皆さんもお仕事がんばってください」とミリナが言い手を振る。少しかわいい。


 道を渡り森へと入っていく。

「姉さんもうじき暮れます。宿泊地を見つけてください」とドネルグ。


「そうね、もう少し行きましょう、ここは車の音がうるさいし埃もひどいから」とミソラ。

「はい姉御」みんなはこれが定着してしまった。


「まだ若いんだぞ」とミソラは少しすねる。


 さらに5km程歩くと完全に夜になってしまった。

 森の中に広場を見つけ、「今日はあそこに泊まりましょう」とミソラは言う。

「はーーーい姉御」ひどくなる一方だ。


 各自分担して宿泊準備にかかる。

 

 トムス、ドネルグ、ミソラとミルネの4名でテントを4張作り、タトル、ソラは食事の準備だ、ミリナは相変わらずお菓子を食べている。「ミリナ食事食べられなくなるよ」とソラ。

「大丈夫、別腹別腹」ミリナは変な日本語を覚えた。


 テントが張られ、食事もみんなに渡った所でミソラが言う。「明日は6時起床で準備出来次第出発ね、ハイエルフ様にご挨拶してすぐに南に戻ろうと思う」

「はーーーい姉御」「いただきます」ミソラは泣きたくなった。


 大三角州の森は、まだ開拓されておらずハイエルフの要望もあり原生林となっている。ところどころ戦闘の跡はあるがおおむね大きな森となっていた。

 ミソラ達は小さな広場に宿泊して寝ている。


 そーと忍び寄る影が2つ・・・テントで寝ているのが冒険者だとわかると影はすっと消えた。


「みんな起床」とドネルグが叫んで回る。

 ソラとタトルとドネルグが朝食の準備を、それ以外のメンバーはテントを畳んでいる。

 ミリナもテントを手伝っている。

 突然「あれー」こんな所に何か落ちている。とミリナ。

 ミリナが畳んでいるテントはミソラとソラが寝ていたテントだ。

「紙のような・・我ら・・の・・地に・・向かう・・者よ・・このまま北に向かえ。かな。アトラム王国の神官が使う言葉みたいだよ」少しの間神殿でヒーラー修業したミリナが言う。

 ヒール魔法はヒーラーになれなかったソラから学んだのだが王都では3ヵ月だけ神殿で癒し魔法について学んだのだ、その時の魔法書の言葉に近いメモであった。


「これ多分だけど、ハイエルフ様が見に来たんだと思うよ」とミルネ。

「いや申し訳ないが、不審者がいればトムスとタトルが気づくはず」とミソラは言うがハイエルフ様だと思っている。


「ねえみんなハイエルフ様は近いってことだよ、急いで行かない」とミリナ。

「えっ朝食も食べずに行くのかいミリナ」とみんなびっくりしている。

「そうだった・・・食べよう」とミリナ。

 みんな大笑いだ。


 皆は急いで食事をすると広場にゴミが無い様に片付けて旅立った。

 宿泊地から10kmも行くと、突然「止まれ、何者か」と頭に響く。

 ミソラは一瞬でハイエルフ様だと思い。大陸語で「私たちは冒険者です、女神様に一目でもお会いしたくまいりました」と丁寧に言う。


「よかろう、そのまま北に進みなさい迎えをやろう」と言うと頭に響く声は聞こえなくなった。

 ドネルグは涙を流している。「やっと女神さまに会える」と言うと「女神教の信徒で良かった」とも言う。そんな雰囲気はなかったのだが・・・しかしみんなも女神教の国で生まれ小さい頃から祈りを捧げてきたからドネルグの気持ちは理解できる。


 そのまま北に向かうと、一人の少女が木に寄りかかりみんなを待っていた。

「初めまして、わたしは「リナ」と呼んで、ハイエルフには名前が無いので日本の方たちが付けてくれたの」とリナは言う。外務省の仕事が終わり、半年ほど大学に学んでいたのだがハイエルフの里に戻ってきたのだ。それには「マリア」と「ヒナタ」が陸上自衛隊の手伝いで忙しくなり、応援の為に日本で学んでいた「ナナ」「リナ」「ミーナ」「レイナ」の4人を呼び戻したのだった。


「ついてきて、族長がお会いになるそうよ」とリナは言いながら歩き出した。

「そのー昨夜おいでになったのはあなた様ですか」と聞きにくいことをミソラは聞く。


「あは、ばれた?。昨日は「ミーナ」と「レイナ」の当番だから、その二人ね」と言う。


「お会いしたかった・・・」とミソラは言う。


「里に行けば会えるよ」とリナは言う。


「さっ着いたよ」とリナは言うが、ただの森である。

「ついて来て」と歩く。リナが触れて波打つ空間を抜けると村があった。「結界なのか」とドネルグは感心する。

「こっちこっち」とリナが呼ぶ。ミソラ一行はハイエルフの里に入った。

ミソラ達は族長と会えたのでしょうか。

ミソラ達は直ぐに旅立つらしいのですがもったいないような気がします。



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