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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
72/251

第70話 ドーザ大陸大戦 その1 

いつもお読みいただきありがとうございます。

実は69話がまだ未完成です。ミソラの冒険編ですが明日には入れようと思います。

(途中挿入などしたことないのですが頑張ります)

さて勢力図を作りました。文中説明が少しは楽になるかなと思います。

 帝国軍は動き出そうとしていた。

 第3師団、第4師団共に砲撃隊と攻城隊が合流したのだ。


 チロルの森北部の街道から入った所に第3師団野営地が広がっているが、そこに砲撃隊と攻城隊が遅れて合流を果たした。

 一方第4師団はハイデルバーグの西にある荒れた大地に陣地を作っていた。

 第5師団の生き残りはハイデルバーグの南の地に冒険者の団体を装って陣を構えていた。

 簡単な勢力図は以下のとおりである。

挿絵(By みてみん)

地図上方が北、1マスは50Km。


 陸上自衛隊第2師団チロルの森駐屯地では陸上自衛隊第2師団師団長の平沢陸将、副師団長の佐藤陸将補と幕僚長中野1等陸佐が海上自衛隊から提供されたOP-3Cによるデジタルマップに各帝国軍を重ね合わせて戦術地図を作成し、皆でにらんでいる。

 衛星からのデータでは地形までは把握できないので、デジタルマップは実にありがたかった。


「すこし第4師団が突出しているように思えます。計測では我が駐屯地まで200キロとなります。なお帝国第3師団は分屯地まで250キロ、帝国第5師団は駐屯地まで300キロですが、ハイデルバーグを通り抜ければ移動速度は速いものと思われます」と中野幕僚長は説明した。


「うむ、第4師団の方が突出しているか・・・」と平沢陸将は考えを巡らせていた。


「近隣にバーグ村がありますから村人を手伝いに使ったのでしょう」と佐藤陸将補が意見を言う。

「確かにその可能性はあります、いきなり日本の領地と言われても納得する住人は少ないと思いますし、帝国軍が師団事転進してくれば、やはり領土奪還と村人は考えるでしょう。責められないですね」と参謀長。


「ところで中野一等陸佐、例の第101特殊普通科連隊は1ヵ月経過するが、帝都には到着しているだろうか」


「はい、担当が統合幕僚総監部なので情報は入りにくいですが、出発を見送ってから1ヵ月は経過しているので帝都周辺かと思います」


「そうか、なら計画通りだな」


「はいそう思います」


「では状況分析を始めよう。幕僚と各大隊長および大隊付き幕僚を招集してほしい」と平沢陸将が言う。


「かしこまりました。分屯地と日本山の航空自衛隊、北部方面隊も呼びます」と中野参謀長。


「そうしてくれ、一大決戦だからな、全て合わせて10万人対260万人だ、作戦に穴が開くと敗退の可能性が強い、ここは情報を密にしようと思う」と平沢陸将も慎重だ。

「ついでに作戦名と戦術データも持ってきてくれ」


「了解しました」


 作戦指揮室では平沢陸将と佐藤陸将補が中野参謀の策定した戦術に対して細部の検討を始めていた。


 ここでは、平沢陸将に航空自衛隊と北部方面軍への直接命令権が与えられている。

 使える戦力は


 第2師団からは第3普通科連隊、第25普通科連隊、第26普通科連隊、第2戦車連隊、第2偵察隊、第2対舟艇対戦車中隊、第2特科連隊、第2高射特科大隊、第2飛行隊の攻撃隊と後方支援の第2施設大隊、第2後方支援連隊、第2通信大隊が参戦する。


 第7師団からは第71戦車連隊が、北部方面隊からは、第1特科団から第1特科群と第4特科群が日本山山頂の分屯地に駐留している。


 また、航空自衛隊からは日本山山頂に作った簡易飛行場からA-1軽爆撃機が20機配備されていた。だが、戦闘力が不足しているという指摘があり急遽、チロルの森駐屯地に北部方面航空隊から第1対戦車ヘリコプター隊全25機(AH-1S)が転進してきていた。それに伴い北部方面管制気象隊第2派遣隊も駐留している。


 日本側の準備は完了しており、模擬弾による演習を行う毎日であった。


 アトラム王国王宮ではスメタナ王が頭を抱え、考え事をしている。

 なにしろ2週間前に冒険者を乗せて日本から西に向かった船団が戻ってきたのだ。

 全船無事であったが冒険のリーダーであるミソラ達は日本に残り姿はない。

 旗艦の船長を王宮に呼び出し、タイラグ宰相と共に報告を聞いたのだ、それによると日本では厚遇を受け、ほとんど不自由のない暮らしが約束され、実際もそのとおりであった。

 しかも驚くべきことに、日本国は別の世界から転移してこの世界に来たらしいと。その技術力はアトラム王国より100年以上も進んでおり、平民がみな魔道通信のできる小さな機械を持ち、誰かとの会話を楽しんでいるとの事。

 車も街に溢れ、速度も速い。ガソリンと言うもので動いているらしく、魔法は関係ないとのこと。しかも平民でも買える値段だという。

 飛行機もたくさん飛んでいて、彼が居住していた横浜第3ふ頭からは、羽田向けの大型機や海上自衛隊の厚木基地からの航空機(P-3C)が多数目撃されていた。

 肝心の軍事力は、演習を見せてもらったが、戦車と言う鉄の車が凄い速度で野原を駆け巡り、大型砲塔から発射された弾頭は100発100中で、攻撃されたものは何もわからず撃破されていく程だ、目の前で見せられた冒険者や船乗りたちは、あまりの迫力に凍り付いて何を見せられているのかわからなくなる始末であった。

 日本国には海上自衛隊と言う軍隊と、海上保安庁と言う海上警察があり、噂では海上自衛隊は100Km先の船も沈めることができるらしい。


 多少誇張はされていると思うが、スメタナ王は侮ってはいけない相手だと思っている。


「タイラグ宰相、かれらの話が本当だと言うならば、エコーリア2世と第2艦隊は相手に一撃も与えることなく沈んだと見るべきだな」


「はい国王、その通りと思います。我々は戦ってはならない相手と戦火を交えたと思います」


「タイラグよ世界は広いな、儂は直にそれを見てみたくなった。神々の洞窟でも生き残りから、我が戦車がおもちゃに見えるような大型の戦車が現れたとか、空を自由に飛び回る火の矢が飛んでいるとか、寝言かと思ったが本当の事らしいと思い直した」

「帝国もろくに相手を知らず戦争を仕掛けているのだろう。そうなると帝国陸軍の10パーセントを先に排除した日本は、この帝国陸軍の半数を相手にどのような手を打つか楽しみだな」


「国王よ、さすれば我が王国で研究している自動で弾を発射できる歩兵用の自動銃も日本は持っているかも知れません。いやもっと性能が良い可能性があります。これは強敵です」


「タイラグよ、そなたの心配は私の心配でもある。当然100キロ先の船を沈める軍隊ならば陸軍に自動銃が行き渡っている可能性が高いな。なんとか交渉でそれを先に手に入れたいな、さすれば帝国など怖くないと言える」


「国王、日本国はそれだけの軍事技術を持ちながら戦争はしたくない国家と言っておりました。矛盾しませんか」


「タイラグよ、それはわしも思った。もしかすると日本と言う国は元いた世界でなにか大きな戦に巻き込まれて多くの国民が亡くなったのであろう。儂もこのアトラム王国の国民が半数以上が戦火にまみえて亡くなるのであれば、たとえ戦争に勝ったとしても戦争により国力は半分以下になり、民に苦しい思いをさせるだけだ。戦争はこちらに傷が残らない様に一方的殲滅が望ましいのだ、それによって相手の再起は削がれるからだ」


「国王よ私も民がいない王国など、ただの荒れ地と思います。そんな地を治めてもなにも生まれません」


「そうだ、民のいない国家など国家ではない、王も同じだ、民がいての王なのだ。できるならば戦争は避けたい、だが帝国は後先考えずに向かってくるサルどもだ。日本国に勝ってほしいものだな」


「国王よ日本が帝国に勝利すれば次は我が国に向かうのではないですか」


「情報が不足しているが、今の状態では、もし日本国が勝てば帝国や大陸を占領するだけで、大陸から出て戦うなどないのではないのか、話を聞く限りではあるが我が国より民を大切にしている様に思う。あれだけの技術や軍事力がありながら、軍隊の人数は少ない、少なさを技術が補っているように思う」


「国王よ私もそう思います。他国の侵略を考えるのであれば軍隊は多くなければなりません。占領一つとっても訓練された兵士が多数必要です。もしかすると占領する気などないのではと思います。それに獣人やエルフにドワーフなども仲良くやっているとか、しかも仕事を与えたり住居を提供したりしているとか聞きます。人間だけではなく困っている者たちにも手を差し伸べていたりすると聞きます」


「そうだな、たまたま大陸と陸続きになったおかげで自己保存をかけて仕方なく戦っているように思える。そうでなければエコーリア2世と第2艦隊が来た方角に攻め込んでいるはず、そすればアトラム王国の各港は今頃すべて火の海のはず。相手が日本で良かったというべきなのだろうか」


 確かにスメタナ王の心配は当たっている。相手が帝国だったならば即座に追撃するはずだ。日本は火の粉を払いのけただけなのか。


「タイラグよ日本に興味が沸いた。特務戦隊から有能なものを選び、タイラグの部下も付けて、日本と国交交渉をしようと思う。うまくいけば帝国の戦火からも守ってくれるかもしれない。第2艦隊が居ない今は帝国との艦隊戦も不利だ、引き分け以上にならない、日本と国交を結ぶ事ができれば、帝国は何もできまい」

「タイラグよどう思う」


「国王陛下、実は私もそれが理にかなっていると思います。ご提案しようと思っていました」


「流石だなタイラグ、さっそく使節団を組織して日本に向かわせろ、第1に国交、第2に技術だ、ただし無理はするな、日本に警戒されれば全てが流れてしまう。頭の良いやつを向かわせろ」

「必要なら冒険者達を乗せた船団の船乗りたちを全て雇いあげろ」


「はい国王、新造船のコルグ・スメタナを旗艦として交渉船団を作り向かわせましょう」


 新造船はエコーリア級の2番艦として建造され、国王乗船用に豪華な作りであった。

 もちろんコルグとは アトラムの公用語であるアトラム語で国王と言う意味である。


 各国の思惑が交差して事態を複雑なものに変えていく。

ありがとうございました。

70話を先に投稿することになってすいません。ミソラの69話後大戦の話が続きます。

適度にミソラの冒険話を入れますのでよろしくお願いします

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― 新着の感想 ―
[一言] 君子、豹変す。 実に素晴らしい、ご都合主義な展開ですが、ストレスなく読み進めることが出来そうですね。
[一言] 王国の王は王でしたね。帝国の王はは覇を唱えるだけの愚王のようですが。 ミソラは基本日本萬遊記なので途中挟む形は良いんじゃないかと思います。
[一言] アトラム王国のスメタナ王は、日本とこれ以上戦っても益が無いことに気付いた。 どうやら元々、性格的に傲慢ではなかったようで、それが幸いしましたね。 一方のスルホン帝国側が、これ以上日本と戦っ…
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