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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
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第66話 対帝国前哨戦その2

家の中を整理しています。不用品が多く、一度遺品整理を入れようと思っています。

でも売れそうなものはないですね(笑)


さて、帝国師団とのコンタクトが始まります。大事にならないと良いのですが。

あっミソラ達の事はあとがきに書きます。

 第3普通科連隊、第3中隊長の東山は第1小隊と第2小隊の中隊長からなる交流チームを構成し、第3小隊第4小隊に中隊本部と管理小隊を緊急予備隊として交流チームの後方1kmに配置した。緊急予備隊は対人戦ではあまり効果のない01式軽対戦車誘導弾も用意させていた。脅しのためである。


 交流チームは自衛隊旗と中隊旗を掲げ、中隊長車である96式装輪装甲車を改造した96式指揮通信車を真ん中に、両サイドを96式装輪装甲車2台づつ計5台が横一列で進行し、5台の中には小隊長指揮車2台を含む、その後方に第1小隊第2小隊が96式装輪装甲車2両付いていく。後方の両サイドは高機動車に81mm迫撃砲 L16を乗せた2台の計9両の構成である。


 緊急予備隊は第3第4各小隊に加え、中隊本部に管理小隊と重迫撃砲1個小隊が随伴する。


 交流チームが帝国第3師団に近づいていく。


 帝国の警備兵が見たことない乗り物に驚きながらも、職務を思い出し「止まれ、何用か」と大声で叫ぶ。


 東山中隊長は96式指揮通信車に搭載している拡声器で、「我々は日本国自衛隊、このチロルの森の管理を皇帝陛下より受けている。そなた達こそこの場所で何をしているのか、明確にせよ」

 やや強気である。


「そなた達がうわさに聞く日本国軍なのであるな、我々は帝国第3歩兵師団である。いそぎ師団参謀長のフルトハイム閣下に連絡するので、その場で待て」

 相手も偉そうである。


 東山隊長は言う「甘利君、約100万の歩兵軍勢だぞ、壮観だな」甘利は第1小隊長である。

「確かに人の波というのは、言いえて妙ですな。一たまりもありません」


「となると、セオリー通り分散個別撃破かな」


「ですが、この人数では厳しいでしょう。ならば固めて範囲殲滅を計画すべきと思います」


「そうだな、フレシェットや焼夷弾があるから、広範囲に散布できれば半数を行動不能にできるな」


「ええそう思います、近づいてきた敵は、96式装輪装甲車の12.7mm重機関銃M2で排除できると思います」


「それはそうだが、弾が尽きそうだ。100万人だぞ」


「各WAPC(96式装輪装甲車)にいつも以上に12.7mm弾を積み込みましょう」


「そうだな歩兵戦は我々に相当不利だからな、できる手は先に打つべきだな」


 物騒な話を敵陣地で行う2人を見て、第2小隊長の近藤は少し焦る。

 だが、近藤もいざとなれば、大型トラックで敵に突撃すればよいのではないかと考えていた。

 大型トラック前面に大型の対障害物ガードを装備して高速で突っ込む事ができれば、相手は相当ひるむのではないかと考えている。


 大陸は本日も晴天。上空高くにOP-3Cが飛行している。隊長車にはレーダー受信音が騒がしく鳴っている。

 この転移した世界でマイクロ波を照射できるのは自衛隊だけなのに、警告音に皆緊張する。


「海上さんも仕事しているな、飛ぶだけでデジタル地形データが取れるのだから便利だな」と東山。

「全くです。戦略戦術の要ですから、しっかり仕事してほしいです」と甘利は答える。

「我々も3Dデジタルマッピングは戦略戦術の要ですから早く実用化したいです」と近藤が遠慮がちに言う。


「そうだな、大陸全土の3Dマップが欲しいものだ」東山も同意する。


「あっ来たようです」


 帝国語を話せるようになった東山中隊長が対応する。

 甘利と近藤はポケット翻訳機にイヤホンを差して、耳に入れて対応する。


「我々は日本国自衛隊である、皇帝陛下よりチロル地方一帯の自治権を託されている。見たところ帝国師団とお見受けするが、この地に来た目的を説明してほしい。我は日本国陸上自衛隊第2師団第3普通科連隊第3中隊長の東山である」


 煌びやかな服をまとった高級貴族という言葉がぴったりな参謀らしき者が答える。


「挨拶ご苦労、我は皇帝陛下の帝国陸軍第3師団参謀長のフルトハイムである」

「あいにく師団長のブルーム閣下は多忙である。私が相手をする、代表者3名はこちらに来られよ」

 打合せどおり、東山、甘利と中隊付き参謀が同席し、近藤小隊長は中隊長の96式指揮通信車に入り、すべてのハッチを閉鎖した。中隊長の会話は小隊無線により伝わってくる、ただし帝国語ではあるが、苦労はしない。

 近藤が無線で第2師団にコンタクトを報告する。続いて各小隊に警戒待機を指示する。


「初めましてフルトハイム閣下、それにしても壮観ですなこれほどの軍隊を見たことがありません」


「そうだろう、東山とやら。帝国第3師団の歩兵中隊が5隊でこれだ、約100万人おるぞ」

 東山は思う、「これは持ち上げると、何でも言うタイプかな」と。

「ところで、その偉大な第3師団総員でこの地に何用ですか?」


「あはは、東山とやらこれで総員ではないぞ、砲撃隊と攻城隊も合流予定だ」


「おお、帝国師団が揃うわけですな、それでこの地で何をするのです」


「そうだった、このチロル地方の西部は荒れ地になっているのは知っているだろう、そこで砲撃と兵士の連携訓練を予定しておる。その後に攻城隊により山を城に見立てて攻撃訓練を予定しておる」

「見学しても良いが、危険だぞ」笑いながらフルトハイムは言う。


 思ったとおりだ、砲撃隊と攻城隊と合流してから東南の駐屯地を攻撃予定だな。

「偉大な帝国師団の戦闘訓練を見てみたい気はしますが、我々は領地内の巡回で人数が不足している状況でして、遠慮させていただきます」

「そうだお近づきのしるしとして、日本国の酒を少しですがお持ちしました。お受け取りいただけるとありがたいのですが」


「なに日本国の酒とな、どれ我々幹部が味見してやる」


「それはありがたい、ブルーム閣下にもよろしくお伝えください」

 東山は後ろに手を回し、合図を送った。

「ではお持ちしますので、何人かの兵士をお願いします」


「うむわかった。おい、お前4名連れてこい」

 警備兵に指示した。


 第1小隊員が中隊長車から木箱に4本入った日本酒を2箱とグラスを2つとバールを持ってきた。

 むろん日本酒のビンには無線機が仕掛けてある。箱に仕掛けると燃やされる可能性が高いのだ。

 東山はバールを受け取り、箱から1本を取り出すと封を開けてグラスに注いだ。


「親善の酒です、毒など入っておりません」と言いながら酒を飲みほして、もう一つのグラスを差し出した。フルトハイムに渡した。

「おっおう、うまいなこれは、飲んだことない透き通った水のような酒だ」


「日本国では良い酒は水の様に口当たりが良いものとされています」

「日本でもめったに出ない一級品です」と東山。

 中身は一升瓶2000円程度の物なのだが。


「めったに出ない一級品とな、どうりでうまいわけだ」とフルトハイムは満足していた。


「では閣下もお忙しいでしょうからこの辺でお別れします」

「良い訓練を期待していますぞ」


「うむご苦労、手を煩わす事もないと思うが、近寄らないようにしてくれ、怪我をさせたくないのでな」


「ええわかっております。ご武運を」と一礼して東山は引き上げていく。


 何事もなくコンタクトは終わった。

 日時を取り決めて3方向からの同時攻撃を考えているのだろう。食えない相手である。

 2個師団200万人と第5師団の生き残り50万人が相手となる予定だ。これが同時に攻めてくるなど考えただけでも身震いする。対する第2師団は約1万人に応援が2500人、数の上では劣勢である。何しろ200倍の戦力差である。ランチェスターの法則を引き合いに出さなくても、人数の多い方が勝つに決まっている。

 自衛隊が勝つための条件は、戦力性能を200倍以上にする事のみである。


 第2中隊と帝国第4師団とのコンタクトも何事もなく終わった。


 ただし、第1中隊がコンタクトした帝国第5師団の生き残りは、相当に好戦的だったらしい。

 第5師団は第2中隊と第3中隊を壊滅させられ、20万人の兵士はたった2400人しか生き残らなかったのだ。

 第5師団は冒険者を装っていたので、ばれてないとも思ったのか、切りかかってきたらしい。

 ただ、全員ではなく警備兵らしき10名程度であったらしい。


 着剣した89式5.56mm小銃でかわし、1名を射殺したところで司令部らしきテントから参謀らしき者が来て収まったらしい。


 第5師団はあくまでも冒険者を名乗り、大規模討伐だと言い切った。

 ハイデルバーグの冒険者協会にも確認しろと言う。確かに届け出は出されていた。

 内容は、新人冒険者の訓練育成と集団戦闘訓練となっていた。


ありがとうございました。

攻城隊や砲撃隊の到着が遅れているようですので、次回からミソラ達の冒険譚を入れます。

仙台まで新幹線で行くと言ってましたが、どうなるのやら。

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― 新着の感想 ―
[一言] 航空機から投下するナパームでプロ仕様のサッカーグラウンド3枚分以上くらいが焼け野原になるらしいですね。
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