第65話 対帝国前哨戦その1
10月20日に納骨が済みました。
病気が判ってから1か月半の命でした。この医学が発達している時代になんだかなと思います。
現在は相続などと名義変更がある程度終わりました。つかれました。
また再開することができてうれしいです。
アトラム王国王宮ではスメタナ王の精神状態が悪い状況が続いていた。
「王よお静まりください」とタイラグ宰相が言う。
タイラグ宰相は各種情報に通じていて、軍属者を含め情報部隊を独自に組織している。
これにより、アトラム王国では必要不可欠の人材として暗躍している。
「タイラグよ、冒険者に紛れた軍属密偵やスルホン帝国に忍ばせた密偵からの連絡はまだか」
「はっ王よ、冒険者共については後7日程度で戻るはずです。スルホン帝国の密偵からは、複数の情報として、帝国軍と日本軍がチロルの森周辺にて戦闘に入る模様です。ただし、なぜか帝国軍の戦闘開始が遅れているようです」
「だから言っておっただろう、ガリル3世が自国領土を割譲するなどあり得んと、要するに日本国を油断させて自国内におびき寄せて、世界最大の陸軍をもって殲滅させる意図だと」
「王よ、そうかも知れません。ただ帝国の密偵複数の者から、日本軍は40キロも飛ぶ大砲に大型の鉄の馬車を持ち、もの凄い速度で走り回るとの情報が届いております。
いくら帝国陸軍が世界最大の兵力を持とうが相手に近づけないのであれば、攻撃はあり得ません。
王よ、地上でも40キロも飛ぶ大砲があるなら、船も同様かと思います。思いたくないのですが、我が第2艦隊は予想通り殲滅させられたのではないでしょうか」
「なに、エコーリア2世の倍の射程が陸上で使われるのか、ならば海上でもあり得る。第2艦隊は全滅した可能性が強いな」
「ええ、王よ日本国は現在世界最強の軍隊ではないでしょうか」
「そうだな、今後の対応を考えなければならぬな」
スメタナ王は賢明な王だ、日本国と対峙した場合の戦略・戦術シミュレーションを思いめぐらせていた。
チロルの森に布陣する陸上自衛隊第2師団平沢陸将は副師団長の佐藤陸将補と共に、中野一等陸佐幕僚長の報告を聞いていた。
「我が師団の主陣地および遊撃用の副陣地はすべて完成しました。またチロルの森各村に避難豪もすべて完成し、攻撃の準備は整いました」
「副陣地は戦国時代で言う出城という位置づけと思うが1つでは不安があるな」と副師団長。
「佐藤陸将補、大丈夫と思うぞ、我が第2戦車連隊がおるし、主陣地には第7師団から第71戦車連隊が到着済みで、同じく第11旅団より、第10即応機動連隊も派遣してもらった。これで4個普通科連隊すべてが96式装輪装甲車による高速機動連隊となった」と平沢陸将。
「油断はいけないが、立川統合幕僚長と北部方面隊中野総監のご配慮だ、心配しすぎも狭窄症に陥るから平常心で構えてくれると安心できる。要は情報である」
「でその情報ですが」と中野一等陸佐幕僚長が続ける。
「帝国軍の第3師団、第4師団と第5師団の生き残りはそれぞれこの位置に留まり、支援火器や攻城兵器隊を待っていますが、第5師団を除いて後3ヶ月はかかるものと思われます」
「OP-3Cが偵察機として優秀だと実証されてからは航空自衛隊も独自にC-2輸送機を改良して偵察もできる多目的機に進化させているらしいですね」
「うむ簡単にデジタル地形図に地図が作成できてしまうからな、衛星画像では地形は解らんし、陸上自衛隊にも必要性が高まっている」
「というわけで海上自衛隊から宗谷特別行政空港基地にOP-3Cを2機貸してもらっているが、今回の作戦では自由に使ってもらってかまわないそうだ。海上自衛隊から強力なリンク16装置とデジタルデータ受信機と地図地形作成コンピュータと管制官を当駐屯地に派遣してもらった」
「それは心強いです」と中野一等陸佐幕僚長。
「では管制官が任着しだい、帝都と各帝国師団のデータを取ってもらいましょう。防衛省の偵察衛星では概要がわかりますが、地形とリンクされると大変有効です」
「そうだな敵の野営地地形が手に入れば、攻撃も容易くなる」佐藤陸将補。
「任着は明日の予定だ、機材が3トン半トラックで4台にもなるそうだ。中野幕僚長第2施設大隊に施設を作ってもらってくれ。管制官と無線は使えるはずだぞ」
「了解しました。一部予備施設がありますので、そこに開設していただきましょう」
「広さや電気容量について連絡を取ってみます」
「よろしく頼む」
「ところで佐藤陸将補、作戦変更にはなるが第2偵察隊に帝国第3師団、第4師団に挨拶させてはどうかな、目的と期間を聞き出したい。どうせこちらの攻撃部隊だろうがね」
と平沢陸将が意地悪く言う。
「ははは、軍事訓練との回答が予想されます」と佐藤陸将補。
「しかし100万人近い師団と言うのを直に見てみたいものですね」
「そうだな、見てみたいな」と平沢陸将も笑いながら言う。
「中野一等陸佐、幕僚長、第2偵察隊を時速50キロ程度で訪問させて、相手の様子を見てみよう」
「かしこまりました。ただ、偵察隊は現在相当忙しいので、機動化された第3普通科連隊に下命させたいと思います。師団本部からカメラとビデオ機材を渡します」
「リアルタイムで見られるのかね」
「はい、日本山中継所が機能していますからそのつもりです」
「ではそれでお願いする」
中野一等陸佐幕僚長は3普通科連隊に下命し、帝国第3師団と帝国第4師団に挨拶に向かわせた。
第3普通連隊の第3中隊長の東山隊長以下中隊はチロルの森北部に駐留している帝国第3師団を訪問する予定であった。
東山隊長は中隊無線にて「これから帝国第3師団へ挨拶に行くが、もし戦闘になった場合は速やかに撤退する。もし捕虜となった場合は、夜間奪還作戦を実施する。以上だ」
次々と了解の返信が入る。
中隊参謀と東山中隊長は「さてなんと答えるかな、短気なら捕まるか殺されるな」
「ええかなり危険です」
「第1小隊と第2小隊で行くか、本部と第3小隊第4小隊は控えていてくれ、ついでに01式軽対戦車誘導弾も用意して狙っていてくれるか」
「了解しました。お気をつけてください」
「指向性アンテナを向けておきますから、小隊無線で会話を流してください」
「うむわかった」
ドキドキのファーストコンタクトである。
ミソラ・ロレンシアのパーティーは外務省と民間企業から1ヵ月分の給料を貰っていた。
なんと一人40万円にもなっていた。
「ねえミソラお給料と言う銀行残高が凄い事になっているのだが、冒険に出られるね」とミルネが言う。
「では計画どおり大陸まで行きますか」とミソラ。
「あの、わしは「しんかんせん」と言うものに乗りたい」と荷物持ちのドネルグが控えめに言う。
「そうね、「じぇっとき」と「へりこぷたー」には乗ったけど、世界一速い「しんかんせん」は私も乗りたかった」とミソラ。
「なら外務省からの許可証も貰ったことだし、旅立つか?」剣士のトムスも冒険に出たくて我慢ならないみたいだ。
「ならどうやって大陸まで行くかだね」とミルネ。
「あたし聞いたけど、大陸は北海道の宗谷岬がくっ付いていると聞いた。それなら北海道の函館まで「しんかんせん」が走っていると」と魔導士のソラも参戦してきた。
「でも「しんかんせん」代金高いって聞いたよ」とミルネ。
「ならこうしよう、東京から仙台と言うところまで「しんかんせん」で行って、その後は歩いて海岸線を西に向かいましょう。その方が地元の方とも交流できるし、いいと思うけど」とミソラ。
「賛成」と皆が言う。
「はい明日外務省の担当さんに言うね、良い考えを貰えるみたいだから」
「明日の昼から出発予定にするから、ドネルグ仕入れ頼むね。ミルネとソラとトムスもドネルグと仕入れに行って頂戴、タトルとミリナは私と外務省に行きましょう」「みんな良い?」
「はーい」みんなから積極的な返事が聞こえた。
いよいよミソラ・ロレンシアのパーティーは東北から北海道を徒歩で旅立つようだ。
ありがとうございました。
帝国師団とのコンタクト、うまくいくと良いですね。
ミソラ達の冒険旅も面白そうです。
以前は毎日更新していましたが、少し間を開けて更新していきたいと思います。
荒いストーリーは作っていたのですが、いろいろ足しているために思い出すのに苦労しました。年ですね。
次回もよろしくお願いします。1週間はかからない予定です。お楽しみください。