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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
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第60話 東海事変3

第60話を投稿します。

 チロル地方に作る予定の駐屯地案については、統合幕僚総監よりお墨付きをもらっていた。


「師団長、防衛省からの許可が下りました。こちらに北部方面隊の第3施設団が向かっております。受け入れ準備で忙しくなります」


「そうかよろしく頼む。私は「日本山国境検問所」に向かい、第3普通科連隊の陣中見舞いに行ってくる。佐藤陸将補留守を頼む」と副師団長に言い師団駐屯地に待機させた、慣れ親しんだUH-1J多用途ヘリコプターに乗り込む。

「ご一緒させて頂いてよろしいですか」と中野一等陸佐幕僚長が駆けてきた。

「かまわんよ」と師団長は招き入れた。

「すごい荷物ですね」と幕僚長。

「第3普通科連隊の連中には2回も死闘をさせたから、例の陣中見舞いだよ。それにすぐに引っ越しだからな」と師団長。「ええ我々も近いうちに引っ越しです」と幕僚長。


 UH-1J多用途ヘリコプターは駐屯地を飛び立つと、旋回しながら高度をあげて行った。やがて見慣れた「日本山国境検問所」が見えてきて中の分屯地に着陸する。


 すぐに北山第3普通科連隊長が迎えに出てきた。「平沢師団長、ご訪問ありがとうございます」

「いや気になっていたのだが時間が取れなくて遅くなった。これはみんなで食べてくれ」

「すいません気を使わせてしまって、みんなで頂きます」


 当日の警備担当である第3普通科連隊第3中隊長の東山隊長が駆けつけてくる。

「師団長お久しぶりです」

「おお東山君か、変わりないか」

「有難うございます。なんとか生き残れています」

「そうか、前回は激戦だったようだなご苦労」

「いえ2回とも10万の兵が押し寄せてきましたが、戦術が単純すぎてただ突進してくるだけの兵士は排除が簡単です」

「そうだな、戦闘に慣れてないとは思わないのだが、帝国兵は聞いたところ突撃だけで有効な手を持たなかったらしいが、次回もそうだとは限らないぞ、引き締める事だ。慢心は死につながるからな」

「肝に命じておきます」

「ははは、よろしい。今回は陣中見舞いだ堅苦しい事は抜きだ」


 と北山連隊長、東山第3中隊長共に「日本山国境検問所」に作られた応接室に入っていった。

「応接室などあったか」

「はい師団長、実は帝国皇帝の使いを調査室に通したところ「粗末な部屋だな」と言われまして。急遽中古の応接セットを入れまして応接室らしく偽装しております」

「ははは。それはこちらも気がつかんですまない」

「いえ、ここは元倉庫ですから偽装にはもってこいです」「ははは」


「ところで最近の亡命者は減ったのか」

「はい、亡命を希望する獣人やエルフは減りました。一時期は1日50名近くいましたが今は1週間で1から2名程度です」

「良い事だ。減ったという事は虐殺や売買の対象が少なくなったという事だからね」

「ええ、我々もそう思っています。しばらくこの検問所を閉鎖しても大丈夫なまでになっております」

「そうか、また工事で手間をかけさせる。今回の帝国対処が終われば一度旭川などに戻りたいものだ」

「そうですね、ここに来て1年近くになります。そろそろ家族が心配です」

「そうだな、私の娘も18歳になるのだが進路が決まらないらしいのだ。すこし相談に乗ってやりたいしな」

「そうですか、師団長の娘さんも18歳ですか、早い物ですね」

「そうだな旭川の時は毎日帰っていたのだが、今の方が娘からのメールが頻繁に入る。良いのかなと思う」

「離れていると、恋しくなるものなのですね」

「そうなのか。「うざいおやじ」には、なりたくなかっただけなのだがな。ははは」

「その為にも計画を遂行して、みんなで帰りましょう。我々も名寄の家族が心配です」

「そうそう東山君の所にも子供が生まれたのだったな」

「師団長覚えて頂いていたのですね、つい9ヶ月前に男の子が生れました」

「そうか、それはめでたい」


「はいありがとうございます」

「ですが、息子をまだ見てないので、次回の戦闘も生き残ります」

「その意気込みだ、必ず生き残って息子に会いに行け」

「はいありがとうございます」


 その晩は師団長より差し入れられた茹で毛ガニが食卓に乗った。一人一杯と贅沢である。


 中野一等陸佐幕僚長は双眼鏡で工事地域を丹念に見ていた。

「師団長バイクを借りて戻りますから、先にヘリでお戻りください」

「麓も偵察するのかね」

「はい少しだけ心配がありますから確認だけして戻ります」

「そうか無理はするなよ」

「心得ています」「では失礼します」


 中野一等陸佐幕僚長は高機動車に乗り込むと、麓の村に向かって行った。

 戻りは偵察バイクを使う様だ。



「いずも」を旗艦とする臨時編成艦隊は合計60発もの長距離艦対艦ミサイルを撃つと、E-767の指令により撃ちっぱなしで戦域から離脱を図っていた。

「GPSが使えるから便利だ、自動で中間誘導をしてもらえるし大南島海戦では相当苦労したと聞くが、ここは日本の沿岸だからこちらに分がある」と南海将補が漏らす。

「吉田主席幕僚、アトラム王国第2艦隊がこのまま進むと日本のどこに至るのだ」

「はい司令、先ほどの転進で伊勢湾沖には間違いないです」

「なら艦隊本部に連絡だ、潜水艦隊が撃ち漏らすとは思わんが、最終防衛として特別編成艦隊は伊勢湾沖で待ち伏せするぞ」

「はい、連絡します」

「あっ早い、もう返事がきました。許可するとの事です」

「潜水艦隊初めての実戦だから任せきれないのだろう」「ハープーンなどの結果報告してくれ」

「はい戦術レーダーとE-767の報告によりますと、目標30艦に対して命中60発、沈んだのは28隻、大破2隻で戦列を離れます」

「どうしても大森林に行きたいみたいだな。途中に日本列島が邪魔しているのだが」

「例の「不思議な洞窟」を開けようとしているのでしょう」「報告では破壊したとありますが王国では気づいていないと思われます」

「そうか好都合だな。潜水艦隊が逃した獲物は我々が貰うぞ」


「はい180度回頭を行います。3、2、1、回頭!」

「よーそろ、取舵いっぱい180度回頭」

 最大船速で全艦回頭を始める、壮観である。


「司令、前方30キロに潜水艦隊1、2、全6艦が展開しています。鶴翼の陣形です」

「もはや傷ついた獲物を全滅させるつもりらしいな」


ソーナー係(水測員)わかる範囲で実況を頼む」

「ソーナー室了解」

「敵艦、潜水艦隊会敵まで70キロ、魚雷発射管の注水音探知」

「距離60キロ、50キロ、敵艦速度が戻りました」とCICより報告が入る。

「敵艦、御前崎レーダーサイト圏内に入ります」とCIC。


「音源が弱くなっていますが、魚雷が発射された模様。種類は89式長魚雷と思われます」

「CIC沈没数を報告してくれ」

「CIC了解」


「各艦沈み始めています」「現在のところ、沈没12隻、のこり88隻」

「全て対空駆逐艦で良かったか」

「はい司令そのとおりです」

「100メートル級が1発か。我々は食らいたくないな」「本当です。しかもあいつ中間誘導が有線誘導でその後、自動追尾とか、護衛艦が敵でなくて良かったです」

「再度魚雷が発射されました。数は12発です」とソーナー室から艦内放送。

「撃つたびに12隻ずつ沈んで行くな」

「少し残してくれると有り難いのだがな」

 特別編成艦隊は伊勢湾沖について機関停止する。三重県志摩市がうっすらと見えてくる。

「さて我々はここでゴールキーパー役だ、来れば良いが」


「CICから艦橋。敵艦15隻が隊列より離脱」

「おっ逃げたか。司令部に連絡。我々が始末するがどうか」

「おっ潜水艦隊司令部から連絡、「ご心配なく」と」

「はははお節介だったか」司令はバツが悪そうである。


「潜水艦2艦が離脱した艦を追います」とソーナー室。「そろそろ離れすぎたのと伊勢湾の騒音が酷く追尾不能です」

「有難うソーナー係(水測員)。CICのレーダー画像で確認続ける」

 艦橋のモニターを注視する。

「どんどん減っていくな」「ええ、潜水艦隊も初めての実戦で頑張っていますね」

「一度に16艦が沈んだぞ、すごいな」「新システムのZQX-11潜水艦戦術状況表示装置とZYQ-51潜水艦発射制御装置を試して全艦連動攻撃を行っているのではないかと思います」

「うお、逃げた15艦が消えた」「沈められたものと確認します」

「うちの潜水艦隊はすごいな。見直した」

「過去二回の海戦に参加してくれれば強力な打撃力になったのだが」

「司令、潜水艦隊は海底図があればこそ自由に行動出来るのです。謎の海では行動制限されて得策ではありません」「解っている」


「CICより艦橋、敵艦残り15艦」

「あっと言う間に85隻沈めたか」


「残念だが残らないようだな、撃破を確認したら例の大型艦に向かうぞ」

「あの漂っている艦ですね、他にも300メートル級が4艦漂っています」

鹵獲(ろかく)しても使い道がないからどうするか、司令部に聞いてみよう」


「潜水艦隊司令部から入電」「漂っている戦艦は撃沈し、貴艦隊は乗組員を救助されたし」

「あはは、言うと思った」と艦隊司令は豪快に笑う。


「各艦に通達。敵艦殲滅した後に人命救助に向かう」

「第11護衛隊は先の逃れた駆逐艦の救助をせよ」

「第6護衛隊は潜水艦隊の上を通って戦闘区域に急行せよ」

「第1護衛隊は最初に遭遇した海域に急行せよ」


 そして護衛艦隊はアトラム王国の生き残りを拾い上げて行き、漂っている戦艦に対し大陸語によるアナウンスを行って救助をしていった。

 反撃する艦は無かったが、拾い上げる時に多少抵抗する兵士もいた。救助員がピストルを向けると目を丸くして反抗をやめて投降した。


「ソーナー室より艦橋、潜水艦隊が当艦隊についてきます」

「大型艦に魚雷を撃ちたくてうずうずしている様だな」

「救助が完了したら司令本部に連絡するか」


「了解」


ヘリ(SH-60K)が戻ります」

「取りあえず何人拾った」

「現在までに114名救助しています」

「第6護衛艦隊は77名で、第11護衛艦隊が18名です」

「合計209名か、また捕虜管理が大変だな」

「はい基地に戻りましたらV-22で東富士特別捕虜収容所に行くことになります」

「横須賀からか?」「ええ、新井堀割水路のヘリポートに準備するそうです」

「あー軍港巡りに会わなければ良いが」「無理でしょ」

「軍港巡りのコースですし禁止できません」

「うむそうか」


「周辺海域の救助完了しました」

「そうかよし連絡だ」

「全艦直ちに海域から離脱用意」


「第2潜水隊群第4潜水隊旗艦「ずいりゅう」から入電」

「珍しいな。なんといってる」「貴艦隊の救助に感謝する」

「我これから漁礁を作る」

「巨大な漁礁だな」「返信、「漁礁づくり期待している。我は当該海域を離れる」と打ってくれ」

「全速で横須賀に戻るぞ」「了解」

「外出るか」と言い。「いずも」の接舷ブリッジに出て巨体戦艦を見ている。


 一呼吸おいて巨大戦艦が爆発した。

 区画管理が機能しているので1発では沈まない。

 魚雷により船首、船央、船尾と3か所が爆発した、4艦それぞれ1発の長魚雷を発射した様だ。

 ものすごい勢いで戦艦が傾いて行く。また誘爆もしている。

 そのまま船尾が持ち上がり船首から沈んでいった。


「巨大漁礁か、役に立ってくれよ」と艦隊司令南海将補は手を合わせて祈った。同じ船乗りとして沈む艦は気持ちの良い物ではないが、亡くなった者も含めて祈っていた。

ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 今回は警告なしで殺戮しまくってますね。 書き忘れかな? 全体的に戦闘描写はいいのですが箇条書きが多くて、相手側の会話や心理描写がほとんど描かれていないのがもったいないです。
[一言] どちらが帝国主義なのか… 楽しみながら船を沈没させる自衛隊に違和感しかないんですが。自衛隊を貶める小説が書きたいのですか?
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