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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
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第54話 神々の洞窟1

第54話を投稿します。

すいませんお土産の話で盛り上がってしまったので、洞窟は次回になります。


 冒険者ミソラ・ロレンシアは海上保安庁の会議室で防衛省担当官及び外務省担当官に海上保安庁担当官と打ち合わせを行っていた。

「日本と言う国を知られて心より感謝します。またこの何処にもない最先端の文明については驚愕しっぱなしで帰ってから日本の話をするにしても、どこからして良いのか困ります」


「それは良かったですね。我々もお世話の甲斐があると言う物です」と海上保安庁担当官が言う。


「それにあの軍事力すごいの一言しかありません。戻りましたら「日本と戦争するなら相当な覚悟が必要だ」と言います」とミソラ。


「ええそれは嬉しいですよ。我々も無駄な戦闘など望むべくもありませんから」と防衛省担当官。

「ところで「不思議な洞窟」でしたか、行く日にちが決まりましたよ」と外務省担当官。


「よかった、見られれば満足できそうです」


「ですが、3百名もの方をお連れする事は出来ないので、何人か選んでいただいてお連れします」と防衛省担当官が言う。


「それはもう大丈夫です。こちらで何人か選びますか」とミソラ。


「いえこちらで人選は考えています」と外務省担当官。


「その、どこにあるかも判らないので何日かかるかも不安なのですが」とミソラは本音を言う。


「それは大丈夫です。場所は判っていますし、扉を守っている魔物は退治しています」


「えっもう発見しているのですか。それで知っている様に思えた訳ですか」


「いやーバレていましたか。もう少し隠したかったのですが」


「ええ、なんとなく場所を知っているのかなと思いました。「神々の洞窟」の事を深く聞きませんでしたからね。もう見つけているのかなと思いました」


「確かにそうです。我々自衛隊が現地のエルフに頼まれて古代の遺跡にいる魔物を退治しました。そこが多分ミソラさんの探していた洞窟だと思います」


「そうですか、いつ頃私たちは行けますか?」


「準備に日数がかかりますし、かなり遠いところなので調整させてください」


「ここまで待ちましたのでよろしくお願いします」


「ええ、大丈夫ですが、行くメンバーは貴方とお仲間6人に3名はこちらで人選させてください」


「はい、お任せします」

 ミソラは夢に見た「神々の洞窟」まであと少しと思い、なにも他は考えられなかった。


 それから何日か過ぎてミソラと他の冒険者や船乗り達、数人は海上保安庁と交渉を行っていた。

「洞窟には10人位しか行けないと聞いたけど、冒険者や船乗りとして日本国に来た記念に異国のお土産が欲しいので協力して貰えないか」と言う交渉である。


「皆さんのお気持ちは解ります。海上保安庁としても協力したい気持ちはあるのですが、なにしろ予算が無い物で・・・」「でご提案なのですが、政府と協議しましてご希望に沿うように努力したいと思います」

 といかにも役人らしい言葉を言った。

 海上保安庁としても日本観光をする程度で、長い間横浜の埠頭に閉じ込めていたので希望が出ることは理解していた。

「ところで日本のお土産と言っても食べ物はダメでしょうから、何が希望ですかね」


「簡単な物で良いのです。例えば服とかアクセサリーとか壊れない物や腐らない物なら何でも良いのです」

「タダと言う訳ではなく、我々手持ちのお金を出しますので何とかお願いします」「航海用に幾らかの資金がありますので、301名分のお土産をお願いできませんか?」


「と言われましても通貨の価値も違いますし・・・困りました」


「これでどうでしょう」と言ってミソラが預かった現金を出す。

「金貨20枚に銀貨50枚、銅貨があります」


「金貨、銀貨は金属としての価値はありますね」と海上保安庁担当官は手に取って見てみる。

「我々としては、仲介をする事は出来ませんが、両替商を紹介は出来ますし、そのお金でお土産屋も連れて来ることはできますが、大平にはできないのでご理解をお願いします」


「ええそれで構いません。助かります」と代表の冒険者は納得した。


「では早速手配します。が特例だという事をお忘れなく」


「はいよろしくお願いします」


 と交渉は済んだのだが、不法入国者達にここまでして良い物なのであろうかと思う。


 次の日、両替商ではなく、貴金属買い取り業者が来た。

「初めまして、早速見せて頂けますか」とポケット翻訳機で通訳しながら少し太り気味の中年が現れた。

「金貨20枚に銀貨50枚、かなり重たいですね。どれ調べてみましょう」と言って買い取り業者は何か大げさな機械を取り出して、「これに入れると成分が表示されます」と機械にセットとした。

「おっ純度99.56%・・・すごい純金ですね。重さは・・・15.22gと」電卓を叩いて、「金貨1枚は80万520円ですから、20枚で1602万円になります。少しだけオマケしています」「銀貨は純度99.99%に31.1gか、本日のレートで61.02円ですから1枚1,897円なので、9万4千886円になります」「銀貨は価値が低いですからお持ちになられると良いですよ。金貨だけで十分でしょ」「301名ですと一人5万5千円位にはなりますのでお土産としては十分でしょ」「如何ですか、これでよろしいですか」と買い取り商が言う。


「よく解らないのですが・・・」


「ならば私の方で皆さんのお土産を用意しますよ」と買い取り商が言う。

 すこし怪しいが大丈夫なのか・・・


 2日後買い取り商が来た。しかも5人も連れてきていた。

「いやー苦労しました。実は姪が漫画好きで、なんでも異世界の人はこんな物がいいよ、などと言うので取りあえずサンプルをお持ちしました」

「こちらがビー玉と言うガラスの球です。こちらでは子供の遊びに使うものです」

「こちらが売り物にならない宝石の石ですね。これが折り紙、千代紙」

「これがノートに鉛筆に消しゴム」「これが立て笛にカスタネット」

「これが傘に古着です。これらは駅の忘れ物や落とし物を専門に扱っている業者からのサンプルです」

「他に中古の財布にバッグ、小物、靴、アクセサリー、時計、スポーツ用品、文房具などです」

「ご希望を聞きますよ」


「うおーすごいこれがお土産にできるのか、どれも見た事ない品ばかりだ」


「では順番に希望をお願いします。一人3点までです」

「あっビー玉と宝石の石、折り紙とノート消しゴム鉛筆は全員にお渡しできますよ、お安いですから。それ以外で3点お選びください」


「私はこの傘とこの腕輪とこの靴が良い」と301名分の要望と服や靴などの要望はサイズを測って戻っていった。


 冒険者や船乗りの一番人気は傘で、男性物の大きい物や恋人にあげると言う女性用の物が良く出た。

 次がナップザック、冒険者が背負える物を要望したのだ。

 その次が厚い底のサンダルや靴であった。確かに冒険者や船乗りは粗末な薄いサンダルの様な物、日本で言うと草鞋(わらじ)を少し厚くした様な物を履いていた。


 2日後に大量の荷物を持って買い取り商と5人の従業員が来た。

 一人ひとりに要望のあったものを渡し全員に行きわたるまで1日たっぷりとかかった。

 最後に「ミソラさん、みなさんの要望の品を揃えてもお金が余りましたのでこれをお世話になった方用に持ってきました」

 と言って茶器セットを20セットも出してきた。「中元での売れ残り茶器セットですが、こんな物でも異国の物なので使えるでしょう。1セット千円ですね。王様用にこの大きな皿をどうぞ。柄が日本風で良いのではないかと思います。中古で3千円で台も付いています」

 と久谷焼の大量生産品の大皿を出してきた。確かに柄が派手で金が塗ってある立派な皿だ。

「これも中古でしてお安いのですよ、こんな大きな飾り物日本では需要がありませんからね」

「それに姪が言うにはガラス製品が高価だろうからと言って、江戸切子の中古品を探しました」

「これ全部100万で済みました。金貨8枚をお返ししますね」「それとも8枚分の何かを求めますか」


「日本の武器等あれば欲しいのですが」とミソラは言う。

「うーん日本刀は61万位ではいいのが無いですよ。無名の物であれば手に入ります」

「それでよろしいのでお願いします」「わかりました1日ください」


 1日後に買い取り商が日本刀の専門業者と刀を持って海上保安庁に来た。

 入り口で止められた様だ。一応書類があるので通してもらえた。


 大小4振りの日本刀が差し出された。

「ミソラさんこちらは日本刀を専門に扱っている古物商の方です、私では目利きできませんので連れてきました。あっ海上保安庁の方もどうぞ」


「では説明しますね、これは大小のセットで無名ですが江戸時代の良い物です。因みに税込み60万円です」

「これが軍刀と言いまして日本陸軍の将校が持つ刀ですね。55万円です。装飾が立派でしょう。刀身が太く折れにくい物です」

「これが短刀で、室町時代の古い業物です。島津家の名品ですが短刀なので40万円ですね」

「どれがお好みですか?」


「うーんこれが良い」と軍刀を選んだ。

「では説明しますね、先ほども言いましたが日本陸軍の将校用の軍刀で刃先は約65センチあります。主に装飾用なのですが、いざと言うときは使えるように刃も付いています。昭和初期の作品です」

「試し切りする様に竹の棒をお持ちしました。これを地面にセットして竹をさして切ります」

「こんな風に、・・・いぇぇぇぃ」竹は斜めにきれいに切れた。

「やってみますか、日本刀は刺したり叩き切ったりするのではなく、斜めに円を描く様にすると切れますよ」

「手首は初心者ですから固定した方が当たりやすいですよ」


 ミソラもやってみる。「いぇぇぇぇぇぃ!」すっぱり切れた。「すごい。何にも抵抗なく切れた」

「日本の刀はすごいです」剣の心得があるミソラは夢中になった。

「軍刀は日本を出るまで包装から出さないでください」とクギをさしていた。


 これでお土産は全て完了になった。冒険者や船乗りたちは異国の品々にうっとりしている。

 やはりと言うか当然と言うかビー玉は大好評である。特に単なるガラス玉で模様の無い物が人気らしい。

 また屑宝石も持ち帰ってアクセサリーとかに加工してもらう様だ。因みにビー玉は12個入って100円、駄菓子屋の定番ではある。屑宝石は一応小さな箱に入ってこれも1個100円だそうだ。


 貴金属買い取り業者、意外にいい奴であった。手数料以外の儲けは殆ど無いのにである。



 さて、「不思議な洞窟」に出発前日となり、ミソラと仲間の6人計7人と、冒険者から怪しいと言うか軍属らしき者3名を選びそれぞれに告げていた。

 翌日の予定は、横浜からヘリで入間基地に向かい、そこでC-2輸送機に乗り換え、大三角州の空港に着いたら高機動車2台に分乗して通称「大三角州検問所」に向かい、そこから第2偵察隊と合流して「不思議な洞窟」に向かう事となった。

 通称「大三角州検問所」から7kmの距離であるから時間はかからない。


 前日夜、黒船の外では軍属者8名が合流してなにやら打ち合わせを行っていた。

「うまく行ったぞ」「我々も3名だが同行できることになったが準備は良いのか?」

「はい、剣と必要な道具は入れました」「頼むぞ、失敗したら全てが台無しだからな」

「ええ、うまくやります」

「お前は特に重要な役目だ判っているか?」「はい、私が扉を開けて回廊を通すのですね。命を懸けてやります」「頼むぞ」と何やら不穏な動きの様だ。


 たが、ハイエルフに察知されているとも知らずに、軍属達は作戦を成功できるのか、また第2偵察隊は扉の解放に対応策を持っているのか、事件が起きそうな予感である。

ありがとうございました。

次回は洞窟で何か起きる予感です。

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[気になる点] >「金貨1枚は80万520円ですから、20枚で161万580円になります。少しだけオマケしています」 20枚なら1610万なので一桁サバ読む貴金属買い取り業者……
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