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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
44/251

第42話 フローダ半島の交渉1

第42話を投稿します。

よろしくお願いします。

 ドーザ大陸交渉艦隊の艦隊総司令遠山海将補は防衛省からの緊急連絡を受けて、外務省担当官、ハイエルフ「ひなた」、椎名主席参謀、第2護衛隊、第5護衛隊、第8護衛隊の各艦隊司令と陸上自衛隊飛行隊長、F-35B飛行隊長を集め「いせ」の会議室で交渉の為の打ち合わせを行っていた。

「椎名参謀、防衛省からの最新情報を頼む」と遠山海将補。


「では判明している事を報告します」

「返還対象の捕虜は帝国第5師団第2中隊90名、帝国第5師団第3中隊2,322名で合計2,412名となります。極秘ですが、日本に協力を申し出た生き残り兵士は同じく第2中隊50名、第3中隊511名となり、この数字は帝国に知られる事があってはならない数字です。

 次に行く予定のドルステインと呼ばれる港街ですが、郊外に帝国第5師団第1中隊10万人と思われる部隊が駐留しています。

 また港街を含む一帯は、ソミリア伯爵の領地であり、港街は貿易の拠点となっていますので、領事がいるとの報告を受けています。

 なお、領主であるソミリア伯爵は、港町ドルステインから北北西150kmの距離にある要塞都市ゾーマ・ラシアスに居るらしいとの事。

 帝国第3艦隊などの艦隊群は西に逃げており、港には地方艦隊と呼ばれる、南西諸島で戦った者達のみいるようです。砲艦は200隻を確認しました。

 他は貿易用の運搬船と思われる大型船が30隻、小型艇は多数確認しています。

 最近の話ですが、EOP-1が港町ドルステインを偵察飛行中に帝国艦隊の物でないワイバーンが2匹向かってきたと報告にあります」「これはソミリア伯爵配下の飛行隊と思われます」


「こちらのEOP-1偵察時の写真をご覧ください」ワイドスクリーンに投影する。

「この豪華な帆船が前々回戦闘した旗艦と思われます。港に横付けされているので交渉に最適かと思われます」


 つづけて

「半島周りで港へ向かいますが、港の西沖10キロでの停船、つづいてSH-60Jにて港町の領事に聞こえるように放送して交渉の日時を決めたいと思います。

 SH-60Jと交渉団が行く際にコブラ隊2機に護衛を頼みたい。もしワイバーンが来ても艦砲かコブラの20ミリガトリング砲で対処できるのでは思います。如何ですか」


「相手は紳士的な態度で来るかな」遠山海将補が言う。


「紳士的では無かったら紳士的態度にさせます」と椎名。ちょっと怖い。


「意見はあるか?」

「ちょっと良いですか」と椎名。

「実は今回の補給で、F-35B用にGBU-12ペイブウェイを持ってきてもらいました。226キロの精密誘導弾です。

 何かに、たとえば「脅し」とかに使えるのではないかと思います」これが怖い理由か。

「ふむ。交渉は強気に出られるな」


 ドーザ大陸交渉艦隊13艦は、大陸から200kmを維持して地形どおりに進み、フローダ半島についた。

 ここで少し速度を落とし、EOP-1を待ち偵察を依頼していた。「変化なし」と報告があり、予定通り半島の先を回り、港街を目指した。


「総員に告ぐ、あと4時間で港町に着く、周囲監視警戒を厳とせよ。F-35Bスカイキラー1及び2は即時待機に入り、準備出来次第直上警戒に入れ」「次に、AH-1Sファイヤーキラー1及び2は待機に入れ。

 つづいてSH-60Jスカイバード待機」とサイレンと共に「いせ」に艦内放送が流れた。

 F-35BはウェポンベイにGBU-12を2本、翼ハードポイントにAIM-9Xを2本吊り下げた。


 F-35B 2機が飛び立ち、艦載エレベータからAH-1Sと共に青キャップと青ビブスの様な物を着たエレベーターオペレーターが登ってくる。甲板の赤、緑、黄のキャップをかぶった何人かで甲板へリポートの最前部に運ぶ。つづいてAH-1Sがもう1機とSH-60Jが登って来た。AH-1Sは20mmガトリング砲と左右のJM261ハイドラ70ロケット弾ポッドのみである。ハイドラ70ポッドには対獣用にM229ミサイルが装填されている。弾頭2kgの高爆発威力弾頭に着発信管を取り付けてあるが、陸上自衛隊では珍しいタイプである。対獣用に集めたらしい。


 F-35Bの1機に強硬偵察を依頼する。

 スカイキラー1が請け負う。港町ドルステイン上空を周回し、ワイバーンが出てくるのを待った。

 2匹現れた。


 F-35Bはワイバーンのあまりの遅さに時々ホバリングしながら速度を落とし、艦隊の方へ誘導する。


 ワイバーンに乗った隊員が約30km先の艦隊を見つけた。

 1匹のワイバーンが単独で艦隊に向かって行く。


 F-35Bは上空で見守っていた。遅いのである。


 1匹のワイバーンは引き返して行った。


 突っ込んできたワイバーンは艦隊の先頭にいたDD-117「すずつき」に向かって降下していった。

 まだ20kmもあるが、海上すれすれを狙っているのだろう。とすると火でも吹くのか。

 突然艦隊司令遠山海将補に連絡が入る。「やれ」と一言返す。


 あきづき型三番護衛艦のDD-117「すずつき」はMk.41セルから1発だけRIM-162 ESSMを発射した。レーダー波誘導で中間誘導を行う。セルを飛び出したESSMは固体推進薬ロケット・モーターから炎と煙を吐きながら、一旦上空に上がると、中間誘導により海面まで下りて行った。セミアクティブ・レーダー・ホーミングで当たらないわけはない。海面10mを飛んでいたワイバーンは突然爆発した。人もワイバーンもバラバラであった。


 遠山海将補は椎名主席参謀に聞く。「2匹だけだと思うか」「飼育が高価だと聞いています。現に日本山では現れませんでした」「もし他にいても合計4匹程度と思います」


 ドーザ大陸交渉艦隊は何もなかったかの様に、港町ドルステイン沖10kmに止まり、第一陣のSH-60JとAH-1Sコブラを2機送り出した。


 港町ドルステインに停泊中の旗艦「エミリア」上空から港に向けて放送した。

「われわれは日本国海上自衛隊である。チロルの森で捕らえた捕虜の交渉に来た。明日昼に交渉係が向かうので交渉の場を設けて欲しい。交渉場所はこの旗艦が望みである。以上」と2回繰り返した。


 旗艦「エミリア」の地方艦隊司令トーマス2世は港町ドルステイン領事館にて領事と雑談をしていた。

 突然領事に連絡が入り、港町ドルステイン上空に見たこともない機械が飛び回っていると報告があった。

 以前来た奴ではない、小さいが早いとトーマス2世は海戦時上空を飛び回っていた早い小さい機械を思い出した。「捨てておけばよい」とアドバイスしたのだが、領事は領主から与えられたワイバーン2匹と隊員2名を「撃ち落としてこい」と送り出してしまった。トーマス2世は貴重なワイバーンを「止めればよい物を」と思ったが口には出さない。やがて雑談どころではなくなり、トーマス2世は領事館を飛び出して旗艦「エミリア」に向かった。


 旗艦「エミリア」で参謀から様子を聞き、「やがてあいつらがくるな」と呟いた。


 2時間程して「エミリア」上空にあの変な機械が現れた。また何か放送している。

 今度は更に変な機械2機も一緒だ。先に槍が付いている。あれから魔道が飛び出すのだなと冷静に分析していた。トーマス2世は放送を聞き、急いでまた領事館に行き、領事と打ち合わせを行った。

 この頃にはチロルの森と山で帝国第5師団の第2中隊、第3中隊が戻ってこないと言う話を駐留している第1中隊員から聞き出していた。


「領事、明日彼らが来ますよ、東諸島でまみえて、東島では帝国第3艦隊が敗れた奴らです」

「相当強い、我らでは敵いません」とトーマス2世は正直に言った。

 領事は「困ったな」と言い、「陸軍の捕虜なら陸軍をだそう」と言った。


 急ぎ帝国第5師団第1中隊長を呼びに馬車を出した。

 郊外の野営地と言っても3kmしか離れていない、あっと言う間に中隊長を連れて馬車は戻って来た。

 しかも、第1中隊10万人も駆け足で港町ドルステインに向かってきた。港町ドルステインに至る道は幸い広く、街中は荷馬車用に様々な方向に巾10mの道が通っており、第1中隊は苦も無く港に到着した。

 一方領事館の円卓会議室では、領事、トーマス2世、第1中隊長と参謀役の第1小隊長とワイバーンで出撃した飛行隊長が並んでいた。

 

 最初に領事が「飛行隊長、何艇位だ」と聞いた。「はい遠くから数えた限りでは13隻ありました」

「なんだ、たったの13隻か」と中隊長が言う。

 トーマス2世は慌てて、「ばか言うな、東諸島では彼ら6艦しかいなかったのだよ、それで我々は840隻も沈められたのだ!」と半ば絶叫していた。

「今回の東島でもそうだ、見える限り9隻しかいなかったのだよ」「それに帝国艦隊は300メートル級と200メートル級のほとんどを沈められた。旗艦も空母も1発だった。報告したとおりだ」と口角から泡を飛ばしながら言った。


「決して侮ってはならない相手だ」と念押しする。落ち着いてきたようだ。


「だが信じられん」と中隊長。「わしもそう思う」と領事。


「なら聞くが、チロルの森から第2中隊と第3中隊が戻らないと聞いたがどうなっているのだね」


「それは事実だ、チロルの森に100万の軍隊か巨大魔獣でもいたのだろう」

「ならなぜ援軍を第5師団は送り出さないのだ」

「それは判らないが、チロルの森には斥候が出ているはずだ」「まだ師団からの連絡はないが」

 ははん、トーマス2世はこれが陸軍体質かと思う。負けた身としては言わないが、「痛い目に合うと良い」と心の中で思う。


「領事、明日の段取りを決めましょう」「取りあえず話を聞くだけでも良いではないですか」

 とトーマス2世は取り持つ。

「そうだな、明日はこのメンバーで会うとしよう」「場所は旗艦「エミリア」の船上で良いな」

「艦隊司令良いか?」「ええ大丈夫ですよ」

「ただし、使者に何かあっては問題になりますので、話を聞いて、その後対応を考えましょう」

「第1中隊長殿はお願いしますね」と皮肉を込めてトーマス2世が言う。


「捕まえて拷問すれば話が早いと思うが」と小隊長。

 トーマス2世は慌てて、「やめてくれ、旗艦「エミリア」と港町ドルステインが燃えますぞ」

 領事は身震いした。「そんななのか?」「中隊長話を聞くだけですから使節に手出し無用です」


 中隊長はしぶしぶ承諾した。


 会議は終わったが、中隊長は中隊を半分だけ引き上げさせた。半分は港に居る。それでも5万人だ。

 野営地に戻ると師団本部に魔道通信を行い、何かを話していた。

 なにするつもりなのか。

ありがとうございました。

次回はいよいよ交渉です。

第1中隊の動きも変ですね。いやな予感がします。

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2021/05/24 21:34 退会済み
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