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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
42/251

第40話 ドーザ大陸東海海戦その2

第40話投稿します。

遅くなりすいません。

 陸上総隊は防衛省からの依頼により、富士演習所に臨時捕虜収容所を作り、監視と尋問をしていた。

 だが人数が帝国軍第5師団第3中隊第5小隊の生き残り約2,800名もいて、時間ばかりかかり尋問が進んでいない状況であったが、なんとか希望も含めて聞き知り調査を終えた。

 結果2,832名中、帝国に家族がいて戻りたいものが2,322名、日本に協力したいものが510名であった。

 いや帝国軍第5師団第3中隊第5小隊長も日本に協力を申し出ていて、正確には511名となった。

 前回の協力者50名は既に陸上自衛隊が訓練をしている。非常に有望な人材たちだ。これだけで1個普通科中隊が出来上がる。


 困っているのは、帰還希望者の2,322名と90名計2,412名の内、約半数の1,300名であった。

「我々は戻りたいのだが、陸軍に戻れば再度戦場に送られ、敗残兵として最前線に送られるから、陸軍には知られず戻りたい」とわがままな事を言っている。

 だが日本政府としては捕虜返還交渉だから希望は叶えられないと説明するしかなかった。

 再度1週間後に希望を諮る(はかる)事で決着した。大人数は大変である。


 

 ドーザ大陸交渉艦隊は再度作戦の確認を行っていた。

 手順はこうだ、最初にDDG-178「あしがら」単艦にて帝国艦隊に15kmまで接近して、警告放送を実施、当然帝国艦隊は撃ってくるだろうから最速で逃げ、「大南島」の北回りで艦隊群と合流をする。

 その際、敵艦隊をイージスシステムにてマーキングして「いせ」CICにデータを渡し、同時にEOP-1レーダーデータと合成を行い、各護衛隊にマーキングした目標を戦術目標として渡す。

 第2護衛隊と第5護衛隊は島影から攻撃、後に180度回頭をして同じく「大南島」を北回りで帝国艦隊の頭を押さえつける。第8護衛隊は「大南島」南回りで帝国艦隊側方に出て帝国艦隊後続を攻撃する。

 P-3C 4機は上空から空対艦ミサイルでの攻撃、後に小型船舶を短魚雷で攻撃する。

 今回は旗艦を残さず、徹底的に打撃を与えることで決まった。余裕がない状況も考えられるとの結果であった。なにしろ相手の攻撃力が不明である為の措置であった。対空戦闘は第2護衛隊、第5護衛隊、第8護衛隊にて分担する事と決まった。


 攻撃の初手はP-3C 4機による大型艦の攻撃である。

 P-3CはパイロンにAGM-84Jハープーンを4本、ウエポンベイには91式空対艦誘導弾を2本積んでいた。

 これだけで大型艦を24隻沈めるだけの打撃力がある、ただしGPSはまだ不完全なので中間誘導はEOP-1によるレーダー誘導とした。これで撃ちっぱなしができる。

 各艦のRGM-84JハープーンもEOP-1の戦術データ・リンク装置により中間誘導を行う。


 日本側の準備は出来た。後は帝国艦隊がどの様に反応するかによる。


 

 高度8千mのEOP-1より報告が入る。「スカイアイより旗艦「いせ」に連絡」「帝国艦隊が予定どおり、「大南島」西南100キロ地点に到着。速力は15ノット、所定の行動を起こされたし」「「いせ」了解」


 帝国艦隊の港艦隊、旗艦「エミリア」船上にて地方港司令トーマス2世が言う。

「また上空に飛ぶ機械が来たな、以前の海戦では見なかった機械だ。高いなワイバーンが上がれない高度以上はあるかな」


「司令報告です。エルフの様子がおかしいです」「耳を押さえて苦しがっています」


「港上空を旋回していたあの機械か、いやな予感がする。全員戦闘用意」「帝国艦隊が戦闘に入り次第取舵で進路を開けるぞ」「転舵用意をしろ、転舵次第速度落とせ。いいか間違うなよ」「砲撃に巻き込まれるな」「了解」参謀が答える。


 南西諸島開発艦隊の遠山海将補は連絡を受けて、指示を出した。

「所定行動開始、DDG-178「あしがら」は所定位置につき警告を発せよ」「続いて艦長、航空機準備」「我々はCICにて指示をだす」遠山海将補、椎名主席参謀と「いせ」艦長はCICに入る。


「戦術長スカイアイとのデータリンクは如何か?」「いせ」艦長が聞く。「リンク良好。戦場状況出します」スカイアイからのレーダー画面が入る、上空からの動画も同時に入った。


 椎名主席参謀が状況分析をする。「旧式艦が先頭で道案内か、後続は帝国艦隊ですね」「帝国艦隊群は、先頭の2群を第1群、第2群と識別します。中央が旗艦と空母と思われます。後続を第3群、第4群とします」

「そして旧艦群は第5群と識別します。どうやら前回海戦した旧式艦の様ですね」

 スカイアイからの動画を見ながら答えた。




 戦術長より連絡「DDG-178「あしがら」所定位置につきました」

 椎名主席参謀が連絡する。「「あしがら」所定の放送にて警告せよ」「「あしがら」了解。開始します」


「我々は日本国海上自衛隊である。帝国艦隊は直ちに引き返しなさい。繰り返す、我々は日本国海上自衛隊である。帝国艦隊は直ちに引き返しなさい」と2回放送した。


 帝国艦隊旗艦「セントナムラム」の船上でドミニク男爵艦隊司令は言う「なんだあの艦は、砲撃したいがドルステイン地方艦隊が邪魔だな。戦闘の邪魔だから退くように連絡し、第1艦隊旗艦、第2艦隊旗艦で速度上げ、砲撃開始せよと連絡」


 同じ頃、旗艦「エミリア」船上にて地方港司令トーマス2世が指令を飛ばす。

「前回見たあいつだ、まずい、地方艦隊各艦は所定行動を取るように至急指示をだせ」

 その後、「退けと」と一言帝国艦隊から連絡が入った。

「言われなくても退いてやる、各艦事前の打ち合わせ通り、取り舵(とりかじ)、転舵後速度落とせ」

 トーマス2世の指示がドルステイン地方艦隊に連絡され、左に進路を変更して、「先に行けよ」とばかりに「大南島」から離れ、進路を譲った。


 帝国第3艦隊の第1艦群と第2艦群は速力を15ノットから最大船速の18ノットにあげ、煙突から黒煙を大量に吐いて、「あしがら」に迫ろうとしていた。


 

「スカイアイより「いせ」、敵戦艦は速力18ノットに上げ「あしがら」に接近中。距離15キロ。あっ今敵砲撃開始」・・・・・・砲撃距離15kmで「あしがら」付近に水柱あがる。


「「いせ」より「あしがら」へ連絡、所定の行動を実施せよ」

 攻撃を受けた「あしがら」は側舷監視要員から報告がはいる。「敵砲撃右舷20メートル」「続いて右舷50メートル」

 CIC攻撃指揮官から指示が飛ぶ「水上監視を厳となせ。対水上戦闘用意」、「最大船速、回避運動はじめ、、、、取舵転舵180度回頭」戦術情報官が報告する。「戦術データ全て送信完了」攻撃指揮官が「了解」艦長が「転舵後所定航路にて艦隊合流とする」攻撃指揮官「了解」


 艦長が報告する「「あしがら」より「いせ」へ敵砲撃は最大射程15キロ我被弾せず合流ポイントに向かう」

「艦隊司令より各艦。攻撃準備。攻撃準備。戦術システム目標をマークせよ」椎名主席幕僚が言う。

「いせ」艦長がCICから連絡、「航空指揮官、航空機直ちに発艦準備。準備終了次第直ちに発艦せよ」

 航空指揮官が復唱する。「航空機即時待機。準備終了次第直ちに発艦」「さあ、お伊勢参りの時間だ、スカイキラー1、2、飛行準備、続いてスカイキラー3、4準備せよ」


「いせ」に搭載しているF-35B 4機はステルス性を気にしないで、翼下ハードポイントにAGM-84Jハープーンを4本、AIM-9Xサイドワインダーを4本ウエポンベイに収めた。F-35BはAタイプに比べ兵装搭載量、燃料搭載量ともに2,000kg程度少ない。だがそれでも強力な打撃力である。


「いせ」艦内放送、警戒音が鳴る「まもなくF-35Bが発艦する、甲板要員は注意せよ。飛行甲板解放」


「F-35B発艦用意良し、発艦。発艦」「スカイキラー1発艦。つづいてスカイキラー2発艦」

 F-35Bが200m程滑走して飛び出して行く。「いせ」にはジャンプ台も着艦の為のアレスティングワイヤーも無い。

「スカイキラー3、スカイキラー4即時待機。準備でき次第発艦」F-35Bが1機ずつエレベータで上がってくる。


 いよいよ反撃の時間だ。


 遠山海将補は「いせ」CICから艦隊全艦に連絡する。「敵艦隊の攻撃を受けた。全艦所定の行動を開始せよ」

 椎名主席参謀が復唱する。「全艦攻撃開始。全艦攻撃開始」


 予定どおりP-3C 4機からハープーン2基ずつ8基が放たれる。

「こちらスカイアイ、中間誘導に入る」「了解。頼む」


 つづいてF-35Bのハープーンも射撃ポイントについて2基ずつ放つ。

「いせ」CICモニターにレーダーによる筋が敵艦隊目掛けて伸びていく。


 帝国艦隊は空から白い筋が迫ってくるのを見ていた。過去にそんな物は見た事がない。

 白く細い雲は空高くに筋を引いていたが、突然消えて気がつくと、第1艦隊旗艦とその僚艦の200m級砲艦7艦が激しく爆発して沈没した。ハープーンのロケットブースターが切り離されて海上5mへのポップダイブからのシースキミングモードへ移行して敵艦側部にて爆発、誘爆を起こした。

「なっなんだあれは」ドミニク男爵は取り乱して喚き散らした。

 幕僚が冷静に「違う方向からも来ます」

 F-35Bの放つハープーンが東の島の方から4筋伸びてくる。

 帝国第2艦隊の旗艦と僚艦3艦を沈めた。帝国艦艇はダメージコントロールができていない様だ。


 P-3Cは高度6千mで帝国艦隊を通り過ぎ、回頭するとさらにハープーンを8基放った。

 第4艦隊旗艦と僚艦の200m級砲艦7艦が沈んだ。第4艦隊旗艦は横転するとボイラーに水が入ったのか盛大に水蒸気爆発を起こして真二つに割れて急激に沈んだ。


 P-3Cは再度敵艦隊上空を通過回頭して、91式空対艦誘導弾2基ずつ8基を第2艦隊に向けた。

 200m級砲艦が4艦沈没、4艦大破で運航不能となった。

 続いてP-3Cは各機短魚雷を全て放出した。97式短魚雷は炸薬約50kgと少ないが成形炸薬を使用しており、対戦車ミサイルと同様に敵戦艦に穴を開ける事が目的だ。これにより第1艦隊の後続、150m級駆逐砲艦16艦が航行不能となった。


 F-35Bは第2弾を後続の第3艦隊旗艦と僚艦に向けて放った。この時初めて第3艦隊は回避運動を行っていた。突然すぎて対応が出来なかったのだ。回避運動を行っている艦隊をハープーンが海面スレスレに追いかけながら襲う。旗艦と僚艦200m級が3艦、続いてスカイキラー3とスカイキラー4がハープーンを全部8本放つ200m級が8艦沈没した。


 スカイキラー隊は「いせ」に戻っていった。


「なっなっなんだあれは、僚艦が爆発していく」ドミニク艦隊司令はさらに喚く。


 続いては帝国艦隊旗艦の番だ。


「艦隊司令から第2護衛隊及び第5護衛隊、攻撃しつつ頭を押さえろ」と椎名主席参謀が

 続けて、「第8護衛隊、攻撃しつつ尻を蹴り上げろ」下品ではあるが攻撃合図である。

 第2護衛隊は艦隊旗艦DDH-182「いせ」を除く、DDG-178「あしがら」、DD-102「はるさめ」、DD-119「あさひ」の3艦に第5護衛隊DD-115「あきづき」は「大島」警備にて不在であるから残りDDG-173「こんごう」、DD-108「あけぼの」、DD-109「ありあけ」の計6艦にて180度回頭して「大南島」北側を通り、帝国艦隊に接近していた。

 途中ハープーンを敵第1艦隊、第2艦隊に向けて発射を繰り返していた。


 第8護衛隊は「大島」警備のDDG-176「ちょうかい」を除くDDG-172「しまかぜ」、DD-104「きりさめ」、DD-117「すずつき」にて敵艦隊旗艦と空母をハープーンにて攻撃して、後続敵第3艦隊と第4艦隊にハープーン攻撃をしていた。


 各護衛隊は敵帝国艦隊と100kmの距離を取りアウトレンジにて打撃を与え、艦対艦ミサイルが尽きたら、距離15km以下なら、艦砲や短魚雷を使用すると取り決めてあった。

「いせ」飛行甲板では敵空母が沈んだと連絡を受け、空対空ミサイルを止め全てハープーンを積み込んだ。

 F-35Bは戦場滞在分の燃料余裕を残してハープーン4基を積み込んだ。


 帝国艦隊は現在までにその1割の200隻が沈むか大破となっていた。

 帝国艦隊旗艦と空母も沈み残るは200m級と150m級で約1,800隻であった。


 遠くで、旗艦「エミリア」船上、司令トーマス2世が言う。「帝国艦隊旗艦「セントナムラム」とドミニク男爵も沈んだな」嬉しさ半分である。

「では我々は傍観するか」帝国乗組員の救助もしないで白旗をあげて、速力3ノットに落とした。

 高みの見物をするらしい。

さて2方向から帝国艦隊を挟み込んだ海上自衛隊次は如何するのでしょうか。

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