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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
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第4話 国家安全保障会議2 (改)

現場から国家安全保障会議に戻ってきました。


2020/05/29 改訂

 

 状況判断の為に中断していた安全保障会議を再開した。



 当壁総理の再開宣言の後に、最新情報報告がなされた。


 佐野官房長官より

「磁気嵐によるブラックアウトの損害については、

 いくつかの報告があがっておりますが、生活、産業に及ぼす影響は少ないと見てよいでしょう。


 国内治安については、各県警に対し警察庁より警戒態勢の指示が出ていましたが、これは平時に移行でよいと思います。


 重要問題として、国際通信におきましては通信が回復しておりません。

 原因調査は引き続き行っていますが・・・今もって原因不明であります。


 これも重要な事案なのですが・・後ほど詳細報告がありますが

 ・・わが国近隣国について、その存在が確認できておりません。


 一番近い北方領土4島に加え、宗谷岬沖に見えるはずのロシア領サハリンも確認できていません。

 それどころか、サハリン島を飲み込むほどの大地が広がっています。


 一方、対馬から見えるはずの済州島や釜山港も確認できていません。

 人工衛星による画像確認が不可能な為に、領空侵犯覚悟で空撮せねばならない状況ではあります。


 宗谷岬に現れた接続大地については、一部詳細な情報が入っております。

 この報告については、防衛省 高野大臣にお願いします」


 続けて高野大臣が報告を行う。


「磁気嵐後の時間として3時間経過し判明した情報について、説明します。

 現在、接続した大地においては稚内分屯地より特別調査班を現地に向かわせ、付近の写真及び動画撮影と現場への立ち入り規制と近辺の封鎖を実施しています。


 つぎに名寄駐屯地からは第2師団第2偵察隊も30分前に現着しており、偵察本部の設置と稚内駐屯地の特別調査班から引継ぎを行っており、終了後、すみやかに接続大地の詳細調査を開始します。


 これについては、30分後位に一報が入ると思います。

 また、危機対処として第2師団第3普通科連隊を稚内空港に派遣して、稚内から宗谷岬に至る一帯の不法入国や領土侵犯対処を指示しています。


 先の特別調査班による調査におきまして判明した事ですが、接続大地は幅150mほどで、切り立った崖になっており高さは7mほどだそうで、どこかの岬が接続した可能性があるとの事、海面からの隆起ではないと結論に至りました。


 これは大地が乾いており、大地上に海水等が認められないとの事です。

 なお、宗谷公園側には海抜25m付近に灯台があり、そこに接続大地を見通せるカメラを設置しました。

 スクリーンに灯台側より大地を撮った動画を出します」


「おおお・・・・・・」どよめきがおこった。


「なんだこれは・・・大地の向こうに深い森が広がっているではないか・・・どこの国だ」

 当壁総理が驚きの声で言った。

 

 2時間前の写真では、下から大地を見上げるように撮られたもので、奥に森林が確認できたが、この写真では、遠くまで森林が連なっているように見え、その後ろに頂上付近が雲で隠れた高い山が写っている。


「まだ航空機による侵入調査はしておりません。

 国際通信が回復していない現状に置きまして、不幸な交戦の可能性もあります。

 よって調査を目的とした侵入を、大地部分の開けたところに・・森林の手前まで第2偵察隊に徒歩による特別調査を指示しました。

 この程度なら、「不明な接続大地の調査をしただけ」との説明もでき、重大な事態に至らない可能性があります」


「そうだな・・・・・・」当壁総理は認めた。

「リクエストだが、その特別調査をライブで見ることは可能か」


「私も実際に見たく、聞きましたところ、自衛隊には米軍のように個人携行のカメラは配備されていないとの事。よって、特別調査の現地指揮所にビデオカメラを設置して、映像が確認できるようにします」


 当壁総理、

「そうだな、そうしてくれ。また、偵察専門部隊なのに個人用ライブカメラが無いのは不便ではないかね、もし偵察の効率が上がるなら、次期予算での導入を検討してほしい」


「わかりました」

 

「次に、EEZの監視の為に、P-3Cを複数機海上監視にあげておりますが、不審船等の報告はありません。


 また、レーダーにおいては、国内線旅客機は確認できるのですが、国際線、特に日本に向かう航空機の確認ができません。

 ここだけの話として頂きたいのですが、防衛省のレーダーでは本来中国領域の一部まで確認できるのですが、我が国以外の領土を飛行している物体は確認できていません」

 

 当壁総理は・・・我が国以外が消えた様だな・・・まさかそんな事はないだろう・・・磁気嵐の影響では

と考えていた。


「高野君、例えば公海上から他国EEZの手前まで航空機で行き、国際周波数での呼びかけはしていますか?

 緊急時だから、日本の現状を連絡しても良いのでは。

 我が国の通信機器故障も可能性があるのだから」


「総理、もう少し通信の現状について説明しますと、自衛隊同士の無線、有線連絡はできます。

 海外については、短波放送を含めて受信できない状況ではあります。もちろんインターネットも」

 

「高野君、故障ではないと言うのかね・・・ならば原因はなんだ」質問も声に出ていた。


「総理、原因は現在も判明しておりません」


 佐野官房長官が続けて発言した。


「総理、通信異常や近隣国が発見できない件等々、異例の事態が発生しているのは間違いないようです。

 

 この会議の前に、有識者に意見を求めたところ、全ての方が『説明がつかない』との事。

 総理の言われるように、公海を超えて調査の必要があると提言します。

 物理的に隣国が見えないのであれば、行くまで確かめようがありません」


「防衛大臣、できるかね」当壁総理が問う。


「至急に計画作成と実施をいたします」と高野防衛大臣が言い、後ろを見て、控えていた統合幕僚長と何か言っていた。

「総理、ライブ映像が入ります」防衛省技官が入ってきた。


 会議は一時中断し、皆でマルチスクリーンを見た。


 高野大臣が説明する。


「現在中継は接続大地の上です。

 特別調査班4班を出して、各幅150mを担当しながら調査進行しています。

 また映像のみで音声は簡易指揮所からのみとなります」


 既に50mほど特別調査班と呼ばれる4チームがゆっくり進行しているのがわかる。だがテレビで見るのと違い粗い動画である。

 その後、ゆっくりチームの後をやはり50m程度あけてカメラが追っていく。

 しばらくすると、赤いものが走ってきてカメラを追い抜いて行った。

 その後、変な生き物が突進してきて、隊員の1人が飛んだと思ったら、カメラも突然切れた・・・・・・


「現地からの中継が切れました」と防衛省技官の声。


 なんだあれは・・・・・・皆しばらく声も出ない態勢。


 総理が言う。

「防衛大臣、後ほど個別報告と映像の続きを見せてほしい。

 また動物等の細菌感染等の恐れはないですか」



「はい、現場は民間人の立ち入り規制をしていますが、接続大地から逃げ込んだ動物や昆虫については検査が必要と思います。

 先ほどの動物らしきものについては、捕獲または捕獲できない場合は射殺を考えています。

 国内に逃げ込まれては厄介ですから」

 

「そうだな、逃げ込まれて繁殖でもされたら面倒だな。


 その方向で頼む」

 

 気を取り直した佐野官房長官より、各省大臣の報告をするように指示をした。

 

 大雑把に当面の心配は、食料備蓄が約半年、燃料備蓄は1年、各種産業の鉱物資源は3年程度。

 磁気嵐時に海外にいる邦人の安否問題、在日大使館、訪日外国人の保護など様々な問題を方向づけていき、会議はおおよそ4時間経過し終了した。

 次回も頑張ります。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] EEZばかり強調してるけど、防空レーダはEEZではなくADIZ(防空識別圏)を範囲にするのでは? EEZ(排他的経済水域)はこの場合ちょっと違うと思う。 不審【船】ならEEZでよいだ…
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