表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
39/251

第38話 第二次国境検問所攻防戦その4

第38話を投稿します。

前回の捕虜より幹部を捕まえました。

帝国の全容が判明し始めます。

 帝国軍第5師団第3中隊第5小隊長は突然の大音響に立ち尽くしていた。

「まずい、見つかったな」「こうなったら攻める事のみ」「全員抜刀。いけ」

 2千名程の兵士は急坂道を駆けのぼっていた。


 日本山検問所では連隊長が「来たか」と一言いい、次々指示を出していく。

 第3普通科連隊第1第2小隊に点呼をかけて、同時にヘリポート待機のUH-1Jに暗視スコープを装備して飛び立たせた。すぐに機動化第1小隊の96式装輪装甲車6両を大森林側の出入り口から山道に出した。一部岩を砕いて隣の山を見通せるようにしていた。96式装輪装甲車6両は縦列で少し下って射撃ポイントについた。

 門からはさらに89式装甲戦闘車2両、門とその後方に続く迫撃砲陣地を守るようにこれも坂に対して射撃ポイントについた。第2中隊は89式装甲戦闘車の陰で狙撃を行う。「AH-1S 2機離陸準備に入れ、準備できしだい離陸」次にキャットウォークで後方のセンサーが反応した方に向かわせ、真下を確認させる。

「敵防御壁直下に取りつき、後続を含めると数千以上」「スカイ1、敵後続に火を付けろ」と指示。

「スカイ1了解」UH-1Jは検問所を飛び立つと、チロル側の壁を越えて、山道から隣の山岳に移動した。

 今回は夜間赤外線監視装置を持って来た。途中の洞窟内に熱源を感知し12.7mm重機関銃を洞窟に向けて撃った。脅しである。だが何人かが弾に当たり呻いている。「洞窟から下って逃げるのであれば追わなくてよい」と指示を受けていた。そこから上昇して、登山中の帝国兵を狙い撃った。後ろから次々撃たれた。悲鳴や土塊が弾ける音がする。帝国兵士達は撃たれない様に速度を速める。UH-1Jは「ほらほら急げ」とでも言うようにわざとはずして撃ったりしている。キツネ狩りと同じだ、追い立てて、その先に大火力が待っている。

 特に89式装甲戦闘車の35mm機関砲などは、1発で人間など砕け散ってしまう。しかも帝国兵士には残念な事に、榴弾と対ドラゴン用にHEI焼夷榴弾を用意していた。これは人に向けて良い物ではないが、積み替える余裕はなかった。「弾種HEI。用意撃て」兵士近くの岩に当たり大きな音と共に岩に強烈な光が走る。帝国兵士達は怯んだ。2発3発と35mm機関砲から焼夷榴弾が兵士達をわざとはずして岩に当てていく。帝国兵士達は「女神様の力で我々は焼かれ地獄に落ちる」と効果てきめんであった。ある意味扱いやすかった。


 UH-1Jは連隊長の要請により、無線をスピーカー接続して帝国兵士達に放送した。

「帝国兵士に告ぐ、君たちに残された選択肢は少ない。直ちに降伏するか無謀な突撃をするか決めろ」「突撃する場合はそこの全員が骸となる事を覚悟せよ」死を覚悟して突入しようとしていた帝国兵士達は心を砕かれた。「抗えない力の女神様に俺たちは何てことをしているのだ」小隊長自ら呟いた。小隊長はこの集団の先頭にいて、まさに目の前の岩が燃えた現場にいた。門から走って来た陸上自衛隊員が89式装甲戦闘車の上に登り、拡声器で翻訳機からの声を流した。「帝国兵士に告ぐ、直ちに武装解除して、大人しく指示に従え、命は保証しよう。逆らえば直ちに女神の怒りにその身は焼かれるだろう」

 連隊長であった。後でマリアに「私たちを何だと思っているの」と怒られた。

 連隊長は少しカッコつけたかっただけなのである。


 帝国軍第5師団第3中隊第5小隊長は完全に抵抗をあきらめた。

「未知の敵と交えることは、兵士の命が幾つあっても足りない。そんな状況分析もできない帝国はもうダメかも知れない」と独り言をつぶやいて、「武器を捨て抵抗をするな」と部下たちに言い、自分も自ら素性を明かし捕虜となった。

 

 日本国国境検問所は、初めて帝国軍の幹部に準じる者の確保ができた。兵士は2,500程いた。

 検問所担当の第3普通科連隊は第2師団に連絡して、翌朝麓から捕虜輸送隊を送ってもらう事にした。

 なにしろ2,800名を超える人数である、国境検問所では面倒を見きれなかった。

 連隊長はまたまた呟く、「やれやれ今度は2,800名以上か、どれだけいるんだよ帝国陸軍は」「前回の140名の捕虜なんかかわいい物だったな」「食料補給を頼むか」


「先に捕まえた140名の捕虜は50名が協力者、90名が帰還希望者だったが、今回はどうなのだ」

 第1中隊長に聞いた。「正直師団にお任せしてはいかがですか、我々(われわれ)がやるには多すぎます」

「そうだな、外に出して座らせるか」

「跳ね橋を下ろして、水と携行食を渡して、門前広場に並べて座らせろ」


 跳ね橋を下ろして、89式装甲戦闘車を2台広場の坂道手前に止めて、こちらを向かせた。

 門から次々と帝国兵士が歩いて門前広場にでた。前に座っている兵士も同じ帝国軍第5師団第3中隊第5小隊だ、次々と声がかかる。「おまえ生きていたのか!」「おお、お前もか!」新たな捕虜も防護壁側に座らせる。水と食料を持った同僚たちを見ながら、「おまえ達、その水は女神様の水だ、うまいぞ」などと言う。

 捕虜監視業務の第3中隊だけでは捌ききれない人数なので、第1中隊の96式装輪装甲車4両を崖側に並べて、捕虜達を3方から狙う。元居た捕虜321名にも簡易食料と水を渡した。後から来た捕虜は彼らがペットボトルのキャップを開けるのを見よう見まねで開けた。


 翌朝は忙しかった。10時になったら麓の村に食料と水がC-2にて配達されるから、受け取りをしなければならない。第2中隊は新73式小型トラック(通称パジェロ)6台で麓の村まで行き、村人を集めてきた。

 投下予定地点にカラー発煙筒を焚き、C-2が旋回してくるのをまった。やがて荷物が2つも投下された。第2中隊は新73式小型トラックにて各荷物のパラシュートを回収し、梱包をばらして、村人に渡した。一人2つの箱になった。食料1箱と水1箱である。別にはスコップと鍬とのこぎりが入っていた。日本政府から迷惑をかけたお詫びであった。初めて見るぴかぴかの金属道具に村人は目を丸くした。第2中隊長から「ご迷惑かけたお返しの品が日本政府から届きました」「みなさんで揉めないように分け合ってください。村長よろしいですね」

「農機具も村の財産として管理してください」と村人は跪いた。


 後日、無神者集団の村であったが、村全体が女神教の信者となった。


 やがて、CH-47JAが2機飛んできて、捕虜50名計100名を詰め込んで飛び立っていった。

 第1小隊長は連隊長に「北部方面隊飛行隊はCH-47JAなんて持っていましたかね」「いや北部方面隊はV-22を2機配属されただけで他は小型機ばかりだぞ」「ならこの機は」「陸上総隊の第1ヘリコプター団第1輸送ヘリコプター群だ。木更津駐屯地から来たらしいぞ」「随分遠くから来たのですね」「帰りは麓の宗谷特別行政区で給油してから、富士演習所に作られた特別捕虜収容所に連れてくいらしい」「1機50名ですか、単純に56回回収にくるのですね」「そうだ、ご苦労様だと思う」

 小隊長の計算通り、次々と2機体制で捕虜を連れて行く。連隊長の言う通り第103飛行隊、第104飛行隊、第105飛行隊の各8機、計24機が回収に当たっていた。移送は3日に分けて行われた。

 聞いたところ、帝国兵士達最初は興奮していたが、長旅の為に次第にぐったりして、到着しても立てない者が続出したらしい。片道6時間以上だから慣れない帝国兵は疲れて当然であった。


 移送開始して3日目に日本山国境検問所に第1ヘリコプター団から新鮮な鰤が保冷箱で20本も届いた。

 生で食べてなにか問題でもあると困るので、照り焼きで堪能した。全員満足であった。


 帝国軍第5師団第3中隊第5小隊長は、CH-47JAにて朝霞駐屯地でおろされ、厳重な管理の元に陸上総隊の収容施設に入れられて、尋問を受けていた。防衛省幹部や統合幕僚総監部の幕僚達も立ち合いをしていた。


 小隊長は観念して、ある程度の帝国陸軍と海軍と新造の空軍と言っても空母群とは別のワイバーン隊についても説明していた。これは帝都防衛の為だけに100匹程いるらしい。


 新たに帝国陸軍の規模と兵装が明らかになった。また、帝都守備軍10万人、近衛隊1万人がおり、近衛兵は最新の小銃らしき物を装備しているとの事、マスケット銃に近い物らしいとの事、射程は20から30mが有効射程との事、現在との違いはフリント(燧石)ではなく、小さい魔法石に火の魔法を込めて発火に使用している事らしい。どうも高価すぎて量産できないらしい。ただしアトラム王国では魔法石、魔晶石が比較的採れるので武器性能は帝国軍、特に海軍では負けているらしい。

 その為もあって帝国陸軍の装備は剣と槍と弓矢が一般的で、武器の性能差を埋める為に毎回人海戦術が取られるとの事であった。しかし戦艦については次々沈められ、帝国も鉄艦を作ってはいるが鉄が不足していてなかなか量産できないでいたらしい。次に陸軍の陣容であるが帝国陸軍は第1から第5師団と各師団に砲隊と攻城隊がいるという事。各師団は第1から第5中隊で構成され、各中隊は15万人の兵で歩兵計75万人に砲科支援隊を合わせると1師団100万人以上の規模である事。各中隊には魔道具が渡され、一時的に天候を変える物、風を止ます物、時を計る物、火をつける物、方角を計る物、声を大きくする物などがあるそうだ。ただし遠距離連絡はエルフだよりであった。それも中隊長付きである為、小隊長は会ったことがなかった。

 第5師団は1年前に新設された師団で、各中隊は10万人で各師団中一番小規模だという事であった。


 各街の情報や港、庶民の暮らしや征服した衛星国の様子などが伝えられていく。


 統合幕僚総監部幕僚達は、ドーザ大陸交渉艦隊が行く予定の港町ドルステインの様子や、ソミリア伯爵の居城があるゾーマ・ラシアス城塞都市や中間にある要塞都市ドミニク・フーラについてと守備状況を聞き出していた。

 帝国軍第3艦隊が港町ドルステインにいる事は知らなかったが、ソミリア伯爵領警備の為に第5師団第1中隊が駐在している事などを伝えていた。

 統合幕僚総監部から旗艦「いせ」に詳細を伝えた。だが、帝国第3艦隊についてはまだ誰も知らなかった。

ありがとうございました。

よろしければ評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
連隊ちょ、怒られてやんのw
[一言] 後半の 新たに帝国陸軍の規模と兵装が明らかになった。の先の所の銃の射程20m~30m、これ桁が一つ違うのでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ