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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
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第35話 第二次国境検問所攻防戦その1

第35話を投稿します。


なにか矜持でもあるのか口上が伝えられました。

国境検問所の攻防戦が決定です。

 日本山国境検問所を守る第3普通科連隊とマリアは、毎日来る難民の対応に忙しい日々を送っていた。

 検問所までの重量物登坂路が完成し、第2師団第2戦車大隊へ新たに配備された第2戦車大隊第1戦車中隊第1戦車小隊の10式戦車5両が配属されていた。また『ストーンゴーレム』の住居跡の横穴2つを戦車待機壕として活用し、横穴1つにレールを付けヘリコプター格納庫としてコブラ2機と観測ヘリOH-6D 1機を駐機した。

 他には小型のヘリ格納庫を作り、UH-1Jを1機駐機していた。UH-1Jは左側ドア内部に銃架フレームを付け12.7mm重機関銃を1丁と警告用にスピーカーを積み込んでいた。


 もう難民を300名以上受け入れていたある日、麓から馬に乗った人間が1名やってきた。

 検問所に一応サイレンが鳴る。


 馬に乗った人間は、はね上げてある鋼鉄製の門の前に来ると、馬に乗ったまま口上を読み上げた。

「我々は帝国陸軍第5師団第3中隊長のホン・ドメルロイ男爵代理である! 日本国軍とやらに伝える! 明朝10時より帝国第3中隊はこの砦を攻撃するものとする! 降伏される場合は赤い旗を掲げるように、明朝9時に確認に訪れる! なお交戦意志ある場合は10時になり次第攻撃を開始する! 以上だ!」


 たまたま順番で難民審査を行っていた第3普通科連隊第3中隊長の東山隊長はマリアと顔を合わせて「なんて律儀な」と言い、内線で第3普通科連隊長を呼び出した。


 検問所全員に聞こえるように連隊長は内線から拡声機を選択して「全隊員に告げる、明朝10時帝国陸軍の攻撃が始まる。歩兵以外の攻撃もあると了解せよ」「第3連隊各中隊長及び戦車小隊長、飛行小隊長は連隊司令本部会議室に直ちに集合せよ」「検問所各所警備担当は周囲警戒を厳とせよ」「正門担当第3中隊は正門上部から監視強化するように。以上だ」

 難民審査は一時中断となり、第2師団司令本部にも連絡が行った。第2師団司令本部は前回同様に海上自衛隊へ連絡、稚内臨時航空自衛隊基地に間借りしているOP-3Cを1機飛ばして麓の様子を確認してもらった。


「スカイアイ2からマウントベース1、日本山麓に敵歩兵10万人以上が確認できる。なお、大型砲が50、大型迫撃砲が5に大型木製兵器、多分投擲機と思われるが100程見える、砲科支援隊と思われる人員が約4万人。以上だ」

「マウントベース1からスカイアイ2、助かる」

「スカイアイ2からマウントベース1、我翌朝9時に再度偵察を実施する。以上。RTB」

「マウントベース1からスカイアイ2、よろしく頼む。以上」


 北山第3普通科連隊長が全員を前にして言った。

「聞いていたな、敵は約14万人に大砲と迫撃砲に投擲機だ、明日9時に再度哨戒をスカイ2が実施するが、大砲らしきものは、日本山の標高3千mまで撃ち上げられるのか不明だ。迫撃砲も同じだろう。なので途中まで坂を上ることは考えられるな」

「重迫撃砲中隊長、麓を狙えるか」

「81mm迫撃砲は風の影響を大きく受けるので、登ってくる敵を中心に攻撃します。120mm迫撃砲は麓まで届きますが同じく風の影響により流される可能性が高いので、個別攻撃ではなく面攻撃であればやれます」

「よしわかった。では10時になり次第120mm迫撃砲6門により攻撃を開始する」「81mm迫撃砲は登ってくる敵を中心に攻撃してほしい」

「OH-6Dは10時15分前に飛行準備完了し、直ちに飛行及び重迫撃砲の効力確認及び誘導を行ってほしい」「はっ」「UH-1Jは90分前に飛行し、9時前に麓の敵軍に警告メッセージを放送してほしい」「その際、脅威度判定をお願いしたい」「開戦30分後にコブラ隊2機発進し、残った威力兵器の掃討と兵士の人数削減をお願いしたい」「了解」

「門前については、午前8時より避難民の誘導を開始する。各中隊で中門広場に入れてくれ」「露天は本日中にチロルに帰す事。これは第3中隊が担当する事」「第1中隊及び戦車小隊は、敵攻撃が薄くなった時点で、10式戦車と第1小隊の96式装輪装甲車にて進撃する事とする。以後第4中隊を検問所警備に他の小隊は借り受けた89式装甲戦闘車2両にて道路を封鎖し、第2第3中隊にて侵入を防いでほしい」「途中の障害物は全て崖から落としてくれ」「師団本部には山越えで火力要請及び大森林の空港に転進しているF-4EJ改による空爆も要請する」


 攻撃順序はこうだ、最初にUH-1Jが警告メッセージを9時前に麓で流し脅威確認、時間になったら120mm迫撃砲6門にて麓を攻撃、もし時間前に坂を上っていたら81mm迫撃砲12門も加えて迫撃する。時間は30分間、OH-6Dは観測と修正を連絡する。30分後AH-1Sコブラを出して坂の上を掃討し、その後麓の本部や残った歩兵隊も掃討する。火力支援は麓に対して広範囲で開始40分後に実施要請、爆撃要請も同様に実施する。

 適時にUH-1Jを再飛行させて周囲の山から敵が登っていないか確認と掃討を実施する。


 なお、本日ふもとに戻す露天商に「明日はチロルの麓が爆発するから近寄るな」と言い民間人を遠ざける。そして夜が更ける。


 坂を上ってくる小集団が見える。難民に紛れようとする集団らしい。暗視装置がなくとも門前広場は焚火がいたるところにあり、門からの照明もかなり明るい。監視塔から狙撃銃M24SWSを持った狙撃手がMk.4 LR/T M3の3.5~10倍スコープで不審者を追っていた。難民から少し離れた所に固まりそれらしく焚き火を作ろうとしていたが、仕草が違う。難民特有の悲壮感が全くない。司令本部に観測手が連絡をいれる。観測手が使用しているのは日本光学機器大手が制作している倍率20〜60倍レンズ径70mmスナイプ用単眼フィールドスコープ、レンズはマルチコート仕様。国産のカーボン製トライポッドに載せている。

「監視所より連絡、難民に不審者が紛れ込んでいます」「警戒監視を続けてくれ」「了解」

 検問所出入り通用門から第2中隊の第1小隊第2小隊24名が飛び出してくる。

 

 監視所の誘導により、男たち15名の側方に15mの距離をあけて構える。

「お前たちは何者だ、来た時から全て監視している」

「私たちは麓から逃げてきた者です」

「人間だし、身なりも整っているな」「いま引き返すならなにもしないが、居座るなら対処させてもらう」「お願いです女神の国に行かせて貰えないですか」


 無線機で「やれ」と一言。小隊も89式5.56mm小銃をかまえる。

「ダーン」と音がして男たちの足元が弾ける。男たちは声も出さない、訓練された兵士だった。

「お前達の頭を吹き飛ばす事など簡単だ」

「明日開戦と聞いていたが、今からやるか」と小隊長。


 兵士たちは整列しながら坂道を下って行った。

 連隊本部に無線連絡して、「戻っていった、潜入が失敗したので深夜になにか動きがあるはず」と伝える。


 難民に向かって「みなさんは広がらないで、山側の壁に集まってください」「再度深夜になにかあるかも知れません」と避難民を誘導して新しい薪を渡し、元山側の防護壁に移動させた。

 予想通り、日も登っていない午前3時に坂を上って今度は50名程の兵士が来た。偵察の様だ。だが素人かと言うくらい門に近づいている。門からスピーカーで「止まれ!」「名乗れ!」と流す。

 男たちはビックリしたようだが止まらずにいろいろ調べている。答えもしない完全に舐めている。

 攻城兵器で攻撃するポイントを探しているのだろう。

 突然「バーン」と響いて、後方に立っていた隊長らしき身なりの豪華な者の頭が割れた。いや狙撃銃の弾が当たったのだ。

 近距離なので、弾は後頭部に抜けて血をまき散らしている。

「うわー」と兵士が声をあげる。戦場に慣れていないのか。残りの兵士は隊長と思われる遺体を残して逃げていってしまった。第2中隊第1小隊が警務担当なので、通用門から遺体を運び入れた。


 先ほどの男たちも、攻城攻撃隊も麓の司令部に報告をしていた。

「夜目が効き、遠くから正確に狙えます。あんな魔道具の音は聞いた事がありません」

「広場に入っただけで隊長が一発で殺されました」


 やはりかなり都合の良い報告をする。


ありがとうございました。

次回は本格戦闘に突入します。


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