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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
245/251

第240話 元の世界へ その13 地上転移と大統領の死

投稿しました。

腰痛い・・腰痛と右足が筋肉痛の様で、歩くたびに痛い・・・

何とか鎮痛剤で誤魔化し書いています。

お楽しみください。

 客船や外洋フェリー6隻から乗客約2400名がサンディエゴ軍港に降り立つ。

 すぐに身元を再確認実施して、基地に張ったテントに誘導していく、幸いなことに体調不良者はいない様子。

 停泊した客船や外洋フェリー6隻は目立たない場所に再度係留され、次の6隻を迎えに「レイク・シャンプレイン」「プリンストン」は出港していく。


 基地に降り立った自衛隊員は慣例として基地司令に挨拶し、それぞれの仕事に向かう。

 勿論FBIも国務省職員も集合している。サンティエゴ海軍工廠は厳戒警備体制となる。


 外国大使については、基本在米大使館に行く予定である。

 その為にも、サンティエゴ海軍工廠からFBIのヘリが5機でサンディエゴ国際空港までのピストンを行う。

 各大使は自国での要請に基づいて各市の大使館や領事館に向かう事になる。


 つまり各大使家族を含め、行き先はいろいろだ。

 直接国に戻る者、各在米大使館に行く者。


 荷物はまとめてサンティエゴ海軍工廠から各自の行き先別に仕分けられ、国際便や国内便で発送される。


「次だな」艦隊司令は指示通りに次の6隻を「レイク・シャンプレイン」「プリンストン」に預ける。


 ここまで2時間が経過している。



 遡る事5日前。


 ジョージ・ワシントン大学病院で米国最高のVIPが静かに亡くなった。

 ジョン・ヒルトン大統領は謀略を企て、反対にダークエルフから呪いを受けてしまった。

 ジョージ・ワシントン大学病院でも最高位の医師が対応していたが、「呪い」などと言う物を初めて見た医師たちは手を付けられないまま見ているしかなかった。そもそも原因不明である。




 そして今朝、大統領は大きく痙攣し、静かに呼吸が止まる。


 ナースステーションから看護師が3名VIP病室に飛び込む。


 もう呼吸も、心音も聞こえない・・・


 急いで内線から担当医に連絡し、担当医は病室で「午前7時42分、死亡を確認しました」と冷静に伝える。大統領は誰にも見守られず静かに息を引き取っている。


 ホワイトハウスに半旗が掲げられる。だが何のための半旗なのかは国民に伝えられない。

 一斉にホワイトハウスや各省に訃報が伝えられ、副大統領は立ち上がって冥福を祈る。


「副大統領。早速、議会承認手続きを実施しましょう」とトミー・シュナイダー・ジュニア首席補佐官。


「あっそうだな」とアレクス・トルーマンJr副大統領。

 盟友の死去に思いが募る。


 議会承認されれば、順位2位の副大統領が大統領となって政権掌握する事になるが、副大統領はやりきれない思いが膨らむ。


「なんて馬鹿な事をしたんだ。ジョン。俺はこんな形で大統領なんかになるつもりもなかったのだが」


「まったく、個人的な考えに捕らわれてトラの尾を踏んだか」

・・・「本当に、まったく。なんて日だ」。。。。


 喪に服すためにホワイトハウスは今日から1週間、半旗が掲げられる。


 そして当日の夜。米国4大ネットワーク(FOXケーブル含む)で一斉に「大統領死去」が伝えられ、副大統領のアレクス・トルーマンJrが大統領として議会承認を受けた事を速報として流れた。


 その日、米国民は静かに哀悼を表す。

 だが死亡した真相は知らされる事はない。機密文書解禁の日まで。

 解禁されても・・・転移やダークエルフなどは黒塗りなのだろう・・・



 ★★★


 ダークエルフは忙しい。

 次は、「ミーナ」「レイナ」のいる横田基地に思念で呼ばれる。

「わらわは小間使いではない。まったくどいつもこいつも」と文句を言うが、「レイナ」にいなされる。

「はいはい。これ預かりものですよ」とダークエルフに横田基地特製バーガーとバケツに入ったコーラを渡す。


「喰らってからな」とダークエルフは一心不乱にバーガーを食べ、バケツ容器に入ったコーラをすすり込む。みるみるコーラは減る。


 全国から集まった米国隊員と転移希望者が横田基地の滑走路からはみ出る。


「凄い人数だな」と防衛省職員も驚く。

 各地の米軍基地から、戦闘車両や輸送機に日本政府が買い取らなかった機材が並んでいる。

 各種車両や対空警戒ミサイルにレーダー装置も並ぶ。米国籍の戦闘艦船や輸送船は客船やフェリーなどと一緒に、先に転移し、海兵隊の一部も転移済みである。


「先方の買取希望には核兵器もあったらしいぞ」と防衛省職員。

「おい黙っていろ。漏れると大変だぞ」言ってしまった職員は口を慌てて抑える。


 無事三沢のF-16CJ/DJ ブロック50は全て日本政府買い上げとなる。F-2用の補修部品感覚らしい。

 それに伴い、三沢から横田に移転していたF-16は調印が終わると全て百里基地に移動させていた。


 注意としてはF-16CJ/DJブロック50がF-2の部品どりして機能するのかは不透明だが、新機体を作成すると使える可能性は広がる。ただしFA-16かFA-2としてだが・・

(対地攻撃能力向上やレーダー破壊ミサイル装備など、異世界ではオーバースペックであるのだが)


 地上転移がいよいよ始まる。

 転移する陸上自衛隊員以外は防衛省職員など転移エリア以外に避難する。

 横田基地も本日付で静かに日本へ返還されるのだ。


 すでに沖縄では2週間前に返還式を終え、記念公園やショッピングモールの建設案が持ち上がっているが、普天間基地などは那覇空港の予備空港として残留が決定している。


 横田では移転に伴う最終確認が進んでいる。

 民間人や米軍関係者で3万人近くに膨れ上がり、転移者用のテントなどもいくつも張りだされている。

 まるで知らない人が見れば基地祭でもやっているのかの賑わいである。


 陸上自衛隊の指揮車に集まったハイエルフとダークエルフ・・・

 指揮車から英語でアナウンスが始まる。


「転移30分前、転移関係者は転移エリアに集合」



・・・転移5分前・・


「転移カウント1分前、カウントスタート」


「転移カウント50秒経過、転移カウント40秒経過、各員準備、転移カウンター30秒経過。周辺警戒厳となせ、転移カウンター20秒前、転移カウンター10秒前、耐ショック、耐閃光、衝撃に備えよ。


 9。8。7。6。5。4。3。総員警戒。1。転移開始。


 広大な横田基地に集う約3万名の人々と荷物が巨大な閃光と共に消える。



 一方、国内線用のダラス・ラブフィールド空港は前日から閉鎖され、臨時に国内便はダラス・フォートワース国際空港が受け入れている為に国際空港は大混乱が発生していた。

 各ターミナルを繋ぐ、DFWスカイリンクも大混雑しており、乗り遅れも発生している。


 ダラス・ラブフィールド空港は異様な静けさが支配しており、空港内レストランも厨房以外は無人である。


 突然、閃光が空港に走ると同時に影の様に揺れる蜃気楼が現れたが、よく見れば人である。

 人と荷物が突然滑走路に現れる。


 空港職員や税関職員に入国審査官は状況を聞かされていたが、突然の事に動けないでいる。


 指揮車からアナウンスが流れる。

「現着、各自、体に異常ないか目視調査、ダラス・ラブフィールド空港関係者は直ちに集合」


「各隊、手順に従い対応開始」


 最初は米軍関係者がパスポートや軍識などを示し、入国手続きを開始する。

 3万人近くの入国作業である為に一日ではとても終わらない。

 ある程度行き先を調査できたものを集め、空港内ロビーに1バス分40名程度を集め、出国する者や国内線を利用する者達をバスで、ダラス・フォートワース国際空港に送り届ける。


 横田基地から転移した者は横田で発行した認識票を首から下げているが、これが現地入国管理官や税関での処理速度向上に役立っている。それを見れば行き先や国籍が一目でわかるのだ。


 転移希望者は米国籍や外国籍の為に英語や母国語で対応できる。

 転移に巻き込まれてしまった観光客も一安心だ。だが2年も経過しているが。


 30分程度でバス6台が発車する。ダラス・フォートワース国際空港は24時間空港である為、遅くまでバスは運行する。職員も10時間交代制で対応する。


 米国軍関係者は先に散っていく。手を振りみんなに別れを告げていく。


 滑走路上のテントで順番待ちをしている人々にダラス・ラブフィールド空港内レストランから食事が届けられる。

 その食べ終わった使い捨て容器を陸自隊員が集め、ゴミとしてトラックに収納していく。

 みんな米国の味にほっとする。日本の方が美味しい物が多いも関わらず、なんだか異国に戻った気分なのであろう。


 転移者については、転移に巻き込まれた被害者として出国費用や到着した国の移動経費費などは日本国政府から支給されている。みんなは晴れやかな顔で散っていく。

 だが・・・2年前の自宅や職場など不安要素でしか無い筈である。


 ダラス・ラブフィールド空港での確認作業と入国手続きは3日間約75時間も掛かり、ようやく帰国希望者全員が帰る事になった。

 陸自隊員はターミナルに邪魔にならない様に整備エリアに移動しテントを張り、次は日本に帰国する者を待ち受ける。まだ1か月先なのだが・・・それに米国政府から買い上げる武器兵器に弾薬も逐次ここに到着する予定なのだが・・・ハイエルフはダラスのホテルに宿泊するがダークエルフは冥界に送り返した。


 米国ダラス・ラブフィールド空港で作られた食料50人分と共に・・・ダークエルフの部下に食べさせるためらしい。もちろんバケツのコーラ・・ここはペプシらしいも同様に50人分・・・


 遠山はワシントンに戻り、地上転移成功と帰国者全員の対応終了と報告が入る。

 米国政府に感謝を伝える。


「やっと大きな仕事が2つ終わった。明日はABC出演だな。疲れるな」

 出演しても全てを語れるはずもない、ましてや大統領の死去に関係あるなど・・・、遠山は日本への帰国希望者募集を伝える目的で出演を快諾したが不安もある。



 遠山はシャワーを浴び、必要な報告をまとめるとベッドに入り寝てしまう。

 ホテル暮らしも慣れたもんだ。



 水面下で緊急事態が起こる事など予測もしていないだろう。

ありがとうございます。

水面下で・・なにがあるのでしょう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 うまうま^^>バーガー&ペプシ コロナ前に三沢基地航空祭で基地内のバーガーキング初体験しましたが、なかなかのボリュームでしたね。 作中にもあるようにバケツの様なカップの…
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