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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
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第233話 元の世界へ その6

やっとワシントンに着き、国防省でーの最初り仕事が始まりました。この時点で遠山は疲れが酷いようです。しかも続いて国防省との交渉・・・対価はどの様に用意するのでしょうか。

「円」はあるのでしょうか・・・

 米国中枢の都市であるワシントンの国務省に呼ばれた日本国代表と米国関係者2名はバンカー・ヒルの艦長室に集められ、サンディエゴの海軍基地司令であるトーマス・マクレガーが迎えに来るまで寛いでいた。

 ここで知る事実なのだが、艦長と在日米軍司令官のジェリー・マクドネル中将はアナポリス(アメリカ合衆国海軍兵学校:士官学校)時代、教官と訓練士官の間柄であった。


 すでにこの時点では海上自衛隊連絡用機(多目的)であるMCH-101の機体と機長と副機長は解放されて「いずも」へと戻って行った。


 サンディエゴの海軍基地司令であるトーマス・マクレガー大佐は基地の連絡機でもあるVH-34Cシーバット-シコルスキーに乗りこみ、バンカー・ヒルへと向かっており、日本側代表を迎える手筈となっている。


 ペンタゴン経由で届いた極秘司令書には、日本国代表並びに米国軍人計3名を丁重に招待し、直接サンディエゴ国際空港に送り届け、FBIが用意したガルフストリームⅢに乗せる所までが仕事であった。


 FBIが用意したガルフストリームⅢはVIP仕様であり、直接ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港まで直接送り届けられ、空港からはFBIが用意した要人警護車両と警備車両で隊列を組み、「ホワイトハウス」近くの国務省まで行くことになっている。


 トーマス・マクレガー大佐は最重要機密命令書が届いた時点で嫌な予感が働いており、しかも不審者である3名をワシントンまで送る事に対して違和感を覚えたが、命令は命令である為にそれ以上は考えず命令書にある通りの行動を心がける。


 ただちに基地内の航空機運用課に連絡し連絡機を手配する同時に基地副司令に直接迎える旨を説明しみずから用意された連絡機に乗りこむ。隊員送迎用のVH-34Cシーバット-シコルスキーは簡素な作りで薄い椅子しかないが、バンカー・ヒルと国際空港の間だと言い聞かせた。

 

 バンカー・ヒルの後部ヘリポートが窓から見えたと同時に連絡が入り着陸となった。

 バンカー・ヒル艦内で寛いでいた遠山達は迎えが来た事を告げられ、連絡に来た士官と共に艦後部のフライトデッキに向かった。


 目の前で着陸したVH-34Cシーバット-シコルスキーのドアが開き、サンディエゴの海軍基地司令であるトーマス・マクレガー大佐と名乗った士官はこのままサンディエゴ国際空港に向かうと説明され、遠山達は機内に乗りこんだ。

 目の前のトーマス・マクレガー大佐は隊員送迎用の機体しか用意できなかった事を謝罪してくれたのだが、遠山は初めて行くワシントンに心が飛んでいた。


 VH-34Cシーバット-シコルスキーは直接空港内の連絡機が駐機しているエリアに着陸し、ドアが開く。

 

 そこには全身黒いスーツとオレンジのネクタイをした、いかにも「FBIです」と言う風貌の黒人3名と白人1名がぎこちない笑顔で笑っていた。


 FBI4名は遠山達3名を駐機しているガルフストリームⅢに誘導し、先に2名、最後に2名が乗りこみ離陸を機長に告げた。


 トーマス・マクレガー大佐は駐機していたFBI連絡が離陸するまで緊張しながら見守っていたが、離陸し空路をワシントン方面に向けた時点で、VH-34Cシーバット-シコルスキーに乗りこみ「基地に戻ろう」と告げ離陸して戻って行く。


 遠山はVIP仕様の機内を見回し、「まるで海外ドラマに使われる機体だな」と感想を思う。


 機長からのアナウンスで、ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港まで直行で約4時間と説明される。「大陸横断して4時間なのか」と遠山は驚く、一般客が旅客機を使用したら6時間近くかかる筈と在日米国大使であるジョン・トールマンは笑いながら説明する。


「私もFBIの機体に乗るのは初めてですよ」とジョン・トールマンは笑う。

「米国滞在中は何処が」と遠山は思うが、話す前に・・


「大使は大統領の指名を受けて上院の審査・承認で決定しますが、赴任までは国務省預かりなので」と説明する。(上院での承認後に大統領が正式に任命する)


 そんな楽しい話をしていてもFBIの警護官は一切話をしない、むしろ話していた内容を記録している様ではある。


 やがて機は高度を下げて、ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港に着陸するが、一般客と違い政府機専用スポットらしき場所に駐機すると機体の横に黒塗りの車列が現れる。

「みなさまお疲れ様でした。具合の悪い方はおられませんか、次はあの送迎車にお乗り頂きます」

 機体後部に座っていたFBIのリーダーらしき人物が丁寧に説明をすると、機体ドアに近い2名が先にドアを開け、外に出て警備体制に入る。

 すると車両から15名程の紺スーツに赤ネクタイが機体を囲むように警護に入り、3名が降りたところで車内に案内する。


 どうやら遠山の感ではあるが、FBIと違う雰囲気を感じて「これはシークレットサービスか」と思う。


 遠山達が乗車した車両はVIP送迎用のおなじみキャデラックのSUVである。

 遠山達3名が乗車し運転席と助手席にはシークレットサービスが乗車しているが、紺スーツに赤ネクタイの集団には恐怖を覚える。


 助手席に座ったリーダーらしき人物から「本日はお疲れ様です。このまま国防省にお連れします」と一言だけ説明がされた。

 到着までの時間は米国大使と在日米軍海軍司令官に遠山で雑談をかわす。

 FBIと同様に話には入ってこない。


 大使は懐かしそうに建物の紹介をしている。

 ワシントンD.Cは在日米国大使ジョン・トールマンにとっても馴染みの街なのだろう。


 やがて米国国務省ビルに到着する。裏手から入り秘密エレベータにて7階会議室フロアーに降り、特別機密会議室に入っていく。

 ここでは転移前の情報と転移後の格場の働きや大きな事件、そしてその間米国および世界で起こった情報について摺合せしていく。つまり2つの大きな流れを西洋歴に合せて向こうとこちら起こった事を最初にすり合わせをしている。


 その中には南大島や南西諸島に協力した「ブルーリッジ」の話も含まれるし、南大陸で米国海兵隊が作戦の一部を担った事も説明した。


 そして一番信じられない事だが、ドルツは元の世界に帰還できたと言う事までが説明をされた。

 これはバンカーヒルで受けた尋問よりさらに詳細な内容である。



 次にとても大切な「管理者」と「ダークエルフ」そして「ハイエルフ」について話が始まった。

 現地時間で午後8時である。3時頃に軽いランチを取ったがもうディナータイムである。


 遠山は徹夜も仕方ないと思っている。

 なにしろ帰還希望者は多いのだ、各国大使館、領事館及び関係者が約2万人、海兵隊員及び各軍関係者が約8万人、

 観光客の在日外国人が約4万人、日本で働いている在日外国人が約3万人、そして日本国籍で移転拒否の4万名(これは外国に親戚の家があり住居環境が揃っている者達)


「最低でも21万人もの人員を受け入れて頂けなければ計画は遂行できません。一部は船舶を使用してお届けますが、大多数は陸上での転移となります。

 それに日本国で現在使用している武器、兵器についても米国産の武器兵器が多く存在し現役ではあります。在日米軍施設から重要装備にレーダー等も持ち帰り、我々は米国産の中古を持ち帰れると信じております。

 金額交渉を含めて使用できる機体や車両に加え補修部品を日本国にお譲りください」一息で喋り、カップに注がれたコーヒーを一息で飲み干す。


「続けて、その為には人員転移、物資転移を踏まえて広大な広さの陸上が必要になります。基地から近く転移した人間全員と機材全てを運べる環境で無いと無理です。日本側は横田飛行場全ての広さを要求しています」


「わかった。まとめると日本側としては、各国大使が乗船した客船を8隻にそれ守る護衛艦が10艦、

 それに米国海兵隊が乗りこんだ第7艦隊揚陸指揮艦ブルーリッジに加え、海兵隊専属となっている

第11水陸両用戦隊からはアメリカ級強襲揚陸艦「アメリカ」(USS America, LHA-6)

サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦「ニューオーリンズ」(USS New Orleans, LPD-18)

サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」(USS Green Bay, LPD-20)

ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦「ラシュモア」(USS Rushmore, LSD-47)

ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦「アシュランド」(USS Ashland, LSD-48)

が同行しますが、同乗できる隊員数は約2000人とAAVが1隻64台の4隻で256台を運びます。

 輸送できない分のAAVについては横田基地から転移にて輸送する予定です。

 また海兵隊人員について約5500人は艦隊で輸送できますが、残り海兵隊員の44500名については同じく横田基地からの転移となります。

 勿論民間人で転移を希望する者についても同様です」


「壮大な計画だな。ブラッド少佐、計画遂行を頼むが金額査定も忘れずにな」「らじゃ」

「そして私は国防総省にて中古武器引き渡しの交渉をしないといけません。ご案内頂くか国務省内での会議開催を希望いたします。同席者は在日米軍海軍司令官が適任と思われます」


「では国防省担当官をこちらに呼ぼう」

「ええ中古武器の取得は新日本にとって重要な事柄ですから、是非お願いします」


 遠山は疲れているが、ここまで計画通りの進行である。

 明日、明後日で大統領はホワイトハウスで極秘会談を行い送り込む人の手配、戻ってくる人々への広報。

 そして各国大使とその家族を問題なく所属国まで送り届ける事。

 肝心な中古武器の大量購入。弾薬も合わせてだが・・


「詰め込み過ぎたか、国防省が来るまで休憩としよう・・・」高山は直ぐに机に伏し寝始める。。。。

ありがとうございます。

転移計画も動き出し邪魔が入らなければ問題なしでしょうね。(ホント)

次回もよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 世界のパワーバランスを一変させた原因の日本の施設出現で、交渉先の米国が一歩先んじも、各国の帰国予定者が居るので、準同盟国だったEUは兎も角、レッドチーム二つは情報入り次…
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