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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
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第232話 元の世界へ その5(アメリカの思惑)

お待たせしました。

米国の予想通りの思惑・・・

大変そうです


すいません削除及び変更をしなければならない箇所を忘れて投稿してしまいました。急いで修正しました。

 アメリカ海軍とにらみ合っている交渉艦隊は、アメリカ西海岸から200海里(約370km)以上離れてはいるが、米国EEZの範囲内ではある。もちろん国際規約に則り国旗を掲げてはいるのだ。

 もちろん「ブルーリッジ」は米国国旗であるのだが・・・


 アメリカ海軍の巡洋艦級4艦に睨まれている事には間違いない。両艦の距離は100km(53海里)ほどである。

 先ほどから米軍哨戒機が周辺を飛び回り航空管制機まで出て来た。

 アリゾナ州ルーク航空基地からと思われるF-35Aが8機で米国艦隊上空を旋回している。


 状況は交渉艦隊に対して過酷である。米国が本気で攻撃を仕掛けたならば即座に全滅である事は明白であった。

「まずいぞ、直接乗りこんで(人質になり)交渉するしかなさそうだ」遠山がため息交じりにこぼす。

「それが良いでしょう」と第1護衛隊群の艦隊司令 (みなみ)海将補が言い、主席幕僚の吉田一等海佐が頷く。

 なにしろタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦が4艦・・とてもじゃないが交渉艦隊3艦に対しては戦力過多である。


「覚悟はできました。ブルーリッジに連絡をお願いします」「了解した」


「ブルーリッジ」乗艦の在日米国大使と在日米軍海軍司令官が行くと即座に連絡が入る。


「南司令、米国艦隊に連絡をお願いします。日本国全権代表と在日米国大使に在日米国海軍司令官が乗船許可を求めていると」


「了解、遠山さん多分だが、先方も困っていると思う、なにしろ消えた日本国から代表者が3年後に現れたのだからな。私でも対応に困ると思う」

「貴重なアドバイスありがとうございます」

 南と遠山の話している最中に吉田一等海佐が日米共通無線周波数で交信を行っていた。


「相手より受信、バンカー・ヒルに招待する」とあります。

「了解しました。南司令、ブルーリッジ経由でバンカー・ヒルにお願いします」

「りょーかい。航空参謀用意を頼む」

「至急MCH-101を用意します」


 やがて「いずも」の甲板に連絡用機(多目的)であるMCH-101が格納庫から現れ給油が行われ、初期点検が同時に実施されている。


「吉田一等海佐、あれに武器は積んでいないですよね」

「勿論ですが、隊員を派遣しますか?」

「いや、結構です」

「ですよね」遠山は緊張した状況なのになんだろうと思う。そうか実戦経験か・・・日本の護衛艦隊は南西諸島や南極大陸での実践を経験している。だから、平時の自衛隊員と少し違い強い覚悟が出来ていると言う事なのだなと思う。


 遠山は日本国政府から受けた親書と書簡を大切にアタッシュケースに入れ、ヘリに乗りこむ。

 やがて上昇し、ブルーリッジの後部マスト右側に1機駐機しているが、甲板には障害物も無く降りられる。少し後方で在日米国大使と在日米軍海軍司令官が控えている。


 なお在日米軍司令官のジェリー・マクドネル中将は、「フルーリッジ」C.I.Cに詰めており、本国との連絡で手いっぱいとなっている。現在はやっとホワイトハウスと連絡を初めたばかりであった。

 特にジェリー・マクドネル中将しか知らない暗号コードは信用を得る為の切り札となっている。


 遠山は、在日米国大使と在日米軍海軍司令官と握手を交わし同機に搭乗し指定されたバンカー・ヒル (USS Bunker Hill, CG-52)に向かう。

 転移した世界でもタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦は現役であり、その凶暴そうな姿は米国艦隊の要である事を認識せざるを得ない程の威圧感がある。満載排水量9,460トン、全長172.46 m、最大幅16.76 mのミサイル巡洋艦は「おおすみ」に匹敵する大きさの巡洋艦であり、旧型の護衛艦より一回以上も大きい、最新護衛艦「まや」と同等の大きさを誇るがイージスシステムに差がある。6番艦であるバンカー・ヒルはイージスシステムベースライン11の改修を受けており、搭載するコンピータも最新となっている。

 因みに最新護衛艦である「まや」型はアーレイ・バーク級用に用意されたベースライン9.c2と当時の最新であるが転移によってアップグレードの機会を失っていた。

 当時のタイコンデロガ級イージスシステムはベースライン9.bである。


 やがてMCH-101は約100kmをあっという間に渡り、バンカー・ヒルの後方ヘリポートに着艦指示が出され見事な操縦により着艦し、あっと言う間に武器を所持した海軍隊員囲まれた。

 全員手を上げ降伏状態を保ったまま機外に降りる。ヘリはエンジンを止めて機長、副機長も連行された。


 バンカー・ヒルでは航空担当要員がヘリを駐機させ固定していく。

 同時にヘリ内の探索が行われる。


 遠山は対応している士官と英語で話し、自己紹介と在日米国大使と在日米軍海軍司令官を紹介していた。

 多少士官の態度が緩んだと思うのだが、未知の人物達と言う事で緊張はとけていない。

 艦内部に案内され、各自別の個室に通された。

 個別に尋問する為である。


 遠山の元に訪れたのは副艦長を名乗るトーマス・ヘッケラー少佐が対応している。

 雑談を踏まえながら話すと、日本が転移した事で米国内に大混乱が起き、グアムに避難した第7艦隊が最初に日本の無事を確認すべく日本に向かったが「なにも発見できず」と通信して来たとの事、米国政府は日本があっという間沈没したのではないか、対共産圏に対する対応をどうするかと大問題となり、結局対中国貿易を半ばあきらめ、台湾とシンガポールに米国艦隊の前線基地を置き、第7艦隊本体はグアムを基地とする事になる。そして、対北朝鮮兵力であった在日米国海兵隊の消失によりアジア戦略の大きな見直しを行ったと言う事らしい。話が前後して時系列的認識は難しいのだが、雑談での話であるからそんな感じなのだと思う。


 一方、トーマス・ヘッケラー少佐は士官として尋問形式で話を進めて来た。

 遠山は親書と書簡があると、ヘッケラー少佐に見せ、本国政府に送って頂けると助かると伝える。


 同時期に在日米国大使と在日米軍海軍司令官は艦長とサンディエゴ海軍基地に所属する情報担当准将が対応しているらしい。

 主要国大使についてはホワイトハウス、いや大統領に対して直通電話が使えるのだが傍受対策として一定期間で暗号コードを変更する決まりであるのだが転移してから3年経過している在日米国大使館に現在使用している暗唱コードを知るすべはない。だからの直接交渉である。


 ★★★


 約1時間前。

 沿岸警備隊第11管区のカリフォルニア州アラメダ本部からサンディエゴ支局に緊急連絡が入った。

 海上管制の為に設置した2次元レーダーにサンディエゴ近海で不審な光跡が突然現れたとの連絡。

 サンディエゴ支局では警備艇を即座に派遣し監視に当たらせるが、相手は戦闘艦であった。

 しかも、三年前に突然消えた日本国国旗とアメリカ国旗が確認できた。沿岸警備隊では対応できないので急遽サンディエゴの海軍基地に連絡が入ったのだ。

 司令官であるトーマス・マクレガーは直ちに出港準備が整っているタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦4隻に対し未知の敵に対する対応を決めた。


 その後、不明艦は消滅したはずの日本国護衛艦2艦と第7艦隊揚陸指揮艦である「ブルーリッジ」だと判明したが、そんなSFでもあるまいしあり得ないと思っていた。

 同盟国やアメリカ合衆国艦艇を名乗る第3国の陰謀であるのではないか・・・


 釈然としないなか、不明艦からの連絡をバンカー・ヒルに対応させた。

 つまり在日米国大使に在日米国海軍司令に加え、日本国全権代表が話をしたいとの事。


 トーマス・マクレガーはバンカー・ヒル艦長に尋問を指示し、ペンタゴンを経由してホワイトハウスに優先緊急連絡をいれていた。


 すると・・ホワイトハウスから状況が判明次第ワシントンに送れと指示がなされる。

 トーマス・マクレガーはバンカー・ヒル艦長から報告された所属章のコピーと米国海軍軍人番号、そして日本全権代表からは親書に書簡があると連絡があり、それをそのまま伝えている。

 その結果が「ワシントン」に送れと言う事だ・・・

 そんな空想話をホワイトハウスが信じると思えないと思っていたが、命令であれば送らなけばならない。


 トーマス・マクレガーは指示通り謎の人物たちをホワイトハウスに送る決意をした。

 バンカー・ヒルでは護衛艦と「ブルーリッジ」に乗船させた3名をワシントンに送る事、そして各艦艇については詳細がわかる迄現在の位置で投錨しサンディエゴ海軍工廠の4艦が現在の位置で対応する事が連絡された。

 なお、急遽派遣されたタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦4隻は食料が少ない事からサンディエゴから連絡艇で食料を運んでいる。

 相手は燃料も食料も充分保有していると連絡が入った・・・


 トーマス・マクレガーは思う「謎の人物達を合衆国中枢のホワイトハウスに呼びつけるなど、何を大統領は考えているのかと」悩む、がしかし命令なので従うほかない。


 連絡が入ったホワイトハウスは大騒ぎである。

 連絡官が入って来た情報を簡潔にまとめて大統領に報告する。

「大統領お忙しい中すいません。緊急案件が入りました。すでにペンタゴンからも追認情報が入っていると思いますが、本日1時間前の午前11時にサンディエゴ沖約250海里に不明艦が3艦突然現れ、第3艦隊は即座に緊急対応に入っております。ただし、不明の3艦については第7艦隊揚陸指揮艦の「ブルーリッジ」に日本国護衛艦の「いずも」と「まや」と判明しております。ブルーリッジにおきましては海軍秘匿通信にて日本国が消えた時点からの詳細報告がそしてあちらの世界と言って良いと思いますが一部動画も入って来ています。

 それに加え在日米国大使と在日海軍司令と日本国全権代表の遠山と名乗る人物が日本国政府の親書と書簡を持参したいと連絡があり、ワシントンに呼び寄せています」

「消えた日本国は存在していると言うとだな。その人物たちは洗脳とか複製とかではないか」

「はいそれは直接調べてみなとなんとも言えませんが、提示された大使メダルの番号と認識票番号からは本人だと確認されています。異星人とかの懸念は拭えませんが」

「ではワシントンに到着次第国務省にて尋問し、問題がない様なら私自身で何があったか直接聞こう」

「その様に手配します」


「至急補佐官を全員呼んでくれ」と連絡官に伝える。


 主席補佐官以下6名の補佐官たちは大統領執務室に集まる。

「状況は聞いているか」

 主席補佐官のトミー・シュナイダー・ジュニアが答える。

「全員に伝わっています」

「なら説明は必要ないな。私が知りたいのは、もし別世界に日本が送られ、そこは資源豊かな世界であった場合、その資源や世界を合衆国に取り入れられないかと言う事だ」

「大統領、その人物たちが本物である場合、可能性は高い筈です。別の世界を往復できるのならですが」

「ふむ。報道官は一連の事実を公表禁止とする。また人物たち含め優先機密指定とする」

「了解しました。直ちに」


ありがとうございます。

ミソラの方も連載を開始する予定です。

それから、いろいろ書きかけについてのアンケートありがとうございます。

書ける時に全て進めて行こうと思います。

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― 新着の感想 ―
[一言] ダークエルフ様にきつーいお灸を据えられる事にならないと良いのですが、大使の説得で避けられるかそれとも避けられずに被害を出すか
[一言] アメリカ大統領とか議員の連中と軍部の連中とか官僚の連中、もう、日本はこの世界とは二度と行き来できない異世界にいってそこで定住する計画があるとか、日本にいる外国人はすべて元の祖国へ帰還させる計…
[一言] 更新お疲れ様です。 やはり大混乱(^^;; 米国上層部の思惑(資源獲得)は叶えられませんが、異世界残留米国人コミュニティ(新米国?)への援助や権益獲得の為に、在米日本権益と引き換えに解体回…
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