第229話 元の世界へ その2(国内騒乱その1)
いろいろ転移に関する計画が変更になります。大変です。
先週月曜日に2回目のCT検査して今週月曜日に結果がでました。
診断結果は・・・・・・ヘルニアが見つかりました。
右の腎臓に腫瘍はないと言う事ですが、腰の痛い原因がヘルニアだそうです。
勿論下腹部の診断で背骨も写る訳ですがヘルニアの傾向がみられると言う事で、諦めて整形に通う事を決意しました。元々ぎっくり腰を3回程してましたので、それかと思っていたのですがヘルニアなら骨削たりしなければならないので、大人しく行こうと思います。
肩は予想通り50肩で間違いないと思います・・・トホホ、老人ですね~
遠山特別事務次官は外務省から高野防衛大臣と共に防衛省に戻っていた。
自室に入るなり・・「なんてこった」と独り言を言いながら悶絶する。
「悪すぎる癖だ。直したいが・・」とさらに悶絶する。
その時ドアがノックされ秘書官が入室許可を求めて来た。
「はいれ」簡潔に伝える。
「遠山特別事務次官殿、外務省での打ち合わせは如何でしたか」と
「ふむ。最初に帰還想定者が増えた。大使館の約2万人と若干名だと読んでいたのだがな・・・想定が予想より大きくずれたみたいだ。
大使館員を含めて約14万人」
「14万人も無理です。手配船舶では乗りこみが・・無理です・・」
「了解している。無理な人数だと言う事を」
「でどうするのです」
「当初は船舶でと思っていたが想定の7倍だぞ、日本国中の船を集めても無理な人数だ。
そこで、一般の転移希望者は陸に集めて一気に転送を考えている。何度も転移させては管理者が何を言うか恐ろしい限りだからな」
「それなら、在日米軍の基地などは如何でしょう。例えば東京近郊なら横田基地など如何ですか。
転移に合せて米軍飛行区域を一時解放して転移希望者向けに横田に集めてしまう計画ですが、
しかも日本各地から航空機で横田に終結できます。それと在日米軍の主体は沖縄の海兵隊ですし、米軍の陸海空司令部合わせて約3万名、これは米国第7艦隊輸送隊の輸送能力で行けると思います。
先に在日米軍と移管交渉して、自衛隊基地として転移者を集めれば行けると思います。
それと今思ったのですが、在日米軍の車両や武器、そして航空機に設備を日本政府が買い上げる交渉をして、それ以外の機密設備などは横田に集めれば一緒に転移できます。如何でしょうか」
「それしかないな。その方向で調整して欲しい」
「了解しました。早速交渉しますが整った所で遠山特別事務次官にお願いします」
「うむ。うまく調整して欲しい。また船舶の調達については従来通りで行って欲しい」
「はい」
遠山特別事務次官は深いため息を吐く。
「やっとスタートについたな」濃い目のブラックコーヒーを飲む。
「それと自分で仕事増やし過ぎだろう・・・」独り言は止まらない。
遠山は高野防衛大臣に電話する。
「遠山です。大臣、本日の打ち合わせですが、残留在日外国人、特に大使館員等については外務省に一任したいと思います」
「それが良いだろう。佐野官房長官もついているし、政治的判断は任せるとしよう」
「有難うございます。それと私が担当している転移希望者ですが、船ではやはり不足します。
そこで、秘書官から提案されたのですが、横田基地を先に返還させて、そこに日本国内から転移希望者を集め一気に転送を計画します。了承願いします」
「その方向しかないのか」
「はい、航空機で転移希望者を集める為には、滑走路を有する基地が最適と思います、候補としては横田か嘉手納になりますが、沖縄はちょっと遠すぎます」
「そうだな国内から財産を持って集まるとするとフェリーが必要だな」
「ええ、横田なら国内から車等でも集まれます。それと検討していた米軍資産についても機密設備なら、横田から転移できます」
「最適そうだな。と言うよりそれしかなさそうだな」
「はい米軍より払下げ軍備については百里に集めます」
「よし解った総理と佐野官房長官に話を通しておく」
「よろしくお願いします」
「で在日米軍に対する交渉は遠山特別事務次官にお願いする。下回しが完了したなら各司令官を集めて、私が交渉する」
「その節はお願いします」
「それと船舶調達については順調かね」
「はい、最低人数が大使館員の2万人になりますので、現在調達している船舶数で充分かと思います」
「そうか、私の方は統合幕僚長に転移者護衛艦隊の編成を頼んだのだが陸からもとなると現地の治安や警備要員も必要だな。追加で要請する」
「はい是非お願いします」
「ところで転移はポイント・ネモであるな」
「はいその予定です」
「遠すぎないか」
「そうですね。ニュージランドの東方、南緯48度52分5秒 西経123度23分6秒の南太平洋上になります」
「心配しているのは転移してから3年経過しているので、国際宇宙ステーションも落下の予定のはずでは」
「それは・・考慮不足でした」
「転移後国際宇宙ステーションと衝突とかシャレにならん」
「ええ予定では、そこに転移してからサンディエゴに入港する予定です」
「転移自体はダークエルフが触媒となる予定であるな。ならばサンディエゴに近い海を事前に護衛艦一隻転移させて事前打ち合わせをさせては如何か」
「それは2回転移になります」
「しかし、ポイント・ネオからでは100時間以上かかるぞ、それよりサンディエゴに近い所に転移して時間短縮が望ましい。それと陸からの転移を併用するのであればなおさらだと思うのだが」
「はい試算では低速のフェリーに合せると115時間かかると思います。
短縮ですか・・・ダークエルフと事前打ち合わせが必要と具申します」
「ならその方向で願う。115時間も経過するのであれば、艦隊が無事なのか確認方法が無いからな」
「ご心配はごもっともです。計画の変更を検討します」
「よろしくたのむ」
「はい検討させて頂きます」
遠山特別事務次官は電話を切り、再び大きくため息を吐く。
「しまったな、まさか計画変更とは・・・」
気を引き締めた遠山特別事務次官は秘書官を呼ぶ。
「入ります」
「早速ですまんが予定の変更だ。転移目標はポイント・ネモからサンディエゴ近海に変更、自事前に護衛艦を1隻先行させて交渉を行い、艦隊全てをサンディエゴに転移させる」
「えっっ」
「遠すぎると言われた」
「ですが」
「すまんが、それに伴いダークエルフとの打ち合わせを行いたい」
「はい、ハイエルフに連絡します」
「たのむ」
同時刻、外務省
「佐藤外務大臣、亡命希望者の概要が判明しました」
「亡命?言い方何とかならないか」
「はい残留希望者は約278名で、米国から34名、ロシアは14名、中国25名」
「中国25名!!!」
「はい、強い希望です」
「続けてくれ」
「はい、イギリス、ブラジル等48か国から144名、ロシア・中国を除く各国22国から61名です」
「多いな。それが全員残留希望なのか」
「・・はい」
「それで残留希望者については佐野官房長官から開拓中については日本と同等の扱いにして、建国の際に国籍を移す事で了承もらっている」
「はい、その際にはアメリカ租界とイギリス租界に集める訳ですね」
「そのつもりだ、経済力がついて国としての体裁がついたなら別国として承認も考える」
「了解しました。当面はその方向で行きます」
「それと各大使館の明け渡しは進んでいるかね。機密文書の処分で大変だろうが。そして帝国分割の各国の大使館を設置させる」
「ええ事前の退去準備は現在からスタートできますので進んでおります。ドーザ大陸およびアトラス大陸の各国については、時間を置いて再配置いたします」
「うむ。頼むぞ」
・・・
「遠山特別事務次官族長村と連絡がつきました」
「了解、すぐに通信室に向かう」
「族長いろいろありがとうございました」
「いえ、自衛隊ましてや日本国に協力するのは我々の試練ですので」
少し言い方が気になるか・・・・
「それで族長、転移について多少懸隔変更が発生しました。転移希望者人数が大きくなり陸からの転移も計画に入れなくてはなりません。その為にダークエルフとの打ち合わせが必要となりました。
その為の打ち合わせを事前に行いたく希望します」
「計画に大きな変更が出来たのですね私が口を出せる訳ないのですが口添えはしますよ」
元族長と話している筈なのだが、回答はマリアを通じている。
「はい、転移に掛かる問題がありましてそれも含めて相談したいところです」
「ではいちいち北極基地まで行っている時間はないと言う事ですね。では村の集会場で行いましょう」
「そうして頂けると助かります。明日夕方で宜しいですか。宗谷特別行政区の空港に到着次第連絡します」
「そうですか。ではその後に」
「はい、是非よろしくお願いします」「ふふ忙しい方」最後はマリアの本音だろう。
翌朝、遠山特別事務次官は午後の便で宗谷特別行政区に向かった。
「計画をまとめなくてはならないな」と呟く。
ありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。
転移に際して多少現代戦を想定しています。転移はブルーリッジを連れて行く予定です。(ネタバレ)