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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
230/251

第225話 新しい世界 新秩序創世 その1

新世界秩序策定の始まりです。

最初は送り返し、と帰還の問題ですね。

各国大使達は信用していない様です。

少し長くなりました。

 防衛大臣の高野が総理官邸にやって来た。

「当壁総理おはようございます」

「高野大臣ご苦労様です」

「総理、早速なのですが幾つか事前に確認がございます」

「うむ。続けてほしい」

「はい、最初にドーザ大陸全土に発令していました警戒態勢を解除します」

「それは日本の国民投票も済んだ事であるから、そうしてほしい」

「はいその様に」


「次にドーザ大陸およびアトラス大陸、そして南大陸を含む防衛計画策定をご提案します」

「うむ。残留が決したので防衛の為と市民保護を目的とした基地であるな。それは防衛省で基礎案を策定して欲しい」

「はい、そのように。次ですが、帰還させる国民及び移住民ですが、事前に検討した計画に沿ってで宜しいですか」

「そうですね。事前に米国大使と合意した内容でたのむ。それでは問題があるかね」

「いえ、我々も残留決定したのですから米軍装備品の補修や補充が滞ります。それに対応した取り決めですから問題はありません。

 しかし、元の世界に戻りたいものが10万人を超えると想定内容の3倍の人数にもなります。

 まだ正確に掌握できていませんが対処が必要だと思います」


「うむ。それについては総務省と外務省で取りまとめして報告させる」

「それの人数によっては客船を全てチャーターしませんと」

「そうだな。それに持参する荷物もあると思うので外洋航行できるフェリーが必要だと考えているが」

「でしたら要人用客船を手配しますので、一般民用客船とフェリーの手配も防衛省で担当します」

「ではその方向で頼む。総務、外務の人数が確定次第防衛省に伝える」

「では最後に・・・ハイエルフ元族長が同行しませんと神との対話、いや神に知らせる事が出来ません。

 そしてハイエルフが諸外国に知られて、いや拉致でもされたら神の怒りを買う事になります。

 最重要警護対象として護衛艦を派遣する事をお願いします」

「それ以外にも客船やフェリーの護衛もあるだろう。護衛艦隊を出すのは考えていた事だ」

「はっ助かります」

「まだ日本が転移して3年目であるから技術格差は少ないのであろう。

 しかし防衛省の装備を補修出来る部品などの調達は必要だと思うが」

「その通りです。幾らかの部品ストックは必要と考えています」

「うむ。在日米軍が置いて行く装備品も対象なのだろう。転移してから3年間で経済は前の水準まで持ち直しているし新たなる鉱物資源も加え交渉材料と必要経費に5000億円を計上するつもりです。その範囲で何とかお願いします」

「総理ありがとうございます」


 その時総理卓の電話が鳴る。

「総理、外務大臣と総務大臣が見えております」

「判った高野大臣との話は殆ど終わっている。通してほしい」と電話を切る。

「高野大臣も同席して欲しい」

 やがてノックがあり佐藤外務大臣と遠野総務大臣が入室してきた。

「総理、大変です」

 先に口を開いたのは佐藤外務大臣である。


「どうしましたか外務大臣」

「それがですね。各国大使をその国代表として交渉を続けてまいりましたが・・その帰還してもこの世界に戻れるのではないのかと聞いてくれなくて大変なのです」

「やはりな」

「総理は予見されていたのですか」

「うむ。高野大臣と送り返す国民や大使たちの事を検討した時に、そんな御人もいるだろうと思っていたな」「はい」

「我々が何度説明しても日本だけが特権権益を持つ事は許さない、我々にも分けろと」

「そうか、単純に考えれば何度も往復でき、それを日本は隠していると思うだろう」

「その通りなのです」

「これは元族長にご協力願わないと無理の様ですね」

「可能でしょうか」

「高野大臣どうですか」

「はい可能と思います。総理と以前話していた内容から、納得しない大使もいるだろうと、そして・・

 大使館職員を装う諜報員も・・・

 とちらにしろ私は送り返しと帰還について話をしないといけませんので洞窟には行きますが、そこに納得していない大使と随行者を呼ぶことも考えています。

 ただし神に不敬を働くとそれらの国は亡びる事も伝えてですが(笑)」

「うむ。佐藤外務大臣。そう言う事だ」

「判りました。高野大臣、神との対話は何時頃」

「早急と思ってます。1週間以内にはと」

「場所は新大島ですか」

「いえ近い所でドーザ大陸の東を予定しています」

「えっ高野大臣、ドーザ東と言う事は以前アトラム王国が攻めてきて封鎖したと聞いているが」

「あっはい。私もその様に聞いていたのですが、どうも深く聞いた所、操作盤の電池を抜いた程度だと教えられました」

「ですが、もしですよ、ドーザ東の洞窟が補修できてもアトラム王国に行くだけではないですか」

「えーと。お伝えしていませんでしたね。操作盤をセットするとこの世界全てのポータルに繋がると、そして神に会うためには北極大陸にあるハイエルフの基地に行く必要があります。南大陸の塔は無効化されましたので」

「はぁ理解が及ばない世界です」

「大丈夫だよ、佐藤外務大臣。私も最初聞いた時に理解はできなかったからね」

「はぁ」

「それとドーザ東の洞窟は一部未開地を通りますので多少の危険があります。いそいで整備しますが」

「そうですか。宗谷特別行政区にホテルが3つできたと思うので私も高野大臣を支持します。はぁ」

「はぁありがとうございます。でしたら1週間後を目標として神に会う人選をお願いします。

 宗谷特別行政区の空港からホテルに入って、翌日洞窟へ行くと言う行程になります」

「佐藤外務大臣頼みます。そうそう各国と言っても人数が多くなると思うので、国連常任理事国と非常任理事国の中からで良いと思うが、それ以外の大使にはその模様を中継すると言うのは如何」

「総理それはそれで、神に会う時には動画録画機材が機能不全を起こしていましたが」と高野。

「それは神に相談して欲しい」

「総理・・そんな。では事前に対話してまいります」「頼みます」


「話を戻そう。佐藤外務大臣と遠野総務大臣を呼んだのは、元の世界に戻りたい者の登録と元の世界での邦人保護について、それと東野大臣には総務省管轄の電波の再割り当てをお願いする。国際ルールが無い物でな」

「はい、すでに総務省の国際戦略局、情報流通行政局、総合通信基盤局の3局にて電波と通信網についての再構築を検討しており、一部防衛省も入っております」

「そうですか、米軍の使用していた周波数も使用できるのでお願いします。それとドーザ大陸での使用も含めて」

「予定に入っております」

「うむ。邦人保護については早急に方向性をお願いしたい」

「国会対応も入れてですよね」

「勿論だ」


「それでは重要事項は伝えたつもりであるが、明日は内閣での討議を予定している」

「ええ、まだドーザ大陸の交通や警察機構、自衛機構、アトラム王国への支援等々問題が」

「そうだな。日本においても世界平和を前提とした国際組織の立ち上げは急務と考えている」


「果てしないですね」と高野防衛大臣。

「それを踏まえての在留決定なのだから」


 ・・


 翌日、高野防衛大臣は特別事務次官に指示して宗谷特別行政区に向かわせた。

「お待ちしておりました。遠山特別事務次官殿」

「よろしく頼むよ」

 遠山特別事務次官は元第2護衛艦隊群司令で当時の役職は遠山海将補である。

「はぁ大臣の頼みで一時的に自衛隊を外れて政府に協力するとか、ガラじゃないのだがな」

 遠山は独り言をつぶやく。


「特別事務次官殿、本日よりお世話する事になりました。鳥山(陸曹長)です。よろしくお願いします」

「そうですか、普段ハイエルフ村と交流して日本とハイエルフの仲介をしてくれていると聞いている。

 今回も大切な話であるから来たこと自体内密に」

「はい、聞いております。では空港からホテルにご案内しますが特別事務次官はハイエルフ村初めてですか」

「うむ。他と変わらない田舎の村だと聞いているが」

「はい、概ねその通りです。ですが普段は結界がありますので場所の特定は不可だと思います」

「そうか、結界ですか。護衛艦にも欲しい物だな」

「特別事務次官殿は海上自衛隊ご出身なのですね。ではこちらにお荷物は運びます」


 高級乗用車に案内して、宗谷特別行政区の最新ホテルに案内するが、お忍びであるから地下駐車場から部屋に直接inする。ホテル上層で角部屋である。しかも一方の通路は塞がれでいる。

「部屋はこちらになります。両サイドの部屋には陸自隊員が待機しております。何かあれば呼んでください」

「ありがとう」

「24時間歩哨が立ちますので不審者は入らせません」

「ご苦労掛ける」

「今後の御予定ですが、明日10時にお迎えに参ります。お食事は全て我々を通してルームサービスをお持ちします。外出は明日迄お控えください」

「それは大丈夫ですよ。ハイエルフ元族長と打合せる内容を再考しているよ。それと宗谷特別行政区から洞窟迄の道整備は進んでいますか」

「はい、宗谷特別行政区整備中隊が明日から整備開始します。予定は2日で終わる予定です。途中逃れて来たエルフ村がありますので雇用して案内してもらいます」

「ここに、宗谷特別行政区に逃れて来た難民の皆さん生活はできていますか」

「日本転移が検討された時には、もめごとがありましたが残留が決定したので、今は落ち着いております」

「不安にさせたと言う事だな。そうだろう日本がなくなったら宗谷特別行政区の価値も無くなるのだから心配だっただろう」

「そうだろうと思いますが、宗谷特別行政区には普通科2個中隊に戦車中隊と開発中隊、航空自衛隊基地もありますので防備は固いと思っています。なにしろドラゴン対策していますので」

「そうか治安も良いと言う事なら尚更だな」

「では改めて明日10時にお迎えに来ますのでお休みください。スマホ電波は使用できますしWifiも使用できますが、スマホのみ使用する様にお願いします」

「了解した」


 遠山特別事務次官は護衛艦を降りて市ヶ谷に詰めていたので、多少開放されていた。

「夜景がきれいだな」と呟く。


 翌日10時に鳥山陸曹長が迎えに来た。廊下を隊員が12名程度先に進みEVを占領して地下駐車場まで直通で降りる。そこには高機動車が2台に87式偵察警戒車が1台並ぶ。

「特別事務次官殿は真ん中の高機動車助手席にお願いします」

「警戒しすぎでは」

「いえ、大切な会談ですからこの程度は、それにハイエルフ村の果実を狙う盗人がいますので村を特定されないようにしています」

「そうか」


 車列は進み始めた。

「事前に連絡を入れていますので景色をお楽しみ下さい」

「うむ」


 宗谷特別行政区の空港から森に入っていきしばらく進んで、なにも目印が無い所で停車する。

 鳥山陸曹長が無線で何かを放送すると、突然目の前に村が現れた。

「凄いなこれは」

「はい結界ですね。視覚を誤魔化して森が続く様に見せかけています」

「これ結界を解かずに進んだらどうなるのだ」

「その場合は弾かれて直進できない状況となりますし、ぶつかる感覚もないので普通に横にそれてしまいます」

「ほぉ」

「この場所は極秘なので我々しか知りません。それはハイエルフ族との約束でして迫害を受け続けた願いでもあります」

「多少の歴史は聞いている」


「では元族長と現族長にご案内します」

 鳥山陸曹長に促され車を降り、村の大きな建物に案内された。

「こちらが村の集会場です」


 集会場にはハイエルフが5名ほど並んでいる。

 元族長に現族長のマリア、通訳のヒナタ、レイナ、リナが並んでいる。

「本日はよろしくお願いします。特別事務次官の遠山と申します」

 すぐに澄んだ声が響く。

「ご苦労様です。ゆっくりしてくださいな」

 遠山は案内された椅子に座り、鳥山陸曹長は後ろで立っている。


「本日は遠い所おいで頂きありがとうございます」誰が喋っているのか良く分からない。

「いえこちらこそ急な相談ですいません」

「いえ、神との対話を希望されているのですね内容は了解しました」

「えっあっ」遠山は何も説明していない。


「そう言えば日本国内で行われた国民投票ですが、ここで皆で見ていました」

「放送電波が届いているのですね」

「特別事務次官」、鳥山陸曹長が「実はケーブルテレビを引いています」

「そうか。納得した」


「紹介しますね。こちらが元族長、名前はありません。私は現族長のマリア。これは自衛隊の皆さんが付けて頂いた名前です。勿論私も本来名はありません。こちらは「ヒナタ、レイナ、リナ」で遠山さんの通訳になります。勿論思念での会話はできますが日本の方には強すぎて障害を起こすそうで控えています」


「それから神との会話は基本念話で行いますが()()()()()言葉での会話が可能です」


「今回はドーザ大陸東の洞窟を使用すると聞いています。以前アトラム王国軍が入って来た時に閉鎖したと聞いていたのですが」

「そうですね。私が当時は同行しました。緊急でしたので王家のメダルを取り、繋がる方向を変えたのです。人々が神々の洞窟を使うには王家のメダルが必要なのですが、現在はどの王家にもありません。

 私たちは念話で操作盤に繋がる先と繋がる時間をセットします」とレイナが説明する。

「つまり操作盤を壊してはいないと」

「はい、その時使用した王家のメダルはこの村にあります。それに私たちにはメダルは必要ありませんので」

「詳細は判りました。で神とのコンタクトは北極大陸と聞いているのですが」

「その通りです。そこが神に一番近い場所。世界を滅ぼすところです」

「終末兵器がある場所だと聞いてはいます」

「ええ、ハイエルフがこの世界に最初につくられた場所、ハイエルフのゆりかご」

「作られた・・」

「遠山さん距離と言う概念は神々の洞窟にはありません。ドーザ東の洞窟から直接北極大陸に行きます」

「はいありがとうございます」

「では遠山さん。神に願う内容の確認をいたしましょう」


 遠山は現日本で元に世界に戻す手順と元の世界から連れ帰る邦人について説明する。

 神との交渉役としてハイエルフの皆さんは日本政府が厳重に保護すると伝えて、期間は帰還に1か月、戻るのに3か月間(世界中に散らばっている為)

 そしてここが重要であるが、帰還と戻りは1回のみである事、それ以上の要求は全て断ってほしい事。

 もしハイエルフを保護しきれずに他国に奪われた場合も同様だとお願いする。

 一番大切な、過分な要求をする者は国を含めて重大な代償をうけると言う事。

 これが打合せしたい一番の問題である。


 ハイエルフとの打ち合わせで神との事前交渉は3日後、そして大使や職員を連れて神への謁見は2週間後に決まった。

ありがとうございました。

本日3回目のコロナワクチン撃ちました。現在体温は37.3度です。

2回目の時には42度まで上がったので少し不安です・・・


誤字脱字よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 帰還希望者の10万人強という数字は日本人外国人問わずって感じなのでしょうか?米軍は装備調達の問題があってもそれなりの数は残留を希望して新たなアメリカ建国を目指すのかな
[一言] 更新お疲れ様です。 喫緊だった帰還問題が漸くひと段落しても、課題は次から次へと山積(><) 素直に帰還を喜ぶ在留外国人とは裏腹に、ハイエルフさんや異世界人を手土産に栄達を目論む馬鹿共が暗躍…
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