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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
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第224話 運命の国民投票 結果編 日本の運命

腰の痛みも鎮痛剤と温かくなってきた事により和らいできました。

ですが目覚めると痛さがきつく、起きると同時に鎮痛剤を飲む事が習慣となっています。


さて運命の国民投票ですが、結果が判明したようです。他にも・・・

 本日国民投票が実施されているが、各企業は定時終業を実施して社員は定時退社とされ、投票に行く事を推奨されていた。

 24時間営業の店舗や工場などはシフト調整と期日前投票を会社から指示されており、日本全国国民投票に対する意識は非常に高い結果となっている。


 ・・総理官邸・・

「総理、19時となり会社員の方々が投票に向かっていると報告があります」と補佐官。

「うむ、ニュースでもやっていたな。投票率90%台とか、選挙もこれだけの投票率はうらやましいぞ」

「総理、それは・・言い方が悪いのですが・・自分に直接関わる問題だからだと思います」

「その通りだ。しかし選挙も回り回って自分に関係する事なのだがな」

「いえ、遠すぎてその様な感覚はないと思います」

「そうか・・もっと選挙の方法を考えないといけないな」


「総理それもありますが、今回の国民投票法は18歳からの投票権ですので若者層が活発化していると報告にあります。具体的にはSNSで国民間での議論が巻き起こり議論が活発化していると言う事です」


「そうか・・通常選挙もその方向で活発化してくれるとありがたいのだが」

「総理、無理な望みですね。ただし予算が10倍になれば可能だと思います」

「そうか」当壁総理は苦笑する。また何かを決意した様だ。


・・時刻は21時となる・・

「非常に関心の高い国民投票について、ついに投票期間が終わりました」テレビのアナウンサーが放送する。

「ええ、今回の電話調査で投票率は97%まで上がっていると結果がありますね。これは前代未聞ですね」

「それは凄い投票率ですね」

「はい調査では病気で判断できない方を除いて97%と言う事でした」

「つまり投票場に行ける方や身体不調の方も郵送による事前投票などで投票できるなど画期的です」

「これは日本国としての行く先を決める大事な事ですから政府は出来るだけ全ての意見を集約したいとの思いなのでしょう。それに郵送投票はありましたが条件が厳しく診断書も必要でしたが、今回は必要ありませんし各役所に郵送用の投票用紙がありますので便利です」

 マイナンバーと投票用紙に記入されている整理番号により重複投票は弾かれる仕組みの様だ。


「これを通常選挙でも実施して欲しい物ですね」

「それは膨大な費用が必要ですね」と解説者は言う。

「ですが、それをする事で選挙や日本のかじ取りに対して興味が出てくると思いますが如何でしょうか」

「確かにその通りですが、費用面では問題が山積みですね」

「ええそうですね。投票場の開設や係員や管理員、立会人などの動員を考えると大変な費用になります」

「例えばですよ、今回の様に大規模投票会場が実現できると少しは解決するのではと思ってしまいます」

「そうですね。今回の投票場は東京としてお台場や東京駅、新宿駅、品川駅などの主要駅8か所に開設されていますね」


「今回は画期的です」

「各主要地方都市においても主要駅に投票場を開設して投票率向上に寄与していると言われています」

「ええ私の地元横浜でも、主要駅に投票場が開設されています。非常に便利ですね」

「ええ凄い話ですね」

「只今入りました情報によりますと期日前投票と不在者投票の結果集計が発表されたようです。ご報告します。

 期日前投票については投票日当日出張などで勤務地や住居地に不在になる方が事前に投票をする事で、入院等や妊婦、障害者で動けない方に対して不在者投票として病院投票や郵送投票が認められています。

 今回の期日前投票については約180万人、不在者投票については約257万人、これは衆参選挙など、期日前と不在の両方合わせて約200万人を大きく上回っていますが、これだけの投票率としては予想より少ないのではと思ってしまいます」

「いえ、これだけの投票環境が整っている事から直接投票を選択した方が多いのでしょう」


「なるほどそう言う事なのですね」

「そうですね。直接国民生活に直結する為に直前まで考えて投票したいと言う事ですね」

「ええ、では結果ですが、残留68%、帰還32%、無記入はなしでした」


「凄い結果ですね。とにかく無記入なしは凄い」

「日本国民の関心の高さが見えますね」


「出口調査結果も集計されています。投票の済んだ方1000名に対し調査した所、残留58%、帰還42%との結果です」

 解説委員が口を開く。

「14歳から17歳の若年層集計結果、期日前と不在者、それに投票出口調査を加味すると、残留が多いように思います。

 日本の将来にとって残留が国民の希望と言う事でしょうか」

「まだ結果は判明していませんが残留が強いような気がします」


「では投票結果が当日開票のみで午前2時までに発表されると言う事なので結果を待ちましょう」


「ええ楽しみです」


・・総理官邸・・

「藤堂補佐官、開票はどうだね」

「概ね順調です。今回は状態が3つしかないので、機械計測をかけて分別集計を行い、その後に手作業にて集計ミスがないか目視して再度集計します」

「了解した」

「総理次の選挙があるなら機械集計を前提とした投票用紙に切り替える事をお勧めします。ただし目視による集計ミス確認を除けるとは思いませんが、それでも相当楽になります」

「うむ。記名方式を…記号等すると言う事か」

「いえ、AI判定にしてはと思います」

「だが、人間が見て判定が必要な物があると思うが」

「そこは機械から判定困難を弾くと言う事で対処できるのではと思います」

「そうか・・・なら次回選挙に並行で実施しようではないか。それによりAIの信頼性が判定できるだろう」

「はい、選挙集計センターを各地に作れば並行作業も早いと考えます」

「その方向の予算取りと計画策定を頼む」

「畏まりました」


「総理集計は午前2時を目標にしていますので、しばらくお休みになられる事をお勧めします。

 午前7時には総理発表も予定していますので」

「そうか、心配ではあるが休むとしよう」

「では午前2時になりましたら参ります」

「うむ。あと発表原稿を頼む」

「用意してあります」

「そうか」


・・運命の午前2時・・

「集計が遅れており、後ほど10分後前後に投票結果をお知らせできると思います」

 緊急ニュースが流れ、開票率96%と流れる。


「総理午前2時ですが、読み取り困難投票用紙があり集計が遅れています」

「すまないな、そしてそれはいつもの事だろう」

「いつもは文字判読に時間がかかるのですが、今回は丸ではなくレ点が判別不能と言う事です」

「レ点?どういう・・」

「はい投票用紙は総理もご存じの通り残留か帰還の2つに対して丸を付けると言うはずなのですが、レ点投票があり、丸の代わりと判断したのですが、用紙中央にレ点が有る物が多数あり判断しかねています」

「そうか、私なら未記入と同等に判断するのだが選挙委員会は判断に困っていると言う事だな」

「その通りでございます」

 国民投票なのであるが投票所組織から開票組織迄従来の選挙組織を当てたため、選挙委員会となっている。


「仕方ない少し待つとする」

「はい結果が出しだい報告いたします」

「うむ」


・・10分後・・

「総理判明しました」

「おお待っていた」

「ではお伝えします。不在と事前投票を入れまして残留59%、帰還40%、無効1%となりました」

「無効と言うのは例の中央レ点か」

「その通りです」

「そうか、残留で決したか」

「左様です。望みどおりでしたか」

「いや最後の最後まで決心がつかなかったので国民の意見を知れて良かったと思っている」

「そうですか、国民も残留の意思を明示したと言う事ですね」

「では早速原稿を頼む」

「はい用意しております」


 日本全国に一斉に緊急放送が流れた。

「残留が決定です」と。


 午前7時の予定が遅れて午前8時となり、当壁総理の緊急放送が始まる。

「国民の皆さんおはようございます。総理の当壁です。

 国民投票ありがとうございます。投票率は96%と史上最高の投票率でした。

 国民皆さまの関心の高さと意識の賜物だと感心しており、感謝しております


 さて、国民皆さまの決意は判りました。

 ですが民主主義とは言え多数決だけで決められる物ではありません。

 事前にお約束した通り、海外居住の日本人並びに日本に住んでいらっしゃる日本国籍外国人に対して救済を実施します。

 では具体的には各地外務省窓口に手続きをお願いする事になりますが、元の世界に戻りたい方、また外国居住の日本人に対して帰国の手続きを行います。

 日本在住の日本人で海外に御子息等がいらっしゃる場合、帰還手続きをお願いします。

 外務省データと照合して、元の世界にて帰国勧告を実施します。


 また日本在住日本国籍を持つ方、並びに各国大使や大使館職員や外国企業駐在員などの帰還準備を行います。詳細は外務省窓口にお願いします。

 元の世界への帰還は1か月後、帰還の詳細については帰還1週間前に公表致します。


 元の世界に戻りたい方は最後のチャンスと思ってください。

 これ以後の帰還については残念ながら実施しません・・できませんので深考をお願いします。

 同様に海外居住者については2か月後に帰還させる事を目標に実施します。


 また注意として日本国は世界の中から消えます。

 日本国籍としての在住許可については各国日本大使館がなくなる事により継続はできません。

 その点も十分に考慮頂いて判断をお願いします。

 基本的には外国籍を有しない日本人については大使館が無くなりますので保護できなくなり帰還すべきでは無いと考えています。


 以上を踏まえてご判断をお願いします。

 また帰還については在日米軍の全面的ご協力により実施されます。

 各国大使及び大使館職員については旅客船による米軍随伴を予定しております。


 いろいろ細かい説明をいたしましたが、必要な方は外務省窓口にてご確認をお願いします。


 さて、新日本として残留を決しましたが、国民の皆さまと一丸となり新世界の開拓と秩序そして世界平和を作り上げましょう。

 一朝一夕では行かない事も承知しておりますが、新たなる世界に希望を持っている事も事実でございます。

 新生日本としてよりよい社会を皆様と作り上げていきたいと思います。

 そこで私は決断しました。

 (一呼吸おいて)


 帰還が全て終了した後に、衆議院は解散を実施して新世界にふさわしい政府を選挙にて決めて頂きたいと存じます。具体的には半年後の選挙を実施しようと思います。

 またその時は国民投票の様に国民の皆さま一人一人が日本と言う国を良くしたいとの思いを持っていただき、それにふさわしいリーダーを決めて頂けばと思います。

 この世界に残る事により憲法改定も視野に入れた制度改革が必要だと思っています。

 新リーダーがどの様に導くのか判りませんが、大統領制も視野に入れてはと思います。


 私は残された期間を元の世界に残された日本人帰還に全力をかけたいと思います。

 どうか、国民の皆さま、よろしくお願いします」


 この後、国民投票号外の他に当壁政権退陣との号外も流れた・・・・

ありがとうございます。

残留が決まり当壁政権も期間限定で解散を発表しました。

まだ続きます・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] 元の世界に帰還したら損失のほうが大きいと国民は判断したみたいですな。 特に中国とかロシアあたりは日本に対して戦争を吹っかけてくることが明白でしょうし、帰還した時にデメリットが多すぎでしょうか…
[気になる点] 日本国そのものは異世界に残留が決まった。 この状況で、元の世界への帰還を希望する者がはたしてどの程度出るか。それが気になりますね。 元の世界に戻ったら、もう、国の保護を受けることは出来…
[一言] 更新お疲れ様です。 予想された結果だが、改めて出た結果にほっと胸を撫で下ろし・・・・ 各国首脳陣や企業関係者も事業&復興&再建半ばで行かれなくて一安心でしょうね(^^; 次回も楽しみにし…
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