第217話 国内紛糾
遅くなりすいません。
あまりにも寒暖差が大きく体調が悪化していました。
おまけに腰痛が再発して苦しんでいました。
日本帰還も噂される不安定な情勢の中、ドーザ大陸各地に散っている日本人は会社からの命令に対し忠実に足元を固めていく。
だが・・・要塞港フマラでは三ツ矢商事の杉浦泰三が悩んでいた。
「またダメだった」杉浦はドーザ大陸中央空港経由で南周りの貿易ルート確保に動いていたが、思うように労働力確保が進まず、物流拠点づくりは進んでいない。
三ツ矢商事はドーザ大陸西空港工事が中断されると判断し、ドーザ中央空港から街道をトラックでフマラ入りするルートでトラックヤードを街道に作る準備を進めていたのだが、労働力がフマラでは集まらない事にある。
燃料基地も兼ねる陸上自衛隊第七師団駐屯地はシルラ村郊外のドーザ大陸西空港建設予定地に駐屯している。
シルラ村にある駐屯地でさえ、フマラから500kmも離れている。
ただし、ドーザ大陸西空港は日本転移の予定があり、建設自体は中止され、第七師団はいつでも撤退できる様に整理を優先させていた。今は各拠点の巡回パトロールが主な任務である。
シルラ村の駐屯地からフマラ要塞港までの距離は500kmもあるので1週間に1度の巡回である。
自衛隊が巡回していてもフマラの治安はドーザ大陸で一番不安定であった。
杉浦の本日の業務は港のドンに話を付けて、港湾労働力確保である。
他に小規模ながら燃料補給基地建設に陸路積み下ろしの拠点であるコンテナヤード建設に目途を付ける事が仕事である。
たまらず、杉浦泰三は衛星電話にて本社に進捗状況を報告する。
「杉浦君、予定より1か月も遅いではないか、これ以上遅くなると本社は計画自体見直しする可能性が高いぞ」
「はっすいません吉田常務。フマラ街は人員も少なく、町長も言葉では「協力する」と言うのですが、肝心なところは動きが遅く、計画自体見直しを提言致します」
「何言ってるんだ、君が出来なくて誰がやる。とにかく計画通り進めないとダメだ。
遅くても1週間以内に収めて欲しい、わかるな」
「常務。見通しが立っていません」
「聞かなかった事にする!!とにかく予定通りルート確保を進めてくれ」
「常務・・・」
「よいなわかったな」
「・・はい・・」
日本帰還も噂される不安定な情勢の中、ドーザ大陸各地に散っている日本人は会社からの命令に対し忠実に足元を固めていく。
燃料基地も兼ねる第七師団陸上自衛隊駐屯地はシルラ村郊外にドーザ大陸西空港建設予定地に駐屯している。
シルラ村にある駐屯地でさえ、フマラから500kmも離れている。
ただし、ドーザ大陸西空港は日本転移の予定があり、建設自体は中止され、第七師団はいつでも撤退できる様に整理を優先させていた。今は各拠点の巡回パトロールが主な任務である。
シルラ村の駐屯地からフマラ要塞港までの距離は500kmもあるので1週間に1度の巡回である。
自衛隊が巡回していてもフマラの治安はドーザ大陸で一番不安定であった。
杉浦の本日の業務は港のドンに話を付けて、港湾労働力確保である。
他に小規模ながら燃料補給基地建設に陸路積み下ろしの拠点であるコンテナヤード建設に目途を付ける事が仕事である。
杉浦泰三は意見が通らない事に憤りが湧いてきた。
・・・
当壁総理は忙しい日々を送っていた。
国民投票法の成立に向けて、野党党首対談を丁寧に行っている。
原案は18歳以上国民について残留か移転かを問う物で、17歳未満の家族は帯同を基本としている。
同時に各財界や商工会議所に大手企業に航空会社の会頭を中心に、佐野官房長官と手分けして階段している。政界は当壁総理が中心。財界等は佐野官房長官が回っている。
同時に改憲担当大臣に当選5回の大崎大臣を当てており、法的問題を解決し、投票場開設の手当てを実施している。
各市町村役場では、政府指針に合わせて準備が進んでいた。
総務省では各大臣なから持ち寄られた法案に法的不備がないか審査を開始して、国会提出手続きを進めていた。当壁総理の記者会見から2週間で法案の形が出来上がり、国会審査期間を定めて、約2週間後公示、1週間後に投票が決まった。
内容はシンプルである。
つまり、この世界に残留するのか、戻るのかの二択である。
オプションとしては元の世界に戻りたい、大使や各大使館職員については米国艦艇に乗船頂き送り返す事が決まった。
また日本人については外国に生活拠点のある人々については帰還を一部例外に決められている。
在留が決まった場合には、在国日本人については一か所に集め、戻す事を神と交渉すると言う事になった。
各政党からは2つの場合について、つまり帰還する場合と残留する場合の資料を作成し、議論となった。
テレビも有識人を集めて討論させる事が大きなっている。
討論番組に視聴率が高く、ドラマやバラエティーを圧倒している。
国内世論も残留か転移か二極に別れている。
・・
高野防衛大臣は単独航空機で宗谷特別行政区まで飛び、駐屯地から高機動車を回してもらいハイエルフ族長へ会いに行っていた。
何度も来ている道のりなのだが、ハイエルフ村のバリアが強力になっており、見慣れた感じにはなれないでいた。
「着きました」
「そうか、ありがとう」
高野は車を降り、村に入っていく。
高野防衛大臣は当壁総理から確認を依頼されていた。
つまり、日本移転先であるアースの状況確認と、戻らなければ一部米国艦隊に乗せた各国大使を米国経由での帰還と駐在日本人連れ戻しが可能なのか確認しに来ていた。
『きましたね』
「はい、族長様幾つか神に聞いて欲しい件があり、まいりました」
『あなたの心には残留するとありますね』
「あっ南大陸で神と会った後に戻ってからいろいろありまして、戻らない事も選択肢に残っています」
『そうでしたか。私たちにとっては残って下さるのは大変助かります。経済的にもね』
「そうですね。「神の桃」も日本では高級果実として大変売れていますからね」
『そうですね。あれは日本のお陰です。この村も収入もあり比較的豊かです』
「有難うございます。早速ですが・・・」
『全てわかっています。神からの回答をお待ちください』
「高野さんお茶をどうぞ」族長代理であったマリアがお茶をだしてきた。
「マリアさんお久しぶりです」
「まぁありがとうございます」
「族長が戻られてよかったですね」
「はい、ですが族長はそのまま私が預かりとなって、族長様は使徒となりました」
「そうだったのですね。族長は巫女であり使徒となったのですね」
「そうです。使徒は全世界の監視者として判断をゆだねられています。
私はハイエルフだけを導く存在。役割が違います」
『ふふ。マリアの言う通りですの』
「そうでしたか、マリアさんもお仕事大変ですが頑張ってください。困った事があれば日本が協力します」
「ふふ、だって日本は移転するのでしょ。頼れないですよね」
『マリア、高野さんを困らせないのよ』
「あら、しつれいしました。ふふ」
ハイエルフに掛かると高野も形無しである。
『あっ神からの啓示がありました。
最初にガイアの様子ですが、日本があった場所に作られた海底基地は神が起こした海底地震によって壊滅。ついでに韓国・北朝鮮と中国に5m級の津波が押し寄せ軍港は壊滅状態だそうです』
「うお」
『世界は海底基地を作った中国と北朝鮮に非難が殺到していて、世情は不安定となっているそうです』
・・しばらく時間があいて・・
『続いて一部転移については、近くに私が行き位置と時間を直接神に伝えれば可能だと答えがありました。また帰還についてはアースの状況については状況監視する者が不在なので、そちらで予定を作って大雑把な位置と時間を指定して欲しいとの事で、可能だと言う事です』
「安心しました」
『神から「戻らないのか』と質問がありました』
「今日本は国民の総意を取りまとめようとしています。この世界・・ブルーガイアでしたか、資源が豊富でドーザ大陸やアトラム王国などの取引相手もあります。残っても良いのではないかと意見が多く、国民の意見を聞くための準備をしています」
『そうでしたか。実は元の世界に戻るのであれば、子供達を何人か連れてって頂こうと思っていました。
大学も卒業していませんし、ね』
「そうでしたか。ですがこの世界も面白いと思いますよ」
『神への質問は終わりましたか』
「はい全ての疑問が解決しました。ありがとうございます」
『神も日本が残る事については何もありませんだしたが、雰囲気は喜んでいたと思います』
「はぁ」
ありがとうございました。