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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
213/251

第208話 ドルツ転移と南大陸撤収

いよいよ入院まで1週間・・・

準備で荷物がパンパンです、最低9日間の入院は荷物が多くなりノートバソコンを持ち込もうとしていましたが、ムリなようです。後で娘に持ち込んで貰おうと思っている今日です。


それと裏話を一つ

第1章で地図を頑張っていましたが、これは市販の地図作成ソフトを選んで課金した結果です。

ただしこれには欠点があり、第1章では中世やローマ時代のスタンプが用意され簡単に地図作成ができます。しかしですね第2章からの近代や現代についてはスタンプセットが無いので作成できない事が悩みでした・・・

インカネイトを使用しています。ご参考までに。現代地図作成ソフトは探していません・・作業が大変なので

 いよいよ南たちがプラン策定した南大陸撤収の日となる。

 すでに南大陸からは全ての機材及び人員について撤退を完了しており、ドルツの為に建設した河川の護岸工事に農場拡張は完成してドルツ人による運用に切り替わっていた。


 転移当日朝・・

「ドルツ転移計画の最終段階に移行する」と南は艦内放送と無線で宣言する。

「了解」吉田は族長に、神に伝える様にお願いする。

「監視体制発動、各航空機は南大陸陸地に50Km以内の接近を禁止する」いずもフライトコントロールから無線が入る。


 移転を記録する為に「いずも」からF-35Bが4機飛び立ち、南大陸手前50Kmで撮影を開始する。

『神に、と言うかダークエルフ経由で伝えました』と族長が報告してきた。

「転移準備完了」と南が艦内放送と無線で伝える。


 日本が移転した時は混乱していて事象についての説明は断片的な物しかなかったが、ドルツ転移については事前に理解しており、今記録として動画が撮影されている。

 それは各艦艇からも、上空待機の航空機からも動画が送られてくる。


 南大陸上空に突然、ドームの様な半円形の薄い膜の様な物が現れ、次第に降下していきドルツ人達の居住区を包み込んでいく。

 ダークエルフにはあらかじめ転移範囲を知らせておいてあった。


 半円形の膜の様な物は、大地に接すると消える事なくその形を保ち、外から見ただけでは何も起きていない様にも思えたが、南大陸に設置していた地震計には震度2程度の地震が記録されている。


 その状態で10秒ほど経過する。

 半円形の膜は、現れた時と同じように、上から徐々に消えていき、完全に消えた時には、ドルツの地方都市であるハイリンとドルトムントの街は、なにも無い大地となった。

 勿論、地震計からのデータ送信も止まっている。


 大地は、火山地帯特有の灰色の大地となっていた。

 建物や人、自衛隊が作った街を結ぶ道路も全て無くなり、灰色の大地が、住んでいた者など元からいなかった様にむき出しの地面となった。

 農場も無事転移した様で、心配していた食料問題も何とかなりそうである。

「ハイリン並びにドルトムントの街、消失確認」と報告が入る。

 南はドルツの人々を思い出し「元気でいてくれたら良いが」と漏らす。


「神はどの様に転移させているのでしょうか」と吉田。

「それが解れば苦労はせん」と南は笑いながら答える。

「本当に不思議ですね」と吉田は独り言に近くなった発言をかみしめる。


「さて、我々の番だな」と南は言うと、総司令として命令を発する。


「総員、これより日本に向け撤収を開始する。抜錨開始。艦長頼むぞ」「了解。抜錨後進路0300巡航速度」

「了解、進路0300進行速度20ノット」復唱がはいる。


 南大陸でドルツ敗北まで追い詰めた第1艦隊も日本に向けて進路を取り発進する。


「これで南大陸も見納めだな」と南が呟くと、吉田は「長いようで短かったですね」

「そうだな約2か月間だな。それで一部とはいえ一国を降伏迄追い詰めた。しかも陸自の工事まで」

「ええ、ですが日本としてはあまり得る物はありませんでした」

「それは言えるな。「戦争とは破壊効率の優劣と兵站で決まる」と江田島で習ったがその通りだったな」

「ええ、第2次世界大戦は物量に負けたと言われていますが、その真は米軍の兵站(ロジスティクス)に負けたと分析されています」

「現代戦の基本だな」

「ええ、兵站無しでは戦線維持もできませんから」

「その通りだ。だが今回の作戦での成果は日本国民が犠牲にならなくて済んだと言う事だな。これは大きい」

「そうですね日本の戦闘目的はそれでしたから」

「これで政府も安心ですね」

「戻ったらいろいろ大変だな。お互いに」

「はは。覚悟できています」


 予想通り戻ってから内閣説明や、ドルツ難民受け入れ手続きで休む暇もない。それは後ほどの話・・


 南大陸遠征第1艦隊群は日本への航路を取りつつ、新大島で補給をして航海を続けていた。

 南と吉田、それにハイエルフは新大島空港から一足先に旅客機で呼び戻されていた。

「族長殿お手数をおかけします」

『私たちは大丈夫です』

「日本で何が待っているのでしょう」とレイナ。リナとミーナも頷いている。

「判りませんが、日本も戻る事が約束されています。その話だと思います」

「それは南さんが報告されて、吉田さんの報告書も渡っているのでしょ。その上で更に聞きたい事があるのですか」とレイナ。

「内容は判りませんが、日本では紙だけではなく本人から直接話を聞く習慣があるのです」

「不合理ですね」とレイナ。

「ははは。確かに何度確認しても同じなのですがね。ですが本人から直接聞く事に重きがあります」

「そうですか」レイナは呆れて横になってしまった。


 航空機は羽田に近付いていき、着陸後は陸上自衛隊のEC-225LPが駐機しており、帰国ゲートから羽田ヘリポートに移動し、要人輸送用のEC-225LPに乗りこむ。

「直ぐに移動するとは、政府も焦っているな」と南。

「本当ですね。まさかそのまま移動させるとは」と吉田。


 EC-225LPは要人移動用に陸上自衛隊が運用する機体であり、25名分の座席とキャビンアテンダント用の席もある。時速は260Km/h程度だが、防衛省ヘリポートまで飛び立ってから15分で到着する。

 一行は防衛省大臣室に呼びこまれ席に着く。


「最初に伝えておくが、1500から首相官邸にて臨時閣僚会議が開催される。それに参加してもらう」と高野防衛大臣が説明する。

「会議内容は、日本転移についてですか」と南は尋ねる。

「そう思って頂いて結構です」

「そうですか。国民発表については慎重に進めなくてはならない。特に旧帝国やアトラム王国が心配の種だ」

「理解できます。各種族共に大変な事態です」


「発言宜しいですか」と吉田。

「なにかね」

「はい、各国を安定させる為に女神教の定着を計画しております。ですが・・・まだ時間が必要です」

『私も言わせて頂きます。女神教を布教していますが、まだ定着は難しいと思います。女神教が定着しているのはアトラム王国だけで、他の国には宗教自体がありません。特に旧帝国では宗教廃止の上に武人は力だと言う風潮ですね』

「族長殿の心配は理解できます」高野はそれが問題だとでも言うようにため息交じりに説明する。

「それで、ハイエルフの皆さんの協力で「女神教」を布教して一部は取り込みを終わっているが、実は都市部にはまだ布教の最中なのだ」


「要するに、内閣の会議は日本国民並びに国会への説明、そして転移するまでの1か月でどこまで実施できるかの確認と言う事ですか」と南。

「そうだと思う。特に獣人達とエルフの街、つまり「宗谷特別行政区」とハイエルフの里についての防衛が必須だと」吉田が南の発言を受けて説明する。


 その時内線電話が響き渡る。

 高野が電話を取る。

「大臣、出発のお時間です」秘書官から連絡がはいる。

「そうか」・・「出発時間だ、なにも結論出てないが行こうか」


「了解です。大臣。吉田君まとめておいて欲しい」と南。


 EC-225LPは防衛省屋上のヘリポートで待機している。

 一行は高野防衛大臣を含め、秘書官に4幕僚を従えて南と吉田、ハイエルフ10名に6名が加わり、総勢18名となっている。


 一行が乗りこんだEC-225LPは、首相官邸の屋上に作られたヘリポートに着陸する。

 首相秘書官が出迎えて、一行は内閣会議室の隣の大会議室に入り控えている。

 高野防衛大臣だけは内閣談話室に向かい、椅子に座り首相を待っている。

 事前連絡無い臨時閣僚会議であるので記者も官邸には入っていない。


 やがて各大臣が集まってきた。

 遅れて「待たせた」と言いながら当壁総理が入ってきて各閣僚が一斉に立ち上がり、談話室から内閣会議室を通り過ぎ、大会議室に入っていく。

 今回は内閣による特別秘密会議だと言う事で、各所にSPが配置されて厳戒態勢を取ってる。

 この時間は業者を含め特別許可の無い物は一切官邸に入る事はできない。


ありがとうございます。

投稿が入院によって遅くなることが予測されます。

その際には「すいません」

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 突貫工事で女神教布教活動するも、準備不足は否めず(><) なにか劇的な要素有ればいいのですが・・・・ 次回も楽しみにしています。
[一言] 198話の管理者との邂逅でこういった説明があるから  そしてドルツを転移させた「ヨールド」と呼ばれる世界は並列世界の22番目である。 「ヨールド」では大きな戦争が4回も起きて文明は後退してし…
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