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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第3章 元の世界へ
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第205話 ハイエルフ北極会合 その4

長い事お待たせしました。

コロナワクチン2回目で40度の熱がでて、水曜日から土曜日までしんどい状態でした。

それでも事前に用意したバッファリンプレミアが効いて熱は上がったり下がったりでなんとか生きています。(ワクチン一回目は微熱で済んだので・・・)

皆さんも解熱効果のある市販薬はお勧めです。(娘の友達は点滴まで打っていたとか・・)



 突然シューターが動き出し「いよいよ始まります」と吉田は緊張した。


 シューターからは、族長と同じ様な顔したハイエルフ達が降りて来た。

 全部で12名である。族長とお付き2名で3人が支族を代表するハイエルフであった。


『呼びかけに答え、おいで頂き感謝する』族長がお礼を述べた。

 リナとミーナは吉田の傍で念話を説明する為に控えていた。


『ニビーナの新たなるリーダーの呼びかけに答えないわけにはいかない』

 リナが耳打ちする「あれは、サービエル島の族長です」「了解」吉田はメモに書く。

 初めて会うのに良く分かるものだと吉田は感心する。

『ニビーナ初めての管理者に敬意を』『敬意を』『敬意を』『敬意を』

「ドラゴン島と、トライト島、サービエル島、ウスエル島の族長です」

『ここに控える日本国の代表、高野と南から皆さんにお願いがあるようです』族長が説明する。

 ハイエルフ達は無言で佇んでいる。


 高野から話を始める。

「日本で防衛の責任者をしている高野です。皆さんは神との会話を記憶されていると聞いています。

 よって改めて説明する手間を省き、結論から話させて頂きます。南司令官説明を」

「はい、南大陸遠征軍の南です。神と直接対話させて頂きました。そこで神より我々日本を元の世界に戻す事を約束頂きました。ですが・・・この世界に秩序を取り戻し住みやすい世に戻した所で日本が居無くなってしまえば元の混沌とした世界に戻ってしまう事が考えられます。そこでハイエルフの皆さんにお願いなのですが、秩序ある世界を維持する為に、人間を信用されていない事は理解していますが、是非女神として人々を導いて頂きたくお願いします」


『如何ですか、私たちは神からの教えの元、人間に関わらず密かに暮らしていましたが、これからは私たちが神の分身として人々を導くことを私も決意しました。皆さんにも賛同頂けると嬉しく思います』


 ・・・


『ニビーナリーダーよ。人間どもが我々に行った事を忘れろと言う事なのか』「トライト島です」

『そうだ、少なくとも王族は別だが商人達など平民は我々を商品としてしか見ていない』

「ドラゴン島です」

『私たちも帝国から奴隷を出せと要求されました』と族長が説明する。

『神の意思として、南とやらに任せると伝えられているが、過去を忘れろと言うのは受け入れられない』

「ウスエル島です」


『過去に捕らわれては、新しい世界秩序を作る事はできません。

 過去を忘れろとは言いません。それを教師として新秩序を作りましょう』

 族長は丁寧に説明する。


『ニビーナリーダーよ、神の意思は知っている。その為に我々はここに待機していた』

「トライト島です」

『世界を滅ぼして新たなる世界を作る準備を神から命じられていた』

「ドラゴン島です」

『わかっています。ですがここにいる日本の軍隊が結果として神の意志通り働き、世界に秩序を取り戻しました。その為に神が日本軍にこの世界秩序維持を任せたと思います。

 しかも、呼び出した日本を元の世界に戻す事も約束された。それまでに世界秩序を元から住んでいた人々の手で戻す事が神の希望と思います』


『それは理解した』「サービエル島です」

『我らも理解している』「ウスエル島」


『だが、人間や獣人が我らに従うとは思えない』「サービエル島です」

「サービエル島の族長は人間不信が一番大きいようですね」と吉田。

 リナとミーナは同時に頷く。


『神はそこの日本に、これからの世界を任せた。そしてニビーナリーダーに「ヘルゲヘナ」の起動を任せた』「トライト島です」

『我もそう思う』「ウスエル島です」


『本来、神が課した役割で我らは仕事して来た。それを神は変えた。それについて疑問を持つ物でない』

「サービエル島です」


『南とやら、具体的に説明して貰おう。それによって我々は出来るのか決める』

「ドラゴン島です」


「判りました。我々が考えているのは次の通りです。

 サービエル島の皆さんはアトラム王国の人々に祭られ神殿を建てられ、そこに「女神」として崇められています。

 ですが・・・、言いにくいのですが人間に無関心であった為に人間の行いについて受け入れていたと思います。『我らは・・』

 判っています。お待ちください。

 「もし」、と言う言葉は過去について評価する場合に使われますが、もし、サービエル島の皆さんが表に立ち、人々を導いていたなら、心が読めるハイエルフの皆さんは悪意や利用しようとする者達については事前に判る筈と思います。

 結論としては、それでも人々は救いを求めていると思っています。

 ですので、人々の前に姿を現して「女神」として崇める対象となってください。

 それを全ての大陸に普及させれば良いと思います」


『それは難しい。なぜなら各大陸にはすでに古代宗教がある』「ウスエル島です」


「それについても考慮しています。イキガミとして表に立ち続ければ人々は神として認識します。

 そして人々の嘘や悪意を感じ取る事のできるハイエルフの皆さんにしかできない事です」


『・・・』

『少し族長同士で話をさせて欲しい』

「了解です」


 族長同士の会話が始まる・・・・

『●●×▲▲・・×◇◆□』『××▽▽□◆』『〇●・◇◇▽▲』『●●×▽◆□◇』

 族長同士の思念は高速で理解できない。

 リナが説明するには、族長固有の能力で思念の帯域が違い、しかも通常の十倍で会話と言うより直接記憶を交換するらしい・・・・そんな事が可能なのだろうかと吉田は思う。


『結論はでた。我らは南とニビーナリーダーに従う』サービエル島族長が代表して答える。

「有難うございます。理解頂いて」と南は礼を述べる。


『意思は理解した。具体的行動は?』

「はい。サービエル島の族長については神殿が使えるのなら利用頂いて頂ければ、我々がスメタナ王と連絡して参拝する様に仕向けます」

『理解した』


「そしてトライト島族長については旧マーベリック魔法国の人々と一緒に魔法国復興を目指してください」

『すでに話はある。良いのか』

「はい、ドーサ大陸においてトライト島の管理まで手が回りません。よって魔法国復興の方が便利な世になり、貿易の取引先が増える事になります。ですが武力による魔法国復興は遠慮願いたい。体制が出来ましたらニビーナリーダーに連絡をお願いします。我々がトライト島に向かい、その魔法国を承認して公告します」

『了解した』


「それからドラゴン島とウスエル島については人々が近寄れない為に現状で宜しいと思います」

『了解したドラゴンは大陸に近寄らせない様にしよう』

『我々は結界を張っている。そのままで宜しいのか』

「結構です。ドラゴン島はドラゴンの管理を、ウスエル島についてはハイエルフ保存の使命があると聞いています。その通りでお願いします」

『『了解した』』

「さて、族長殿、ドーサ大陸については問題が沢山あります。帝国時代は宗教不在でしたので、これから「女神教」を布教しなければなりません。そこで我々はドーサ大陸に教会を建てて「女神教」神殿とします。その本拠地は「チロルの森」とします。勿論現在のハイエルフの村は現状通りです」

『協力しよう』

「有難うございます」


「ご提案は以上なのですが、ご質問ありますか」と南の説明を受け継いで高野が確認する。


『内容は理解した。日本は何時頃戻るのだ』「ウスエル島です」

「はい、現在ドルツを送り返す準備を行っています。これは1か月以内に完了します。

 その後我々が戻る準備をしていきますので、最低3か月、ドルツの後ですので4か月後ですね」

『そんな短期間で完了できるのか』

「仔細については我々がドルツを送り返し、日本に戻ってからになります」

「はい、その予定で動いています」高野に続いて南が肯定する。


『理解した』


「有難うございます」高野は締めた。

『皆さん戻って予定の通りお願いします』

『ニビーナリーダーまた会おう』

『是非と言いたいですが、それが「ヘルゲヘナ」起動時ではない様に願います』

『・・』


『考えは理解した』


 それを最後にハイエルフの支族は自分の担当地域に戻っていった。

「はぁ疲れました」と南。

「ご苦労様です」と高野。

「帰って仕事に戻る事にします」と吉田。

『ご苦労様。神の意思が伝わっているので話は早いのです』

「はい。ありがたい事です」

「さて、戻りましょう」

 ハイエルフ族長達と高野、南、吉田はシューターに乗りこみ族長の操作で1階に向かって回廊に入り新大島に一瞬で戻る。


「暑いな。北極から一瞬で南国・・・体がもたん」高野が愚痴を言う。


「お待ちしていました」警備の第43普通科連隊第3普通科中隊長が迎えてくれた。

「ご苦労」南は敬礼する。

「大臣、戻りますか」「うむ」

 高野大臣を先頭に入り口に向かい、車両に乗り込み出発する。

「また回廊は封鎖するのだな」

「はい勝手に入られて機材を壊されても敵いませんから」

「うむ。頼む」


「大臣このまま空港で宜しいですか」

「頼む。戻って会議をせねばならない。今回の内容で」

「了解です」

 高野達は急いで新大島空港に向かい、大臣を見送った。

「最大の問題が解決しました」と吉田。

「そうだな。ハイエルフの皆さんから協力を取れなければ計画自体が白紙だったな」

「はい」

『それはないですよ。神から託された時点で賛同は決まっていました』族長が説明する。

「それにしては」

『ハイエルフは人間が嫌いですからね』族長はいたずら顔で笑う。ハイエルフに表情があったのかと南は驚いた。「おっと」『ふふふ』


 高野達は協力頂いた現地部隊に挨拶して南大陸へと戻って行った。

「我々はこれから忙しくなります」との吉田の声を残して・・

ありがとうございます。

ハイエルフへの説明なのですが、次元の違う存在なので意外と簡単にしました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 4ヶ月で撤収か、油田開発がスタートして莫大な予算投じて動き出しているだろうからそれがパーになるとか政府批判は不可避だな、地球に早く戻らなきゃって気持ちはわかるけどそんな短期間じゃすべて中途半…
[一言] 更新お疲れ様です。 神様様様(^^;; 昔の経緯から他地域のハイエルフさんとのひと悶着の懸念も、『神の意志』の錦の御旗で確認事項と通達でけんか腰の対応にならず一安心^^ 4か月後の帰還とい…
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