第2話 国家安全保障会議1 (改)
第2話を投稿いたします。
過分な評価や励ましありがとうございます。
2020/05/29 改訂
ブラックアウトが発生した2022年4月18日15:00から1時間後
前例のない事態に対処する為、総理である当壁高雄の号令で、
「国家安全保障会議」を招集し、学識経験者も招聘された。
「さて、今回の磁気嵐に関する被害報告をしてほしい」と当壁総理から佐野官房長官へ指示がなされる。
佐野官房長官より、事態に関する中間報告がなされた。
「磁気嵐による国民生活については、事前の説明をした事で、鉄道、航空、船舶についての重大な事故等は発生していません。
一部の電気自動車については、始動できないとのニュースが流れていますが、政府機関の公用車は、そのほとんどが電気機関に転換していますが、さような報告はありません。
また、各政令指定都市や大都市における暴動などの報告はありませんし、磁気嵐後の物流や商店についても平常営業をしています。
これ以後の説明は、各省大臣及び事務次官より報告をして頂きます」
・・・
ここにきて最大の問題が発生している。
インターネット含めた海外との連絡が全くできない状況が解ったのだ。
特に証券取引や為替などの情報交換ができず、日本は国際市場から孤立している状態であった。
いや・・世界に日本しか市場がない状況である。
国内治安は概ね問題発生していないようだ、懸念される災害や暴動もなく安心したが、人工衛星については全体の60%程度が故障しており、「みちびき」については1から3号機の故障が報告され、GPSについてはしばらく使用不可であること。
「みちびき」1号機、2号機の後継である5号機、6号機については5月の打ち上げを予定通り実施する旨決定した。
「みちびき」7号についてはGPSの補完の為に計画を早め10月の予定を8月の打ち上げには間に合うように調整する。
また気象衛星については最新のひまわり6号と7号は健在であり、計画しているひまわり8号も予定通り1年以内の打ち上げを予定している。
JAXA管理の調査衛星群に連絡できない状況が続いており、各会計会社を交えて原因調査している段階。
もちろん「国際宇宙ステーション(ISS)」との連絡もできていない。
海外管理している通信衛星については、一切の応答がなく、管理ができていない状況が続いている。
「最後に防衛状況に関する調査結果を防衛省から報告してもらいます」
佐野官房長官から防衛省大臣高野大臣が指名され報告がなされる。
「領土上空を調査しましたところ、北を指針とした地形におかしな変化がありました。
極端に言えば、日本列島は弓型、つまりカタカナの『ノ』に近い形であります。
これについて、上空から観測しましたところ、『ノ』を左に90度回転させたような形であり・・・・・・」
そんな馬鹿な・・・・・・当壁は思わず言ってしまった・・・・・・
防衛大臣は続ける。
「私もあり得ない事として、再度の確認を行いました。
航空写真をご覧ください。
北を上とすると写真はこのようになります」
「これは・・・・・・」閣僚からの悲鳴ともとれる声が響いている。
「説明を続けます。
北海道の最北部は宗谷岬ですが、最西部となり、謎の大地と接触しています。
現在、現地調査の為に稚内分屯地へ調査下命し、名寄駐屯地からは第2師団第2偵察隊も向かわせております。
異変対処の為に第2師団第3普通科連隊をバックアップとして稚内空港に向かわせております。
最新の状況につきましては、1時間程度で現地写真や動画が届く予定です。
なお、稚内近隣の陸・空・海の各自衛隊には、緊急出動態勢を、千歳からは再度偵察調査を、海上自衛隊はP-3Cを2機旭川空港に配置完了。
この2機は主にEEZの監視を実施します。
また、舞鶴と横須賀より護衛艦を宗谷岬に派遣しています」
・・
「報告には入れませんでしたが、航空調査により、中国、ロシア、韓国、北朝鮮、台湾については未発見です」
えっなぜ重要な事を先に言わない・・・・・・と当壁は思ったが確証がないのであれば仕方ないと思い直す。
「続きまして、米軍主要艦隊の第7艦隊や在日米陸軍におきましては、磁気嵐前にグアムに向け避難しております。
また、在日米軍司令本部より、韓国、フィリピン、オーストラリアの各基地並びにハワイ、グアム、米本国とも連絡ができない旨、連絡が来ておりますが、防衛省としては調査結果を報告する約束になっています」
当壁首相より、「2時間後に、再度会議を開催する」と会議を一旦締めた。
お読み頂いて、ありがとうございました。