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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
19/251

第18話 南西諸島の戦い1

第18話を投稿します。

評価ありがとうございます。


 以前交渉団の向かった南西の島々を正式に『南西諸島』と呼ぶようになった。


 ハイエルフの娘たちを取り巻く環境は落ち着いてきた。

 ひとえに外務省が記者発表した成果であった。


 外務省役員はナナ達ハイエルフに南西諸島との交渉に同行して欲しいとの要請を出した。

 ハイエルフの娘達に南西諸島に住む獣人達との思念による通訳をお願いしたいとの事だった。


 船に乗った事の無いハイエルフ達は大騒ぎとなり、全員が「行く」と言ったが、まだ大陸語の翻訳機は完成していない。そこで2名だけ同行する事に決めた。大騒ぎだ。

 結果ナナとレイナだけが同行し、残った娘達は元の仕事に戻る事となった。

 選考基準は判らないが、なんとなく年上が行くような気がします。


 この頃にはホテルから外務省官舎の一部に部屋を5つあてがい、食事は職員食堂で特別なメニューを用意された。彼女達は多少の動物性油なら取れる状態まで慣れていった。その為なのか知らないが、以前より彼女たちは活発になってきたように思える。

 外務省の仕事をしているので最初に支度金が出て、しばらくしてから顔なじみの女性自衛官と原宿、渋谷と買い物ツアーに行った。外務省記者発表の後であるから落ち着いていると思っての電車移動である。渋谷駅に着いた。ハイエルフ達は近寄ってくるファンに神対応し、一緒に写真を楽しそうに撮っていた。

 ファンが50人を超えたところで女性自衛官が渋谷警察署に応援を頼み、渋谷署の警察官は『かの地の大使待遇』でハイエルフ自身の排除はできず、逃がすしか対応できなかった。ハイエルフは急遽、原宿をやめて渋谷の駅前デパート内部で買い物をすませたがファンはデパートまではついてこなかった。よくマナーのできたファンである。一部の外務省職員(もちろん年配の男性職員から)より、テーマカラーを個人別に指定してくれないかと要求が出た。赤、黄、ピンク、緑、紫はどうだと言う話も出たが、女性職員から即却下となった。まったくおじさんは困ったものです。


 翌日13時、以前と同じように佐世保基地から第2護衛隊DDH-182「いせ」に、F35を4機とAH-1Sコブラを2機乗せた。他にDDG-178「あしがら」、DD-102「はるさめ」、DD-119「あさひ」に加え、旧式艦の、第13護衛隊DD-132「あさゆき」、DD-157「さわぎり」の6艦に第5護衛隊のDDG-173「こんごう」、DD-108「あけぼの」、DD-109「ありあけ」、DD-115「あきづき」を加えて、合計10艦の南西諸島交渉団を編成してハイエルフと外務省交渉団の乗り込みを行い出港していった。片道20時間の旅であった。


 佐野官房長官の思惑通りに事が進んでいた。


 南西諸島交渉団の旗艦DDH-182「いせ」乗船の南西諸島交渉団護衛艦隊司令(本来は第2護衛艦隊群司令)遠山海将補は島影が見えてきたので、艦隊司令として全周警戒監視を命じた。午前6時であった。手前の大きい島まであと150kmと近づいていた。


 手前の大きな島との交渉をするべく、手前島沖合に停泊を決める。大きな島3島の「手前島」と呼ぶ。

 岸までの距離約2kmである。朝9時まで待って、内火艇2艇を降ろし、ハイエルフと外務省役員を含めた、上陸班を編成して、島に向かって行った。前回と同様にこちらに向かって石の様なものを投げている。

「いきますよ」(みなさん自分の仕事に集中してください)


 200m程度まで近づいて、ハイエルフが思念による意思疎通を試みた。


 ナナが思念を発し、レイナがそれを増幅する。すると族長程ではないがそれなりの範囲に思念が届くらしい。

『おまえ達は何を恐れているのです』猿人達がキョロキョロしている。

『おまえ達を害するつもりはありません。われわれは神の使いです。迎えなさい』


「はい太陽の化身様、ぶれいをお許しください」太陽信仰らしい。


『これから、そちらに行きます。一族の長を連れてきなさい』


「ここにおります」


 日本人の上陸班は、相手が「うぉ」「ぐぇ」「どぉしみよ」と話ししている様にしか聞こえない。ただし言語らしきものではあるようだなと思った。


 一方DDH-182「いせ」では、周辺警戒の為にF-35Bを2機、島々の監視にあたらせた。

 F-35Bより連絡。次に行く予定の大きな島、便宜上「大島」に煙が昇っており、海岸一帯には約1,000隻の帆船が集合していると、艦隊群からは完全に反対側となりレーダーは島影の反応を捉えることはできなかった。

 なにしろ「手前島」だけでも四国より少し大きい程度なのだ。「大島」では九州と同程度になる。

 DDG-178「あしがら」やDDG-173「こんごう」のSPY-1D多機能型は、探知範囲500kmを超えると言われているが、「手前島」と「大島」の4,000m級の高い山に遮られて、「手前島」と反対側の「大島」海岸までは見えていない。

 以前OP-3Cの作製したデジタルマップは既に全艦に配備されているのだが。


 F-35B、2機からの報告では、帆船からの砲撃が、沖合から集落らしき物を中心に攻撃していて、さらにカッター船らしき船が上陸して兵士が住人を殺しているようだと伝えてきた。海岸にはカッター船から兵士が飛び出して行く様子、住民が森に逃げていき、その後を兵士が武器を手に追っている様子が見えた。


 遠山海将補は考える、これはうわさに聞く帝国兵士なのかと、もし帝国兵士ならば交渉はできまいと。

 しかもナナとレイナは「手前島」に二人とも上陸している。

 ただし、艦隊全ての艦に大陸語の翻訳機試作が積んであった。「これだ」と口に出してしまった。

 

 主席参謀と簡単に打ち合わせを行う。

 艦隊を2つに分けて、「大島」の敵艦手前10kmまで行き、DD-108「あけぼの」搭載機SH-60J/K哨戒ヘリコプターにて、翻訳機で帝国兵士に警告をだす。従わない場合、攻撃を受けた場合はアウトレンジから対艦戦闘を行う。


 どうやら帆船の砲撃は、1km程度の沖合から撃っているようで、倍とみても2km、旧式艦の62口径76mm単装速射砲(3インチ砲)でも実用射程14kmと十分届く(最大射程18km)、よって上陸班護衛は第2護衛隊DDH-182「いせ」、DDG-178「あしがら」、DD-102「はるさめ」、DD-119「あさひ」に任せて、危機対処艦隊として、第5護衛隊のDDG-173「こんごう」、DD-108「あけぼの」、DD-109「ありあけ」、DD-115「あきづき」に旧式艦の第13護衛隊DD-132「あさゆき」、DD-157「さわぎり」を加え6艦による編成を行い、椎名主席参謀と共に遠山海将補は旗艦をDDG-173「こんごう」に変えて別れていった。

 遠山海将補はDDH-182「いせ」に積んでいたAH-1Sを1機、僚艦の「ありあけ」に移し出発させた。

 報告では大型帆船、とは言っても100m級が100隻程度、80m級200隻程度、他は50m級との事。

 しかもすべて帆船であり、木造との事。

 ミサイルを撃ち込むには勿体なさすぎるので、全て艦砲射撃での攻撃予定。敵上陸部隊はAH-1Sの20mmM197三砲身ガトリング砲とハイドラ70ロケット弾で降伏させるか、後に特別編成の掃討部隊にて捕らえようとの計画である。会敵は5時間後の予定である。


 時間を合わせて5時間後に、敵艦船の旗艦と思われる豪華な帆船100m級に向かって、DD-108「あけぼの」搭載機SH-60J/K哨戒ヘリコプターから、「我々は日本国海上自衛隊である、直ちに戦闘行為をやめなさい」と大陸語に変換して流した。

 これを3度繰り返す。

 しばらくの沈黙の後に大量の矢が放たれた。旗艦「こんごう」に連絡すると共に急速に高度をとり観測に入る。

 艦隊群を発見した時から動画撮影をしている。


 敵艦隊は一斉に雄たけびをあげたようだった。


 椎名首席幕僚は双眼鏡を覗きながら「司令、敵まで10kmとなりました」「攻撃指示を願います」

 遠山海将補は無駄だろうと思いながら、100m級2艦への砲撃を第5艦隊司令の有明1等海佐に伝えた。


 旗艦、DDG-173「こんごう」の54口径127mm単装速射砲が2度咆えた。

「こんごう」とのデータリンクにより、SH-60J/K哨戒ヘリコプターから報告が入る。

「マーク178大破」「マーク199撃沈」と音声通信。様子が動画として、各艦のCICと旗艦「こんごう」の操舵ブリッジに流れる。海上自衛隊初めての海上戦闘が始まった。

海上自衛隊初めての対艦戦闘です。相手は木造船なので、あまり迫力が出ないですね。


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