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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
188/251

第183話 ボン軍港制圧作戦 その2

第183話投稿します。

ボン攻略の後編です。


 突然のエンジン音が周囲に違和感を振りまいている。

 ドルツの内火艇と言うべき作業艇が動き出す。

 その船体の先にはMG17機関銃(7.92x57mmモーゼル弾)が対空機関銃として設えてあり、門付近にいた自衛隊員に向けて、その機関銃を水平に狙い、修理ドックに向かってくる日本軍に対し連射を続けている。


「退避急げ、射程外や障害物に退避」

 突然現れた小型艇から撃ち出される7.92mm弾が飛び跳ねる。

 MG17機関銃の射程は600m以上あり、空挺団員も何名かが負傷する。


 第1空挺団第1普通科大隊第1中隊と第2中隊はすかさず退避を開始する。

 隊が持ち込んだトラックでは防御には不向きである。


 正面には民間人の土嚢塹壕とKar98kによる銃撃、左からは修理ドックに水を張り小型艇による射撃が続く。

「まずい、結果クロスで撃たれている。一時退避は止む得ない」と普-1隊長の田中は本部に応援要請を行った。

「1普-2田中、修理ドックに敵小型艇、7.92mm機関銃を発砲中。対処願う」

「こちら1本中、対処する」

 直ちに本部中隊は陸戦本部に対しF-35Bによる偵察と分析を依頼。

「本部中隊。修理煉すぐの修理ドックに水をはり小型艇を浮かべている」

「了解。対戦車小隊に下命、修理ドック小型船艇を対処せよ」

「こちら本-戦、目標確認の為、移動開始」

 ・・

「対戦車小隊(中距離多目的誘導弾)、前進する。目標修理ドック」

「了解、位置確認。前進する」

 射撃指揮用の高機動車と射撃分隊として発射機を乗せた高機動車4台が動き出す。


 少し走ってドック類が確認できる位置まで前進した指揮車は各班にデータを流す。

「こちら本-戦、目標確認。データリンク後、攻撃を開始する」

「本部了解」

 中距離多目的誘導弾は対戦車、対上陸舟艇を想定した迎撃システムである。

 高機動車の荷台に指揮用無線と各種センサー類を装備した射撃指揮用とミサイルシステムを搭載し、センサーとして2種類の光波ホーミング誘導(赤外線画像(IIR)及びセミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH))の併用による第3世代方式、照準は赤外線画像(IIR)またはミリ波レーダーで行なう。

 その用途から、市街戦や上陸間際などの舟艇、装甲・非装甲、人員、構造物などに対して対処が可能とされている。

 また最大の特徴として、発射後ロックオン(LOAL)が可能なために撃ちぱなしが可能である。


 赤外線カメラが小型艇のエンジンを捕らえる。

「1班1番発射」直径14cm、長さ1.4mのミサイルが小型艇に向かっていく。


 地上布置照準機を覗いていた小隊長は修理ドック正面に土嚢が積み上げられた土嚢陣地内から撃っている様子が確認された。

「こちら本-戦、修理ドック建屋正面に土嚢陣地と兵員20名を確認。指示願う」

「本部、1普-1と1普-2が対峙して膠着している。対処可能か」

「こちら本-戦、対処可能」

「本部了解。援護要請、速やかに対処許可」

「本-戦、了解。直ちに攻撃に移る」

「射2、射3、修理ドック建屋正面土嚢及び人員20を目標とする。データ転送」

「射2準備完了」「射3準備完了」「同時弾着とし、5メートル間隔をあける」

「よし。各班4番発射」「射2、4番発射」「射3、4番発射」


 先に飛んでいった1番は小型艇に命中し、木製の小型艇はバラバラに分解し沈んでしまう。

 次に射出した4番は汎用りゅう弾である。上空から下降し土嚢陣地内で爆発する。

「ドンドン」と続く音がして、土嚢から大きく人が投げ出され動かなくなった。

 残りの兵もダメージが大きいようだ。


 射撃が止まったのを確認すると「第1中隊、走れ」「第2中隊、修理ドック確認」と命令がでる。

 建屋正面に行った第1中隊は土嚢陣地内に唸る人員を6名確認。武装解除して衛生兵による手当てを行う。

 修理ドックを確認に行った第2中隊は、バラバラな木片と水面に浮いている3名の死体を確認した。

 2名が飛び込み遺体を回収し、ドックの横に並べる。

 どうやらドルツ将校と確認した。


 土嚢陣地に向かった第1中隊は、負傷者6名と死体12名を確保。2名分の死体は飛ばされたかと思い周辺を探す。

 土嚢右のフェンスを越えて1体見つける。

 もう1体は見つからない。逃げたのか・・・


 土嚢陣地内で射撃していた者達は、制服も着ておらず作業員か設計要員と判定される。

 つまり・・・民間人である。


 第1中隊は冥福を祈り、2名と衛生兵1名を付けてトラックに乗せ6名の負傷者を運んでいく。

 滑走路迄いに行いけば、オスプレイで「いずも」医務室に運べるからだ。

 このドックヤードではオスプレイの着陸は無理である。

 ドルツの負傷者は至近距離で爆発を受けたために、腕が無かったり、足が無かったりする重傷者である。

 爆風による内臓損傷も疑われる。危篤である。一刻も早い送致が望まれていた。


「1普-1から本部。これから建物確保実施」

「本部了解」

「1普-2から本部。修理ドック、重巡1、駆逐艦3、これより内部掌握開始する」

「本部了解。当番兵に注意されたし。以上」


 修理されている艦船については、当番兵が乗船、警戒するのが通例である。

 ただしその人数は多くない。


 第2中隊は手前の重巡から内部調査を開始する。

 重巡はアドミラル・ヒッパー級重巡洋艦の1番艦「アドミラル・ヒッパー」であった。

 基準排水量14,050トン、満載排水量18,200トン、全長202.8m、全幅21.3m、吃水5.8m(基準)、7.7m(満載)

 機関方式:ラ・モント式重油専焼高温高圧缶12基+ブローム・ウント・フォス式ギヤード・タービン3基3軸。

 出力132,000hp、速力32.5ノット、航続距離20ノット/6,800海里

 乗員1,382~1,600名、兵装主砲:SKC/34 20.3cm(60口径)砲連装4基8門、対空砲SKC/33 10.5cm(65口径)高角砲連装6基12門、37mm(83口径)機関砲連装6基12門、20mm(65口径)機関砲単装8基8門。

 魚雷:533mm水上魚雷発射管3連装4基12門

 搭載機:Ar196、3機、カタパルト1基


 ただし、タイガーシャーク隊による爆撃で上部構造物の一部は破壊され、砲塔も2基が破壊されている。

 先ほどから第2中隊が乗船しているが、爆撃で当番兵が逃げ出した様でだれもいない。

 砲塔内部を調べると、改装の為に砲弾や炸薬は降ろされて撃つ事ができない状態であった。

 同様に対空砲銃弾や艦内貯爆所に魚雷等も見つからず、全て降ろされていた。


 第2中隊は1個小隊を見張りの為に甲板に配置して、次の検閲に向かう。


 次は改装中の駆逐艦である。上部甲板にある筈の対空機関砲が全て取り外され、新型機関砲の取り付けを待っている状態であった。こちらは爆撃を受けていない為(反撃が無かった為)に状態良く保存されていた。

 内部を3個小隊でくまなく調べる。

 当番兵どころか作業員も見つからない。


 残りの駆逐艦についても調査したが、砲弾、炸薬、機銃弾や魚雷も無く、結果、駆逐艦3艦は艤装工事の為に全ての兵装を降ろし据え付けるだけとなっていた所に空襲があり、その際に放棄された物と結論付けられた。


 修理ドックの管理建物は第1中隊が探索、全ての人員は土嚢陣地で応戦するか、小型艇で対空機関砲を撃っている者だと判明、建物内部は一人も確認できなかった。


 続いて建造ドックである乾式ドックに向かう。

 こちらも退避したのか建物内部に人は確認できなかったが、書類は燃やされ捨てられていた。

 ただし、設計監理建物の裏にある資材倉庫では3名程度の作業員が応戦してきた。

 民間人である為に翻訳機で交渉したが、無駄であった。


 仕方なく、01式軽対戦車誘導弾(LMAT)にて3名固まっている所を少し外して攻撃。手を上げて出て来た。


 これでボン軍事港における占領作戦は終了した。


 ドルツ反撃による負傷者が6名出たが全て軽傷であった。

ありがとうございます。

誤字脱字報告ありがとうございます。

助かっております。

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