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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
185/251

第180話 ドルツ首都決戦 その2

第180話を投稿します。

本格的首都侵攻作戦が開始されます。

誤字脱字報告ありがとうございます。

「ハインリッヒ・ベトーラゼ副司令、大変です」

「どうした。日本が攻めて来たか」

「その通りなのですが、1連隊規模が首都を突っ切って南基地周辺まで南下し、偵察班の報告ではフルート基地を出発した兵員輸送車らしき物が首都北側に集結していると言う事です」

「うむ。北と南から挟撃すると言う事か?」

「つまりは、その通りだと推測されます」

「こちらの戦力は、歩兵450名にⅡ号戦車が30両、7.5cmleIG18歩兵砲が5門か・・・とても耐えきれる物ではないな」

「副司令ご指示を」

「よし、北と南の街道出入り口にⅡ号戦車を10両ずつ配置。

 次に守備隊は2つに割り、北に200名、南基地の生き残りは南に配置、それが100名だな。

 次に7.5cmleIG18歩兵砲は北に5門展開して、首都中心部は警備隊の100名と各本部から50名。

 Ⅱ号戦車10両で守る。南の部隊に行く物資を妨害する。

 よいか、首都防衛の各隊は建物に隠れ、敵が来たら物陰から応戦。

 撃ったらすぐに位置を移動して敵に悟られない様にするのだ、さすれば敵も首都制圧に時間がかかる。

 最終的には数で負けると思うが、ドルツとして抵抗を試みる」

「ですが・・・副司令。その様に兵力分散しては、まともな反撃など無理ではと思います」

「しかしだ、不意を突かれたと言え、相手は挟撃するつもりで首都を白昼堂々と通過したのだぞ、それに我々は対応もできていない、ある意味すでに負けているとは思わんかね。だからドルツ魂として敵に打撃を与え、抵抗をするのだ」

「副司令・・・降伏と言う手段は」

「ないな。最後の一兵まで戦う、それがドルツの誇りだ」

「しかし、民間人が避難している「ドルトムンド」の守備が手薄です」

「参謀、考えて欲しい。北と南を包囲された状態で森を抜けて「ドルトムント」に行くなど、無謀ではないかね。それに、敵は森でもこちらを発見できるらしいから、救援など無理だと判断する」

「はぁ。ダークエルフ様がいらっしゃればこんな事には・・・」

「それを言うな。今更言っても無駄な事だ。我々が負けた後の事はダークエルフ様に任せるとするさ」

 副司令は半ば投げやりである。


「それと参謀。試作の兵器武器はどうだ」

「はい。敵が首都を通過した際にパンツァーファウストの使用を指示しましたが、敵の速度が速く照準が追い付きません。よって有効打撃は有りません」

「そうか、守備隊や兵器開発部門では無理だと解っておったが・・・ならそれも建物から撃つと言う事でどうだ。近くに着弾すれば多少の損害を与える事ができるかもしれない」

「はい、指示いたします」


 ・・


「橋本陸将補、空挺団の準備が完了しました」陸戦本部幕僚が報告する。

「よし、予定通り「ボン」攻略を下命する」

「了解しました」

「解っていると思うが、できれば無傷で占拠したいものだ。その後の作戦にとって貴重な港町だからな」

「心得ております」

 南大陸南側にある「ボン」は、ドルツ人工島攻略の足場とする事に加え、保護した民間人を日本に移送するなら重要な施設となる。

 ただし、この時点でドルツに人工島があるなど、誰も解っておらず、単にドルツ領の島で秘密基地らしき物があるとの認識であった。


 ・・


 ドルツ総司令部参謀は、副司令の言う通りの布陣を次々指示していた。

「急げ、敵が来るぞ、至急移動しろ。北側は警備2個中隊、中央は1個中隊で建物に隠れ、敵を狙い撃て。

 兵器開発部門はパンツァーファウストを運び出し、同じく建物陰から狙え。

 南の防衛は南基地から避難した者が当たれ、補給はしっかりせよ。

 7.5cmleIG18歩兵砲は全て北に移動せよ。

 フルート基地および終結しつつある部隊に砲撃を開始せよ。

 守備戦車隊は、2個小隊を北に、2個小隊を南に、中央は2個小隊が守る。

 各員、敵を発見次第、直ちに攻撃を開始せよ」


 ドルツ首都は慌ただしく移動を行っている。

 補給倉庫も解放され、各弾薬は運ばれていく。

 やがて、歩兵砲の発射準備が完了したと同時に砲撃が開始された。


 ・・

 

 海兵隊隊、第31海兵遠征隊とドルツ首都守備隊は2kmの距離をとって対峙している。

 口火はドルツ側から始まる。

「ドルツからの砲撃が開始されました」

 ドルツ側の砲撃が開始されたのを見ると、直ちにAAV7は移動を開始する。

 突然上空には、フルート基地に移動していたスーパーコブラが飛来する。


 AH-1Wを発展させたAH-1Zである。

 全長:17.68m、全高:4.44m、最大離陸重量:6,690kg、兵装搭載量:2,065kg

 発動機:GE製T700-GE-401ターボシャフトエンジン×2基

 最大巡航速度:277.8km/h、実用上昇限度:4,270m

 航続距離:520km、乗員:2名

 固定武装:M197.3砲身20mm機関砲

 海兵隊装備

 AGM-114RヘルファイアⅡ.4発×2基、Mk.40型19発内蔵ハイドラ70ロケット弾ポッド×2基


 スーパーコブラは突然ヘルファイアⅡを発射する。Ⅱ号戦車が反射する太陽光(紫外線)を目標として飛んでいく。最新のAGM-114RヘルファイアⅡはセミアクティブ方式で撃ちっぱなしができる。

 いきなりⅡ号戦車が爆発する。

 次々とⅡ号戦車は狙われ、スーパーコブラ2機で8両のⅡ号戦車が撃破されている。

 残った2両のⅡ号戦車は逃走に入る。


 それを確認したスーパーコブラは目標を7.5cmleIG18歩兵砲に変更する。

 ハイドラ70ロケット弾ポッドからM261MPSMを撃ち出す。自衛隊が使用できない多目的子弾である。

 9発の子爆弾が内包されたクラスター爆弾である。

 (「クラスター弾に関する条約」に米国は署名していない)


 撃ち出されたM261MPSMミサイルは7.5cmleIG18歩兵砲の手前で爆発する共に子爆弾をばら撒く。

 歩兵砲本体は勿論、操作していた兵員も被弾する。

 全ての7.5cmleIG18歩兵砲は沈黙し、炸薬が誘爆する。


 続いてスーパーコブラは凶暴なM197.3砲身20mm機関砲を解放し、ドルツ守備隊をなぎ倒す。

 

 少し前、ドルツ7.5cmleIG18歩兵砲は奇跡的にAAV7、1両を破壊していた。

 第5海兵連隊第3中隊に所属する5312番AAV7は乗員1名死亡、2名重傷、車両は大破である。

 スーパーコブラは仲間の弔いかの様に、20mm機関砲を連射する。

 ドルツ首都警備隊は抗えない力に逃げるのみである。


 そこにはドルツでもエリート部隊の自負を持つ首都警備隊の面影はない。ただ逃げるのみである。

 海兵隊は追撃に入る。首都まで1km以下となる。

 突然建物窓から、第31海兵遠征隊に対し狙撃が行われる。

 まだ距離がある為に損害はないが、AAV7を呼び戻しそれを盾にして進む。

 新型銃塔(UGWS)を備えたAAV7(陸上自衛隊と同一仕様)は、ハッチを締め12.7mm弾を建物に撃ちこんでいく。

 ドルツ兵はゲリラ戦へと移行していく。


 補給から戻ったスーパーコブラは街中を探索し、Ⅱ号戦車を見つけるとヘルファイアⅡで潰していく。

 建物からスーパーコブラを撃ってくる者がいたが、20mm機関砲で黙らせる。


 やがて海兵隊の一部は最初の建物、陸軍司令部に入る。

 各部屋を確認しながら進むと、最上階の陸軍司令本部に15名が籠城していることが解る。

 ここでも海兵隊は、無慈悲に机や書庫を障害物として籠城しているドルツ兵に対し、M67破片手榴弾を投げつける。それも3発同時に。

 陸軍ビルは制圧を完了した。


 ・・


 首都南側から侵攻する第1水陸機動連隊は、AAV7を下車し、展開すると同時に84mm無反動砲でⅡ号戦車を狙い撃ちする。

 HEAT751対戦車榴弾が命中するとⅡ号戦車は面白い様に燃え上がり誘爆する。

 しかし、第1水陸機動連隊のAAV7にも被害がある。Ⅱ号戦車から撃ち出される55口径20mm機関砲(2cmKwK30L/55)の弾が、AAV7に当たり、前面装甲は破られないものの、被弾してしまう。

 そのⅡ号戦車も今は全て燃え上がっている。


 ドルツ首都南基地から逃れて来た兵士達は、抵抗を試みるがAAV7の12.7mm機関砲や40mm自動擲弾銃Mk.19の撃ち出す擲弾が爆発して、次第に数を減らしていく。

 歩兵同士の戦いなのであるが、Kar98kしか持たない首都南基地兵士にとってⅡ号戦車は盾として絶対の信頼があったのだが・・・陸上自衛隊のカール君によって簡単に誘爆してしまい、その近くに居た兵士も負傷してしまう。

 Kar98kの射程は350mであり、撃っても届かない。それに撃つとそこに12.7mmが報復と言わんばかりの射撃をしてくる。

 彼らは、その場に残り、無駄だと解っているが撃ち続ける。

 彼らに与えられた命令は、首都南の絶対防衛であるからだ。

 100名もいた南基地の生き残りは既に20名となっている。

 それでも彼らは射撃を止めない。まるで自分達の「死に場所だ」とでも言うように。

ありがとうございます。

米軍は躊躇いなく殲滅を選んでいます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 ある意味国の名を握られているが故のダークエルフの命令死守・・・・ まあ軍人としての矜持と銃後の守りの一般民が背後にも居る訳ですから、しっぽ巻いて逃げる&降伏の選択肢はあ…
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