第179話 ドルツ首都決戦 その1
第179話投稿します。遅くなりすいません。
腰痛はコッコアポ(漢方)をCMで見て買い服用すると2日でうその様に痛みが引き、しびれも無くなりました。
その後(最近です)50肩が起こり、右肩と右腕が痛みを感じ、漢方を買い服用しましたが何の効果も無く、
現在に至ります。(一番効果があったのが長風呂でした(笑))
50肩との戦いは続きます・・トホホ
ドルツ国首都「ハイデルバーグ」攻略準備は完了し、南大陸侵攻作戦は残るドルツ首都攻略と追加されたドルツ国民保護を目指している。
この時期になって海兵隊が保有するスーパーコブラ2機の組み立てと試験が完了して、陸自のコブラ2機と共に作戦活動に入れる状態となる。
南司令とハイエルフがドルツ国上空を視察してから1日が経過した。
「諸君、橋本陸将補である。各隊準備が完了したと報告があった。陸上自衛隊と海兵隊が共闘してドルツ軍を蹴散らし、最終目標である南大陸中央の「ドルトムント」に行きドルツ民間人を保護する。
しかし、ドルツ国は最終決戦として必死であろう。本来なら時間をかけて敵の戦意を挫き戦況を有利に展開すべきである。だが、諸君ならこの逆境を乗り越え、見事戦略目標を達成できると信じている。
懸念すべきは追い詰められたドルツは試験中の兵器、武器も使用してくる事だと思う。
そしてそれは確実であろう。
改めて言う、諸君油断をするな、そして遭遇した時は連携を図り撃破して欲しい。
以上だ。諸君の奮闘を期待している。
そして・・・死ぬな、誰一人として死んではならない。これは絶対命令である」
「南大陸侵攻第2号計画(改)」は最終目標をドルツ民間人が退避している「ドルトムント」にて民間人保護を目的としていた。
その作戦は橋本陸将補からの報告がなされ、南司令が本作戦開始命令を発令していた。
橋本陸将補の訓示を聞いていた第1水陸機動連隊佐々木1等陸佐は隊員に指示を出した。
「よし、行くぞ、火を入れろ」エンジン始動を確認し、「各車いくぞ、出発」
一斉に連隊のAAV7の32両がフルート基地を出発していく。
(持ち込み台数に制限があるために、2個小隊で1両を使用していた)
第1水陸機動連隊は先陣を切って首都に殺到していた。
首都入り口の障害物を押し倒し、作戦本部や総司令本部しか建物が存在していない、閑散とした首都を爆走して、首都南基地手前まで時速60km/hで走行している。
途中後方で何度か爆発音がしていたが、ドルツの新兵器なのであろうか、速度についていけなく照準を合わせる事ができなかった様である。
水陸機動連隊に続いて海兵隊は首都入り口でAAV7から下車して大きく展開している。
・・
その頃、「いずも」を旗艦するA艦隊は軍港「ボン」に向けて航行中である。
「艦隊司令、まもなくボン沖に到着します」いずも艦長から報告を受ける。
「航空参謀、発進頼む」
「了解」
F-35Bが「いずも」より発進する。
2機はボン上空偵察、2機は艦隊直上警戒である。
タイガーシャーク01と02がボン偵察、03と04が直上警戒である。
ボン上空に到着したタイガーシャークは、港湾に不思議な形状の戦艦を発見していた。
「タイガーシャークリーダーからいずも、ボンに戦艦を確認。海上戦闘艦は1、他は輸送艦と思われる。
なお、ボン護衛航空基地より敵機は上がってきません」
「こちらいずもコントロール、了解した。敵戦闘艦の情報が欲しい」
「タイガーシャークリーダー了解。近づきます」
F-35Bの画像装置から「いずも」にライブ画像が送られている。
「いずも」CIC。
「不思議な形の戦艦だな。後部に航空甲板がある。まるで日本海軍の航空戦艦「日向」に似ているな。
効率悪そうだ」
日本海軍の「日向」は、船体の半分が戦艦で、後部半分が飛行甲板となっている。
公称は公試排水量38,872トン、全長219.62m、最大幅33.83m、ボイラーロ号艦本式缶8基、艦本式ギアード・タービン4基4軸、出力80,640馬力、最大速力25.1 ノット、兵装四一式45口径連装砲4基(36cm連装砲、前2基、後2基)、八九式12.7cm連装高角砲8基16門、25mm3連装機銃19基、機体数22機、カタパルト2基。
日向はバランスが悪く、速力が出ない結果となった。捷一号作戦でフィリピン沖に向かっていたが、その強化された対空火器によりアメリカ航空機を寄せ付けない実力を示したが、レイテ沖海戦で空母4隻を失った後に捷一号作戦は中止となり、呉軍港に戻ったがアメリカ軍航空機の爆弾3発が前部砲塔と艦橋に命中し大破した。
ドルツ航空戦艦「ストラータ」が「日向」と決定的に違うのは、戦艦部分に砲塔が2基しかなく、前方だけに向いていた。
しかも船体が180m級の「戦艦」と言うより「重巡」クラスであり、搭載航空機も12機(戦闘爆撃機10機、偵察機2機)
だが、その搭載する40cm級連装砲は強力であり、火砲だけで言うならドルツ最強であった。
詳細確認する為に「ストラータ」に接近したタイガーシャーク2機は、その対空砲火に晒されようやく逃げた経緯がある。
いずもCIC。
「あれは厄介だな、すぐに無効化する必要がある」
「航空参謀、タイガー4機で対艦攻撃を頼む」
「了解。タイガー隊、兵装JSM対艦ミサイル、AMRAAM対空ミサイル。搭載終了次第即時待機」
JSMミサイルは航空自衛隊がF-35用として採用したノルウェーのコングスベルグ製、空対艦ミサイルである。
HE破片効果弾頭(125kg)と多彩なセンサー類による攻撃が可能であり、信管もプログラミング可能となっている。今回の攻撃に際しては赤外線カメラと目標データベースを使用する。
また、AMRAAMもF-35B用としてAIM-120C-7が新たに採用された。
「タイガーリーダーからいずもコントロール。準備完了、待機に入ります」
「了解。目標データベース更新中。完了次第発艦」
「タイガーリーダー了解。更新終了次第発艦します」
「CIC発令、艦隊に接近機体10」
「了解。タイガーシャーク03、04撃破命令」
「タイガーシャーク03了解」「タイガーシャーク04、コピー」
「ストラータ」から発進したJu87シュトゥーカA-1が10機、F-35Bが戻って行った方向に出撃している。
なお、ボン海軍防衛航空基地に残る、フィゼラーFi167の5機も基地防衛警戒の為に発進していた。
艦隊直上警戒中のタイガーシャーク03、04はCICの指示により迎撃コースに入る。
直上警戒に際して、タイガーシャークはAIM-9X短距離対空ミサイルを各機6基搭載している。
AIM-9Xの射程は約40kmで、中間誘導はF-35Bから行い、最終誘導は赤外線画像誘導である。
タイガーシャークはいずもCICの誘導により会敵コースに乗り近づいて行く。
タイガーシャークリーダーは途中で左旋回し、ボン海軍防衛航空基地に向かっていた。
「タイガーシャーク03、タリホー。攻撃許可願います」
「いずもCIC、速やかに撃破」
「ラジャー、エンゲージ≪攻撃≫」
この時、A艦隊とボン軍港の距離は約100km、敵機までの距離は80kmであった。
敵攻撃隊のJu87シュトゥーカA-1、ストラータ攻撃隊は途中で物凄く早く逃げ去る機体を見ていたが、命令は敵艦隊の発見と攻撃である為に、無線で見た事を伝えようとしたが、無線は使えない状態であった。
「いずも」ではHF帯、VHF帯に対しジャミングを実施している。
Ju87シュトゥーカA-1、ストラータ攻撃隊アルトハイム・スツーカ隊長は嫌な予感がしたが、命令通り発見を優先した。
その時、前方に光の点が現れ高速で旋回していた。F-35Bに反射する太陽光であった。
Ju87シュトゥーカA-1の隊内無線も使用不可であり、連携が取れていない状態であった。
攻撃隊のアルトハイム・スツーカ隊長はキャノピーを開けて、大きく腕を回し、手信号で攻撃回避を指示する。
Ju87シュトゥーカA-1は本来、急降下爆撃機であり、250kg爆弾を搭載し、対空火器は機銃手席の7.92mmMG15機関銃のみである。
最大速力310km/hと言う低速に対してF-35Bは目で追えない程度の速度を出しており、ドルツ国航空機がほとんど撃墜されたにも関わらず、死を覚悟して飛び立ったのである。
タイガーシャーク03と04は敵機20km手前で旋回し、攻撃ポジションに入る。
「タイガーシャーク、フォックス02」「04コピー」
F-35Bから撃ち出されたAIM-9Xは先頭の2機に吸い込まれると同時に爆発した。
タイガーシャークは敵編隊の上空を通過すると旋回に入る。
隊長機を失ったストラータ攻撃隊は各自回避行動に入る。
通り過ぎたF-35Bは編隊後部より、再度AIM-9X各2基計4基を射出する。回避行動を取っていたストラータ攻撃隊に4つの火の玉が突然発生する。
4機となったストラータ攻撃隊は、海上高度20m維持して未知の攻撃を回避しようと足掻く。
そこにF-35Bからの攻撃が届くと同時に海上に水柱が4本立つ。
「タイガーシャーク03、ミッションコンプリート、RTB」「04コピー」
AIM-9Xの洗礼を受けたJu87シュトゥーカA-1は40km以下の距離から射出されるマッハ2.5で迫るミサイルを避けられるはずもなく、近接信管が作動し搭載した9.4kgの弾頭が爆発し金属片を前方にまき散らすと同時に艦隊攻撃の為に搭載した250kg爆弾が誘爆して一瞬で火の玉となる。
一方、タイガーシャークリーダーはボン海軍防衛航空基地上空で警戒警備にフィゼラーFi167の5機に対し攻撃を実施している。
フィゼラーFi167は偵察兼爆撃機として作成された機体で、前後に7.92mm機銃が、爆撃時は1,000kg爆弾を搭載できる複葉機である。その速度は最高325kmと低速である。ただし航続距離は1,000km以上である。
「タイガーシャークリーダーからいずもコントロール。航空基地上空に敵機5機。攻撃許可要請」
「いずもCICよりタイガーシャークリーダー。攻撃を許可する」
「タイガーシャークリーダーラジャー、エンゲージ≪攻撃≫」
複葉機とジェット機では相手にならない。
タイガーシャークはサイドワンダーAIM-9Xを各機4基計8基搭載していたが、AIM-9X4基で5機を撃墜してしまった。敵機2機が密集飛行していた結果である。
一方航空戦艦「ストラータ」攻撃任務のタイガー隊。
「タイガーリーダーからいずもCIC、攻撃位置に入ります」
「いずもCICよりタイガーリーダー攻撃許可」
「タイガーリーダーラジャー、エンゲージ」
タイガー隊4機のF-35Bは100kmの距離しかない為に発艦と当時に敵戦艦を発見している。
JSMミサイルは本来300km越える攻撃距離を誇るが、敵航空戦艦「ストラータ」との相対距離が近すぎた。
「タイガーリーダー、アタック01」「02コピー」エンゲージ≪攻撃≫
最初4本のJoint Strike Missileが「ストラータ」に襲い掛かる。
信管は遅延モードを選択しており、船体にミサイルが突き刺さると爆発し、船体に大きな穴を開ける。
「ストラータ」は最初にF-35B発見してから急いで係留を解き、出港を急いでいた。
そこにタイガー隊のJSMミサイルが襲い掛かり、艦体に突き刺さると乗員は「不発」とほっとしたが、次の瞬間、HE破片効果弾頭(125kg)が爆発し、内部構造物と外壁に大きな穴を開け、被害は甚大である。
隔壁閉鎖を実施していたが、内部に向けて爆発した為に無意味であった。
ボイラーや砲弾炸薬の誘爆を起こし、「ストラータ」は一度も海戦を経験する事無く、いやこれが海戦ではあるが、上部構造物が吹き飛ぶほどの爆発を起こし、急激に沈んだ。
後に引上げ調査したところ、上部構造物だけではなく、艦底自体が吹き飛んでいたと判明した。
結果的にオーバーキルである事が判明した。
ありがとうございました。
局地戦は戦いがイメージしやすいので良かったです。
誤字脱字報告毎度ありがとうございます。本当に助かります。