第156話 南大陸遠征隊結成
第156話を投稿します。
自衛隊発足以来初めての大艦隊群が構成され、南大陸に向かいます。
当壁総理会見の翌日、各自衛隊より幹部が防衛省に集められた。
顔ぶれについては立川統合幕僚長に一任されていた。
主要人物としての陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長を始め。
陸自は第1空挺団は団長、第1水陸機動連隊は連隊長、それぞれの輸送飛行隊隊長。
空自は各航空機搭載護衛艦飛行隊から隊長。
海自は各護衛艦隊群司令と幕僚長。そして各護衛艦隊司令と主席幕僚に各護衛艦隊司令、そして各護衛艦艦長。
輸送・補給の為のおおすみ型輸送艦3隻と各補給艦にドルツ国の機雷敷設を想定してあわじ型掃海艦を2艦。
今回の作戦は全国護衛艦隊から、第1護衛隊群、第2護衛隊群、第3護衛隊群、第4護衛隊群と全てが遠征隊に加わる。
そして潜水艦隊も第1潜水艦隊群が同行する予定だ。
日本近海の哨戒や警備活動は、旧式艦の地方艦隊と第2潜水艦隊群に移行された。
ただし、P-1やP-3Cによる哨戒は例の1艦を探索する為に佐渡を中心として毎日続けられている。
第1護衛隊から第8護衛隊の全32艦と輸送艦に補給艦、そして掃海艦と第1潜水艦隊群13艦(ちはや (潜水艦救難艦))も参加する日本で初めての遠征軍が組織された。
なお便宜上第1護衛艦隊群司令が全体指揮を、第2護衛艦隊群と第1潜水艦隊群が作戦司令として全隊指揮をサポートする。
注目すべきはドック型おおすみ型輸送艦を強襲揚陸隊として組織した点である。
南大陸全体が崖で構成された大陸なのだが、一か所だけLCAC(エアークッション艇)で上陸が可能な地点が発見された。
当然ドルツ国もここで待ち構えている事が予測されている。
今回の作戦説明については米国海兵隊は来ていない。
かれらには別に時間を取って説明する予定となっている。
特にワスプが保有する予備機入れて20機のF-35Bは強力な戦力だった。
さらに今回はホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦「ジャーマンタウン」が1艦参加する。
ワスプの様に航空機は搭載できないが、大きなドックをもっておりLCACなら4隻が搭載できる。
今回はLCACを全て降ろして、AAV7装甲兵員輸送車を陸自及び海兵隊分の64両を積み込む。
第7艦隊揚陸部隊全面協力の元に第3海兵遠征軍(参加するのは戦闘強襲大隊)を組み入れて作戦を立てている。
状況説明と作戦概要が続く。
「今回の作戦は大陸概要が衛星画像でしか取れていない。だが、ドルツ国の日本上陸を阻止するためには、こちらがドルツ国に上陸をし、相手の対処先を我々に引き付ける事が一番だと結論した。
勿論不確定の要素は沢山ある。
特に、南大陸周辺には機雷が敷設されていて近づくこともできないかもしれない。
だが、それでも日本国民に犠牲者を出さない為に我々はやらなくてならない。
途中での作戦変更を余儀なくされると思うが、現場の意見に沿って臨機応変に対処していきたいと考える。
そして、今回は米国海兵隊および強襲揚陸隊の協力を受けての作戦となる。
諸君の奮闘に期待する」立川統合幕僚長の挨拶は終わる。
続いて各幕僚長からの説明となる。
最初に陸幕長。
「今回は上陸し、ダークエルフなる人物を拘束するまでがミッションとなる。
ただし、統幕長の話した通り、どこの建物がその中枢なのかも我々は情報がない。
ドルツ国民に協力してもらい探索を続けることになる。
今回の作戦では、第1空挺団に初のV-22での敵陣後方降下となる事が予測される。
そして第1水陸機動連隊と空挺団による挟み撃ちをメインの作戦と考える。
その為の準備をして欲しい。以上だ」
続いて海幕長。
「今回の作戦に関しては全護衛艦隊群を派遣する。よって日本の守りは各地方艦隊に移管する。
そして第1潜水艦隊も同行し、同じくおおすみを初めとする第1輸送隊および第1海上補給隊の全艦も参加する事になる。
なお、南西諸島新大島港にて米軍第7艦隊揚陸部隊のブルーリッジ、ワスプ、ジャーマンタウンとの合流をする予定である。
船団構成については別途連絡する。
なお、今回の艦隊群については、第1護衛隊群の艦隊司令南海将補を艦隊群総合司令として任命する。以上だ」
そして空幕長。
「諸君大変危険な任務である。
ドルツ国・・いや南大陸に近づくだけでもV-1やV-2などのロケット群による攻撃が予測される。
また、南大陸上空には戦闘機や急降下爆撃機なとも多数存在していると予測される。
自分の命を守り、同僚の命も守る事。これが戦闘機乗りの役目と知ってほしい。
諸君は各艦飛行隊として作戦実行に大きな役割を負っている事になる。
各隊長は任務を理解し、目標達成の為の対処をお願いする。
なお、米国第7艦隊ワスプ搭載のF-35Bも協力する手筈である。健闘を祈る。以上だ」
いずも型、ひゅうが型はそれぞれF-35Bが10機と6機(予備機を含まない)で計32機となる。
これにワスプの稼働F-35Bが18機(ほかに予備が2機)加わる事になる。
(いずも型とひゅうが型は哨戒ヘリ、救助ヘリを護衛艦にまわし、F-35Bを最大に積み込んでいる。
通常使用ではいずも型が8機、ひゅうが型が4機であった。)
最後に立川統合幕僚長が
「・・・と言う概要となる。日本の命運は諸君らの奮闘に掛かっている。日本国民に犠牲者を出さない為に作戦は実行される。
不確定な要素が多いが、各隊は準備を怠らず、緊急の状態にも対処できる余裕が必要である。
最後になるが、ハイエルフ村から村長を含むハイエルフ12名も乗船し、同行する。
これによりダークエルフなる人物の能力を無効化し有利に進めたいと考える。
各隊詳細については後日連絡する事とする。以上。解散」
こうして1か月後の作戦開始まで、準備期間となった。
少し短めでお送りしました。
次回は出発すると思います。