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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
158/251

第153話 強襲そして奪還

第153話を投稿します。

3軒同時襲撃など言う作戦。成功するのでしょうか。

人質や介護の空挺団員は・・

 現地指揮指令本部の巨大なテントに各部隊が集まってきた。

「第1空挺団長の橋本陸将補である。

 各隊最高位将官として、今回の救出作戦および強襲作戦を指揮する。よろしく。

 では現在までに判明している情報を共通認識する」


 ・

「この3か所が占拠地点だ。そして人質「富永サト」さんは1軒目のここに移動した。

 空挺団の門真2等陸曹が介護している。そして予定通りGPSと盗聴器を持ち込んでいる」


 質問が上がる。

「質問ですが、人質と介護の2等陸曹の安全確保が優先だと思いますが」

「良い質問だ。えーと」

「神奈川県警特殊急襲部隊隊長の田中です」


「よしその質問に対する回答は、現在集まっている特殊部隊を4チーム編成として、救出専門隊と急襲隊3チームに別け、4チーム同時突入する。武器を持っているドルツ兵対処は射殺。そして武器を持っていないドルツ兵は武装解除に拘束。向こうさんはこちらを殺す気で来ている。それで対処する」


「空挺団高級参謀の冴島1等陸佐が説明する」

 冴島1等陸佐は日本語と英語で交互に説明していく。

 

 今回、最新のプレシジョンライフルを持ち込んでいたフォース・リーコンが提案する。

 プレシジョンライフルはレミントンM700アクションの機関部をベースに、ラスベガスにあるDMRがカスタムビルドしたもの。徹底的な「ブループリント」を施され、バレルからチャンバー、弾薬にいるまで同軸上に調整され、しかもナイツアーマメント製「762QDC」サプレッサーを装着をしている。

 この銃2丁にシューターとスポッター2組、戦場管理部隊を加え、見張りを全て800mの距離から無効化する事を提案した。


 日本の狙撃部隊にサブレッサはなく、スコープすらも自前であったりする。

 自衛隊装備のM24SWSも試験採用された結果で、元はレミントンM700なのだが、ボルトアクションにしており、複雑化する機構を避けて動作不良を排除している。

 5発のマガジンではあるのだが・・


 フォース・リーコンの提案を橋本陸将補は認め。最初の無効化を依頼した。


 作戦概要は各隊が占拠されている民家に密かに接近し、フォース・リーコンが見張りを無効化した所で、全ての民家に閃光発音筒(スタングレネード)による攻撃をし、急襲する事になっている。

 人質がいる民家も例外ではない。

 ただし、事前に翻訳機に作戦概要が入り、寝ている「富永サト」さんを起きない様に軽く拘束して低い位置で待ち伏せる事にした。

 もちろん何かあれば門真2等陸曹が身を挺して「富永サト」さんを守る事にしている。

 その為に台所にあった金づち・・・固くなった干物やタラなどを叩いて柔らくするための物を

 ケブラー製バッグに隠し持っていた。包丁は武器と確認されてしまい持ち出す事が出来なかった。


 門真2等陸曹は近くにあった新聞紙やおむつをバッグにいっぱい詰めて、「富永サト」さんの頭を守っている。


 決行時間は午前3時50分に無効化が始まり、4時に急襲する事になっている。


 本部も防衛省も、そして門真2等陸曹も緊張している。

「富永サト」さんは久しぶりにうまい「おかゆ」を腹いっぱい食べた事で良く寝ていた。


 フォース・リーコン、アルフォート隊長は橋本陸将補からの作戦開始命令をまっていた。

 本来なら米軍に属する特殊部隊であり、独自判断による作戦開始も認められているのだが、3軒同時強襲などと言う作戦は指揮が肝心である事を身をもって学んでいる。

 

 フォース・リーコンは元特殊部隊出身者を集め再教育した最強海兵隊にあってなお最強の特殊部隊である。

 本来は偵察や狙撃など荒事を専門にしているが、在日米国大使館の要請により沖縄から急遽佐渡に飛んできた。実にフルメンバーでの登場である。


 短い無線が入る「対処開始、Start dealing」

 アルフォートは「01」と無線を入れる。

 2組の狙撃班はCの建物2階見張りを2名同時に倒す。

 つづいて「02」の指示。

 B建物2階見張りが音も無く崩れ落ちる。

 最後に「03」人質がいるA民家の2階見張りが倒れる。

 「clear」とだけ無線を入れる。


 一斉に急襲隊が行動開始する。

 1階にて交代の為の休憩を取っていたドルツ兵に対し、閃光発音筒が投げられる。

 同時に3秒待って各特殊部隊が突入する。


 ドルツ国兵士はなすすべなく特殊部隊による武装解除と拘束をされてしまう。


 A民家でも同様に時間になり門真2等陸曹は目と耳を塞ぎ口をあける。「富永サト」さんはすっかり寝ているので、布団を頭までかけて、上からケブラーバックを置いて保護する。


 A民家に救出隊と急襲隊が同時に襲い、ドルツ国兵を拘束している間に救出隊が「富永サト」さんを布団事運び出す。もちろん門真2等陸曹も一緒である。

 そのまま「富永サト」さんは空挺団で健康状態を診察してから、デイサービス「ときわの会」が待つ「佐渡スポーツハウス」に連れ込まれた。


「有難うございます。門真さん」

「富永サトは18時におかゆを2杯食べ、おむつは21時に交換しております。まだ大丈夫だと思います」

「おかゆ2杯ですか・・・私たちは食べさせるといつも吐き出すのですが・・・」

「美味しかったのでしょう。ふ」門真2等陸曹は勝った。


「では以後我々が面倒見ますのでありがとうございます」


「お願いします。私も時間があれば来ます」


 門真2等陸曹は中隊に戻って行った。

「門真怪我は無いか」

「はい石間2等陸尉、人質も私も無傷です」

「そうか良かった」

「有難うございます。小隊に戻ります」

「ご苦労であった」



 防衛省地下3階、指揮指令所。

「立川統合幕僚長。奇襲は成功。人質奪還しました。怪我はありません」

「よし。よくやった。して拘束は何人だ」

「現在の所ドルツ兵14名を拘束しています」

「残ってはいないな。最終確認を急がせろ」

「了解」


 その時電話がなる。


「はい立川です」「高野大臣からです。お繋ぎします」

「はい立川です。奇襲は成功しました」

「よくやった」

「現場の隊員をほめてください。特に米海兵隊と神奈川県警と警視庁。

 特殊な環境下でよくやっています」


「良く解った。大使館と法務省に連絡しておく。それでだ。総理から記者発表はどうすると言われていてね」

「ええ。そうだと思いました」

「1日発表を止めてはいたのだが、本日13時に発表したいとの要請だ」

「了解しました。原稿をお流しします。大臣が確認頂ければ当壁総理に」

「よし、いろいろすまない」

「いえ、ドルツ国も国民に知らせ恐怖に陥れる事が目的。それを回避できただけでも優秀な隊員達です」

「そうだな。一歩間違ったらパニックになっていた所だ。落ち着いて発表できそうだ」


「その様に原稿を作ります」


「それでは頼むよ」

「はい。畏まりました」


「ふぅ~」

「気苦労が絶えませんね」と副官に言われる。

「なに政治家と自衛隊員の中間での仕事だ。当たり前だと思うよ」


「なにか早死にしそうで怖いです」

「向き不向きがあるからな。徐々に慣れていけばよい」


「はい・・・」


「では続きだ。敵捕虜は厚木に全て送り出し、ハイエルフさんに尋問をさせて欲しい。

 そして我々の番だ」


「全員に告ぐ。緊急司令だ、海幕長と陸幕長それに空幕長。こちらから南大陸に入る」


「時期だけ決めてください」


「了解した。1か月後に出発だ。ハイエルフさんも同乗願う。そしてこの事件の背景を探りたいと思う」


「時間不足ですが、お気持ちはわかりました」


「特に陸幕長、今回の作戦以上に過酷になると思う。そして海幕長。残った上陸潜水艦1隻を、できれば鹵獲をして欲しい」


「解りました。例の対馬上陸の潜水艦ですね」「うむ」


 当日13時が1時間遅れて14時に異例の首相発表となった。

 ドルツ国が日本に戦争を仕掛けてきた事。ダークエルフと言われるドルツ国の神が全てを指示している事。

 なにより日本にドルツ国は上陸して捕虜を取り、それをニュースにして全国民を恐怖に陥れることなどが、全て事実として伝えられた。

 また日本も1か月後に南大陸に遠征隊を送り出し、どの様な背景があるのかを探るとの事。


 ただし、対馬の事件も公表されたが、その上陸潜水艦が健在で、海上自衛隊が探していることまでは伏せていた。

 首相発表は終わったが、最後に、まだドルツ国はあきらめていないと、もし海岸地区で不審な機械や外国人を見た時は関わらずに通報をお願いしたいと締めた。


ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 突発事態も、限られた時間の中で周到に情報収集&準備、連携の為の相互情報交換の甲斐あって、要救助者の人質&ヘルパー役の隊員を無事救出^^ 次回は教習を受けたドルツ側の描写…
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