表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
157/251

第152話 人質救出作戦 その2

第152話を投稿します。

富永サトさんと接触できました。

急襲計画の始まりです。

「まて、制服で行くつもりか、デイサービス「ときわの会」と話を付けた。彼らの制服と言ってもエプロンだがそれを付けて行け。下は平服だそうだ」


「了解しました。私服ですか・・持ってきてないですよ」

「うーん。「ときわの会」職員に相談してくれ。彼らはここの避難所にいる。至急だ」

「了解。すぐに行きます。そしてここに戻ります」

「了解した。準備にかかってくれ」


 門真2等陸曹は乗ってきた高機動車を発進させた。相変わらずスピードが凄い。

 4WDなのに門を出る時大きくドリフトする。普通の運転では4WDはほとんどドリフトしないのだが・・・・

 コーナリング途中で思いっきりアクセルを踏んでいる事になる。


「やれやれ、彼女に安全運転を頼みたいな。対処前に事故りそうだ」と第1空挺団長の橋本陸将補は苦笑いをする。隣の空挺1中の石間2等陸尉も「同感です」と笑う。


 あっと言う間に避難所指定されている「佐渡スポーツハウス」に到着すると「ときわの会」の職員を探す。

「はい、私が「ときわの会」職員ですが、なにか」

「自分は空挺団の門真2等陸曹と申します。「富永サト」さん86歳の介護を仰せつかりました」

「おばぁ助けてくれるのですか。まだ若いのに腰を痛めて歩けないのです」


「いえ、私が敵兵の中へ行き介護します。詳細教えてくれますか」


「そうだったのですね、薬は自衛隊の方に渡しています。サトさんは誤飲があるので起こしてから飲ませます。お茶が好きでお茶で飲ませています。渡してあるおむつは持っていますね」

「はい2枚頂いております」

「1日分ですね。まってくださいもう4枚差し上げます。それとゴム手袋。汚物袋を8枚。汚物入れたらジッパを締めてください。薬を飲ませる紙コップ。こうして先を細めて飲ませてください」


「有難うございます。「ときわ会」の姿で行きたいのですが、私服は持ってこなくて」


「うーん。松さ~ん服貸して」「家で良ければ。すぐそこですから」


 本当に近かった。「佐渡スポーツハウス」の通りを超えて斜め向かいであった。


「お邪魔します」

「自衛隊ですよね。命の危険もあるのでしょ。これをきてください」

「もう少し動きやすい・・Tシャツにジーパンなどあれば・・・」

「オッケー、これとこれね」

「はい」着てみた。門真2等陸曹は普通の主婦的な姿となる。

「スタイルいいから似合うよね。そして「ときわ会」のエプロン」

「うん似合う。気を付けていってきてね」


「有難うございます。お借りします」

「エプロン以外は返さなくてもいいよ」

「そうはいきません」

「いいのいいの。気を付けてね」

「はい。ありがとうございます」


 門真2等陸曹は着替えの制服を持ち団本部に戻る。


「準備出来ました」

「よし行こうか。制服が・・」

「一式本部で預かっておく」


「はいお願いします」


「では、第1空挺団団本部偵察小隊の飯島准尉と言います。私がお連れします」

「よろしくお願いします」


 二人は白い旗を取り付けた高機動車で出発する。


「赤十字のバッグは持っているな」

「はい介護用具一式入っていますので忘れません」

「そうか、現地に行くと手枷と目隠しされるから抵抗するなよ」

「はい・・」


 交渉の場所まで途中で車を降りて、あるいてきた。


 ドルツ国からはトルーガが出てきた。


「それが介護要員だな。点検させてもらう」

 と言うと全てのポケットやジーパンの裾を点検された。

「荷物はこれか」全てだせ。


「ここでですか。介護できなくなります」


「ちょっとまて」急いで走るとトルーガはテント布のような緑色のシートを持ってきた。

「ここに並べろ。全部だ」


 門真2等陸曹は言われるがままに全て出して並べた。

 ハサミも医療用の先が丸い物を持ってきた。


「これで全部です。残りは家にある物を使います」


「確認した。全てしまえ。目隠しと手を縛らせ貰う」


「解ったが、介護するうえで会話も必要だと思うので、この翻訳機を1台持たせたい」


「解った、まて」

 トルーガは家に戻ると本部に電話した。

「看護師が翻訳機を持ってきたいと言っています」


「武器でなければ認める」


 トルーガは急いで戻ってきて、「持ってきて良いそうだ」


 飯島准尉は門真2等陸曹のエプロンに翻訳機をいれた。


「民間人だから大事に扱って欲しい」


「そんな事ある訳ない。こいつも軍人だろ」


「いや。介護には特別資格が必要なのだ。だからいつも世話している民間人を特別に用意した」


「ふむ。だが人質と同等だ」


 目隠しされ手を前で縛られた門真2等陸曹は紐を引っ張られて歩いて行く。


 家に入るのを見送ると、飯島准尉は車まで歩いて戻って行った。


「対処計画1が始まりました」と無線で報告する。


「了解。こちらも信号は鮮明だ」


 門真2等陸曹が持っていた赤十字バッグと翻訳機にはGPSが張り付けてある。

 上空のGPS衛星「みちびき」が門真2等陸曹の位置を10cmの誤差で監視している。


「これでどの位置に人質がいるか判るな」

「ええ、これで訓練の精度が上がります」

「そうだな、人質が移動されても門真2等陸曹も一緒だろう。常に位置が判ると言う物だ」

 空挺団本部では、そんな会話が交わされている。



 家に着いた門真2等陸曹は目隠しを取られ、手は縛られたままで、「富永サト」の元に案内された。

「まあ~」門真2等陸曹は主婦らしく声を上げる。


「手を解いて」と日本語で言う。


 トルーガが、Aチームリーダーターナー軍曹に目で合図する。

 ターナー軍曹は了解した。


 手を解かれた門真2等陸曹は早速翻訳機を使って、「なぜ病人にこんな事を。動けないのですから解きますよ」

 有無を言わせず縛ってあるロープを解く。


 「富永サト」は敷布団と掛け布団に挟まれて、布団毎縛られている。顔も出さない様にしていた。

 これでは赤外線探査も難しいだろう。


 早速ロープを解き、敷布団を敷き直して、顔に当てられていた枕を置き、「富永サト」さんを寝かした。

 上から寒くない様に掛布団をかける。


「つらいところはありませんか」

「あんた、「ときわ会」の人か、助かった。トイレ行きたくて我慢していた」



「サトさん大丈夫ですよ。パンツは持ってきましたから。少し待ってください下に防水ビニール敷きますから。それともトイレ歩けますか」


「歩きたい気分だ。布団饅頭にされていたからな」


「では言ってきます」


「すいませんドルツ国の人。さとばぁはトイレ行きたいそうです。いいですか」


「お前が介護役だろ、行かせろ」


「サトさんトイレ行けるそうです。一緒に行きましょう」

 門真2等陸曹は赤十字のバッグを袈裟懸けしてサトさんを連れていく。

 まったく歩けないとかではなく、一歩が遅い。トイレに着く前に漏れてしまいそうだった。


 トイレはドルツ兵が使ったらしく、流されていなかった。

 水洗式を知らないのか。


 門真2等陸曹はトイレを流し、少し待って小窓を開けてサトさんを座らせる。

 おしめをしているので、途中おしめを取って汚物入れにいれ封をする。

 トイレのドアは開けっぱなしだ。


 サトさんはしばらくぶりのトイレに上機嫌である。

 ボケが入っているとも聞いたが、今のところそんな素振りもない。


 トイレが終わり、布団に戻っていた。

「お薬飲みましょうね」

 風呂場で洗面器を探し、水筒のお湯を入れ水を入れて適温にする。

 タオルを固く絞って、お尻回りを優しく拭いて行く。


 一通り拭き終わると、新しいおしめをして、体を起こし、水をいれた紙コップを細くして口に当てると少し流し込んだ。そして薬を入れまた水を入れる。ゴクンと飲んでくれた。


 口の周りをティッシュで拭き、きれいにする。


「サトさんお腹すきませんか」


「すこし減った」と返事がある。


「家にあるもので作りますね」


 ドルツ兵に「サトさんお腹空いたそうです。日本の伝統的なおかゆを作ります。台所使いますね」

 門真2等陸曹は土鍋を見つけ、米をいれ水を米を炊く時の倍の量を入れ、昆布を置いて沸騰するまで強火で火にかけた。

 隠し味にだしの素をいれている。


 その間に冷蔵庫をみてみる。

 ノリの佃煮がある。

「サトさんノリの佃煮すきですか」

「ずきだ~」

 土鍋は沸騰している。火を弱めて弱火にして様子を見る。


 お米を炊いてそれを再度水を入れておかゆにするのだが、それはうまくないと門真2等陸曹は思っている。

 最初から水多めで炊いておかゆにしてしまう。火加減と時間が大事だ。


 40分経過しておかゆが出来た。

 それを茶碗によそって、うちわで冷ます。

 ノリの佃煮を少し載せて。適温になりレンゲで給仕する。



「サトさん。できましたよ。冷ましましたから食べやすいですよ」

 門真2等陸曹は時間をかけて「富永サト」さんに茶碗一杯分のおかゆを食べさせていた。

「おめえさんの作るおかゆはうまい。他のは不味くて喰えん」


「気に行って貰って良かった。まだありますが食べますか」


「もう少ししたら喰う」


「では少し横になって休んでください。起きたらおかゆ持ってきます」

 「富永サト」さんは横になって眠ってしまった。

 門真2等陸曹は台所に行き、土鍋のおかゆを鍋に移している。

 温める時は湯せんをするのだ。



 空挺団本部

「薬とおかゆ食べさせました。サトさんは寝たようです」

 翻訳機に盗聴マイクが仕込んであった。


「部屋の位置は解ったか?」


「1軒目のここに寝ています。台所はここ。そしてトイレはここです」

「結構。詳細が解れば対処できる」

「他の様子は、フォース・リーコンが赤外線探査で位置と間取りが解っています。

 避難所の人たちの話とも合います」


「よし。実行できるか。人質と門真2等陸曹は大丈夫なのか」

「渡した赤十字バックはケブラー繊維でできています。中に何か詰めれば盾になります」

「本人には言っているな」

「はい」


「夜明け前の04時に実行だ。各員連絡。各隊招集」


 現地指揮指令本部に各隊が集まってきた。 

ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 即席ヘルパー門真陸士長の流れるような介護と、心を込めたおかゆに舌鼓のばあちゃん^^ 身動きの取れない要救助者を傍らに、門真陸士長と救出部隊はどう行動を起こすのか? 次…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ