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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
156/251

第151話 人質救出作戦 その1

第151話投稿します。

人質の概要が判明。

介護が必要と状況は複雑化していく。

「報告いたします。立川統合幕僚長」


「人質見つかったのか」

「明察です。現地指揮指令部を通して報告がありました。未明にフォース・リーコンが最新赤外線探知機で微弱な赤外線を検知したそうです。同時に裏付けも入りました。避難所で情報収集している2普-本から、当該地区当該建物に寝たきりの「富永サト」さん86歳が在住。これを救助に向かったデイサービス「ときわの会」介護職員2名が封鎖検問に会い、救出できなかったとの報告が入りました」


「うむ。田舎であるから玄関の鍵は掛けない筈。だから容易に侵入できたのか。避難警報がもう1時間早ければ救出できたと思うと悔しい思いが溢れる」


「心中お察しします。ですが人質に怪我をさせては日本の負けです。現地指揮官、第1空挺団長の橋本陸将補は人質救出優先での作戦立案をしております」


「可能なのか」


「まだ素案ですが、特殊部隊3チームでドルツ国が占拠している建物同時襲撃と、特に人質がいる建物に関しては救出チームと奇襲チーム合同で対処を予定するそうです。

 現在、第1空挺団から避難所に隊員を派遣して、当該建物の間取り等を聞き取り調査進めています。

 なお、情報を整理して特殊部隊による奇襲攻撃については、避難住民の協力を得て、同じような間取りの建物での訓練を開始しています」


「そうか。了解した。任せるしかないか。防衛大臣への報告は密にして欲しい」


「了解」


 当該地区建物3つを占拠したドルツ国上陸隊は日本国による攻撃で指揮官を失ってはいたが、当初の計画通り民家3軒を確保。

 周辺道路の監視や周囲警戒を開始した。

 また、都合の良い事に集落中央の建物に日本人老人が寝ており、これも確保。

 しかもドルツ国で研究中の「熱線」(赤外線の事)についての事前レクチャーにより、航空機で探知できない様に布団をかけて人質を布団事縛っている。これにより上空の赤外線探知を困難な物にしていた。


 ドルツ国上陸隊

「警戒を緩めるな。日本の軍隊が沢山集まって遠くから監視している筈だ」

「了解。周辺道路はチームAが監視しています。また北側畑と森についてはチームCが、そしてこのチームB拠点が本部機能を果たしており、各拠点間に有線電話を引きました」

「了解した。作戦は予定通りだな」

「タルガ先任曹長殿。今のところは予定通りです」


 リーン。戦場有線電話が鳴る。

「タルガだ。何事だ」

「チームAです。前方から白旗を持った日本人が2名手を上げて近づいてきます」

「手を上げて・・・どういう意味だ」

「良く解りませんが戦闘の意思はないようです」

「複数人数で監視して、ひとりが向かい内容を持ち帰る様に」


「了解です。チームAからトルーガ一等兵を出します」


 やがてトルーガ1等兵が建物から近づいてくる兵士達に「とまれ」と合図。

「何用だ」と怒鳴る。

 近づいて来た隊員達は第1空挺団偵察小隊の隊員達であった。

 ポケット翻訳機の試作品を出して、日本語で何かを言い、翻訳機がドルツ語で喋った。

 しかも音量は大きく、監視しているドルツ国兵士にも聞こえている。

「ドルツ国兵士が占拠した建物に病気の老人がいる。解放を望む。

 別に飲み物食べ物を渡したい。特に病人に薬と水をお願いしたい」


 それを聞き。トルーガは返答する。

「本部に確認をする。その場で待て」

 すると日本の隊員は「了解した」と翻訳機で答える。


 トルーガは戻り本部に電話する。


「日本の隊員が変な翻訳の機械を持ち接触。こちらが確保した人質は病人。解放するかくすりと水を差し入れたい。また我々兵士には飲み物と食べ物を提供するとの事。どうしますか」


「人質は病人だったか。それでなんの抵抗もしていないのか。作戦上解放はできない。だが今死なれては今後の作戦に支障をきたす。そこで、日本兵士からの食べ物飲み物、人質用の薬と水は受け入れる。

 引き渡しは交渉場所で行う。それで言って欲しい」


「了解。繰り返します。

 交渉場所にて食べ物飲み物及び病人用の薬と水を受け取る。それで宜しいですか」

「よろしい」

「了解しました。早速交渉します」


 トルーガは日本兵士の元に戻る。

「待たせた。上官と話した。人質の解放はできない。飲み物食べ物そして人質用の薬と水はこの場で受け取る」


 日本兵士は「了解した。早速手配する。30分程待ってほしい。白旗を付けた車両で来る」



「ダメだ。お前達2名で運んで来い、それ以外は攻撃する」


「了解した。ではこの場所手前500mまで車両で来て、我々2名が手持ちでここまで運ぶ。それで宜しいか」


「了承した。変な抵抗すると人質が死ぬと言う事を覚えて欲しい」


「了解した。では30分後に持ってくる」


 それから30分後・・・


 遠くから小さな車両が近づいてくる。少し先で止まると白旗を振りながら先ほどの2名が降りてきた。

 車両の後ろに2名は回り、荷物を持ってきた。

 35名分のサンドイッチとペットボトルの紅茶である。また「富永サト」さん用の薬と水のペットボトルが別の袋に入っている。

「こちらはドルツ国兵士用の食料と飲み物。これは人質用の薬と水だが、調査によると一人で飲む事は出来ないと聞いている。我が隊の看護兵1名を介助に送り込みたいが許可できるか」


「本部に相談する。その前に1つ食べ飲んで見せろ。毒とか入っていないだろうな」


「了解した。日本は人道的にそんな事はしない。心配な様なら食べて見せる。選んでくれ」


 トルーガは食べ物1つと飲み物1つを無作為に選び、日本の兵士に渡す。

 日本の兵士はそれを開けて、ためらいもせず食べ飲んだ。


「これで安全は確認できたか」


「ああ。十分だ。少しまて」と言いながらトルーガは手を上げると建物から2名の兵士が走って来た。

「これを持っていけ。お前達はそこで待て」トルーガと2名は荷物を持ち建物に戻る。


 トルーガは本部に電話する。


「日本兵士から食料が届きました。それから人質は一人で飲み食いできない程だそうです。看護兵を出すと言っていますがどうしますか」

「そうか、厄介だな。では人質をAチームの建物に移動させる。そこで看護兵に見てもらえ」


「よろしいのですか」


「ああ。さっきも言ったが今死なれては困る。看護兵一名なら何とかなるだろう。目隠しと手枷をして引き入れろ。それが条件だ」

「タルガ先任曹長殿了解しました。その様に交渉させます」

「頼むぞ」


 Aチームリーダーのターナー軍曹はトルーガに指示する。


 トルーガは戻って行く。

「看護兵を1名受け入れる。ただし目隠しと手枷をさせてもらう」


「了解した。して30分後でよろしいか」


「了解した。同様の手続きで行って欲しい」


「了解」



 それから交渉係の第1空挺団団本部偵察小隊の飯島准尉は団長に報告した。

「1名を受け入れたか、と言う事は彼らも死なせたくないと言う事だな。了解した。空挺1中の石間2等陸尉を呼んでくれ」


 ・・

「お呼びでしょうか」


「おぅすまん。美幸を貸して欲しい」


「美幸ですか」


「うむ。人質の介護を頼みたい」


「特別任務になりますので本人に確認します」

 

 石間2等陸尉は中隊無線で呼び出すと確認をした。

「確認とりました。志願するそうです」


「おぅ流石だ。空挺唯一の女性自衛官で准看護師資格持ち。最適任だな」

「団長、贔屓はこまります」石間2等陸尉は笑いながら言う。


「いや能力と根性を買っているだけだ」と団長。


 暫くして、猛スピードで本部設営している野球場に高機動車が走り込んでくる。


「凄い運転だな」と団長。


 ・

「第1普通科大隊第1中隊、第3小隊門真2等陸曹参りました」

「おぅ待っていたぞ、看護資格は持っていたな」

「はっ准看護師ですが持っております」

「では最適任だ、敵国占領地区に入り人質の介護を頼む」


「詳細をお願いします」


「おぅ冴島説明してやって欲しい」

「了解しました」冴島1等陸佐、第1空挺団参謀(高級参謀)である。


「では説明する。内容はシビアである。覚悟をして欲しい門真美幸2等陸曹。

 人質は「富永サト」さん86歳。変形性脊椎症で歩けないそうだ。また少しボケが入っているらしい。

 薬は痛み止めが主で認知症の薬も入っている、ただし一人で薬等は飲めない。床ずれもあるとの事。やっかいだぞ」


「了解。おむつは用意出来ていますか」

「ああ介護施設の職員から預かっている」


「では頂きます。大丈夫です」


「くれぐれも気を付けて欲しい。必要な器具はあるか」


「そうですね・・自分で選んで持っていきます」


「了解した。ただし武器と認められるものはダメだと思うぞ」


「こころ得ています。ハサミやガーゼ、綿に消毒液などです。またお湯を沸かせない環境も考慮して水筒にお湯を入れて持っていきます。水のペットボトルと汚物用のビニール袋、サージカルテープ。そんな物ですかね」


「うむ。内容は任せるが一部取り上げられることも考慮して欲しい」


「ええ、はさみは小さい物を探します」


「では探しに行ってくれ。衛生小隊はそっちだ」と指さす。

 

 衛生小隊のテントに入ると

「門真2等陸曹入ります。介護に必要な物資を調達に参りました」

「聞いている。好きに持って行って欲しい。それと赤十字のかばんを用意しておいた」

「助かります」


 門真美幸2等陸曹は、必要な衛生物資におむつをかばんに入れ、魔法瓶水筒にお湯を入れてそれもかばんに入れた。


 本部指令テントに戻ると報告をする。

「門真2等陸曹、用意終わりました」

「よし、特別任務だ覚悟して欲しい」「心得ています」


「では第1空挺団団本部偵察小隊の飯島准尉と共に行ってくれ、無理はするな。人質の命も大切だが、お前の命も大切である。いざとなったら一人で逃げ出せ。いいな。命令だぞ。生きて戻れ」


「はい。ありがとうございます」


「では行こうか。門真2等陸曹」

「お願いします。飯島准尉殿」


ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 内容は面白い [気になる点] 冒険者話はスピンオフで。 本編にはいらない。 [一言] 人質に怪我をさせては日本の負けです て言うのはネタなのか?戦時下とは思えない。 立てこもり犯と戦争…
[一言] 更新お疲れ様です。 要救助者(人質)が完全介護必要な寝たきり老人では、日本側&ドルツ側ともに対応に苦慮しそうですね(><) 介護の様子とか器具見て、ドルツ兵の介護経験者が感嘆&羨望する一幕…
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