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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
152/251

第147話 ドルツ国決死の作戦

第147話投稿します。

遅くなりすいません。活動報告にも書いた通り物件の下見をしています。

良い物に会えなくて・・・一人暮らしですのでマンションで良いと思っているのですが・・・

EVは無いと困ります(笑)

 防衛省地下3階、指揮指令所

「対馬における戦闘行為は収束いたしました」

「して負傷者報告はあるのか」

「人質2名においては軽い脳震盪と擦り傷。ドルツ国と思われる兵士は死亡18名、重症8名、軽傷8名です」

「ん?人数が多くなっている気がするが」

「はい、軽戦車の射手と操縦手が追加されています。各2名計4名が即死と思われます」

「そうか。一撃で大破したから当然操縦手と射手も即死となったのか、痛ましい事である」


「ええ、ですが主砲の55口径20mm機関砲が民間人に向けられたら、抵抗できずに殺戮となります。危険です」

「わかっておる。兵器が民間人に向けられる等とは悍ましい限りだ」


「そうですね。日本に上陸してくるとは予測していませんでした」


「ドルツ国としては一番現実な戦術的上陸だったのだろう、だがこれで終われば良いが」

「特殊潜水艦などそんなにある訳がないと思います」


「常識的に言えばそうだろう。まして補給も不確実な敵国に直接上陸するなど、戦略的、戦術的には破綻している。

 しかし、戦況を考えると日本を恐怖に貶める効果があると予測する」


「確かに、戦線維持を考えなければ、どこでも上陸できます。しかも民間人を人質にして、考えただけでも恐ろしい事です」


「そうだな。戦闘常識からは外れているが、日本国の国民感情に与える恐怖感は成功している」


「戦術的作戦によって、戦局が引きずられていると言う事ですね」


「まっ結果から言うとそういう事だと思う」


「恐ろしい事を考えますね」


「ドルツ国は計略の専門家が後ろにいるのだろう。侮れない相手である。しかも3/4の艦隊を犠牲にして対馬だけを狙うとは考えられまい」


「立川統合幕僚長。と言う事は上陸作戦はまだ続くと言う事ですか」


「多分だが、大きな犠牲を出しての作戦だから、この程度の効果で満足するはずが無いと思う」


「全隊に対して、再度の日本上陸に対する警戒を流します」


「ああ、何事も無ければ良いのだが・・・嫌な予感がする」


「立川統合幕僚長。具申いたします。勝負に負けても道義的勝利を掴もうとすれば、如何するのか。

 私なりに考えましたが、大都市圏に直接上陸を考えないでしょうか。

 それが早々に対処されたとしても国民や政府に対する打撃となります」


「副統幕長の言う通りだ。対馬でリハーサルをして大都市圏で本番だと見ている」


「ええ、ドルツ兵将校の尋問には時間がかかります。ハイエルフさんも万能ではありません。

 この間にもどこかの港で潜めてタイミングを計っているのかもしれません」


「だが、攻める側はいつでもどこでも、相手の思いのままだ。水際防衛とは言っても海上自衛隊も万能ではない。全ての港湾施設を監視する事は無理だ」

「そうですね。どこを攻め処と考えているのかは不明です」


「その点において我々は無力だ」


「たとえば、P-1、P-3Cを全て上げて各湾を監視しては如何ですか」


「先の上陸の様子からみて、潜水は深く潜れない筈だが・・・輸送船や貨物船の船底に張り付かれたら、見つける事は困難だと思う。しかし、それでもやる必要はあるな」


「了解。各海上自衛隊航空群に警戒警報を発令します」


「頼む」



 一方ドルツ国上陸隊本隊は本国から北に進路を取り、途中で西に転進している。

 今は、能登半島の南50Km地点を航行している。目的地は何処なのか・・・


「シュケム司令。予定通りの航路に入りました」

「ウレタ副官。どのくらいで到着予定であるか」


「はっ。この12ノットで9時間程度です」

「そうか、兵士達を死戦場に送り込むのは気が引けるが、ダークエルフ様には逆らえない」

「はい、司令お気持ちだけで・・・私も上陸隊で指揮します」


「そうだったな。しかし補給も無しで死地だぞ」

「覚悟しています」

「そうか。ではこれ以上言うまい。戦術も戦略もない決死隊だからな」


「司令もお戻りの際、気を付けて、予定通り補給品をお願いします」


「先に戻ったTU-0001が最初の補給を実施するはずだ。うまく行けばだが・・・」

「日本には上空から潜水艦を発見する技術があるそうです。それに掛からなければ良いのですが」


「日本もこちらの意図を読んでいる者がいるかも知れないな。そうしたら海中だろうが海上だろうか補給は絶望的だ」

「ええ、指揮官も優秀だと聞いています。だからこんな奇策しか打つ手がないとは情けないです」


「そうだな。兵士達を使い捨てにするダークエルフ様にも嫌悪感が芽生える」


「お戻りなったら、その様な事はダメです。考えを読まれて呪われてしまいます」


「解っておる。ここには上陸隊と輸送隊しかおらないから本音を言っているのだ」


「なら良いですが・・・お気をつけて」


「いやお前達が・・死ぬなよ」


「はいお心遣いありがとうございます」



 ドルツ国上陸隊が活動開始まで、10時間を切った。



 

 対馬上陸隊のシュルツ中尉とゲンガー少佐は対馬空港に派遣されたV-22に荷物の様に搭乗させられ、横になっている。

「急を要する」と防衛省からの要請により、特別に福岡空港にC-2輸送機が着陸して二人を待っている。

 ハイエルフは東京から厚木に来ている。

 米軍の好意で、厚木飛行場を尋問に使わせてくれたのである。

 米軍も状況把握が目的である事は見え見えである。


 あれから3時間・・軽傷の捕虜8名を乗せたC-2は厚木に向かって飛び立った。

 将官2名も含まれている。


 立川統合幕僚長も指揮指令所を副官に任せて厚木に来ている。

 多分だが、自分の読みが正しいのか検証を兼ねて来ているのだった。

 

「ヒナタさん、ミーナさん。日本は人使いが荒くてすいません」


「ナナが佐世保にいるのに何故呼ばれたのですか」


「すいません。ナナさんはドルツ国駆逐艦隊の対処の為にお願いしていたのですが、その後ドルツ国本国艦隊が来襲してきまして、その通訳の為にお忙しく、今回はお二人にお願いしました」


「そうですか。本心の様ですね。解りました。協力します」


「実は機密事項も含まれるので他言無用でお願いしたいのですが・・・」


「ふんふん。ドルツ国が本格的に上陸を狙っているか、ですか。それは大変です」


「最優先で士官からお願いできますか」


「解りました。協力いたします」


「有難うございます。もし上陸が予定されているなら、「どこ」「いつ」の2つが大きな問題です」


「ええ、立川統合幕僚長の考え通り上陸されたら、国民に大きな犠牲が出ますね。大変な問題です」


「ご理解頂けましたか。ありがたい」


「ええ、おっしゃる通り将官を最優先で尋問します」


「是非お願いします。時間が・・・」


 福岡空港から最優先で出発していたC-2輸送機は順調に厚木に向かっている。

 羽田とか入間ではなく、福岡から直線で近い厚木が最短で尋問できる場所である。


「ヒナタさん、ミーナさん。輸送機は後30分で到着します」


「解りました。滑走路で待ちます。その方が早く結果が判るでしょ」

「宜しいのですか。助かります」



 

 ・・・

 やがてC-2輸送機は厚木に着陸した。

 滑走路からエプロンに回って来てカーゴドアを開く。

 

 ハイエルフ2人は早速乗りこむ。

 ヒナタはゲンガー少佐の前に、ミーナさんはシュルツ中尉の前に立った。

 二人は猿ぐつわに目隠しをされて、後ろ手に手錠をかけられていた。


「はい、判りました」

「こちらは、概要だけです」


 ハイエルフ二人は機から降りて、立川統合幕僚長に向き合っている。

「シュルツ中尉と言いますが、概要だけなので、ヒナタとすり合わせを行いながら説明します」

「ぜひお願いします」


 ヒナタが話始める。

「彼はゲンガー少佐と言います。

 日本上陸先遣隊の司令官です。日本上陸隊は本隊と呼びますね。

 本隊がある程度日本に近づく為の時間稼ぎ、かれら先遣隊が日本人の注目を浴びて対馬一点に目を向けさせた。

 そして本隊は、・・・5隻の潜水艦で富山湾を目指しています」


「とっ富山ですか」立川統合幕僚長は上ずった。


「ええ、私たちは行ったことありませんが、富山に上陸を予定していると言う事です」


「えーと、ヒナタが詳しく説明したので、シュルツ中尉の頭から補足をします。

 分遣隊の目的はヒナタの説明通りです。


 先に分遣隊を上陸させた潜水艦TU-0001は南西諸島東400Kmの海上にて補給品を受け取り、本隊上陸後に補給物資を届ける予定です。

 また、本隊を上陸させた潜水艦TU-0002からTU-0006の5隻も同様に南西諸島東沖で補給品を受け取り再度富山に届ける予定だそうです」


「解りました。「どこ」は理解しました。そして「いつ」ですか・・・・」


「それが・・・言いにくいのですが、今が午後2時ですので、本日午後8時上陸予定です」


「本日ですか・・解って良かった」


 立川統合幕僚長は極秘通信機能が入ったスマホを取り出し指揮指令所に連絡する。

「えっ本日ですか」

「そうだ。ハイエルフさんが最新情報を齎せてくれたのだ。すぐに対処して欲しい」

「ええ、しかし富山とは・・・施設隊と後方支援隊の駐屯地です」

「なら直ぐに隊を派遣できる所と連絡を取ってほしい。必要なら戦車か16式も出してほしい。

 国民の生命にかかわる問題だ。警察と消防局、それに富山県庁にも同時に緊急連絡をしてほしい」


 以上の話はドルツ人達に解らない様に日本語で説明をしている。


 だが、ゲンガー少佐は何か騒がしい事、日本にハイエルフが協力しているとの情報により、我々の上陸作戦が悟られたと思っている。

 話したいが猿ぐつわで何も話せない。


 将校を一緒の機で搬送する事自体緊急だから許可されたのだが、今後は厚木から陸上総隊のある朝霞駐屯地に送られ、尋問の続きをする予定となっている。


 防衛省地下3階、指揮指令所は大騒ぎとなった。


 最初に富山駐屯地は施設団の基地である為。一般隊員程度の防衛力しか期待できない。

 そこで、新潟県上越市にある高田駐屯地から第2普通科連隊に緊急出動要請が、つづいて、金沢駐屯地から第14普通科連隊にも出動要請が、小松基地からはE767と護衛機が上がる。

 遅れて松本駐屯地の第13普通科連隊、東富士にある富士教導団からは2020年に配属された16式戦闘車8両を高速道路を使用して派遣させていた。・・・・ただし到着は5時間後であった。

 間に合うのか・・・・


間に合うと良いのですが・・・・微妙です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 決死どころか『必死』の敵中(日本)上陸部隊・・・・ 戦略的にはインパクト大も、虎の子?の揚陸潜水艦?を敵勢力の只中に向かわせるのは(><) 囮となった艦隊も壊滅に等しい…
[一言] 陸上戦力の展開は時間的に微妙でも 富山近海にASW戦力をを展開するのは、楽勝なんじゃないですか
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