表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
151/251

第146話 自衛隊人質救出作戦

第146話を投稿します。

お盆の中遅くなりすいません。母親の初盆で親戚が来ていまして大騒ぎです(神奈川県内だけです)

コロナ禍の中、心配もしていましたが、常に消毒でなんとかなりました。(まだわかりませんが・・)

話は人質救出作戦決行です。

対馬警備隊、普通科中隊本部は膠着状態になり、早くも4時間が経過している。


「山口中隊長、人質大丈夫ですかね。もう4時間経過しています」

「解っているが、相手の国も言葉も解らんのだ。差し入れするにしても無謀だろう」

「とりあえず白旗でも振りながら接近しては如何です」

「ドーザ大陸でも白旗の意味を知っている者はいなかったと聞くが、通用するのか」

「危険は承知ですが、やって見ないと判断できません」

「では一旦上申してみるか」

「お願いします」


 ・

 対馬警備隊本部

「山田警備隊長、山口中隊長より飲食の差し入れ許可願いが来ております」

「危険だな。がしかし人質もいる事から差し入れを許可したい。上申してくれ」

「了解。相当上まで行くと思います」

「それで良い。師団長直属部隊とは言え、異国が上陸して人質がいるのだ。それに国民も注目している。許可が出ない事には大きく動けん」

「はい、出しました」


 飲食差し入れ許可は対馬警備本部から第4師団長に連絡され、西部方面隊本部を経由して防衛省地下3階の指揮指令所に届いていた。

「立川統合幕僚長、対馬より人質に対する差し入れの許可取りが来ています」

「なに、許可取りですか。第4師団長が直接指示をしないで聞いてくる意味が解りませんが、日本国民が注目しているからか・・・よし「判断は任せるが人質人命第一で」と返信」

「了解。送信しました」


 ・

 対馬警備隊本部を経由して現地対馬普通科中隊に返信が持たされた。

「なに、現地判断に任せる。か。ついでに防衛省から「判断は任せるが人質人命第一で」と、第4師団長からは「人命を守り適切タイミングかつ適切な人員で遂行して欲しい」と伝言付きで来たか」

「中隊長如何します」

「うむ。差し入れを準備。人数は40と多めで良い。それを「疾風」(高機動車)で運ぶ。白旗を忘れるな」

「了解」


 それからしばらくして、「差し入れ作戦」は実行に移された。

 おにぎりと飲み物(お茶)が40名分入れられた、上が切り放たれたダンボールを白旗を振りながらに届けられた。

 ・

 ドルツ上陸隊

「報告。敵兵が白旗を振りながら近づきつつあります。対処しますか」

「シュルツどういう意味だ」


「ゲンガー少佐、一時休戦の意味ではないかと思います」


「よし、敵が武器を持っていれば排除。なければ静観」


「了解。戻ります」


「ゲンガー少佐。差し入れか何かでしょ」

「そうかもな。そろそろ人質が弱っている頃だと思うが」


「まず人質に食べさせ飲ませてから、我々が食べましょう。品物はランダムに選んで与えます」


「そうしてくれ。日本人だけが大丈夫な食べ物とか飲み物とかないよな」


「さぁダークエルフ様も普通の人間だと言っておりました」

「なら大丈夫だな。報告してくれ」

「了解。私も現地で指揮します」


 ・


「シュルツ中尉。あれです」


「了解した。3人を前に出して、1人が「こい」と合図を送れ、のこり2名は人質の頭に銃を向けて迎えろ」

 兵士の3人が小銃を構えながら前に出る。そして合図を送る。



「こちら疾風。合図でました。2名で搬入します」


「中隊本部了解」


 疾風がバックでゆっくり近づく。隊員が2名降りて、手を上げなにも持ってい事をアピール。そして荷台からダンボールを工場の門前において走り去る。

 ドルツ兵が1人荷物を確認する。飲み物は判るのだが食べ物は銀色の紙?に包まれた物である。

 ドルツ兵は、人質の2人に飲み物と銀紙を渡した。兵士2人は警戒している。

「佐々木、自衛隊から差し入れだ。ありがたい」

「お茶とおにぎりですか」

 人質の二人は自然な動作でペットボトルのキャップを回し、銀のホイルをはがし「おにぎり」を食べている。


 ・

「シュルツ中尉。人質が食べて飲んでいます」

「何だこれは・・これが飲み物である事は判るが、透明なビニールか・・少し硬いな。金属ではあるまい。

 それにこれは・・食べ物か。銀の紙で包む事に意味があるのか」


「中尉。人質はこの銀の紙・・金属の様ですね。を剥いて食べていました」

「こうか」


「ええ、中の変な物が食べ物らしいです」

「それにこれはどうやって」

「人質はこう持って、上を回していました」


「こうか・・・飲んだ後も栓を出来るな」

「ええ、初めて見ましたが機能的です」


「少し味見してみるか。・・・塩と変な穀物だが旨いな。それにこの飲み物、緑茶ではないか」


「ええドルツでも貴族層に回っていると聞きます。こんな味なのですね」

「そうだな。私も1回しか飲んだ事無い。これが普通に差し入れされるとは。報告してくる」


 ・

「ゲンガー少佐。予想通り差し入れでした。それに白旗は休戦のしるしの様です。兵士は兵器を持たずにおいたらすぐに逃げてしまいました。

 これを、これが飲み物でこれが食べ物です」

「なんだこれは・・」

「外で食べてみましたが、素朴で旨いです。それに「お茶」です」

「ふむ。貴族層だけにしか回っておらない高価な飲み物だぞ」


「食べて飲んでみてください。人質もためらいなく食べて飲んでいました」


「これはどうやって・・・」


「こう回して栓を取ります。銀色は食べ物を保護するのか、剥いて食べます」

「なかなかうまいな。それ幾つあった」

「人質分を入れて40名分です」

「敵は人数確認できていない様だな。まだしばらく膠着状態にできるな」

「ええ、大丈夫と思います」


 ・

 中隊本部

「差し入れは成功。人質が食べています」

「そうか、警備本部に報告。それにすんなりいったか」


「はい戦闘を警戒していましたが、敵兵3名で確認に来ました」

「そうか・・次もその次も必要だな。また用意して貰おう。そして・・」

「そうですね。そろそろ反撃の時間ですね」

「だが、人質が・・・そっか。ダンボールに日本語で書いてあれば人質も見られる。しかも相手は読めない」

「それで意思確認できますね」


「小柴狙撃班長から中隊長。事務所にいた2名に内1名が現地指揮をとりました。将校だと思われます」

「了解した。小柴班長、顔は認識したか」

「はい大丈夫です」

「ありがとう、作戦の選択肢が増えた。現地指揮をしたと言う事は上に隊長がいて、その参謀かなにかだろ。

 どちらにしろ現地指揮を執ると言う事はある程度の役職だな。狙撃には最適だ」

「私もそう思います。それに小隊2つで小隊長らしきものが2名現地指揮しています」

「了解した。良い情報をありがとう」


「次も出てくるでしょうか」

「いや出てこなくても大丈夫だ。小隊長を排除すると混乱するだろ」

「ですが、人質がいる所で乱射されたら厄介です」

「閃光手りゅう弾と煙幕弾を使えばやれるな」

「そうですね。タイミングが勝負ですが、やれると思います」

「ではじっくり作戦を練ろう」


 作戦はこうだ。

 対馬空港から2機のコブラを呼び、工場正面前からタイミングを合わせてTOWにより軽戦車2両を撃破。

 TOW着弾と同時に迫撃砲小隊が81mm迫撃砲(通称:ハンマー)により軽戦車後方兵士を範囲攻撃。

 同時に狙撃班が小隊長2名を射殺。


 そして工場正門左右に事前に控えている第1小隊と第2小隊が閃光手りゅう弾と煙幕手りゅう弾により軽戦車前にて爆発させて敵を一時膠着させて人質を救助。

 その後、第3小隊と第4小隊が敵隊長を拘束。


 それまでの2回の差し入れに使ったダンボールには手順が書いてある。

 人質の2名はそれを確認した。

 


 いよいよ作戦実行の時間である。


 対馬空港で待機していたコブラ(AH-1S)が大きく海上を旋回して干物工場正門前1Kmに近づく。

「我指定位置」とコブラからの連絡が入る。

「対処開始」山口中隊長の合図で作戦は開始された。


 コブラ2機がTOWを放ち。有線誘導により軽戦車を撃破する。

 同時に81mm迫撃砲4門による兵士に向けての迫撃りゅう弾が放たれる。

 軽戦車に続き兵士達もなすすべなく爆風に巻き込まれる。


 正門左右に控えていた2個小隊が閃光手りゅう弾と煙幕手りゅう弾を投げる。

 大きな爆発音と閃光に続き、煙幕が人質達を隠す。

 2個小隊はダッシュして人質を担ぎ上げると直ぐに正門に隠れる。


 その間にも、迫撃砲の範囲効力射はつづく。

 山口中隊長が発する「第2段階移行」に合図により迫撃砲連射は止んで、2個小隊が工場事務所に向かって走り出す。



 説明を忘れていたが、対馬警備隊に所属する普通科中隊「対馬警-普」は特殊部隊にも匹敵する精鋭部隊である。特殊な訓練を経て部隊に配属される。


 対馬は奈良時代から新羅や中国、モンゴルにロシア海軍など、何度も上陸占領された過去があり、地勢的にも大陸からの日本攻略対し要になる地である。

 その為に過去の経験を活かし、対馬警備隊が作られた。


 以前は別府市に連隊本部を置く第41普通科連隊から派遣されていたが、1980年代に第41普通科連隊の1個中隊を永続任務として対馬警備隊が作られた。

 なお、対馬警備隊は独立組織として対馬防衛の為に作られた組織であり、第4師団長直轄部隊となっている。しかもゲリラ対処もできる特殊部隊の様に訓練された部隊である。


 救出された人質はTOW爆発のショックで気絶している。

 疾風で警備隊本部に運ばれる。事情聴取と怪我していた場合の治療が主である。


 第2段階で突撃した2個小隊は建物に沿って低い姿勢から事務所に近づく、ハンドサインを合図に割れた窓から閃光手りゅう弾を投げ入れる。3秒待ってから事務所になだれ込み、目を押さえて苦しんでいる将校2名を捕らえる。


 外では1個小隊がドルツ国兵士と思われる兵士達を武装解除を行っている。

 生き残りは兵士12名と事務所にいた将校2名である。

 人数確認すると32名で情報通りであった。


 2号軽戦車は、予想通り1発のTOWで無効化されてしまい。しかも機銃戦車の為に誘爆も小規模で収まっていた。


「やれやれ、これで何度目かの対馬奪還作戦だな。成功して良かった。人質の2名の容態はどうか」


「第1小隊から連絡入っています。「人質2名はかすり傷程度、大きな怪我は見られない」だそうです」


「よかった。本当の意味での成功だな」

「そうですね。こんなにもうまく行くとは。思いませんでした」


「本部に連絡して欲しい。そちらに人質が向かっていると」

「了解。人質2名の扱いはどうなるのでしょ」


「本部隊長の判断になるだろう。私なら本土の病院に入れてしばらくは検査漬けの日々を過ごしてもらう」

「そうですね。避難指示を破ったのですからそれくらいは・・」

「そうかも知れないな。だが本部隊長が判断する事だ」


 それから人質2名は対馬駐屯地で手当てを受けてから、九州から飛んできたV-22(オスプレイ)によって福岡自衛隊病院の個室に厳重監視下で入院して、毎日検査が行われていた。

 本部隊長も中隊長と同様な判断をしていた。


ありがとうございました。

誤字脱字有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 おにぎり差し入れ・・・・ 梅干し爆弾wは無いようですね(^^;; ドルツ兵に被害も、日本人人質二人は無事救出で何より^^ 捕らえた捕虜から新たな情報は抽出できるのか?…
[気になる点] 民間人は人質であって、捕虜とは言わないですね。少なくとも現代では。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ