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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
149/251

第144話 戦闘開始

第144話投稿します。

ドルツ国艦隊が日本を目指して北上しています。

「立川統合幕僚長、あと1時間でEEZ海域まで50海里に近づきます」つまり日本本土に対し250海里の地点。


「よし、敵の陣形は変わらずか」


「はい中央スクリーンに出します。

 先頭が大陸南からの艦隊、中央が北からの艦隊、例のV-2母艦も艦隊中央に、そして最後が西からの艦隊です。今空母から偵察機と思われる機体が飛び立ちました。哨戒と偵察を兼ねていると思われます」


「スクランブルは」


「はい、現在那覇、築城、新田原から向かっています」


「偵察機を日本領海に入れるなと厳命」


「了解。対処は追い返しと攻撃してきた場合は対応措置と言う事で宜しいですね」


「それで頼む」「了解」


 ドルツ3艦隊から偵察機と思われるフィゼラーFi167に似た機体が飛び上がる。複葉機である。


「スコードロン那覇、ワイルドキャット1敵に遭遇中。威嚇射撃の許可を求めています」

「ダメだ、相手が撃つ迄待て」

「ワイルドキャット1速度差があり過ぎて旋回してからの会敵となります」

「了解した。敵の速度はどの程度だ」

「E767ドレンリーダーから報告。敵速度約270Kmとの事」


「遅いな」


「更に報告。敵偵察機は複葉機。繰り返します。敵は複葉機」

「複葉機ですか・・・でしたらフィゼラーFi167タイプに間違いありません。たしか7.92mm機銃が2門で前が固定、後方は旋回式で操作している兵士がいる筈です」


「そうか後方追尾は危険だな」


「連絡済み」


「よし」


「F-15DJのミニマム速度でも追い越します」


「そうか、一瞬抜き出て急上昇して相手の反応をみて欲しい」


「ドルツ偵察機機銃発射確認。対処に入ります」


「録画しているか」「遭遇前からしています」


「了解。対処を許可する」


「各スクランブル機に対処指示でました」


「了解。ところで偵察機は全部で24機で間違いないな」


「E767ドレンリーダーから報告。半径500Km内に24機確認。内日本海域に近づきある機は16機」


「了解。ドレンリーダーに対処指示を出させて欲しい。古典的偵察方法だな」


「了解。16機に対して対処を割り振りました」


「スコードローン沖縄から報告。敵偵察機1機撃墜。続いて指示空域に向かうと連絡」


「了解した。引き続きよろしく頼む。V-2の射程圏内はどの位だ」


「現在、艦隊中央は日本に対し230海里。速度22ノットに上げました。約1時間で射程圏内に入ります」

「現在の速度と方向でどこが狙われる。中央スクリーンに出して欲しい」

「はい、福岡、佐賀、山口が近くなります」中央スクリーンにドルツ艦隊からの300Kmの赤い円が福岡、佐賀、山口県に近づきつつある。

「そうか、各県に避難要請。F-2を対艦装備で待機」

「現在のドルツ国艦隊の陣容を解る限りで説明して欲しい」


「了解です。E767データとも整合性を取り、衛星画像とE767画像データと合成して確認しています。

 結果、空母6、戦艦7、重巡15、駆逐艦35、補給艦17、そしてV-2母艦が1の戦闘艦計64隻、補給艦17隻の計81隻となります」


「F-2スクランブルで対応できる隻数は如何に」


「現在、築城と百里から8機を用意、計32発を撃てます」

「交代は飛べるのか」

「用意させてます。同数が予備待機中」


「優先順位、V-2母艦、空母、戦艦、重巡、そして駆逐艦だ」


「了解。1次攻撃隊8機の直ぐ後に第2次攻撃隊8機を発進させます。第3次第4次を考慮済み」


「了解した。E767に目標割り振り指示」

「最終的には防衛ラインの第2、第5、第8、第13護衛艦隊に水際防衛を託しております」


「大丈夫なのか。敵潜水艦もいるかもしれんのだぞ」


「はい、呉から第5潜水隊が付近海域に潜んでいます」


「そうか、本当に水際だな。頼むぞ」


 こうしてドルツ艦隊と日本の戦いは偵察機の撃墜から始まった。



 やがて時刻はドルツ艦隊がEEZを超えて日本に近づく位置に来ていた。

「各基地よりF-2A上がります」

「最初が肝心だ。戦艦や空母はダメージコントロールがどの程度か知りたい」

「旧ドイツ初期の艦艇と比較すると戦艦と言うより「装甲艦」と言うのが正しいのかもしれません。

 例のアドミラル級(ポケット戦艦)です。それでも長さは200m弱に28センチ6門を積んでいますから、36Kmは届くと言われています。ダメージコントロールは区画が大きくコントロールできないだろうと言われています」

「そうか、沈められるな」

「可能だと思います。ただし1発では無理かと」

「そうすると半分になるのか・・第5第6次も考えないとな」


「ええ、ですが護衛艦隊群に任せてはどうでしょう。F-2もいいのですが、撃ち尽くしてから戻っての再装填に時間がかかります。

 それより、100Km超の最大射程でハープーンや90式艦対艦誘導弾での対処の方が現実的だと具申します」


「了解した。空と海、それに海底からの3次元攻撃に期待しよう」


「了解です。その様に手配します」

「うむ。頼む」


 防衛省地下3階、指揮指令所の巨大な中央スクリーンに護衛艦隊と潜水艦隊の位置が表示され、ドルツ国艦隊も徐々に日本に近づきつつある。


 日本の護衛艦隊は五島列島を背に巨大な鶴翼の陣を形成して、その中心はDDH-182「いせ」が指揮を執り、各節に当たる位置にはDDGクラスが指揮を補足している。

 更に上空ではE767が戦闘海域を旋回しながら敵位置情報を的確に流しており、それを受けて「いせ」の指揮コントロール下で護衛艦隊群を形成している。勿論ドルツ国使用周波数の無線妨害を忘れていない。

 なお、潜水艦隊は位置を知らせてはいるが、作戦は別とし、防衛省指揮指令所から横須賀にある潜水艦隊司令部とリンクを張り、リアルタイムで各潜水艦の位置を知らせてきている。

 今回の作戦に参加しているのは呉所属の第1潜水隊群から、第5潜水隊の4隻、SS-501「そうりゅう」、SS-502「うんりゅう」、SS-503「はくりゅう」、SS-508「せきりゅう」が先陣で、その後方に第1潜水隊のSS-507「じんりゅう」、SS-510「しょうりゅう」、SS-593「まきしお」、SS-594「いそしお」の合計8艦が対応している。そうりゅう型はその最大深度500mとも800mとも言われている程の深度で待ち構えている。

 まさかドルツ国艦艇も海下500mに潜る潜水艦など想像すら困難であろう。


「報告です。F-2、8機が会敵、32基の93式空対艦誘導(B)により、空母4沈没、大破2、戦艦5沈没、大破2、重巡沈没2、そしてV-2母艦沈没の結果です。まもなく第2次攻撃隊が接近します」


「よくやった。V-2母艦を沈めた事で日本に対する重大な危機は回避できた。なにしろ1トン爆弾など都市部に落ちたら想像できない程の被害が発生する。回避出来て良かった」


「何よりです」

「報告、ドルツ艦隊回避行動を開始しました。大破航空母艦から戦闘機らしき速度の機体3上りました」

「直上警戒か。何を守る。もし本土に向かう様なら落としてほしい」

「了解です」


「観測班から報告。機体3は対馬に向け進行中」

「対馬?攻撃か」

「E767警備F-15の2機に対処指示が出ています」


「なぜ対馬なのだ。その意味が解らん」

「そうですね、艦隊の予定進路からずいぶん離れています」


「ドルツ艦隊の予想進路をシミュレートして欲しい」


「了解。中央スクリーンに出します。福岡県22%、佐賀県46%、山口県17%、そして沖縄県10%、長崎県5%です」

「なるほど・・・・これは、陽動か。艦隊の3/4を使った陽動作戦なのか」


「立川統合幕僚長。何を思いついたのですか」


「ヒトラーより怖い存在のダークエルフが戦争を指示している筈だが、日本を攻撃だけで許すのだろうかと思っていた。

 ならダークエルフ・・いや神の指示は戦争を起こす事。そしてドルツと日本を戦わせる事。

 だが・・・戦力差が大きいとすると、戦力差が少なくなる方法は何か・・上陸ではないかと思っておった。

 もし読みが当たっているとすれば、何かしらの方法で対馬に上陸するのではないかと思っておる」


「対馬駐屯地および対馬防備隊(海)に連絡。対馬、栗島レーダーサイトにも連絡。呉と舞鶴から対馬に向けて護衛艦隊を出港させています」

「対空監視を厳重にして欲しい。何かが上陸するはずだ」

「立川統合幕僚長の仰っている事がようやくわかりました。つまり上陸してからの対人戦なら兵器性能も大差ないと判断したと言う事ですね」

「そうだ、ランチェスターの第2法則同士の戦い、更に対人戦となるならば、兵器性能は大差ないだろうと見ていると思う。

 そしてそれは当たっている。ドルツ国艦隊の対処を急がせろ。そして対馬に急行させて欲しい」


「潜水艦隊は戦闘海域を離脱、対馬に向かっています」


「現在までの所、対馬に向かう海上艦は確認できていません」


「いや、何かあるはずだ。対馬付近の警戒を厳となせ」


「韓国や中国ではなく、ドルツ国が上陸を企てていると」


「そうだ、ドルツ国艦隊では最初から敵わない事を予測していたのではないか。そこでV-2母艦を投入して我々の目をそちらに引き付けて置いて、着々と上陸作戦を実施しているとみる。そうでなければ例の3機が対馬に向かった意味が解らん」


「ただの方向が狂ったとは考えられないですか」


「それなら良いのだか、なぜかドルツ艦隊を駆逐しているのに胸騒ぎが治まらん」


「現在対馬島民は市内公民館への避難を完了。警察が島内を巡回しています」

「了解した。最悪福岡から対馬に向けて陸自の移動も考えなければならない」

 ドルツ空母から必死に上がっていた戦闘機3機は対馬にたどり着く前にF-15に落とされていた。

 


 ・・・そして最悪の報告が入ってきた。


「こちら対馬駐屯地・・沖ノ島を含む網浦(小網地区)に不明潜水艦漂着。ドルツ兵らしき者達が一部島民を捕虜にしています。・・・・現在交戦中」


「沖ノ島には島民はいない筈です。沖ノ島を含む4つの島と本島の入り江が小網地区です。網浦は入り江になっており小さな漁港があります。小網住人は対馬市内に避難している筈ですが・・・どこの住人でしょう」


「どちらにしても上陸を許してしまった。早急に対応をするぞ移動できる陸自はV-22で移動させて欲しい」


「了解。緊急事態なので対馬空港を使用します。それからOP-3Cで偵察を開始します」

「了解した、早急に報告が欲しい」

「了解」


 防衛省に緊張が走る。

とうとう上陸を許してしまいました。

対馬に詳しい方、間違っていたら指摘をお願いします。地図と睨めっこして戦略的に決めましたので

間違っていたらお願いします。

誤字脱字報告本当にありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 一方的な殲滅戦化と思いきや、やはり一筋縄ではいかない相手だったか(><) 住民避難で無人の筈の島にいる『住民』 危機を何とも思わないお気楽極楽馬鹿ヤング? それとも員数…
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