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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
143/251

第138話 不法入国

第138話を投稿します。

村上市岩ケ崎での激しい戦闘が起きています。

陸自は大丈夫なのでしょうか。

 新潟県村上市の海岸に「不審船」が打ち上げられ、統幕本部は騒然としていた。

 もちろん、その前の「不審船」遭遇と宮古島海峡を潜水通過したUボートらしき潜水艦との連動制を考えるには十分な情報ばかりである。


「村上市周辺調査は、その後どうなった」

「はい、現在新発田から第30普通科連隊の第2普通科中隊と第3普通科中隊が現地到着。調査を開始しています。本部管理中隊は遅れて現在現地到着。本部を岩ケ崎生活改善センターに開設後現地調査を指揮します」


「了解した。警察と同行して各家庭に異常がないか調査を実施して欲しい。日本人が捕虜になっている可能性、森林に潜んでいる可能性、移動している可能性。全て潰してくれ」

「了解、民家訪問を先に実施、同時にU-125Aが先行して、付近一帯の赤外線調査、これはじきにOP-3Cも加わります。給油基地は佐渡で宜しいですか」

「空幕長如何に」

「了解、手配します」

「それで頼む」


「立川統合幕僚長、山形からのUH-60Jですが、ヘリコ燃料(ケロシン系)は新潟分屯基地からタンクで輸送中。第30普通科連隊本部と連動して捜索を実施します」


「了解した」


 現地村上市岩ヶ崎では、離れている家や空き家も含めて捜索が始まっていた。

 特に家族を人質に取られて、対応する事も考慮して対応していた。


 普段は静かな岩ヶ崎では高機動車や軽装甲機動車、73式の各トラックが町を走り回り、大騒ぎとなっていた。


「こちら第30普通科連隊本部。各員へ通達。漁師小屋や建物全てをあたり調査する事。調査済み家屋は本部に報告。調査重複を今は避ける。後に再調査も実施予定。各家庭の対応も報告を要する。なお、現地警察の協力は取れている。職場や学校に来ない等は厳重に調査要請。ただし家族が人質の可能性も考慮。以上だ」


 各中隊は小隊編成で各家庭を訪問確認している。

 上空ではU-125AとOP-3Cが森林を中心に赤外線探査を実施している。


 

 少し離れた所にある多岐神社裏の森に潜んでいた、ドルツ国兵士6名は、上空を凄い速度で飛び回る飛行機を見上げていた。


「あれはなんだ」ドルツ語である。ドイツ語とは全く違う言語であった。

「航空機と認識するが、本国の物より早い気がする」U-125Aはジェット機である。

「写真機が壊れなければ写せるのに、残念だ。プロペラが無い機体など買った初めてだ」

「それより、民家を探して日本国についての資料を探そう。それに我々は日本を知らない。

 ダークエルフ様の命令とは言え、言語すら知らずに潜入は無謀ではないのか」


「いまさら言って仕方あるまい。命令された事を実行するのみ」


「了解した。俺以外に怪我とかないな。銃の手入れだけは怠るな。特に海を渡って来たんだ、塩でいざと言う時使えないと言うのは兵士として失格だ」


「しかしさっきの建物に人がいなかったな。残念だ」

「そうだな、建物があると安心したが・・これは不味いかもしれない」

「質問だが・・さっきの建物赤かったぞ、日本の建物は赤いのが普通なのか」

「誰も答えられない質問をするな」

「どちらにしろ民家を見つけなくては、目的が果たせない」


「合流地点はここ沖300mで良いな」

「ああ、2日後に潜水艦が迎えに来る。それまでの辛抱だ」

「食料と弾薬は全て持ってきた」

「了解した」


 この時、上陸の際に調査班長は怪我をして隊員に担がれて神社裏の森まで来ていた。

「この地点に俺を置いていけ、待っている。怪我した者がいると作戦に支障をきたす。弾薬と食料を守っているさ」

「では5名で調査を続行します。後ほど戻ってきます。班長お気を付けて」

「お前達も無理をするな。小型船を着けた位置を偽装したから当分はここの位置も見つからないと思うが、用心して任務達成を最優先にして欲しい。そして死ぬな」

 こうしてドルツ国調査兵士5名は北に(元の世界では東)向かって歩き出す。

 森を抜けると人目に付くので夜を待っていた。


「なんだあれは」

「道路が綺麗に整備されている」

「なんてこった。本国でも最近アスファルト工事が始まったばかりなのに・・ここは我が国より進んでいると言う事か」

 ドルツ国兵士が見た物は、日本海パークライン、国道345号である。

 村上市からあつみ温泉に向かう国道であり、途中から国道7号と合流している。特に国道345号は綺麗に整備されていた。




 防衛省地下指揮指令所に緊急警報が鳴り響く。

「U-125Aより報告。新潟県村上市多岐神社付近森に熱源6確認。至急現地確認を要請」

「陸幕長」

「はい直ちに向かわせます。接近遭遇での戦闘になった場合は如何致します」

「できれば指揮官クラスを捕らえたい。武器使用は対処相手の反応により許可」

「最良は捕獲ですね。了解です」


 オペレーターを通して、情報が第30普通科連隊本部に伝えられる。


「各員情報。熱源が多岐神社付近森に6つ確認。第2普通科中隊は日本海パークラインから神社方面に調査隊列にて移動。第3普通科中隊は第2中隊支援及び西から神社後ろ森に向けて調査進行。なお火器の使用は防衛戦闘のみ使用可能とする。できれば捕らえよとの命令。以上。対処開始」


 各中隊は連隊本部命令により、調査しつつ進行をしていく。

 早速、日本海パークラインから神社方面に向かう途中で激しい戦闘になった。

「第2普通科中隊、パークラインから100m入った森にて交戦中。敵数5。送れ」

「本部了解。第3中隊を遊撃させる。第2中隊で敵勢力を留める様にし、第3中隊による横からの圧力で武装解除を実施。以上。送れ」

「第2中隊了解」「第3中隊了解」


 第2中隊は相手が逃走しない様に小銃のみによる応戦し、敵を横方向に移動させない様に半円での包囲を完了させていた。

「第3中隊、現着。これより遊撃に入る」

 第3中隊が到着し、応戦をした結果。5名に対し横方向からの圧力が生じた。


「班長代理、こっちは5名なのに相手は60名以上いる。また横からも同数と思われる敵兵。指示を頼む」

「仕方ない、班長の所まで撤退。そこで立て直す」

「了解。相手全員が自動小銃です。勝ち目は無いに等しい」

 ドルツ国潜入兵士には最新式の半自動小銃が渡されていた。

 ドルツ国では最新式のガス・ピストン方式による自動装填システムを持っており単発連射であるが10連装マガジンを持った、小銃である。

 

「森の中ではこの小銃の長さが邪魔になる」

「捕まるなとの命令だ。最悪爆死する」

「一人ずつ後退する。お前から行け」


 その頃、U-125Aが燃料補給の為に戻っていたが、入れ替わりにOP-3Cが戦闘地帯上空を旋回していた。

「OP-3Cから連絡、敵光点は1名ずつ後退を開始、神社すぐ後ろの森に光点1を発見、移動なし。各戦闘中光点は神社光点と合流を計ると見る。以上」


「第2中隊、敵をゆっくり追い立てろ」「第3中隊、横からの圧力を弱め、合流を促せ」


「第2中隊、潜水艦は拿捕を恐れ自爆し沈没。敵兵を急激に追い詰めるな、自爆の可能性あり」

「了解。距離を取り追いかけます。最新情報をお願いする」


「第3中隊海岸まで前進。狙撃班、狙撃位置確保」

「本部了解。捕獲が優先。第3中隊に無力化を依頼する」

「了解。見えたら無力化実施します」

「OP-3Cから連絡。予想通り合流、現在4名。2名移動中。神社裏に集まっています」



 ドルツ兵は「くそ、あいつら何で我々が見える。移動に連れて向こうも移動する」

「良く解らんが、上空から監視しているとか。まさかな」

「あいつら我々より進んでいます。向こうの銃は平均20発でマガジン入れ替え。こちらは10発。完全に不利です」

「それでも1つで良い、情報を持って帰らないと」

「お前先に行って、情報を本国へ、我々はここで応戦し、最後は自爆する。頼むぞ」

「班長・・・・」

「行け命令だ」「はい行きます」



「OP-3Cから報告、光点6揃いました。・・・・1つ光点が抜け海に向かっています」


「立川統合幕僚長、1名を逃して情報を持ち帰らせるようです。残りは5名、最悪自害も考えられます」

「では離脱した1名は第3中隊に任せ、第2中隊は100mの距離を保ち狙撃準備」

「了解。森の中なので自信は無いですが」


「・・・」

「あいつら攻撃が弱くなった。何かを企んで・・・」

「班長、弾が・・残り各人10発です」

「そうか、狙って撃て。残弾が無くなったら敵兵をおびき寄せて自爆するぞ」

「了解です。ありがとうございました班長」

「お前らも良くやった。自慢の部下だ」 



「第2中隊より本部、敵抵抗が無くなった。弾切れと思います」

「本部了解。偽装かもしれない。迂闊に近づくな。送れ」

「第2中隊了解。様子を見ながら狙撃できる位置を探し、早急に対処します」

「本部了解。第2中隊任せる。自害または爆死も考えられるから迂闊に近づくなと厳命」

「第2中隊了解」


「第3中隊より本部、逃れた1名無害化完了。捕獲します」

「本部了解。駐屯地まで連れ帰りハイエルフに尋問させる。それまでは自害できない様に拘束を許可」

「第3中隊了解」

 第3中隊の狙撃2班は海岸を走る兵士の足を狙い狙撃。続いて狙撃1班が小銃の無害化と腕を撃ち無抵抗化する。そして即座に拘束し、小隊がトラックに乗せ移動していた。


 第2中隊は停止して、その間に狙撃班が狙撃位置確保に動いている。

 「最悪自爆」と聞かされて、手足を撃ち抜くつもりでいた。

 第2中隊の狙撃班2班はそれぞれの位置につき連絡を取り合った。

 そこに収容を終えた第3中隊狙撃班2班が海側から兵士達を狙える場所に移動して、目標の確認をしていた。


「こちら連隊本部、狙撃を開始せよ」


 いきなり、第2中隊からけん制の為のカールグスタフを敵兵士達の至近距離で撃ちこんだ。

 海側岩陰からと森の中から一斉に狙撃が開始された。


 第30普通科連隊に狙撃銃は支給されていない。

 89式5.56mm小銃の成績優秀者を集め、狙撃班を各中隊に2班作り、89式5.56mm小銃に自前の8Xスコープを装備して、約400mの距離なら外さない程の腕前である。

 射角を取れば600mも狙撃できる程の猛者達である。

しかも狙撃銃ではなく普通の89式5.56mm小銃であるからマガジン内20発までは連射が可能である。

 (注意:安全の為にチャンバー内に保留弾を入れない規則である。)


「こちら2中狙撃1班、報告。敵兵4名無力化成功。残り2名海岸に向け移動中。3中が受け持つ」

「本部了解」

「3中から本部。残り2名無力化。捕獲をする」

「自爆用手りゅう弾等を持っている可能性あり、慎重に行け」

「了解」


 ゆっくり第3中隊狙撃班は敵兵に近づく、もし手りゅう弾を出す素振りを見せたら腕を再度撃ち抜くつもりだ。

「こちら第2中隊。敵兵4名武装解除の上拘束。直ちに駐屯に連れ帰る」

「本部了解」


「第3中隊狙撃班、敵兵確保。第3中隊が連れ帰ります」

「本部了解。状況終了」


 作戦指令室で傍受していた立川統合幕僚長はほっとすると共に、

「陸自装備研究所に対し新潟に至急派遣要請」

「既に手配済みです。本日1800到着予定」

「そうか、先手を取るのは儂の特許だったのだがな。ははは」


「ええ、近くで見ていますから、次の手が見える様になりました」

「そうか、して相模原から車か」

「はい、もう2時間前に出発しています」

「そうか。凄いな」


「立川司令、山形からのUH-60Jですが、燃料補給後に駐屯地に戻ります」

「それで良い。新潟まで行くと帰りの燃料が心配だ」


「どうした陸幕長」


「以後同様ケース発生の恐れあり、空自新潟分屯基地に陸自総隊のヘリを常駐させます。

 もちろんコブラも予備を入れ3機置きます」

「それは心強い。頼む」「了解」


「さて、次は無い事を祈ろう」

「ですが、攻める側は何処でも送り込めます。守るのは至難です」

「そうだな、防衛の方が不利だな。ところでハイエルフのお嬢さんたちはまだ東京にいるのだろうか。ちょっと外務省に連絡を」

「了解、すぐに繋げます」


「こちら立川統合幕僚長。外務省ハイエルフ担当官をお願いしたい」

「もしもし、こちら外務省担当官、北原です」


「少し聞きたい。ハイエルフのお嬢さんたちはまだ東京にいますか」

「あっはい。族長はお帰りになられましたが、ヒナタさん以外の4人がまだ東京です」


「ではハイエルフのお嬢さん達を捕虜尋問で使いたい。言葉も解らないので」


「では、隣にいますので聞きますね。・・・・・・・大丈夫だそうです。ナナさんが行くそうです」


「明日新潟までお願いしたい。敵兵士は無力化して手足に弾を受けて駐屯地で個別に監視している。弾も抜けたようだ。連絡頂ければ迎えに上がります」


「ナナです。了解です。明日新幹線で新潟に向かいます。お昼ごろの到着ですが、宜しいですか」


「立川統合幕僚長です。前にお会いしましたね。来て頂けるだけで最上です。ドルツ国兵士が入国していまして、対処しましたが言語が解らず苦労しています。新幹線乗る前に連絡を入れて頂けますか。到着時間に間に合うように車で迎えに行かせます」


「よろしくお願いします」

「担当官に代わって頂けますか」


「はい、北原です。スピーカーホンにしていましたので内容理解しました。不法入国者ですね。

できれば、尋問後には東京に移送して頂けるとありがたいのですが、言葉が解らないなら、富士の捕虜収容所は如何ですか」

「手続きに問題が無ければ助かります」

「それはこちらに任せてください。収容施設が解っていれば後追いで処理できます」

「それで宜しく頼みます」

「はい、ではナナさんを送り出します」

「有難うございます。助かります」

「では」

 電話は切れた。「さて、準備は終わった。こちらがドルツ国の情報を全て得てやる」

ありがとうございます。

4千から5千に話を別けました。この位が良いでしょうか。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 ドルツ兵に潜入されも、一般市民に犠牲無く、隊員にも犠牲無く、全員確保は僥倖ですね^^ さてハイエルフの支援の下、どれだけ情報を得られるのか? ダークエルフの管制下の国で…
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