第135話 ダークエルフ
第135話を投稿します。
豊満な体の黒い衣装を着たダークエルフだそうです・・・・
あっ計算は適当なので間違っているなら答えを教えてください。( ;∀;)
第二次世界大戦の武器・兵器類は趣味です(キッパリ)
皇帝の頭痛は、外務省担当官から貰った薬で少しは楽になっていた。
「日本はこんなに効く薬が手に入るか。まさか足や腕を無くしても・・・そんな事はないな」
「いえ、皇帝日本にはギブスとか義手義足と言う技術はあります。魔法の様に無くなった腕が生えるとかは無理ですが、義手を使用すると考えただけで指が動いたりしますよ」
「本当か、凄い技術だな」
「それより、皇帝、昨日ダークエルフと会った状況を話して頂けますか」
「うむ、あれは禍々しい思念であった。儂が夜中に悪夢で起きた時、そこの窓にいたはずだ」
「そこのって、皇帝ここは地上35階です。140mも高い位置にあります」
「そう言われても、豊満な体の黒い衣装を着たダークエルフがいたものは、いたとしか言えん」
「それでどんな思念会話でした」
「それがあまり覚えていないのだが・・たしか、「お前の仕事は終わった、これからは我らの番だ。ご苦労」とか言われた気がする」
「終わった・・・我らの番・・ですか。解りました急いで連絡します」
外務省担当官はスマホを取り出して外務省に連絡をする。
外務省経由、防衛省経由、統幕を経由してドーザ大陸方面隊の宗谷特別行政区にある駐屯地に連絡が入る。
「はい了解しました。現在駐屯地より隊員がハイエルフの村に向かっています。はい、後10分程度で到着します。・・・はい・・はい・・・了解しました。伝えます。・・・・はい。失礼します」
「宗谷特区駐屯地。松本から下田送れ」
「はいこちら下田2等陸尉です。もうすぐハイエルフの村に着きます」
「では停車して、いまからダークエルフの情報を伝える。メモしてくれ」
「はい、停車しました。どうぞ」
「昨日、東京にて0230に皇帝の宿泊しているインペリアルホテルに現れた。
ダークエルフらしいものは地上35階約高さ140m地点の窓外にて思念を使う。
思念内容「お前の仕事は終わった、これからは我らの番だ。ご苦労」との事」
「復唱します。東京インペリアルホテル高さ140m窓外で思念。「お前の仕事は終わった、これからは我らの番だ。ご苦労」以上ですか」
「以上だ。内容を族長に伝えて欲しい」
「了解しました。状況判明後、村の無線機で送信します。以上」
「了解」
・・・
下田2等陸尉の運転する高機動車は森の獣道を抜けてハイエルフの村と思えるあたりに来ていた。
事前に連絡して、迎えが来ている筈でった。
「下田さん?」
綺麗なスタイルの整った美人であった。
「はい、下田です。ハイエルフさん?」
「では横乗るね」「はい」
ハイエルフが横に乗ってくる。「まっすぐ」「右」「ここを左」「止まって降りましょう」
そこは森の中であった。
「少し待ってね」ハイエルフは思念で何かを話している様子。
「族長の許可が出ました」
突然森の中であったはずが、村の入り口と変わっていた。
「毎回驚きます」「ふふ」
下田は歩いて村に入っていく。
ここが族長の家。私も同席する様に言われています。
「はい、あのーまりあさん?」「そうよ」「初めましてです。下田です」
「挨拶は族長にしてね」「あっはい」
『自衛隊の方、中に入ってください。』「失礼します」
『今日はどの様にご用件ですか。』「はい実はダークエルフの事で」
下田は座るとメモとペンを出して書く体制をとった。
『ダークエルフが現れたのですか?ダークエルフは同じ神の使徒と言われていますが、我々はあった事はありません。ハイエルフは人の世界を監視するのに対して、ダークエルフは魔界とか魔境とか呼ばれる世界を監視して一定の数を保つように指示されています。』
「えっそれだけですか・・それなら人間の世界に干渉はないと思いますが・・・」
『もしあれだとすれば・・・』「あれですか、何事でしょ」
『・・・・直ぐに東京に向かいます。手配してください。『ナナ』『リナ』『ミーナ』『レイナ』直ぐに来なさい。』
「族長お呼びですか」
『あなた達はヒナタの応援に行かせる予定でしたが、私は東京に行きます。護衛として付いてきなさい。』
「はい、心得ました」
下田は村の無線で経緯を説明し、東京行きのチケットを手配していた。
「はい航空便取れました。5名で羽田に1700到着予定です」
『解りました。羽田から首相官邸まで直接行きたいのですが。』
「はい、手配しております。羽田で迎えが来ます」
『では行きましょう。』
族長と『ナナ』『リナ』『ミーナ』『レイナ』の5人は下田の高機動車に乗りこみ、宗谷特区の飛行場に向かっている。
「ナナさん、族長の言われている事、なんの事か解りますか」
「下田さん、私たち新ハイエルフには、あっっ「新」と言うのは生まれて500年以内の若者と言う意味です。にはわからない事が多くて、多分ですが前時代か前々時代の事ではと思うだけです」
「そんな前ですか、たしか1時代は5000年とお聞きしましたが間違いないですか」
「ええ。その通りです」
「と言う事はその遥か昔の事と言う意味ですよね」
「少なくとも7000年から1万年前の話と言う事でしょ。族長だけが知っています」
「族長は語り継がれるのですか」
「いえ、そんな事したら途中で歴史が変わってしまいます。族長になった者は頭に神から過去の歴史が詳細に入ってくるらしいです」
「そんな事が・・この世は5回も回っているとお聞きしています。と言う事は3万年近い歴史ですか・・・神秘ですね」
「ハイエルフらしいと言えばらしいですね」
・・
「さっ着きました。今回は民間機なのでいろいろな方と一緒ですがよろしくお願いします」
『問題ない。』「機内で思念の方は」『慣れている心配するな。』
自動発券機でチケットを受け取った下田は出発ロビーに登って来た。
「はい、では私はここまでですので、これチケット、まとめて「ナナ」さんにお渡しします」
『手配感謝する。』
ハイエルフ達は羽田行き1520の便に搭乗した。東京に向かうには開拓したドーザ大陸東の入り江に向かい、日本海を新潟から羽田に向かう。
機内ではハイエルフが乗っていると乗客は大騒ぎである。
30分程して下田はふと、無線内容を族長に伝えるの忘れていた事に気づく。「しまった」もう遅い。
・・
「久しぶりの東京ね」
「うん、ゼミのみんな元気かしら」
「そんな時間今回は無いと思って」とナナが伝える。
「多分緊急事態よ。族長を守ってください」
「解りました」
ダークエルフの攻撃から族長を守る仕事を受けた彼女たちは緊張している。
だが・・彼女たちもダークエルフの事は良く解っていない。
羽田に到着し、例のVIP回廊からマイクロバスに乗りこむ。
「なんか懐かしいね」「仕事よ」「はい」
マイクロバスは首都高を抜けて、首相官邸に滑り込んでいた。
官邸の玄関では記者たちがフラッシュを浴びせ、「来日の目的は」「今回は誰に会うのですか」「ハイエルフさんデビューはまだですか」とか聞かれているが、一切無言で通り抜けた。
夕刊には間に合わなかったが、ネットニュースと翌日朝刊に速報として載った。
「良くおいで下さいました」と当壁総理が迎える。
『緊急事態です。できれば官僚が揃っていて外部に漏れない部屋で』
「はい、では地下の防災指揮所にどうぞ、各大臣と回線を繋ぎます」
『秘密は守られるのか』
「はい、あなたの思念も外部に漏れないので大丈夫、回線は専用の秘匿回線となります」
『たかの・・高野防衛大臣を一緒に』
「はい、では呼び・・」「総理、こちらに向かっております」と秘書官。
「あっ来るようです。先地下に行きましょう」
・・
首相官邸の地下3階にある。防災指揮所に一行は入る。
担当官が各大臣を呼び出し、揃うまで時間がかかる。
「遅くなりました」高野防衛大臣が入ってくる。
ここには佐野官房長官、高野防衛大臣、そして当壁総理の3名と担当官が12名である。
それにハイエルフが5人。
重い扉を閉めて話が始まった。
「よくおいで頂きました」
『そんな挨拶は良い、それより内容に入ろう。』
「はい」総理も借りて来た猫になっている。
『日本で変化はありますか。』
「高野大臣」
「はい、では総理に代わって説明します。昨日1146に北から北海道に向かいドラゴン4匹が飛来。撃破。
続いて、1215に北海道網走に向かってドラゴン6匹、その後50Km離れてドラゴン4匹飛来。これも全て撃破。
同時に1215、南海中から大ウミヘビが九州長崎に向けて海中を進行、これを1245潜水艦とP-3Cにより3匹駆除、1匹は北に進路を変え、現在艦艇が追っています」
『そしてダークエルフですか』
「はい、0230に皇帝の宿泊しているインペリアルホテルに現れ、「お前の仕事は終わった、これからは我らの番だ。ご苦労」と言ったとか。その後皇帝は頭痛が酷くなり薬で押さえています」
『ダークエルフが直接ですか・・・』
「はい」
『これから言う事は自衛隊の皆さんにも伝えてあげてください。多分これだけでは終わりません。』
「了解です。では族長の思念を言葉にして、通信します。向こうで担当官が言いますので違っていればその場で指摘してください」
『こころえた。ここからはハイエルフ6族の長にしか伝えられていない事。
この世を作った神は世界が混乱で壊れない様にハイエルフを世界の守護者として世界6か所に作り、管理を任せました。
その能力は強力な思念と、神の洞窟と呼ばれる他のハイエルフ族との回廊管理、そして神の雷「ヘルゲヘナ」の管理使用とされています。そしてこれは神の意志に従い我々が使用する物。
その為に私たちは過去3回、神の意思で「神の雷」を地上に落とし、文明を人を破壊しました。
4回目の文明は今から約1万年前の事です。
神は3回続けた神の雷を止めて、次は別の世界から人々を呼び出し、世界の平定に使いました。
日本の皆さんは2回目の移転国家なのです。』「えっ」
『しかし、神にも誤算がありました。4回目の平定の為に呼び出した「ドルツ」と言う国は予想通り世界平定をしました。
ですが、彼らはやり過ぎたのです。自分達を「ドルツ人至上主義」の神と勘違いして、神の怒りを買い、ドルツの人々は時間を止められて、今に至ります。
今でもこの世界にドルツはあるのです。南の大陸がドルツです。約6千年程時間を止められています。
話をダークエルフに戻すと、ダークエルフは我々と同じ神の元に作られ、彼女たちは魔界。
つまり魔界の管理者として君臨しています。
時々魔界とこの世界が回廊で繋がる事がありますがこれはハイエルフかダークエルフが、見つけ次第塞ぐ様に命じられています。
このダークエルフは魔界と実はドルツの時間管理をしているのです。
つまりダークエルフが現れたと言う事は、神がドルツの時間停止を止めたか、止めようとしているかどちらかと思います。』
「・・・・つまり、ダークエルフが現れ、自分達の番だと言う事は・・・そのドルツと言う国の時間を正常に戻すと言う事でしょうか」
『わかりません。
ただし胸騒ぎがするのです。前に伝えたように「神は遊びを求めています」それがこれでは無いと良いのですが、もしくは・・・・魔界の解放。』
「えっ魔界ですか・・」
『大陸人が魔物や魔獣と呼んでいる存在。これは魔界の物ではありません。単に強い野獣を指しています。
ですがダークエルフが管理している魔界は本物の魔獣や魔人が居ます。
これがこの世界に現れたならば、その強大な力と魔力によって、この世界の秩序は乱れ、この世界と魔界の回廊が太くなり壊せなくなってしまいます。』
「ドルツか魔界かですか・・・」「総理どちらにしても厄介です」
『日本人よ、心して聞いて欲しいのです。本来ダークエルフはハイエルフの闇の部分を管理する役目、それがこの世界に現れたと言う事は、この世界に何等かの混沌を齎す為である思います。
何方にしろこの世界に良い事はありません。神が何を思って、何をしようとしているのかは、解りませんが、この世界を操って遊んでいる様に思えます。
1~4回目までは神も「まじめに」世界のいくすえを案じ、平和で豊かな世界を目指していました。
それが・・・今回は「遊び」か「いたずら」と言う言葉が合いそうな様子。前の警告通り「神の戯れ」が始まったのではと思います。
日本の皆さん気を付けてください。
・・・
言い忘れていました。皇帝は呪われたのではないかと思います。
ダークエルフの思念は神の使徒として魔界に絶対命令が出せます。そしてその思念は・・・・常人が耐えられない程の瘴気を含ませる事ができるといます。
皇帝はその瘴気に当てられたのではと思います。それを人々は呪いと言っています。
過去、魔界の回廊が開いてダークエルフが閉じた時に、傍にいた人間は瘴気に当てられ死んだと言われています。今回もそれではないかと思います。』
「族長。いくつか質問よろしいですか」
『よろしい。』
「ありがとうございます。
最初に質問なのですが、3回神の雷をお使いしたと聞きました。
では4回目のドルツ国の時には使わなかったのですか」
『神の意思です。ドルツが傍若無人の振る舞いを始めた時。ドルツはその中心のドルツ国でしか兵器や武器生産をせず、また各大陸に渡したりもしていません。
そこで南大陸の時を止め、南大陸に船が飛行機がたどり着けなくしたのです。それにより技術は淘汰され、文明は衰退していきました。神の雷を使うまでもなく文明は消えました。』
「すいません族長。今飛行機とおっしゃいましたか?」
『ドルツにも戦艦や飛行機・・戦闘機と言うのですかね。ありましたよ。』
「族長。それは我々と同じ様な物ですか」
『いえ、プロペラで飛ぶ機械です。ここの空港でも見たような物ですね。』
「族長お聞かせください。魔界の回廊はどの様に閉じるのですか」
『それはハイエルフの思念で閉じる事が出来ます。大きくなればそれなりの人数が必要です。』
「お話し中すいません。大ウミヘビですが鹿児島沖で最後の1匹を撃破した模様。隊員・機材に損害はありません」
「よし」高野大臣がガッツポーズした。
「族長殿、聞きたいのです。今回のドラゴンや大ウミヘビの来襲は、神かダークエルフの仕業ですか」
『神は指示するだけ。多分ダークエルフの仕業。ダークエルフの思念でドラゴンや大ウミヘビに指示を与えて日本に飛来させたと思います。』
「すいません族長。と言う事はこの世界にダークエルフは移動手段を持っている事になります」
『ダークエルフの能力について説明していませんでしたね。
ダークエルフは魔界を管理するのに、強力な瘴気を含む思念と魔法を使います。
ただし、ダークエルフは我々ハイエルフと違って一人なのです。多くても2人。
それはダークエルフが同じ神の使徒であり、魔界の神であるからです。
強大な力を持って生まれるのです。神から・・・』
「族長・・と言う事はダークエルフは一人でこの世界に来ていると・・・そして魔法により各国を移動できると言う事ですか」
『そのとおり。』
「ダークエルフの使える魔法は判りますか」
『会った事はない。神の知識から伝える。ダークエルフは空間移動、時空移動、時間停止に時間停止解除そして「ヘルゲヘナ」』
「えっ核爆発と同じ魔法が使えるのですか」
『我々が使用する神の武器と比べ威力は限定的である。』
「族長興味で聞かせてください。魔界は何処にあるのですか」
『連続した時間の向こう側』
「別次元と言う意味ですか」
『その次元と言う言い方は理解できない。だがこの世界の時間の向こう側に世界は存在する。』
「その世界は、我々と同じような物ですか」
『神の知識では、この世界より小さい。直径も半分程度となっている。』
「直径が半分・・・面積はもっと小さい。 S=4πr2乗、中学2年生の時に「心配があるある」と覚えました、地球の半径は約6371km・・地球の表面積は約510,100,000 km²
なら半分とすると半径3200Kmだから計算通り表面積は1/4の128,700,000 km²ですか・・・小さいですね。
はっ小さいと重力が・・質量が不明ですが・・地球の半分の直径とすると・・太陽があって地球と同位置で小さいと質量は地球の2倍ないと形が崩壊するから、仮定すると最大8倍の重力を受ける事になります」
「しいて計算すると60Kgの人が480Kgになります。魔界おそるべしですね」
「ふむ、それが普通に生活して地球もどきに来たら、力は8倍とはならないが、それに近い力となる」
「脅威です。それが魔物の正体」
『ほかに質問は』
「はい。皇帝の呪いは解けますか」
『ハイエルフの思念で中和できる。』
「はい。ダークエルフを倒す方法はあるのでしょうか」
『ない。我々ハイエルフはこの世界に作られ、人間と同様の脆弱さをもって生まれた。だから遠距離攻撃では簡単に死んでしまう。しかしダークエルフは魔界管理の為に強い体と魔力により、近づくだけでもバレてしまう筈。』
「倒せない敵ですか・・・」
『同じ神の使徒。用途が異なるだけ。』
「先ほどのドルツ国ですか・・・我々の感覚からすると第二次世界大戦前半の様な武器構成と思いますが、解りますか」
『神の記憶だけである。』
「はっそうだ。第二次世界大戦の兵器集があれば見て頂いて示唆して頂ければ」
『よろしい。神も知らない振りをしている。』
それから2時間程やり取りをして、第二次世界大戦の資料がある防衛省に移動した。
皇帝も呪いの中和を受ける為に防衛省に来ていた。
「皇帝。こちらの部屋にどうぞ」
「・・・ハイエルフか」
「はいナナと言います。皇帝の呪いを中和する為に来ています。嫌なら帰りますけど」
「・・・・すまない。心を読まれるのは勘弁して欲しい」
「日本に来てからずいぶん気弱な事。帝国の覇者とは思えませんね」
「皮肉を言うな。儂はもう何も希望がないのだ。せめて家族と一緒に暮らしたい」
「あらあら。頭痛は如何ですか」
「日本の薬で少し良くなった。だが薬が切れるとまたぶり返す気がする」
「ではやりましょう。母から教えられた方法です」
『では皇帝・・自分の名前を2回言ってください。』
「わっわかった。皇帝ガリル3世、皇帝ガリル3世。これで良いか」
『はい、次は思念を強くします。手を握って力を入れて耐えてください。』
「こうか。・・・・・・・っ・・っっ・・っっ」
『終わりました。これで瘴気が中和されました。』
「そうか呪われたのか・・それも神の思し召しと言う事か」
「いえ、単にダークエルフの思念を受けて瘴気に感染しただけです」
「・・・・」
「さて私は族長の所に戻ります」
・・
族長は防衛省資料室で第二次世界大戦の資料を並べて見ていた。
高野防衛大臣と立川統合幕僚長も一緒である。
『戦車はこれとこれに近い』
「ドイツの3号戦車、4号戦車ですね」
『戦艦や艦船はこれかな。』
「ザクセン級戦艦ですね」
「第二次世界大戦前半の戦艦ですね。石炭船です。たしか259mm口径砲ですね」
『戦闘機は・・これかな』
「メッサーシュミットBf109ですね」
「レシプロ機では傑作と言われた機体です」
『それにこれ』
「ここれは・・ドイツの38cmジークフリート列車砲です。要塞砲にも使われました」
『それとこれ』
「えっっっStG44。突撃自動銃です。89式5.56mm小銃よりわずかに飛距離が劣る程度です」
『それとこれにこれ』
「3.7cmSKC/30、元祖37mm高射砲ですか・・8.8cmFlaK18・俗にいう88mm高射砲ですね。砂漠で活躍した」
「88mmか手ごわいな。また横撃ちするのだろ」「ええ、そう思います。対地で14Km飛びます」
『この砲は固定式が多いようです。移動式はわずかの数。』
『それに・・・これです』
「こっこれは・・V2ロケット・・1000Kg弾頭で300Km飛びます」
「うむ経緯は知っている。戦後は人工衛星などを打ちあげたと聞いている」
「ええ、ペイロードは1トンで高度88Kmまで打ち上げられるのですよ。ペイロード落とせば最高で高度200Kmです」
「爆薬1トンとか考えたくもないな」
「こちらから質問宜しいですか」
『かまわない』
「重要な事です。ダークエルフの「ヘルゲヘナ」の有効射程と有効範囲が解れば教えて頂けますか」
『まず、この世界で使った事はない。神の知識では・・・ダークエルフから10Km先固定。空間移動できるから射程は無意味。範囲は半径5Kmとある。』
「その、連射は出来るのですか」
『大いなる魔素を消費してしまうので、再度使用するまでに魔界なら1か月、この世界なら魔素が薄いので6か月とある。』
「たとえば、ハイエルフさんの「ヘルゲヘナ」でダークエルフを撃ったらどうなります」
『神が許可しないだろう。それに我々は「ヘルゲヘナ」の位置を忘れている。と言うより途中の洞窟のいくつかが閉じられていて、そこに直接行かないと開通できないのだ。
そして肝心の質問だが・・・消滅する。そして神がまた生み出す。永遠である。』
「わかりました」
「と言う事は、ダークエルフが「ヘルゲヘナ」を撃つと半年は再使用できないが、ダークエルフを消滅させると神が再生成を行い、すぐに「ヘルゲヘナ」を発動するのか。厄介だな」
「この「ヘルゲヘナ」の降下範囲は地下まで届きますか」
『わからんが、魔界なら10Km程度、この世界は3Km程度ではないか。』
「海中もダメと思った方が・・・」
「すいません、もしダークエルフが襲ってきたらハイエルフさん達はどの様に防衛するのですか」
『我々も言ってなかったな。ハイエルフの5名が思念をぶつけると、ダークエルフの思念が中和されて魔法も使えなくなる。だから近くには来るが、絶対に会わないと思う。』
「中和ですか・・」「何とかできれば良いのですが」
こうして族長と5人のハイエルフは武器を調べていき、朝となってしまった。
調べた結果は第二次世界大戦のドイツで作成された物に近いとの認識で一致した。
しかし、次元が違うのだから、第二次世界大戦に使用された兵器・武器と同一性能であると油断はできない。
ありがとうございます。
ダークエルフで長くなってしまいました。
誤字脱字有難うございます。いつも感謝です。
ただ・・機体は機で、ミサイルは基で数えています。すいません。




