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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第2章 セカンドインパクト(神々の戯れ)
138/251

第133話 緊急事態 その1

第133話を投稿します。

無事皇帝は日本に到着したようです。

「皇帝到着しました。長旅お疲れさまでした」

 皇帝はドフーラ航空基地からC-2に乗せられ、千歳での給油した後に、首都東京に近い入間基地に到着していた。

「日本の首都と言うからは未来的な建造物を想像しておったが、帝国と同様な静かな街並みではないか」

「はい、皇帝。実は極秘移送と言う事で、東京からは少し離れたここ、入間基地に着陸して、陸路を東京までお連れします。その方が窓から東京を良く見られると思います」

「そうか、では改めて楽しみにしておく」

「有難うございます。では基地内の待機室までご案内しますのでついて来て下さい」

 皇帝はC-2の後部カーゴ・ドアーから徒歩で日本に降り立ち、乗用車に乗せられ基地建物内の待機室に連れてこられている。

「少し休憩いたしましょう。飲み物は如何ですか、紅茶にお茶、コーヒーなどもあります」

「うむ。「こーひー」と言う物を貰おう。ムリナで南野将軍から頂いたが最初は苦くて飲めなかったが、飲んだら眠気が吹き飛ぶ、今の私はそれが良い、目に日本を焼き付けたいからな」

「了解しました。では少しお待ちください。便所などの用事は外の衛兵に言ってください。では」

「うむ」

 問題は特になかったが、ドフーラから顔なじみが居た方が良いとの判断で、ドーザ大陸方面隊の林幕僚副長が同行していた。

 林幕僚副長は入間基地司令の羽田空将補に挨拶をしていた。

「皇帝をお連れしました。以後よろしくお願いします」

「林陸将補、長旅ご苦労様です。確かに引き受けました。陸路の移送は陸上総隊になります。もう到着されていますよ」

「はいありがとうございます。では引継ぎしてきます」

「了解した。待機室に案内させよう」

 林幕僚副長は空自担当者に案内されて、陸上総隊の待つ控室に通された。

「ドーザ方面隊林です。皇帝の引き渡しを行います」

「はっ陸上総隊司令部付隊、上尾1等陸尉と上野2等陸尉です。皇帝の移送いたします」

「よろしく頼む」

「はい。特に必要な事とかありますか」

「いや、皇帝は東京を楽しみにしておられる様だ。もちろんマイクロでシールド付きでしょね」

「はい、防衛省から借りてきました。VIP用です」

「なら以後お願いします。私はドフーラに戻ります」

「あっ林幕僚副長、命令書です。お渡ししました」

「すまない。どれ、・・うわー防衛省まで皇帝と同行で報告か、帰りが遅くなるな」

「ええ、防衛省から近いホテルを外務省から皇帝に、すいません林幕僚副長は防衛省に近いビジネスホテルを取っています」

「了解した。防衛省迄同行するのでよろしく。向こうで手配のビジネスホテルは解りますか」

「はい、「いつもの」です」

「そうかあそこか。了解した。皇帝は今休憩中だ」

「了解いたしました。では我々もご挨拶をしたく思います」

「一緒に行こう」

 林幕僚副長と陸上総隊2名の士官は一緒に皇帝の待つ部屋に行き、挨拶をする。

「では皇帝、私もここで戻ると思いましたが防衛省までご一緒いたします。5分程で出発いたしますので宜しいですか」

「うむ大儀である」

「では二人について行ってください。私はここの将軍に挨拶をしてきます」

「では皇帝、ご案内します。こちらへ」上尾1等陸尉と上野2等陸尉が歩き出す。

 ・・

「羽田基地司令、ありがとうございました。ドフーラに寄る事があれば歓待しますのでお知らせください」

「ああ、その時はよろしく頼む」

 握手をして別れ、林幕僚副長は移送のマイクロバスに向かって歩き出した。

 ・

「待たせた」

「用事は宜しいですね、出発します」

 マイクロバスはVIP仕様の豪華な物である。

 前方に武器装備の警護4名と上尾1等陸尉と上野2等陸尉が、後方は皇帝と林幕僚副長が座っている。

 なお、護衛として前後に高機動車が2台、警戒態勢で国道16号を進行していた。

 そのまま川越ICまで向かい関越自動車道に入り、首都高から防衛省に到着した。

 途中右翼左翼の妨害も無く、秘密裏に行った移送作戦は成功している。

 傍目で見れば、防衛省にお客さんが来訪したと見られるが、防衛省では表側ではなく裏側の入り口を使い建物に入っていた。

「皇帝、私はここで本当にお別れです。東京は期待どおりでしたか」

「うむ、期待通りであった。ただし灰色の建物が多く美的センスはなかったな。後、人と「くるま」が多く高い道路など見て、意外とワクワクできたぞ。まさに未来であった。日本の一端が見えた気がする」

「そうですか、私は田舎出身なのでドーザ大陸の方が性に合っている様です」

「そうか、人が多い都市に長くいればそうなのかも知れないな。ご苦労であった」

「いえ、仕事ですから。では東京まだまだいろいろありますので、お楽しみください。では失礼いたします」

 林幕僚副長は防衛省統幕長に報告をして、陸上幕僚監部に顔を出してから、例のビジネスホテルに泊まって翌日民間機で宗谷特別行政区まで戻り、ドーザ大陸方面隊のV-22でドフーラまで戻って行った。


 皇帝は防衛省から外務省に迎えられ、外務大臣参事官といろいろな話をしてから都内高級ホテルに宿泊をしていた。

 これは「警護の為」が理由としては一番大きい。

 


 ・・・

 突然、統幕長執務室に航空幕僚総監部からアラートが届く。

「統幕長、ドラゴンアラートです。発信は航空総隊経由、ドーザ大陸航空方面隊第65警戒群からです。

 中央スクリーンに出します」


 統合幕僚長に連絡が届き、指揮指令室の巨大スクリーンの3画面と統幕長自室机の3画面が連動して中央に表示される。

「よし確認した。今からそちらに向かう」「了解」

 ゆっくりした速度だが、4つの光点が北海道に向かっている。


 防衛省地下に作られた指揮指令室に統幕長は飛び込むと報告を求める。

「本日、1146時に日本山第65警戒群に感あり、北方面から北海道に向かって4匹が移動中です」

「了解。航空幕僚長スクランブルはどうなった」

「宗谷基地からF-2を2機「ドラゴンバスター」8基で上がりました。会敵は宗谷基地北西約850Km、14分後です」

「了解した」

「報告、宗谷駐屯地ドーザ方面隊第4高射特科群315高射と日本山分屯地316高射のホークⅢが待機に入りました」

「了解した」

 突然現れた4匹のドラゴンに対してF-2Aが80式空対艦誘導弾を改良した空対ドラゴン誘導弾(通称:ドラゴンバスター)を抱え飛び立った。

 80式空対艦誘導弾(改)は廃棄予定の対艦誘導弾を対ドラゴン用に仕様変更して、飛んでいるドラゴンに対しその150Kgの炸薬をTVセンサーと近接信管で爆発させる物である。なおTVセンサーで補足できれば撃ちっぱなしで退避行動を取れる。

 最初の登場はハイエルフの天敵「トメス」撃退に試作機を投入したが大きな成果を齎せた。そして正式に廃棄予定の耐用年数を超えた物を対ドラゴン用に延命処置及び内部コンピュータとセンサーを取り換えてアクティブ・レーダー・ホーミングからTV画像誘導に変更して精度を高めていた。


「報告、宗谷駐屯地から陸上統幕。ハイエルフ族長から連絡が入ります」

「陸上自衛隊の皆さん、私はハイエルフのマリアです。族長から緊急の連絡があります。

 代理でお伝えします。族長の思念のままに言葉にしました。

『神がなにか遊びを始めました。皆さん気を付けてください。』との事です。

 内容は私も解りませんが、神が何かを始めたようです。十分にお気を付けください。

 以上ですが、更に何かわかればご連絡します。お気を付けて、ご無事をお祈りします」

「ドーザ大陸中野総監より追伸。「気を付けるべきだとの認識」との事です」


「うむ。ハイエルフの皆さんが言うのだ、今回のドラゴン来襲も「神」の御意思と言う訳だな」

 立川統合幕僚長は思う。「直ちに高野防衛大臣に連絡」「了解」

「さて、ブルードラゴンでない事を祈ろう」

「F-2会敵、攻撃許可を求めています」

「大型害獣駆除として許可する」

「了解。ドーザ方面航空隊に下命、大型害獣駆除許可」

「・・ドーザ方面隊航空隊命令受理、対処します」

 ここでF-2パイロットの交信に切り替わる。

「・・ランドガード1、タリホー、レッドドラゴン4確認。AI対処開始(Air-Interdiction:航空阻止)、ファイアー1.2」

「ランドガード2、ファイアー1.2」

 2機のF-2Aは1機4基積み込んだ80式空対艦誘導弾(改)をレッドドラゴン前方40Kmで2基計4基を発射した。

 発射後ただちに大きく旋回し成果確認と次の発射位置につく。

「ランドガード1、ドラゴン3駆除確認。再攻撃」

「宗谷基地了解。引き続き攻撃要請」

 ・

「ランドガード1、ラジャー、ファイヤー3」「ランドガード2ファイヤー3」

 2基の80式空対艦誘導弾(改)が残ったドラゴンに向かって行く。

「ランドガード1目標撃破確認。帰投するRTB」

「ランドガード2copy」

 交信が終了したが、立川統合幕僚長はハイエルフの通信が頭に残っている。


 30秒後

「ドラゴンアラート発令。網走 第28警戒隊より入感。網走北西方面にドラゴンらしき光点6確認」

「千歳から2機F-15Jが上がりました」「三沢からF-35A、2機、米軍F-16ブロック50、2機上がりました」

「宗谷基地からF-2A、2機、E767上がります」「旭川321高、東千歳322高、各ホークⅢが待機に入りました」「千歳基地第3高射群、パトリオット待機に入りました」


「ドラゴンアラート。網走 第28警戒隊、ドラゴン6匹後方50Kmドラゴン4匹接近中」


「ドラゴン10匹だと」立川統合幕僚長と絶句する。

 ・

「旭川駐屯地から北海道・東北方面隊第11旅団、第10即応機動連隊、網走に向かいます」

「短SAMで大丈夫か」

「数で押せば何とか、無いよりましでしょう。それに接近できれば16(ひとろく)が使えます」

「了解した」


 ・・

「警報、潜水艦等早期警戒分隊より海中生物らしき生物4、長崎方面に向けて北上中。前回大ウミヘビ同種と判定」

「今度は海中か」立川統合幕僚長は口走る。「海上艦対処は可能か」

「佐世保から第2護衛隊、第8護衛隊が緊急出港します」

「第1潜水隊群から第3潜水隊SS-504「けんりゅう」、SS-511「おうりゅう」が近海にて演習中、向かわせます」

「了解」


「これが神々の遊びだと言うのか。陸幕長、宗谷駐屯地からハイエルフ村に隊員を派遣して先ほどの話の検証をして欲しい。これだけで終わらない気がする」

「了解」

大変な事になりました。

ドラゴン10匹に大ウミヘビ4匹が日本に向かっています。

しばらく襲来が無かったのは様子を見ていたのでしょうか。

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[一言] 更新お疲れ様です。 神の遊戯or試練!? ドラゴンの波状来襲にあたして防空網は耐えられるのか? 神の『真意』は? 某ありふれのクソ神の様に人を盤上の『駒』のように死ぬのを見て楽しんでいるの…
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