第131話 ドーザ大陸平定への道 その1
第131話を投稿します。
たった5000文字なのに4回程書き直しています。
コピペも使用していますので接続詞や言葉がおかしい所があれば誤字脱字報告をお願いします。
それと第2章に入ります。よろしくお願いします。
ドーザ大陸方面隊本部
「さて特命作戦が入った」
「しかし、これは・・・」
中野総監と殿山幕僚長が絶句している。
「しかし、政府の希望だから叶えないとな」
「ですが・・」
「まぁこういう事もあると思うぞ」
・
「では防衛省と外務省からの要求である、「皇帝の日本護送」を計画してして欲しい。殿山幕僚長」
「了解しました。オプションの「極秘で」言うのが頭が痛いところです」
「そうだな、しかし日本と戦争していた当事者の皇帝であるから世論と野党が騒ぐのが目に見える。
なら極秘移送でと言う政府の意向は理解できる」
「了解しました。時期はいつにしますか?こちらの都合で良いと書かれていますが」
「そうだな、とりあえずここドフーラに来て頂こう。それからだな」
「はい滞在はドフーラ市内が宜しいですか、収容施設も空きがありますが」
「今は日本に協力もしてくれているから、収容施設で良いであろう。市内の宿泊所よりは待遇は良いと思うからな。それに監視も同時にできるし」
「はいでは移送作戦立案と収容施設の手配をします。監視できるように部屋を少し改造させます」
「それで頼む」
皇帝の極秘移送作戦が始まる。
第5師団本部
「うむ」
「お困りごとですか師団長」
「お困りごとだ。ははは。参謀長」
「これは陸将以上が閲覧可能な極秘作戦指示書ですね」
「そうだ、内容は皇帝の極秘移送だよ。長崎田陸将補も呼んで3人で話をしよう」
「呼んでまいります」
・・
「お呼びですか、南野陸将」
「まぁ座って。お茶は断ってくれ田森参謀長」
「少しお待ちください」
田森は外に出て、ペットボトルの茶を持ち、副官に「誰も入れるな」と指示して会議室に戻って行った。
「色気ないですが、どうぞ」ペットボトルを皆に渡す。
「すまんな」
・・
「では始めよう」
「例の陸将以上の極秘作戦指示書ですね」
「そうだ、極秘扱いの作戦であり、私一人では無理なので2人にきてもらった」
「すいません内容を説明お願いします」
「そうだった。参謀長にしか言ってなかった。すまない長崎田陸将補」
「いえ。お願いします」
「では改めて、防衛省と外務省連名での極秘作戦指示命令書が来た。方面隊総監閲覧印も入っている。
内容は2つ、ドフーラまで皇帝を送り届ける事。第5師団に対する指示で極秘に進める事。
2つ目はドフーラから日本への極秘護送。これは方面隊と空自に日本国内は陸上総隊が担当する。
我々は最初の、皇帝をムリナ街からドフーラに送る仕事だ」
「了解しました。機密事項なのですね、選抜と誓約が必要と思います」
「長崎田副師団長、その通りだ。マスコミや国民にばれたら相当な非難を浴びるであろう」
「その通りですね。戦争当事者が日本に行くなどと考えられない事ですよ」
「師団長、副師団長。皇帝代行はトーマス宰相代理に任せていますから、実質いなくても良い者と考えます。
でしたら、暗殺の心配もない日本が一番安全と思います。それに皇帝はじめ帝国人はアメリカ人と変わらない風貌ですので、東京などの大都市なら紛れて見分けがつかない可能性があります」
「多分だが、政府もそう考えたと思う。ただこのタイミングが良いのかは判断できない。どう思う長崎田くん」
「はい師団長。その通りと思いますが、政府・・・与党が何かを考えていると言う事ではないでしょうか。
実質帝国戦では最初の犠牲者1名と負傷者が100名以下です。まだ集計は終わっていないと思いますが、なら日本国民に与える憎悪や嫌悪よりは、政治利用を取った物かと思われます」
「副師団長の言う通りだな、政府と言うより与党が何かしらの政治利用を考えているとか思えないな。
だが、命令は命令だ。副師団長が責任者として参謀長以下4名程度で護送をして欲しい。
情報を知る者は少ない方が良いだろう」
「了解しました。では参謀長は人選と誓約をお願いする。私はムリナ街に先に行って皇帝とトーマス宰相を説得してくる。よろしいか」
「了解。人選と護送ルート方法を決め手配してからムリナに向かいます」
「二人とも頼むぞ」
皇帝の極秘移送計画は始まった。
ドーザ方面隊本部
「殿山幕僚長、各師団長と参謀をドフーラに集め、ドーザ大陸平定の基礎を組み立てようと思っている。
その際に各師団が集めた貴族達や商人情報を持ち寄り詳細に検討したい。有能な人材は喉から手が出る程欲しいのでな。
最終形態は以前提示した通り、ドーザ大陸を7つの県に別けて最終的には県を国として独立させたい。
その為に日本直轄地の帝都近辺を含む各県の代表を決めなければならない。大変だぞ。
それぞれの師団長は領民からの意見などを案としての人選を持ち込んで欲しい。
それから空自と海自にも参加協力を打診してほしい。彼らの情報も貴重だからな。
そして、殿山幕僚長。なによりハイエルフのお嬢さん方の意見が必要だと思っている。まとめてくれないか」
ドーザ方面隊中野総監より各師団に対し一週間後にドフーラのドーザ方面隊本部会議室への招集が掛かった。もちろんドーザ方面隊に協力している空自の各隊にドルステイン駐留艦隊の藤田司令(海将)にも参加要請がなされた。
1週間後、ドフーラ郊外に建てられたドフーラ駐屯地およびドフーラ航空基地に各師団および各支援隊、空自及び海自のメンバーが集合していた。
日本からは、統幕組織より副統幕長と統括官に、警察庁からはドーザ大陸に発足予定の刑事機構、ドーザ管区警察局の局長内示者が、検察庁からはドーザ大陸高等検察庁検事長予定者が、海上保安庁からは広大なドーザ大陸の海域を管理する為にドーザ大陸方面管区本部隊員がオブザーバとして参加をしている。
ただしこの警察及び検察に海上保安庁については、指導部門であり、将来的にはドーザ大陸人による治安維持を主体を持って行って頂き、かれらは主に指導をしていく立場である。
なお、防衛省防衛監察本部からは統括監察官と監察官(陸将補)が参加している。いわゆるMP隊である。
大会議室も約50名が揃う熱気で暑くなっている。
「ではみなさん揃いましたので、第1回ドーザ大陸平定の為の会議を始めます。
本日は司会をいたします。陸上自衛隊ドーザ大陸方面隊で幕僚副長をしております「林」でございます。よろしくお願いします。
進行上質問は区切り良い所で受け付けますので、それまではこちらの話をお聞き頂きたくお願いします。
では最初にドーザ大陸平定の現地責任者、ドーザ大陸方面隊中野総監をご紹介します」
司会席から合図を出す。
「皆さんお忙しい中ありがとうございます。
ドーザ大陸方面隊総監を務めます中野と申します。本日はよろしくお願いします」
林幕僚副長が進行する。
「中野総監ありがとうございました。自衛隊以外の組織では良く解らないと思いますので、説明を簡単に致します。方面隊総監職は各師団と方面隊直属部隊をまとめ作戦指揮をする立場となります。海自さんで言えば艦隊司令、空自で言えば基地司令などと同じですね。
では先に進めます。
今回ドーザ大陸をスルホン帝国が支配をしており、これを自衛隊は総力で退け、皇帝の身柄保護を、また元宰相が皇帝暗殺を謀った為に宰相代理を立てて帝国行政を今まで通り行っています。
ここまでは宜しいですね。
ここからなのですが、日本政府の青写真を基にドーザ大陸平定の為に取りかからなければなりません。
そこで、皆さまのお知恵を拝借して青写真を実効性のある計画へと肉付けを行いたく思います。
では先に政府が考えた案の説明をいたします。
日本政府案は、正面スクリーンをご覧ください。
簡単に言うと日本政府直轄地である宗谷・チロル地区を除く各県を作り、帝都周辺を除いた地区に代表者を決め、議会制にて県運営を行って頂くと言う事です。のち程、説明致しますが県を将来的には国にして、お互いに競い合わせ経済を発展させようと言う意図がございます。ここまでは事前に説明を受けていると思います。
ここから具体的な話となりますが、
ドーザ大陸に不足している物が沢山あります。
緊急性と公益性、人道性を考慮して、現在の帝国法では人民や異人種の保護ができません。
また犯罪に対する罰としては、拷問か死刑のみでございます。
ただしその死刑についても罪の軽さで絞首刑、斬首刑、公開処刑などの選択があるようです。
どちらにしても、拷問か死刑しかない法律は機能いたしませんので、早急に変えると言いますか作らなければならないと思います。そこで法務省とも協議をして、法務省主導にて日本憲法や刑法、民法、商法などの主要な法律を大陸語に翻訳を行っています。
この翻訳書を手本として、これを要塞都市「バロッサ」に作られた第5師団本部別館にて、帝国臣民の中から法律に詳しい文官や行政にかかわる文官、など30名程度のプロジェクトを作り、元帝国人のかれらが運用する法律を形作る作業をして頂きます。
日本からは、法務省が監督官をお送りいただく事でお約束しています。
よろしいですね検察庁派遣担当官殿」
「はいその様に伺っています。ただし大陸の常識や現実が不明なので、現地にてすり合わせを行う予定ですが、刑罰については日本の水準に合わせるつもりです」
「有難うございます。
つづいて、ドーザ大陸内陸部について将来的な分割を考えている件ですが、これは先にご提示させて頂いた図に示す通りの予定で動いていますが、5年から8年後を目途に国として独立させたいとの日本政府からの強い要望がございます。
次に我々陸自ドーザ方面隊は暴動鎮圧や犯罪抑止、教育、医療支援の為に大陸に残る前提でお話させて頂きます。
このドーザ大陸については、元の世界のアメリカ国と同等の広さを持っており、方面隊で全てを網羅する事は不可能でございます。
よって各県については県防衛隊および都市防衛隊の設立を認めます。これは外敵や魔物対処の為だとお考え下さい。
また現在の帝国では、警備隊や警護隊と呼ばれる都市防衛隊が官憲をも担っております。
これを日本と同様に警察機構と戦闘機構に別けて運用いたします。
これは日本と考え方は同様なのですが、特に警察組織は専門組織にして多人数による治安維持を目的としています。帝国で機能していた都市防衛隊では人数が圧倒的に不足しており、魔物などに駆り出されれば警察機能が働かない結果となっているためです。
ただしこれらは何れも人員確保と教育が必要となり、後ほど説明する官憲組織や法が整うまでは陸自が外敵撃退(魔物等)から犯罪までを取り締まる事になります。
また同様に海上保安は海自さんにお願いいたします。
次にドーザ大陸における次期治安維持の組織についてですが、最初にドーザ大陸沿岸警備についてご説明いたします。本来ならば日本領土化した場所については海上保安庁の管轄となりますが、まだ組織が発足したばかりでして具体的保安行動に移れていません。
これについては海上保安庁に近日中に案を出して頂ける予定です。
そして日本国土以外の県単位の海上保安についてはドーザ大陸の船乗りを官憲として募集、教育の元に海上保安隊を作る予定です。これは海上保安庁が全面的に協力頂ける事になっています。
またドーザ大陸での取り締まりは、密漁などの法律が確定していませんので、当面は外部侵入や魔物対処に漁民等の救助活動などが仕事となります。
次に大陸内の治安維持活動についてですが、刑法などの法律が決まればそれを基に運用いたします。
警察庁にご指導いただき、人材募集と教育をお願いし、必要であれば逮捕術を含む技術を移転する予定となっています。継続的組織運営の為に各県の首都となる都市に警察学校を作る予定となっています。
これについては発足時は日本にて研修をさせる予定でございます。
それまでの盗賊などの重犯罪者は捕え牢に監禁し、法律が整いましたら帝国国内で裁判を開催する事になります。
しばらくは冤罪も可能性がありますが真摯に対応して、賠償金で繋ぎたいと思います。
刑法や民法の体系が整えば、警察機能も動き始めると思っています。
なお、現在収容している貴族や豪商についてはハイエルフさん達の協力を得て、帝国内で犯罪行為を行っていた者のみを収監しており、帝国式裁判を予定していますが、刑罰については話し合いの結果、帝国式で行い、具体的体罰等については日本に近い物となる予定です。
以上を果たすための大陸治安と海上保安に関する逮捕用武器等については、ドーザ大陸が持つ技術水準で考えています。
今すぐ日本自衛隊の技術や警察、海上保安庁の武器技術は過剰防衛や過剰攻撃となりますので、ドーザ大陸の技術に見合った物で良いとの考えです。
具体的には、石炭を使用する艦船や大砲等の技術レベルについて日本は関与いたしません。それから銃等は特殊となりますが皇帝親衛隊が持っているマスケット銃レベルとお考え下さい。ただしそれを量産する事は効率が悪いので日本で流通している狩猟用の銃を配布予定しています。連射はありません。この武器や制服等については統一仕様を作り各県に買って揃えさせる事を前提としています。その為に乱暴ではありますが、先ほど説明した帝国式裁判にて犯罪者貴族や豪商の財産没収を行い、それを県に配分する事を考えています。各防衛隊設立も同様の資金で考えております。なお、帝都の皇帝財産も没収、再分配の対象となっています。
では具体的な人選ですが、各県毎の討議となりますので、ここで30分休憩します。
休憩が開けましたら、今までところで質問をお受けいたします。
では30分後に再集合願います。
こうして会議は続く。
文書投稿して、それを章設定しなければならい仕様の為に苦労しました。
後ろ置きだと楽なのですが・・・