第106話 ミソラ・ロレンシアの冒険 その9
第106話を投稿します。
帝国の村を訪れたミソラ達は村長から相談を受けてしまう。
先を急ぎたいミソラ達、どうするのか。
ミソラ達冒険者は漁村の通称「東村」を出発する時、村民一同の見送りを受けて旅立った。
「ミソラお魚美味しかったね」とミリナ。お肉派ではないのか。
「食べず嫌いはダメだぞ。大きくなれないぞ」
「タトルきらーーーい」「はははは、いつまでも、ちび確定だな」「いーだ」
「こらこら、コントは終わり。帝国領の大きな村までもうすぐよ。警戒してね」とミソラ。
「戦闘になるかしら。アトラム王国出身は隠した方が良いね。ミソラ」
「そうね、ソラ。言う通り隠した方が良いね。変な誤解されても嫌だしね。
みんな、と言う訳でアトラム王国出身は秘密で」
「ミソラ解ったが、どこから来たと必ず聞かれるぞ」
「そうねタトル。自衛隊から貰った地図にドーザ大陸の都市が書いているので、ここ北の要塞都市「ミリム・ソーマ」にしておきましょう。遠いから知っている者も少ないでしょ。でも大都市に入ったら変えるから覚えてね」
「でもミソラ。話合わせるのどうしたら・・」
「ソラ大丈夫。王都ブリシアシティーの事を思いながら言えば良いと思うよ。ただし帝国は無宗教だから女神教は封印ね」
「ミソラ了解」「みんなも良いわね」「はーい」
・・・
「ミソラ見えて来たよ」先頭を歩くトムスが報告する。
「みんな戦闘にはならないと思うけど警戒はしてね」
「ミソラ了解だ」タトルがみんなのかわりに答える。
・・
「初めまして、私たち冒険者です。お話お聞きしたくて来ました」
「お前たち冒険者だと、帝国は戦争中だぞ。特に日本と言う国と、それなのになんだお前たちは」
「はい、冒険者として魔獣討伐などしています。戦争以外でお困りは無いですか」
「魔獣討伐できるのか、それなら話を聞いてくれ。ちょっと村長を呼んでくる。お前ここで待っていろ」
「ミソラなんか、あいつ偉そうだよ」
「ミリナ、帝国は戦争中だから、村も警戒しているのだと思うよ」
「ミソラそれはそうなんだけど・・」
「落ち着いて、多分これから、こういう事が多くなると思うからね」
「はーい」ミリナは不満そうだ。
・・・
「お前たち村長が会うそうだ。入ってよし」
ミソラ一行は一番大きな家に案内された。
「お邪魔します。冒険者のミソラと申します」
「・・・よく来てくれた。トレルラ村長のハーディだ。入って座ってくれ」
家の中には大きなテーブルと沢山の椅子がある。各自適当に座る。
「ところで村長のハーディさんお困りごとはなんですか」
「・・いやあまり大したことではないのだが、その・・、実はトレルラ村は大きくなりすぎてな、代々村を大きくして行ってここまでになれたのだが・・沢山の村人が寿命や病気で死んで、西の山に墓場を作りそこに埋葬しているのだよ。
そこが最近・・・幽霊と言うか骸骨が動き回る事があってな、村の入り口まで来るようになったのだ。作物を荒らすわけでもないのだが、気味悪くて、先祖だと思うと余計に。何とかできないか」
「骸骨ですか・・・スケルトンと言う魔物ではないですか」
「それが良く判らないのだ、今までそんな事は一度も起きなかったからな」
「昼間は動かないのですね」
「その通りだ」
「退治しようとした事はありますか」
「村の門番ハンスが、夜切りつけた事があるのだが、バラバラになってまた復活する」
「攻撃はされましたか」
「うん、切りつけると追いかけ来るが、歩く速度が極端に遅いので逃げきれるから問題はないのだが。先祖には静かに寝ていてもらいたい」
「そうですね歩きまわる骸骨の先祖は少し気味悪いですよね」
「ねえ、ミソラこれって・・」
「ミリナ、多分その通りだと思うよ」
「うへー」
「何の事だ。判るのか」
「いえ現地を見てみないと何とも言えませんが、推理が正しければ何とかなると思います」
「なら、明るい内にハンスに案内させる。すぐ行けるのか」
「ええ、大丈夫です」
「ちょっと待ってくれ」村長は扉を開けて村人にハンスを呼ぶように頼む。
「村長お呼びで」「ミソラさん達を西の墓場まで案内して欲しい」「明るいから大丈夫です。早速行こう」
「はい、行きましょう」
ハンスを先頭にミソラ達は山道を登っていく。村から3Km程度西の山脈に向かって歩き、広場が見えて来た。
「ここが墓場だ」
広場に所々土が盛り上がった場所、穴だけの場所、名前を書いた板が朽ちている。
「この盛り上がった所は埋めたばかりの遺体。穴は動き出した遺体だ」
「有難うございます。ミリナ」「予想通り」
「次は穢れを探さないと」
「ミリナ、見つかりそう」
「ミソラ場所ではなさそう。一定の場所ではなく、いろいろな場所で動き出しているから」
「うーん、誰かがいたずらしている様に見えるね」
「ミソラ、これはなんだ」「それは耳飾りよトムス」「片方だけだぞ」「遺体に付けたなら両方が穴にあるはずだし、片方だけ地面にあるのは、お参りした者が落とした可能性が高いね」
「ハンスさん、これ見おぼえはありますか」「見た事無いぞ。それに村に耳飾りしている者はいないぞ」
「ますます不思議だ。ハンスさん周辺に洞窟とかありますか」
「この山脈に洞窟は多いぞ、村人は近寄らないが・・・昔は洞窟に遺体を置いていたと聞くぞ」
「近くの洞窟に案内していただけますか」「そこにあるぞ」
広場の西に林があり、その奥に洞窟が5つ並んでいる。人が一人横になれる程の洞窟と言うより穴である。
「昔はここに遺体を」トムスが穴を覗く。「なにもねえぞ」
「ミソラ全部の穴に何もないぞ」「おかしいわね骨があっても・・・」
「ハンスさん一旦戻って夜にまた来ます。夜は私たちだけで来ます」
「わかった、戻ろう」
・・・
ハーディ村長の家に戻った。
「なにかわかったか」
「夜にもう一度行ってきます。それで解ると思います。骸骨が出るのは何時ごろですか」
「日が落ちると動き出すそうだ。墓場で埋葬していていた者が骸骨に追いかけられて、それ以来昼間だけになった」
「と言う事は日が落ちると直ぐに動き出すのですね。わかりました」
「ハンスが言うには骸骨は強くないが気味が悪いだけだと」
「村長、今は人間の骸骨ですが、私たちの推理が正しければ動物や魔獣も骸骨化すると思います。早い内に対策した方が良いと思います」
「なに、本当か・・困った・・もうすぐ収穫期だと言うのに、まだ害獣に襲われる方がマシだな。それなら対処方法が解っているからな」
「収穫期ですか・・なら実験なのかもしれません」
「実験?」
「ええ、手近な遺体から初めて、魔獣の骸骨で収穫を邪魔すると、あくまでも推理ですが」
「それは困る。上納もできなくなる」
「トレルラ村は何処に上納するのですか」
「ゾーマ・ラシアス城塞都市ソミリア伯爵だが、なにかあるのか。ここはラシアス領だからな」
「そうなのですね、私たちは山脈を超えてドーザ大陸東を南下してきましたので、南側はあまり知らないのです。ありがとうございます」
「そうなのか、あの山脈を超えて来たのか、若いのに大したものだ」
「ええ、港町ドルステインからゾーマ・ラシアス城塞都市に向かおうと思っていました」
「なら全てラシアス領だよ」
「はいそれで護衛が必要なら収穫の護衛をして港経由でと思いました」
「収穫は一部始まっているよ。護衛をしてくれるならありがたい。魔物は現れないが、盗賊はいるのでな。特に帝国兵上がりの盗賊は凶暴で手が付けられんと聞いている」
「でしたら私たちは冒険者です。荷物の護衛などは本来の役目。協力しますよ。でもその前に骸骨何とかしないとね」
「儂からも頼む、暗くなるまで食事して寛いでくれ」
「ではそうします。討伐もあるので酒はダメですが」
「ちぇ」トムスが漏らす。みんなに睨まれる。「こら未成年」「もうアトラム王国なら成人だぞ」
「日本は二十歳から、ダメでしょ」「なんでやねん」トムスとミルネの掛け合いコントが面白い。
「さっみんな、ひと眠りして、夕方には起きるよ」
「へい、姉御」
夕方17時に村長宅を出て、昼間行った墓場に向けて出発した。
「ねえ、ミソラ来ると思う」
「来ると思うよ。村の妨害を望んでいるなら特に」
「うへー聖魔法疲れるので嫌なのよ」
「ミリナしか使えないのだからお願いね」
「と言う訳でみんな、半悪魔化した獣人かエルフ、ドワーフが居る筈だからよく探してね。見つけたらミリナにお願いするけどダメだった場合は、捕獲して天国に行ってもらいましょう」
「そうね、半分魔に支配されているから話もできないし、浄化しか治せないし。かわいそうだけど、その方向で考えるけど、一応やってみるね」
「ミリナ無理しないでね」「わかってる」
ミソラ一行は墓場に到着した。
森の奥からカシカシと骨のぶつかる音が響いて近づいてくる。
「きた」タトルは剣を構える。
「ドネルグ聖水準備。それで身を守ってね」「あいよ、姉御」
「ミリナ、どの辺が魔素が強い」
「あの森の奥」
「了解。タトルとソラでこの周辺を守って、村に行かせないようして。ドネルグも聖水で動けなくして。
トムス、ミルネ、ミリナと私で元凶をやりに行くよ」「あいよ、姉御」
タトル、ソラとドネルグはゆっくりカクカク近寄ってくる骸骨を剣でバラバラにして、ソラの水魔法で凍らせ固めてしまう。ドネルグは村方向の街道に聖水を撒いて聖域を作り、骸骨が行けない様にしている。
骸骨は20体もいるが、ほとんど氷で閉じ込められ動けない。
「よし、今だ行くよ」ミソラ、トムス、ミルネ、ミリナで元凶の半魔人を探し討伐する為に骸骨が来た方向に走り出す。
「氷が解ける前に仕留めてねーー」ソラの声が聞こえる。「まかせろ」トムスが答える。
「近い、まっすぐ、10m位先」「トムス追い出して」「あいよ」
トムスは大きな木の後ろに隠れている半魔人を横から切りつけ、反対側に飛び出させる。
「現れた」半魔人は、元エルフの様だ、耳飾りも1つだけしている。
目は灰色に覆われ、どこを見ているのかわからない。服はボロボロで身長はミリナと同じくらいで、ゆらゆら上体が揺れている。
「かわいそうに」ミソラが言う。
「ミルネ、ファイヤーサークルで囲んで動けなくして。ミリナ例の魔法お願い。一回で終わるとは限らないから注意して」
ミルネが魔法を展開して炎を半魔人を取り囲むように放つ。
半魔人は「うぅぅぅぅぅぅ」と唸る。
ミリナは聖魔法を唱え始めている。発動までに時間がかかるようだ。
炎のサークルから逃げ出さない様にトムスとミソラで前後を挟んで警戒する。
「みんな気を付けて、炎では足止めしかできないから弱くなったら飛び出すよ。ミルネ炎が弱くなったらかけ直して」「はい」
・・・
「ホーリーディスペル」ミリナが叫ぶ。
半魔人は「うぉぉぉぉ」と叫ぶだけで炎から抜けられない。少し弱った風である。
「ミリナもう一度」ミリナは呪文を開始した。
ホーリーディスペルは魔に落ちた魂を浄化する魔法で、半魔人程度にはよく効くが、通常一度で浄化はできない。
半魔人が誕生する背景は、迫害などで絶望した獣人やエルフ、ドワーフなどが、同種族の死肉を食べる事で魂が魔に飲み込まれ、半魔人化してしまう。元々亜種族は魔素を体内に持っている為に起きる現象である。
半魔人は元々の能力が消え(エルフならば魔道通信)、新たに死人特に骸骨を配下にする事が出来、半魔人の意思のままに動く。(半魔人の能力はそれだけなので強くはない:ドラゴンを使役すると脅威となる)
骸骨自体に意思は無く、半魔人の考えを受けて動き回るだけである。
ただし骸骨は人間でなくとも使役できるので、大型動物や魔物が使役されると力だけは元のままになるので大変厄介である。(特にドラゴンスケルトンなどは軍隊でもないと無理である)今回は人間の骸骨なので生前の力しかなく、剣士たちの敵ではないが、何度も復活するので疲労してしまう。だから復活する前に骸骨を凍らせて再生しない様にするのが最善である。
ミソラ達はアトラム王国時代に冒険者として、半魔人と使役された魔物たちと戦った経験がある。
半魔人になってしまうと、普通、魂から魔を取り除くことはできない。だから討伐するしか道はない。
ミリナはアトラム王国で3人しかいない上級ヒーラーで教会での修行時代に魂の浄化魔法を勉強している。
ただし、使えるヒーラーは上級者だけである。
今はこれに賭けている。
「ホーリーディスペル」ミリナは叫ぶ。まだ駄目なようだ。
「ミリナあと何回使える」「ミソラあと一回」
「わかった。あと一回お願い。ダメなら討伐する」
ミリナは呪文を開始する。
「ミルネもう一度お願い」
ミルネは弱って来た炎にファイヤーサークルを重ねがけする。
ミソラは剣に炎を纏わせて、ミリナがダメだった時の保険を掛ける。
「ホーリーディスペル」ミリナは叫ぶ。
半魔人は立ったまま前に倒れる。「やったー」ミリナも膝をつく。
「ミルネ消して。トムス無効化」「了解」
炎が消えた。トムスは倒れている半魔人の背中に鉄拳を叩きつける。「これでしばらく目を覚まさないぞ」
タトル、ソラとドネルグが駆け付けて来た。「やったか。骸骨は分解したまま動かくなったぞ」
「ミリナがディスペル3回かけたけど起きるまで判らない」
「なら今のうちに拘束してしまおう」とドネルグは半魔人を後ろ手にロープで拘束をする。
「これだけ巻いておけば大丈夫だろう」
「起きる直前、警戒してね」ミソラは失敗した場合の注意を促す。
・・・
「うーん」「あっ起きた」「警戒」
「あれ、こ・・こは・どこ」
「ミリナ偉い」トムスが褒める。「崇めたまえ」「ははーミリナ様」「よきよき」こんな時でもミリナとトムスはコントを披露する。
「私はミソラ、自分の名前言える?」名前が言えれば半魔人化は浄化された証拠である。
「ソ・・ミ・ア」「ソミアちゃん?」「うん」
「いろいろ聞かせてくれる」「お腹空いた、喉乾いた」「そうね長い間食べたり飲んだりしていない物ね。ドネルグ」「はいよ」ミソラは拘束を解いて食べ物を渡す。
「ねっソミアちゃん、これあげるからゆっくり飲んで食べて、誰も傷つけないからもう大丈夫よ」
「あ・・り・が・とう」
「落ち着いたら話してくれる」「う・ん」
「ごほごほ」「ほらゆっくり飲んで」
「私は・・エルフ族のソミアと・言います。年は・・・多分150歳」
「150歳か、まだ子供だよね。お父さんかお母さんは?」
「いない、死んだ多分」
「そうか、帝国から逃げて来たの?」「うん」
「捕まるといじめられるから?」
「ううん。私奴隷エルフだったの。通信係をさせられて夜は・・・いやだった」
「そうだよね。嫌だよね。それで逃げ出したの?」「うん、ミミと一緒に」
「ミミもエルフ?」「うん」「それでどうしたの」
「ここドーザ大陸の帝都に住んでいたけど逃げ出して、ミミと一緒に東に向かおうとしていたの。何日も夜だけ森を歩いたの」「危なくなかったの」
「うん、ミミが魔除けを持っていたの、だから魔物は出なかった。この耳飾り、あれ1つない」
「偉いね。それで」
「何日も何日も歩いて東に向かったの。そうしたら高い山が沢山あって超えられなかったの。それで南に行って回ろうとミミが言って二人で森から森へ隠れながら山を回って此処に来たらしいの」
「南に回り込んだのだな、来たらしいとは」とトムスが聞く。
「ミミが獣に襲われて死んでしまって、せめてミミの魂でもと思って小指の先を切り離し持っていようと、かじってしまったら。そこから覚えてなくて」飲み込んでしまった様だ。
「そうか、帝国に嫌な思いがあってそれで人間を恨んでいたのですね」
「良く分からない」
「そうかもう大丈夫だよ」
「ミソラ状況は解ったけど、どうするんだ。連れてりゃ帝国にばれるぞ」
「トムス、どうしよう」
「ミソラ、俺たちの行き先は何処だった」
「ドネルグどういう・・・あっっ」「そうだよ、港町ドルステイン」
「海上自衛隊にお願いするのね」
「崇めたまえー」「いーやーだー絶対いーやーだー」ミソラは拒否する。「2回も拒否しなくても」
みんなは大笑いした。ソミアは訳が分からない。
ミソラ達はトレルラ村にばれない様に、ミソラとドネルグだけが村長のハーディに報告しに行き、みんなはソミアと共に墓のある広場に待機している。ミソラ達が帰ってきたら一旦隠れて村長たちと別れたら合流するつもりであった。
「村長元凶は浄化しました。もう骸骨は歩きません」
「原因は何だったのだね」
「はい、複数の魔物が墓で戦い、お互いの血が混ざりあい不浄の血に墓が穢されて歩く骸骨ができた次第です。今仲間が浄化しています。時間かかるし、もしそこで村人が怪我でもして血が付けば元に戻るのでしばらく・・、浄化が終わってから見に行ってください。明日くらいがちょうど良いです」
「それはそれは、ありがとう」
「それで村長、実は聖水が無くなりまして、護衛する予定でしたが先に港町ドルステインに行き聖水を仕入れたいと思います。村長も納品の時2~3本買っておいてください。村の入り口にまいておけば魔物は村に入れません」
「そんな便利な物があるのか。買い求める事にしよう」
「それは防衛の為に是非お願いします。ただし効くのは魔物だけですからね」
「わかった魔物だけなのだな。それでもありがたい。害獣なら村人で退治できるからな」
「では浄化が終わりましたら我々はそのまま出発します。お別れのご挨拶です」
「ゆっくりできんのか」
「ええ、我々冒険者は魔物との対決が多い物ですから聖水は必要不可欠なのです」
ミソラはすらすらと作った話を村長に伝える。
「わかった。ありがとうな。これはここで取れた小麦だ、粉にする前だからどこかで挽いて食料にしてくれ」
「こんなに沢山良いのですか?」
「かまわんかまわん。売るほどあるからな」村長ギャクなのかな。
「では遠慮なく頂いて行きます。あっ忘れてました。浄化してから1日経過後に骨を埋めてください。先に触ると元に戻る可能性があります。ですので2日待ってから埋めてください」
「わかった、護衛は残念だが村人だけでいつも運んでいるから大丈夫だろう」
「はい、途中で盗賊が出たら退治しておきますね。それでは村長お別れです」
「道中気を付けて行って欲しい。どこかであったら奢るよ約束する」
「それはありがとうございます。村長もお元気で」
ミソラとドネルグは大量の小麦を収納して墓の広場に戻っていった。
「おかえりー」
「ソミアちゃん、おねーさん達と港町ドルステインに行こう、そこには日本と言う軍隊がいて、ソミアちゃんの奴隷紋を消してくれるハイエルフさんを紹介してくれるよ」
「えっ奴隷でなくなるの」「そうよ」
「行く、行きます。お願いします」
「はい決まり。みんなソミアちゃんよろしくね」「よろしく」皆が挨拶する。
ミソラは無視しているが、ソミアちゃんはミソラの7~8倍も年上だぞ。いいのか。
ミソラ達は夜明けとともに山の麓を山に沿って南に下っていく。
自衛隊から貰った地図を見ると、それが近道だと判断した。
ミソラ達の旅にソミアが入り、ますます楽しいパーティーとなるようだ。
ありがとうございました。
半魔人怖いです。骨を取ろうとして飲み込んではダメですよね。
冒険はまだまだ続きます。