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戦闘国家日本 (自衛隊かく戦えり)  作者: ケイ
第1章 日本転移と自衛隊激闘編
107/251

第104話 帝国崩壊 その7 奴隷救出作戦2

第104話を投稿します。

いろいろクロージングしています。

ハイエルフ怖い・・・

 --------第7偵察隊状況開始前---------


 第7師団第7偵察隊より無線を受けた第101特殊普通科連隊第3小隊は逃走者の阻止を受け持っていた。

「ユリナリス商会倉庫裏に事前に取り付けてあった鍵をかけて倉庫裏扉を封鎖。

 続いて各自武装して屋根に上り、ユリナリス商会倉庫の裏からの逃走者を監視。捕獲せよ。

 特に各倉庫2階の窓に注意。以上。」

「了解」


 隊員達は倉庫裏扉から倉庫間路地に出て、ユリナリス商会倉庫裏扉を開かない様に鉄の(かんぬき)をかけて鍵を付けていった。これで倉庫裏から逃げ出すには、倉庫2階の窓からだけになる。


 各自本部に戻ると戦闘服に着替え、武装して89式5.56mm小銃を装備した。この小銃は特殊普通科連隊用短銃身型のパイプ型折曲銃床式になっている。偽装馬車に隠す目的もあるから短く小さく仕上げられた89式5.56mm小銃に仕上がっている。

 各自屋根に上がると5つのユリナリス商会倉庫2階窓を監視した。


 10分後ユリナリス商会倉庫に第7偵察隊が到着して状況開始され、正面では小銃の発射音が響いてくる。

 奴隷市場倉庫裏では何者かが裏扉を開けようとしてガチャガチャと音をさせている。

「ばかめ、あかんぞ」と思いながら隊員は監視を続ける。


 やがて奴隷市場の倉庫2階窓に人影が見え何かを話している様子が見える。

「やつら逃げ出すか」と言い警戒を強める。

 倉庫の2階は高さもあり梯子なしで飛び降りれば怪我をする者も居る筈だ。


 やがて倉庫窓が開いた。この窓は跳ね上げ式になっていて、持ち上げると引っ掛かりがありそこで止まる仕掛けであった。どの倉庫も仕様は一緒である。

「出て来るなよ」と祈りながら照準を合わせる。背中を叩かれ「阻止だ」と指示を受ける。「了解」


 奴隷市場の倉庫内が騒がしくなる。突入または確保に入った様子。

 無線を聞いていた先任士官の2等陸曹が、「くるぞ」と言う。

 倉庫内部では全員の拘束が行われている。

 2人が2階窓に現れた。先任士官は無線で第7偵察隊に連絡する。

「2名発見、窓をのり越えない様に威嚇射撃。開始。」


 窓から逃れようとしていた用心棒らしき風体の二人は、突然窓の外から撃たれて驚いた。

「当てるな、下から偵察隊が追うはずだ。足止めの為に威嚇を続けろ。」

 用心棒は逃走を諦めて、その場で腹ばいになる。

 その様子も無線で連絡する。「今隊員が2階に上がる、警戒のまま待機。」

 やがて3名の第7偵察隊本部隊員が2階に上がる。

 先任士官の2等陸曹は屋根の上で上体を起こして敬礼をする。「小銃収め、安全装置確認。」

「了解、安全装置確認。」と言い。「ア」に射撃レバーを戻す。銃口は空を向く。


「各班、不審者は発見したか」「現在までありません」「よし」「2班、4班は引き続き監視を続行。残りは本部に戻る。」「了解」


「今応援要請が入った、戻ったら行くぞ」「了解」


 一度、第101特殊普通科連隊第3小隊本部に戻った隊員達は本部倉庫に戻ると外に出て鍵をかけ、奴隷市場が行われていた倉庫に向かう。

「第101特殊普通科連隊第3小隊応援に来ました。」と言いながら車両の間を通り抜ける。


「よく来てくれた。アルタ応援を連れて、奴隷倉庫一階と地下の奴隷を見分。知り合いがいないか確認した欲しい。」

「野田2等陸佐了解しました。さっ行くぞ、予定通り2班は監視しているな。」

「はい予定通り2班と4班を張り付かせています。」

「了解。早速行こう。」アルタは平服で隊員は全て戦闘服に着替えている。違和感しかない。


「おお来てくれたな」「はっ染谷3等陸佐殿、見分の手伝いをします。」

「頼む、言われていた帝国兵の捕虜を見つけ出してくれ。まずはこいつだ。」

「おぃ見た事あるか」「アルタ隊長・・・どこかで見た記憶が・・・」

「あっーー第1師団騎馬隊の副隊長だ、たしか「サリエル」だと思います。」

 1階で吊り下げられていた帝国兵士は騎馬隊副隊長のサリエルであった。まだ寝ている様だ。

「死んでいますか。」「いや眠らされている様だ。」

「染谷3等陸佐殿、帝国第1師団騎馬隊のサリエル副隊長と確認いたしました。」

「ありがとう助かる。」本部要員は首に細いロープをかけてプレートに「騎馬隊副隊長サリエル」と書き入れた。


「では引き続き、この袋に入っていた要人らしき者を確認して欲しい。」

「染谷3等陸佐殿・・・これは皇帝のトルフェイ后にそっくりです。遠くで見た事があります。」

「では、こちらは」

「これは・・ルミア皇女です。一度、第5師団の閲覧式で見た事があります。」

「トルフェイ后にルミア姫か・・だとすると、サリエルは護衛隊だな。」

「そうだと思います。サリエルは勇猛果敢で有名でした。」


「ありがとう助かる。続いて地下もお願いする。」

「了解です。」


 アルタと第101特殊普通科連隊第3小隊は地下に降りていく。

 金属を切る騒音が響き渡っている。

 音に負けない様に「第101特殊普通科連隊第3小隊です。見分お手伝いに来ました。」

 相手も大きな声で「そうか助かる。端から見て行ってくれ。」

 アルタ達は人間の奴隷を中心に見ていった。

「おまえ、ソリアなのかと声がする。」「リ・・ル・ケ・なのか。お前も・・・」

「助けに来た。頑張れ。」


「隊長、この者達名前は解りませんが、第1師団の騎馬隊員ですよ。」8名の新入り奴隷であった。

「間違いないかおまえ達。」「はい我々は第1師団騎馬隊員です。騙されて捕らえられました。残念です。」

「そうか、私はアルタだ、抵抗しないと誓え。」

「お前は日本に協力しているのか、裏切り者。」


「面白い事を言うな。眠り薬で奴隷にされてりゃ世話ないぞ。」

「くーー。」騎馬隊員は悔しがる。「とにかく、抵抗すると撃つからな、大人しくしろ。」


 アルタは檻の鍵切断の順番を待ち、開いた檻から元兵士達を連れ出し一画に座らせた。

「この者達2名は元帝国第5師団兵士の奴隷です。」

 本部要員が近づき「奴隷になった経緯を聞かせてくれるか。」と言う。

「は・・・い・・・」体力が無いようだ。「うーん、先に水と食料を与えるから、食ったら協力して欲しい。」

 奴隷は答える気力もなくなり、コクコクと頭を振る。


 アルタ達は騎馬隊の奴隷達を引きずり出し、座らせる。「お前たち奴隷紋が付いているぞ」

「えっ・・本当だお前背中・・俺もなのか」

「まっ尋問するから座って待っていろ。抵抗したら向こうの隊員が容赦なく撃つからな。」

 アルタは新入り奴隷の元騎馬隊兵士に嫌味を言うが、撃つのは本当だ。本当なのか?


 他の檻からエルフや獣人達を出して整列させて座らせた。

「お前たちも奴隷になった経緯を聞くから座って待っていてくれ。水と食料がもうじき来るから渡すので、緊張を解いてゆっくりしてくれ。」とアルタ。


 地下に捕らえられていたエルフは3人、奴隷期間が長い様で、かなりやつれている。

 獣人は虎族が男5人、女1人、キツネ族女3人、ウサギ族女が5人、熊族男1人、犬族男2人女

1人、猪族男2人に騎馬隊員が8名と3名、元第5師団が2人の合計36名もいた。


 アルタは1階に戻り染谷3等陸佐に報告する。ついでに奴隷の一部は弱っており水食糧と手当が必要だと伝える。

「わかった。もうすぐ応援と護送隊が来るからその前に食料と水を配給して欲しい。」

「了解」アルタは地下の入り口に行くと部下4名を呼び寄せ偵察隊本部から奴隷用の水と食料を人数分受け取り地下に戻っていった。

 アルタ達第101特殊普通科連隊第3小隊はヒートパックで食料を温め、容器に移して与えていく。

「はい、水はゆっくり飲んで、食料も少しずつ食べてください。」と奴隷達に渡していく。


 

 その頃、交易都市リリコネの市街は大騒ぎになっていた。

 なにしろ夜中だと言うのに戦闘車両が見た事無い速度で大通りを倉庫街に向かって行き、大きな音と弾ける音が断続的に響いてくる。

 市民達は外を窓から伺っていたが、やがて大きな戦車が通過していく頃には、市民は外に飛び出し何事かと見送っている。どんどん戦闘車両が通過していって倉庫街に向かって行く。


 普段倉庫街は用心棒達が昼から酒を飲んで見張っており、一般市民は治安の悪い地区として近寄らない。

 特に夜はその傾向が強く、「若い女は攫われるから近寄るな」とまで言われている危険な場所だった。

 それが今夜に限り、前にリリコネに来た日本の自衛隊と名乗る軍隊が倉庫街に集結を始めている。

 勇気あるものは市街から倉庫街に向かう通りに集まり、向こうで起きている事を見守っていた。


 ・・・・

 やがて深夜なのに空から騒音が響き、ピカピカと光る大きな黒い物が倉庫街の上空に止まっている。

 なにか明るい光が上から下に流れたと思ったら、黒い物からロープが下りて人が滑り落ちて来た。

「何と言う事だ。人が空から降りて来るぞ。」「こわい、リリコネが占領されるのね」

「いや自衛隊と聞いているぞ、倉庫で何かあったのか、ここからは見えん。」


 V-22Jオスプレイから倉庫街の広い道路にラペリングした第11普通科連隊第3中隊は第7偵察本部の指示を受けて、市街と倉庫街につながる街道の封鎖を実施した。

「みなさん、危険ですから下がってください。お騒がせしています。」


 野次馬が聞く「倉庫街で何かあったのですか」「さっきの大きな鉄馬車は何ですか」「リリコネを占領するのですか」「教えてください」

 警備担当の第11普通科連隊第3中隊第1小隊と向こう側の道路を閉鎖している第2小隊も同じような事を聞かれている。


 市民達を治める為に本部に連絡して一部事実を伝える。

「みなさん聞いてください。」市民達は静かになる。

「この先の倉庫で奴隷取引が行われていました。首謀者達を捕らえ現在聴取しています。詳細が解れば公表しますので、一旦解散して頂けますか。」

「今教えてくれ」「やっぱり噂は本当だった」「こわい、攫われた者も秘密市場で売られ・・」


「いえ、時間がかかります。それに首謀者達は逮捕して本部に連れて行きますので後日になります。」

「それより、空飛ぶ黒いのは何だ、あれだけでも教えてくれ。」


「あっあれは、我々が乗って来たオス・・空飛ぶ機械ですよ。見られた皆さんは幸運ですよ。」

 何だろうと言いながら市民達は家に戻っていく。



「野田2等陸佐って何方かしら。」まぶしい位綺麗な人が近づいて来た。

「はい、私が野田です。どちら様。」野田は帝国第2師団攻撃時本部で指示していたので、会った事は無かった。

「マリアよ。面白かったわ。」「あっハイエルフのマリアさんでしたか、まさかオスプレイからラペリングしたのですか・・」

「そうよ楽しかったわ。」「いやー自衛隊員でも何回も訓練してから実戦を行うのに大したものだ。」

「ふふふ、親切に教えてくれる隊員さんが沢山いるのよ。」

「わかりました。奴隷がいる倉庫はあの倉庫です。あの明かりがついている倉庫です。中に染谷がいるので案内させます。倉庫までお願いします。」「わかったわ」



「染谷さんって何方」「マリアさんですねエルフ救出の際はお世話になりました。」

「いえいえ、かえって皆様の手を煩わせてすいません。」

「早速ですが、地下に奴隷紋が付いた奴隷が36名おります。見て頂けますか。それが終わればこの者達の尋問をお願いします。」

「んっここに寝ている人たちは?」

「どうも眠り薬を飲まされて誘拐されて来た人たちです。話を聞いて真実か確かめたいと思います。先に地下へお願いします。」と言い染谷は案内する。


 地下では渡された食料と水を奴隷達は飲み食べている。ただししばらく空腹が続いたようで少しずつしか食べられない。食料は「おかゆ」である。


 マリアはさっと見渡して獣人が多い事に気が付いた。

「染谷さん多分獣人さん達は、炭鉱や力仕事で連れてこられたか、領主私設軍隊の標的・・・と思います。」

「そんな事が。」

「ええ帝国の奴隷で獣人は多いのですよ。ウサギ族は別の使い方があるようですけれど、どちらにしろ良い方向ではないです。かわいそうに。」

「では端からお願いします。」そう言うと本部隊員2名をマリアに付けて記録していく。


 ここから思念と言葉でマリアは聞いていく。記録係様に言葉で思念で聞いたことを説明する。

 聞き終わった奴隷から奴隷紋を解除していく。

「うーん普通の奴隷紋ね。簡単。」とマリア。


「あなた方は、帝国第1師団騎馬隊の方々ですね。」

「えっハイエルフ・・・なのか。ハイエルフは日本に協力しているのか」

「はい、そうですよ。」マリアはにっこり笑う。少し怖い。


「ううう」

「あら奴隷紋付けたままにしておきますね。暴れない様に。うふ。」

 帝国兵士達は何を思ったのだろうか・・・やはり怖い。


「お願いだ取ってくれ」と帝国騎馬隊は懇願するが、華麗にマリアは無視する。


「ふぅ疲れたわ、少し休憩ね。」

「マリアさん何か飲みますか。」

「ミルクティーお願いするわ。」

「了解しました。」偵察隊にあるのか・・


「お待たせしました。熱いのでお気を付けください。」「ありがとう」


「さて、次は1階ね」とミルクティーを飲みながら移動する。偵察隊本部の二人も付いてくる。


「マリアさん、捕虜からお願いします。」

「はーい」

 マリアは思念で読み取った個人情報を次々記録させていく。本人たちは何も言わないのに・・・


「あら、番頭さんのミサイアさん。」ミサイアはギョットした。「ハイエルフ・・・」

「こんにちは」マリアは輝く笑顔で言う。

「・・・・」

「さて、ミサイアさんはユリナリス商会の3番目の番頭で、実質暴力団ミルタ団の団長ですよね。

 大きな指示はユリナリス商会会頭のユリナリスから受けているけど、実際の誘拐に殺人に奴隷売買の責任者はあなたですよね。はい、ありがとう。」ミサイアは何も言ってない。

・・・・

「うーん帝国第1師団騎馬隊が護衛して来たトルフェイ后にルミア姫を騎馬隊事誘拐して、人身売買をして・・宰相?サイネグ宰相の指示なのですね。」


「なに」聞いていた染谷は思わず声を上げてしまった。

「染谷さん、その他の方は暴力団ミルタ団の構成員と雇われ用心棒の方々ですね。これ以上詳しい事は聞かされていない様ですよ。」

「わかりました。先ほど隣の倉庫地下で1名拘束しましたので連れてくるように指示しました。」

「はーい」


 ミサイアを残して暴力団は全て表に出して道路に座らせ見張っている。



 第2戦闘偵察小隊が不審者一人を拘束して連れて来た。

「あら、ユリナリスさん。」「なに会頭を捕らえたのか。」

「お前は日本の・・この前来た奴だな。」

「ええ、隊長と行きましたよね。しばらくぶりですね。」

「ふん」


「あらあら、悪い方、商会の会頭とミルタ団会長ですよね。お金で人殺しをミサイアさんに依頼して商売相手を潰して今の地位ですか。今回は宰相サイネグさんの指示で宰相の逃走資金作りと自分の儲けの為に皇帝ガリル3世のトルフェイ后にルミア姫を売り飛ばしてしまう計画ですよね。すごいわ。怖いもの知らずなんですね。こわーーい。うふ。」マリアさんの方が怖いと思うのだが・・・


「なに、ハイエルフなのか・・・終わりだ、全て終わりだ。くそーもう少しだったのに。」


ありがとうございます。

尋問にハイエルフは早くて良いですね。

警察にもいると便利です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様です。 全てを明らかにするマリアの視線・・・・ 頭の中を覗かれた疚しい考えの者の胸中や如何に? 次回も楽しみにしています。
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