第1話 ブラックアウト (改)
よろしくお願いします
初めての作品投稿ですのでよろしくお願いします。
2020/05/29 改訂
1989年3月に磁気嵐による大規模停電がカナダを襲った・・
それから33年後の2022年4月16日13:00に国立天文台(大学共同利用機関)・気象庁・情報通信研究機構(宇宙天気予報)の3団体(監修は総務省)による緊急共同記者会見が気象庁会見室にて行われた。
冒頭に3団体を代表して、国立天文台代表 佐野剛東大名誉教授の状況説明
「過去に大規模磁気嵐による送電設備の不具合にかかわる停電がありました。
それ以後各国の天文学者および太陽観測衛星により、太陽黒点活動の観測を行っております。
日本おいても、スーパーコンピュータ(スパコン)京3の後継機であるスパコン「GAI-1」
におけるスーパーシミュレーションにより、2日後の4月18日15:00から約15分間大規模太陽フレアによる磁気嵐が日本を覆うことが予測されています。
関係各所並びに各国研究室と連携し、シミュレーションを検証した結果、ほぼ78%の確率で発生が予測されています」
司会者が次の方を
「ではここで、気象庁より大規模磁気嵐による被害想定について説明いたします」
気象庁広報官である、村雨芳樹が説明を行う。
「よろしくお願いします。
大規模磁気嵐による被害想定ですが、今回は日本列島全てがこの範囲に入ります。
通信等インフラ災害については情報通信研究機構からご説明申し上げるとして、気象庁としては、
その他災害についてご説明いたします。
懸念される最大の被害は、衛星等の故障についてです。
日本上空を災害スポットとして、上空の衛星、特に『ひまわり』や管轄外ですが、『みちびき』並びに『インテルサット』や『JSAT』などの中継衛星やインターネット中継衛星が考えられます。
なかでも静止衛星は大きな影響を受けることが想定され、古い衛星については、救う手立てはありませんが、軌道変更可能な衛星については当日2時間前より軌道変更を実施します。
これにより衛星からの情報通信が不安定となります。特にGPS等が不安定となりますので、付近を航行する航空機は避難着陸を船舶について寄港をお願いします。
また自動航行システムの車両については、当該時間帯の4月18日14時から停止措置をお願いします。
さらに、同時に大規模停電の可能性もあり、当該時間帯の外出は控えるように、さらに各商店、特に地下街に置きましては、非常口の異常動作や排水ポンプの異常が考えられますのでできる限り営業を自粛するようにお願い申し上げます。
なお各電力会社と協力し、大規模停電の対処を実施しています。
ただし、ある程度対策は完了していますが、なにが起きるか判らない程の、前例がない大規模磁気嵐が予測されていますので、楽観はしておりません」
司会が次の人物を指名する。
「つづきまして、情報通信研究機構 広報官 小林和樹よりご説明申し上げます」
「気象庁よりご説明頂いた通り、通信インフラは電子部品の塊ですので、相当な被害が予測されます。
停電による不正規電流・電圧よる電子機器の故障が懸念され、電話・インターネット・専用回線等や交換機にサーバーに深刻な被害が予測されます。
防止策は当該期間において、電気的に孤立させることが必要です。
つまり事前に電源を外し、通信回線からも切り離しが必要と考えます。
磁気嵐終了後の故障状況については、(磁気嵐の)規模が不明の為に、被害想定は困難を極めております。
各機関や民間施設への警告は、総務省が中心となり実施しております。
どうぞ国民みなさんのご理解をお願いします。
当該時間帯については、外出を控え、家庭内機器についてはそのすべての電源をコンセントから抜いて、できるなら、インターネットや固定電話も外してください。
故障の原因となるどころか、火災の原因となる可能性もあります」
司会者により、その後各社から質問がなされたが、前代未聞の大規模災害に対して、列席者は明確な回答を用意できなかった。
しかし、各記者も当該時間の2時間を乗り切れば、元通りの生活に戻れるかなとの楽観的雰囲気が会場を支配していた。
国民はテレビ中継や各ワイドショーの解説員により、大変な事が起きそうだと予感していた。
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そして2022年4月18日15時を迎えた……
『大規模磁気嵐』に日本国が見舞われ、15時から15分のブラックアウト。しかも北海道から沖縄にかけて、震度2の地震発生、注意・避難連絡勧告は発令されておらず、3~5分程度で地震は終わり、ブラックアウトは、その10分後に終わった。
政府は一次的危機を過ぎたと判断して、各航空機を飛ばして、火災や浸水・洪水の情報収集にあたらせていた。
結果として日本列島の強大な質量が何らかの振動により異常をきたした様だとの見解があり、これの調査に航空自衛隊よりRF-4Eの旧式戦術偵察機、F-35A、F-15JおよびF-2、海上調査はP-3Cがその上空をE-767が北部と南部に調査偵察を行った。
ブラックアウトには地震の予定はなかったが、みんなの記憶から忘れられていた。
驚異の発見はまだあとのことである。
つぎは日本が変な形で転移してしまったので、大騒ぎになります。