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第18話

 

  第18話




 夕食をすませて各自がその余韻に浸りつつ自室へと戻った。

 シャワーを浴びたら、明日からの方針を考えなければ、ならない。

 

 「ルカ、イゼリナ、今いいか?」


 ツインルームの前でノックする。

 女性の部屋だからな……。

 

 「大丈夫です」

 

 イゼリナの許可があったので、ゆっくりと扉を開ける。

 すると、入ってすぐ左手にある扉が開き――


 「ふぅ〜気持ちよかったぜ」


 ルカが、全裸で出てきた。

 ルカが浴室から出てきたのだ。

 ルカと目が合う――というかルカのすべてが目に映る。

 シャワーを浴びて火照った肢体は、まるで白桃のような色合いで小さくまとまった体は、暗殺者として無駄なものをそぎ落としたような――

 突如、目の前に、足が迫ってくる。


 「あっぶねぇ!!」


 すんでのところでそれを回避。

 ルカは、膝蹴りを繰り出してきたのだ。


 「避けてんじゃねえ!!この変態!!」

 「イゼリナからは許可をとったんだが」


 ルカが、イゼリナの方を向く。

 俺に尻を晒してることに、気付いていないのか

 

 「イゼリナぁぁっ!!お前もこの変態と一緒に並べ」

 「変態と一緒に並ぶとか、ちょっと嫌です」


 イゼリナにまで、変態扱いされてる?


 「そもそも、お前が俺が来ていると知らずに浴室から出てきたのが悪いんだろ?ガキみたいに素っ裸で出てきて…お前も女なら慎みを覚えろ」


 悪いのは、俺ではないし俺は変態じゃない。


 「体つきがガキみたいだってぇ!? 窓から外へ落ちろっ!!」


 ルカは赤らめた顔を隠すように俯きながら俺を部屋の窓際へと押していく。

 

 「そんなことは言ってないんだが……しょうがないな」


 俺は、ルカを抱えて浴室へと向かう。


 「おい、気安く触るんじゃねぇっ!!」


 ばたばたと手足を動かして暴れるルカは本当に子どもみたいだ。


 「服を着てこいっ!!」


 浴室に押し込んで、扉を閉める。

 

 「多分、浴室に服は置いてないと思いますよ?」


 イゼリナが、遠慮がちに言ってくる。


 「どうして、それを先に言わない……」

 「いやだって、面白いから」


 イゼリナは可笑しくてたまらないとでも言いたげだ。


 「服を持って行ってやれ」

 「はい」


 イゼリナは笑いながら服をもって浴室へと入っていった。


 








 そんなひと悶着があってようやく作戦会議だ。


 「さっきの恥辱、忘れねぇぜ?」


 ベットに腰かけたルカは不機嫌だ。


 「悪かった、悪かった。その話は、ここで終いにして今後の方針を考えるぞ」


 俺は、フィリップ公爵家とシーザリオ伯爵家の周辺が子細に描かれた地図を机の上に広げた。

 

 「現状を整理すると、砦の再整備が行われてること、両家の領地へ向かう人の数が漸増していることの二つが与えられた情報だ」


 砦を筆で丸く、囲む。

 

 「俺が思うに、とりあえず反乱のための再整備であり、兵力の増強だという確証を得ることが先決だと考える」

 

 イゼリナは


 「そうですね」

 

 と同意を示したがルカは、


 「地味でつまんねーな。直接、公爵サマか伯爵サマに聞こーぜ?」


 と、しょうもない意見を言った。

 頭ごなしに、否定するのは簡単だがさっきのこともあったし少しだけルカの意見の肩をもとう。


 「それも方法としては悪くない。短期決着を図るならそれでいいだろう」

 「だろだろ?」


 ルカはドヤ顔を浮かべる。


 「でもな、王女様の言葉を覚えているか?」

 「なんか言ってたか?」


 聞いてなかったのか……。


 「王女様曰く、両家の領地に送られた密偵が帰還しないそうだ。つまり、敵対する技量のある暗躍組織があるということだろう」


 ルカは不満げに


 「【冥府からの使者】が負けるというのか?」


 と言ったが、俺たちは負けなかっただけで危ない目には、いくらでもあっている。


 「負けないと言い切ることはできない。おそらく相手にも【冥府からの使者】のメンバーがいることが考えられっるし、そこまで決着を急ぐ問題じゃない。わかってくれるか?」

 

 ルカは不満げな顔で


 「つまんねーな」


 と言ったが、驚いたことに


 「んで、どこから行くんだ?」


 と、話を進めようとした。

 近いうちに天変地異か何かが起きるかもしれない。


 「そうだな、とりあえずどこかに情報を仕入れに行きたいな」

 「再軍備中の砦に行ったらどうでしょうか?」


 イゼリナが持ち前の頭の良さを発揮して、提案してくる。

 確かに、人の多いところでは潜伏しやすいし、情報は仕入れやすい。

 もっともな提案だった。


 「それが妥当だな。しかし、男の俺は工夫として紛れ込めても女のお前らはどうする?」


 イゼリナとルカは、互いに顔を見合わせ頷き合うと笑みを浮かべる。


 「いってら〜」

 「任せましたよ?」


 俺一人でお前らは、ここで留守番か……食費がすごいことになりそうだな。

 よし、却下だ。


 「お前らをここに残したら何をしでかすかわかったもんじゃないからな、それはできない」

 

 イゼリナは、むくれ顔をするが


 「わかってますよ、それくらいは」

 「バカにしすぎじゃねぇか?」


 2人は、工夫への給仕などをする女性たちに紛れるということになった。


 「あ、でもこのルカ様は、家事はやらねーぜ?」


 やらないんじゃなくてできないんだろ……。


 「イゼリナ……そっちは任せぞた」

 「えぇぇ……」


 こうして方針は、定まった。

 目的地は、再整備中の砦だ。


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